2014年6月30日月曜日

予備知識ゼロで名作『リトル・ニモ』を読んでみた

こんにちは!

今日で6月もオシマイ、ということで社会人の方は忙しい一日だったのではないでしょうか。学生の皆さんはそろそろ試験期間ですね。夏休みまであと少し、がんばってください。

さて、前の担当回はまったく自由なブログにしてしまいましたが、脱線を元に戻して、刊行予定の「アメコミ」をご紹介です。

『リトル・ニモ』ってご存知かしら?


「ニモ? ああ、もちろん知ってるよ。あのオレンジの魚だろう?」

確かにそれもアメリカ生まれのキャラクターですがちょっと違います。
今回紹介する『リトル・ニモ』は、1905年10月の初掲載からニューヨーク・ヘラルド紙などアメリカの新聞各紙で掲載された新聞連載漫画です。
『リトル・ニモ 1905-1914』
ウィンザー・マッケイ[著]
小野 耕世[翻訳]
6,000円+税
●8月9日発売予定●

ニモは5歳の少年。
夢の国の王から「ニモを連れてきてほしい」という命を受けて、使者のウンプがやってきたところからストーリーは始まります。

はじめのうち、毎回違う使者がニモを夢の国へ誘いにやってくるものの、途中のアクシデントでニモは目覚めてしまいます。
どうやらうなされているのか、パパ・ママ、おじいさん・おばあさんが代わる代わるやってきて「寝る前に○○を食べたからだよ」とひと言。

なんだか「寝る前にトイレに行かないとおねしょする」を思い出しますねぇ。



連載開始から5ヶ月ほど経ったあたりから、それまで1話ごとにシチュエーションや登場人物が変わっていたのが連続したストーリーになっていきます。
「悪夢でうなされて起きる」や「家族が起こしに来る」というのが少なくなって、次第に「眠っていたいのに もう朝なの?」と不思議な世界を楽しむようになっていきます……。

作者、ウィンザー・マッケイはアメリカ・ミシガン州生まれの漫画家、アニメーション監督として活躍しました。
見せ物小屋でポスターや絵看板を描く仕事に従事しているうちに才能を認められ、地方紙のスタッフ画家としてニュースのイラストや漫画の仕事を手掛けるようになりました。
1903年以降はニューヨークで、漫画やアニメーションの世界で活躍。
ニモが生まれたのもその頃です。
また自らで描いたイラストを撮影して作った1911年『リトル・ニモ』1914年『恐竜ガーティ』などアニメーション史に残る優れた作品を残し、「アニメーション映画の先駆者」とも言われています。

ちなみに主人公の少年「ニモ」の名前は、ラテン語で「誰でもない者」の意味<Nemo>からつけられています。
『海底2万マイル』のネモ船長も由来は同じなのだとか。


クリエイターに影響を与えた『リトル・ニモ』の世界観


『リトル・ニモ』のストーリーが展開される“夢の国”。
この奇想天外な世界を描いた本作は根強いファンに支持されて、後世までクリエイターに多くの影響を与えたといわれています。

複雑な空間表現技法、生き生きとした色遣い、新聞紙面という大きなサイズをのびのびと生かしたコマ運びなど、110年前の作品とは思えぬほど。アートの美麗さや構図の斬新さは、今なお鮮烈な輝きを放っています。
カラフルな色使いや、異国情緒あふれる衣装、動物たちの描写などは、作者がかつて関わったポスターやイラストの仕事がそのベースにあるのかもしれません。

本作は高い評価を受け、アメリカ漫画史に残る屈指の傑作として知られるようになりました。

小社より発売する『リトル・ニモ』は


1世紀を超えて人々を魅了し続ける『リトル・ニモ』
日本でも幾度か出版されてきましたが、今回小社から発売するのは1905~1914年に連載されたストーリーをすべて収録しています。
1934年7月26日に亡くなった作者、ウィンザー・マッケイの没後80年にあたる2014年。
海外コミック研究の第一人者・小野耕世氏による翻訳で『リトル・ニモ』邦訳決定版をお届けします。

100年前から子どもたちを魅了してきた“夢の国”へ、あなたも旅してみませんか?


編集担当が熱く語る『リトル・ニモ』は、今週更新の『BDfile(ベデフィル)』でもお届けします! こちらもお楽しみに。


(文責:石割太郎)