2014年12月22日月曜日

先だし情報! 『ミュータント タートルズ大全』とは!?

みなさんこんにちは。

今夜は冬至。1年で一番、太陽が出ている時間の短い日です。しかも今年は新月と重なる19年に1度の「朔旦冬至」だそうですね。さらにまもなく年の瀬。海外では今週から「クリスマス休暇」としてお休みに入るオフィスが多いようです。

……というのも、ShoPro Books刊行物のアメコミやその他いろんな翻訳書に関して、先週末までに確認&回答をいただいたモノが多かったんです。

そんなクリスマス直前のアメコミ魂は、つい先週まで監修確認をお願いしていたShoPro Books 1月の新刊『ミュータント タートルズ大全』アメ魂読者のみなさんへ最速でご紹介します!

▲『ミュータント タートルズ大全』
アンドリュー・ファラゴ[著]
ピーター・レアード[序文]
定価:本体3,900円+税
●2015年1月28日ごろ発売予定●
知っていますか?『ミュータント タートルズ』
1990年代2007年、そして最新の2014年4月、と日本でもテレビアニメが放送されてきた『ミュータント タートルズ』。映画やオリジナルビデオアニメも発売されており、「タートルズ」を知る方は少なくないでしょう
本書の刊行を発表して以来、タートルズファンの方からの大きな期待を感じています。
それぞれにみなさん思い出の「タートルズ」があるのではないでしょうか。

ただ、何年かごとに放送されたアニメシリーズ映画版どのように関連のあるストーリーだったか、また登場するキャラクターの違い、そして世界観...etc、熱心なファンサイトや様々なWEBページを見ても、タートルズ世界の全容を理解することはなかなかに困難でした。

そんなタートルズ世界を1冊にまとめ上げたのが本書『ミュータント タートルズ大全』。原書は2014年に刊行された『Teenage Mutant Ninja Turtles: The Ultimate Visual History』、その邦訳本です。
著者は、サンフランシスコにある美術館「カートゥーン・アート・ミュージアム」でキュレーターを務めるアンドリュー・ファラゴアニメ・コミックに関する様々な媒体への寄稿や、マーベル・コミックスでライターを務めたりと幅広く活躍しています。本書は氏の並々ならぬ情熱を感じる1冊となっています。

1984年、ニューハンプシャー州ドーバーで起こった奇跡の誕生から始まり、アニメ化や商品の大ヒット、そして映画化、とどんどん広がっていった『ミュータント タートルズ』
各年代の代表的なイラストや、熱狂的なブームを作った立役者たちのインタビューなどふんだんに収録され、単なる歴史解説というだけでなく「タートルズ」について第1級の研究資料といっても差し支えないでしょう


自費出版で始まったタートルズ
『ミュータント タートルズ(原題:Teenage Mutant Ninja Turtles)』1984年5月に、アメリカのイベント「ポーツマス・ミニコン」自費出版されたコミックブックから誕生しました。

原作者は、本書の序文を綴っているピーター・レアードケビン・イーストマン。二人は自分たちのオリジナルコミックを作る過程で「タートルズ」を思いつき、そのストーリーをコミックブックにしたのが始まりです。『ミュータント タートルズ』は、デビュー直後から口コミでその人気に火が点き、直販の自費出版コミックブックながら5万部もの事前注文があったとか。日本とアメリカでは書籍の流通システムが異なるので一概に比較はできませんが、同人誌即売会で発表した創作コミックから始まり、二人で直接制作&販売していたと考えると5万部というその数に驚きます。『バットマン』=DCコミックス、『スパイダーマン』=マーベル、というように「出版社が生み出したキャラクター」の多いアメコミ界では、どこの出版社にも所属しないキャラクターが大成功した例はかなり珍しいようです。

