2013年12月9日月曜日

『ロビン:イヤーワン』を語る

こんにちは!

今回は、10月末に発売した『ロビン:イヤーワン』の紹介をいたします。

まるまるロビンが主人公の物語が邦訳されたのは……本書が初めてではないでしょうかね。もちろん、ロビンが登場する作品やメインになっている作品は邦訳版でもありますので、本書を読んでさらにロビンが好きになった読者さんは、いろいろ探してみるのもいいかもしれません。
バットマンとロビン――アメコミを読んだことのない人でも、この二人の名前は聞いたことがあるでしょう。ロビンはバットマン映画にも登場する、バットマンの世界には欠かせないキャラクターの一人です。アメコミでも「サイドキック」という言葉がよく用いられます。これはサッカーでの蹴り方のほうではなくて、「主人公と行動をともにして、サポートする役目のキャラクター」つまり「ヒーロー(主人公)の相棒」のことです。まさしくロビンは、バットマンのサイドキックですね。

またロビンは驚異の少年(ボーイ・ワンダー)とも呼ばれています。なぜ驚異の少年ロビンなのかは、この初期エピソードを綴った『ロビン:イヤーワン』を読めばわかると思います。ちなみに「イヤーワン」とは、そのキャラクターが成熟する以前の初期エピソードを綴った作品に付けられていることが多いです。ですので、この「イヤーワン」は、比較的複雑になる前の物語ですので、アメコミ初心者の方にもお薦めしやすい作品です。またアートのタッチもカートゥーン調ですので、日本人にとっても親しみやすい絵柄になっています。

さて、本書は“ROBIN: YEAR ONE”#1-4(2000年12月~2001年3月)をまとめた単行本の邦訳版です。サーカス少年だったディック・グレイソンは大富豪であるブルース・ウェイン(バットマン)に引き取られ、バットマンのサイドキック「ロビン」と名乗って自警活動をはじめた直後の冒険が描かれています。時系列的には『バットマン:ダークビクトリー』(邦訳版ヴィレッジブックス刊)のその後でしょうか。邦訳版の刊行直後は、可愛くも逞しい初代ロビン(注1)となったディック・グレイソンの冒険譚として本書を紹介していますが、読んだ方はお分かりかと思いますが、ロビンやブルースを支えるアルフレッドの温かい愛情を垣間見れるとってもいいストーリーなんです。モノローグもアルフレッドが中心なので、読後感はアルフレッドの物語だったのでは?とも思わせるぐらいです。

ロビンは、バットマンという闇を照らす光のような存在です。本書を読んでいただければ、改めて気づくと思います。男性、女性問わず納得できる作品ではないかと個人としても思っていますが、解説を書いていただいた高木亮さんがこう綴っています。

「多くの男性読者はバットマンに憧れを抱くが、完全無欠のバットマンにはなれないことを心のどこかで自覚している。しかし、ロビンの場合には、自分もなれるのではないかという気持ちがあり、どこか親近感を抱かせる部分がある。一方、女性読者はロビンに対して一種の保護欲や母性本能をかきたてられるようだ。つまり、ロビンとは男女両方から愛される存在ということである。」

なるほど。本書をきっかけに日本のロビンファンがいっそう増えることを願っています!

(注1)
「初代ロビン」と記しましたが、ロビンは何度か代替わりをしています。ちなみに確認されるだけで、ロビンは5代目になっています。それぞれのロビンの詳細は本書内の巻末解説を読んでいただくか、小社より発売している『DCキャラクター大事典』をぜひご覧ください。

初代ロビン ディック・グレイソン

二代目ロビン ジェイソン・トッド

三代目ロビン ティモシー(ティム)・ドレイク

四代目ロビン ステファニー・ブラウン
 *ただし現行シリーズ「ニュー52」で、ステファニーの存在は確認されていません。

五代目ロビン ダミアン・ウェイン
 *ステファニーが“なかったこと”になっていれば四代目でしょうか。

正史の出来事ではありませんが、小社刊行の『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』でキャリー・ケリーという少女がロビンとして活動しています。

初代ロビンの快活な姿が読めるのが本書『ロビン:イヤーワン』であるならば、二代目ロビンのジェイソン・トッドの悲劇と三代目ロビンのティム・ドレイクがロビンになるまでを描いた作品が収録されている『バットマン:デス・イン・ザ・ファミリー』と、さらにバットマンと深く関わる謎の男レッドフードが活躍する物語『バットマン:アンダー・ザ・レッドフード』(今月発売予定)は、ロビンを知るうえで欠かせない作品ですので、要チェックですよ!

ではまた!


(文責:山本将隆)