2014年7月7日月曜日

絵本のような名作『スパイダーマン:ブルー』を紹介

こんにちは。

今日は7月7日、七夕です……が全国的に空模様がイマイチのよう。
それどころか、7月としては過去最大級の台風がやってきているとかで
織姫と彦星は残念ながら来年まで逢えそうにないですね。

そんな、はじまったばかりの7月ですが今月はShoPro Booksから久々のマーベル作品『スパイダーマン:ブルー』をお届けします。
『スパイダーマン:ブルー』
ジェフ・ローブ[作]
ティム・セイル[画]
高木 亮[訳]
2,000円+税
●7月29日発売予定●
「名作」といわれる『スパイダーマン:ブルー』スパイダーマンファンの方だけでなく、初心者の方にも手にとっていただきたいこの作品を発売前ですがその内容をご紹介します!


あらためての“おさらい”

1962年に誕生した『スパイダーマン』、主人公はご存知「ピーター・パーカー」
彼は“ガリ勉パーカー”と言われるほど学校の中でも影が薄く、さえない青年だった訳ですが、スパイダーマンとして活躍するうちに、いろいろな人との関係が広がっていきます。

現在までのベースとなるストーリー、あらすじのおさらいは小社刊『ベスト・オブ・スパイダーマン』を読んでいただくのが一番です。未読の方は、アメコミ魂「『ベスト・オブ・スパイダーマン』を読んでみた話」もあわせてご覧ください。

◆誰もが知る2人のヒロイン

本書のヒロイン「グウェン・ステイシー」「メリー・ジェーン(MJ)」
ファンの方にはもうおなじみですがグウェンといえば『スパイダーマン』のストーリーに欠くことのできないピーター・パーカー初めての恋人。またメリー・ジェーンは、後日ピーターと結婚することになる女性でその初登場からピーターを振り回す自由すぎる女性、です。

本書は、大人になってMJと結婚したピーターがまだ若かったころ(=初期のエピソード)を思い出しながらグウェンに語りかける、という形で展開していきます。
※2002年の作品なので、現代のピーターとMJは夫婦になっています。

本書各章のサブタイトルはジャズのスタンダードナンバーから取られていたりティム・セイルの描くアートは1960年代のスパイダーマンを髣髴とさせる、など全編に渡ってノスタルジーを感じさせる仕上がりとなっています。ピーターが語りかけるように紡ぐ各章のモノローグも過去を振り返るスタイルで、よりその雰囲気を強くしています。

また、ハリー・オズボーンフラッシュ・トンプソンなどの友人たちに加えグリーン・ゴブリンをはじめ、ライノバルチャーといった敵も登場し、古くからおなじみのキャラクターがその花を添えています。

◆タイトル「ブルー」に秘められた熱い想い

『スパイダーマン:ブルー』は、2002年から2003年にかけて刊行された6本のミニシリーズ単行本にしたものです。作者はジェフ・ローブティム・セイルのコンビで日本でもマーベルやDCコミックの作品で人気のあるクリエイターです。

特に2001年から2003年のマーベル作品『デアデビル:イエロー』『スパイダーマン:ブルー』『ハルク:グレイ』はいずれも各キャラクターの初期の時代のストーリーを描いたものとして知られています。

それぞれ、その色にまつわるジャケットデザインとそのタイトルとストーリーとが関連するようなイメージになっているのは「さすが!」というところでしょうか。
(『デアデビル:イエロー』『ハルク:グレイ』は現在のところ未邦訳です)

本書の場合は“物悲しい”「ブルー」がそのイメージです。

◆友達…片思い…そして

単なる同級生でしかなかったハリー・オズボーン思わぬことから親しくなったピーター。その友人である、ブロンドの髪が魅力的な女性「グウェン」ピーターは心を奪われます。次第にその距離が近づいている……かと思いつつ決定的ではない2人。

一方でメイおばさんを通じて紹介された「メリー・ジェーン(MJ)」。その自由奔放なキャラクターにぐいぐいと押されてしまうピーター思わせぶり? 気になる相手? ただ振り回されているだけ? と読者もMJに引っかき回されているような感じではないでしょうか。

バレンタインデーの夜、パーティをぶち壊した怪人クレイブンと戦ったスパイダーマン。部屋に戻ってきたピーターを待っていたのは、いったい誰だったのか……。

ピーターと同じように、ドキドキしながらページをめくっていただきたいです!

◆このお話の先はといえば

本書では、ストーリー冒頭にブルックリン橋が描かれています。映画『アメイジング・スパイダーマン2』をご覧になった方もご存知のとおりグウェンがその命を落とした場所、です。

この場所を舞台としたお話は『スパイダーマン:ステイシーの悲劇』へと繋がっていくのですが、こちらは8月刊行予定なので、また改めてご紹介することにいたしましょう。

それではまた!


(文責:石割太郎)