本書ではピーター・レアードケビン・イーストマン出会うまでに遡り、二人が始めたコミックブック作りと、偶然の衝動から生まれた「タートルズ」誕生秘話まで迫ります。


キャラクター人気の隆盛凋落を経て
「カワバンガ!」のセリフも大ヒットしたテレビアニメ、3作が製作された映画も大ヒット、と全世界を一世風靡した『ミュータント タートルズ』でしたが、1990年代後半にはタートルズにとって冬の時代がやってきます。立て直しを図るテレビ番組での試行錯誤、ファンの評価が割れた新しいコミックシリーズ、原作者二人の間の不一致……など、この時期の複雑な出来事も本書では触れられています。決して「いいこと」だけを集めた本ではなく、研究資料と呼びたい理由はココでもあります。

原作者、ピーター・レアードによって2000年代の復活を果たした『ミュータント タートルズ』。現在「タートルズ」の権利はニコロデオンに移っていますが、そこに至るまでの経緯や、IDWから展開されるコミック新シリーズについてもその関係者たちの熱い情熱を読むことができます。


31年目に入るタートルズ、最新映画も見逃すな!
2014年は最新のテレビアニメシリーズ『ミュータント タートルズ』が日本でも放送されました。

さらに2015年2月7日(土)には、最新映画『ミュータント・タートルズ』が公開されます。映画『ミュータント・タートルズ』は、『トランスフォーマー』シリーズの監督として有名なマイケル・ベイプロデューサーとして製作“破壊王”の異名を持つマイケル・ベイが、どんな新しいタートルズを魅せてくれるのでしょう!?

本書でも、監督ジョナサン・リーベスマンをはじめ、ヒロイン「エイプリル・オニール」役のミーガン・フォックス、そして何か影のある実業家「エリック・サックス」を演じるウィリアム・フィクトナーなど、映画の重要人物たちがそれぞれの作品に対する想いを語ってます。全米では公開から2週連続での興行収入No.1を獲得、早くも続編の製作が決定しているとも伝えられています。超期待の最新作がまもなく日本上陸です!

映画『ミュータント・タートルズ』公式サイト
http://www.turtles-movie.jp/

いかがでしたか?

いつものコミックレビューとはちょっと趣が異なりますが、本書の魅力をしっかりとお伝えできたでしょうか。『ミュータント タートルズ』をより深く味わいたい方や、「あの時のストーリーはどういう内容?」なんて疑問をずっとお持ちの方には自信を持ってオススメします!

最後にひとつ、お知らせです。

アメリカで刊行された原書は、『ミュータント タートルズ』第1号のコミックブック復刻版、ポスター、当時のファンクラブレターやポストカードなどの付録が同梱もしくはページに貼り付けされていました。邦訳版である本書は、日本のタートルズファンの方により理解を深めていただくための普及版としてできるだけ価格を抑えるため、それらの付録は付属しない仕様とさせていただきました。中でもコミックブックの第1号は『ミュータント タートルズ』の中でも最も重要なエピソードですので、いずれみなさんに読んでいただけるようにできたら……! と強い意志を持っております。

応援いただけましたら幸いです。

 それではまた!


(文責:石割太郎)

2014年12月15日月曜日

バットマン・インコーポレイテッド、新章突入!

みなさん、こんにちは!

『バットマン・インコーポレイテッド:デーモンスターの曙光』の発売が迫ってきました! そう、10月に発売された『バットマン:インコーポレイテッド』に続く、グラント・モリソンによる“バットマン新サーガ”第三部第2巻です。
▲『バットマン・インコーポレイテッド:
デーモンスターの曙光』
グラント・モリソン[作]
クリス・バーナム他[画]
定価:本体2,200円+税
●12月19日頃発売●
第1巻では、“バットマン会社”を設立したブルース・ウェインが世界各国の“バットマン的なヒーロー”を集めて、謎の秘密結社“リバイアサン”と熾烈な戦いを繰り広げました。ゴッサムシティを飛び出して、世界各国はもちろん宇宙電脳空間にまで戦いの舞台を広げた前巻に対して、本書では焦点をぐっと絞って、戦いの中心をゴッサムシティに据え、テーマとしてはブルース・ウェインと息子ダミアン・ウェインの関係が掘り下げられています。

……ということで、今回は『デーモンスターの曙光』の予習代わりに、小社刊行コミックを中心にして、ダミアンのこれまでの歩みを簡単に振り返ってみたいと思います。
『バットマン・アンド・サン』
(新サーガ第一部第1巻)

▲『バットマン・アンド・サン』
定価:本体2,600円+税
●好評発売中●
ダミアン・ウェインは、ブルース・ウェインタリア・アル・グール(バットマンの宿敵ラーズ・アル・グールの娘)のあいだの子供です。初登場は1987の描きおろしグラフィック・ノベル『バットマン:サン・オブ・デーモン』。ですが、その時の彼はまだ生まれたばかりで、名前も付けられていませんでした。しかもその後、ブルースとタリアの子供はいわゆる“黒歴史”として、ほぼ忘れられた存在になってしまったのです。

そんな設定を発掘し、“ダミアン”という名前で蘇らせたのがグラント・モリソン2006『バットマン』誌のメインライターに就任したモリソンは、彼のランの幕開けとなる655でさっそく(まずはシルエットとして)ダミアンを登場させました。つまりダミアンは、モリソンのバットマン新サーガを象徴するキャラクターなのです。
小社より刊行された『バットマン・アンド・サン』には、上記第655号以降のエピソードが収められています。また、本編に加えて冒頭にはグラフィック・ノベル『サン・オブ・デーモン』も収録されて、ダミアンのルーツがまるごとわかる1冊となっています。また、ぜひご注目いただきたいのが巻末を飾る第666(!)号。こちらのエピソードでは、ブルースの死後、ダミアンがバットマンを引き継いだ未来の様子を垣間見ることができます。

こうして登場したダミアン・ウェイン。父親を知らないまま、暗殺者集団“リーグ・オブ・アサシンズ”に育てられた彼は、父親に憧れながらも殺人をいとわず、バットファミリーの闖入者として波乱を巻き起こします。とくに当時ロビンだったティム・ドレイクとの因縁はかなりのもので、クロスオーバー『バットマン:ラーズ・アル・グールの復活』(新サーガ第一部第2巻)で、死から蘇ろうとするラーズの新たな依り代候補として二人一緒に命を狙われたりもしました。

『バットマン:バトル・フォー・ザ・カウル』
▲『バットマン:
バトル・フォー・ザ・カウル』
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
それまで、どちらかというとタリアと行動を共にすることが多かったダミアンですが、ブルース・ウェインの“死亡”を経て、『バトル・フォー・ザ・カウル』が始まる頃にはゴッサムシティでバットファミリーの一角を担うようになります。そして次期バットマンの座を巡る争いが描かれた本書で、ついにダミアンは(なりゆきとはいえ)ロビンの衣装を身にまとったです(以前もそれっぽい衣装を着ていたことはあるのですが)! 本書以降、当時ロビンだったティム・ドレイクは“レッドロビン”になります。

『バットマン&ロビン』(新サーガ第二部第1巻)
▲『バットマン&ロビン』
定価:本体3,800円+税
●好評発売中

本書では、とうとう新ロビンになったダミアンと、新たなバットマンの“新生ダイナミック・デュオ”の活躍が満喫できます。グラント・モリソンいうところの“情け容赦ないロビンと快活なバットマンという逆転した関係性”(モリソン著『スーパーゴッズ』より)は兄弟のようでもあり、ちょっと微笑ましさすら感じさせます。ここまでダミアンの動きを追いかけていると、“あの問題児が、よくぞここまで成長を”……なんて感慨も。邦訳版アメコミでは、なかなか味わえない読書体験ではないかなと思います。

※ちなみに、別次元“エルスワールド”の物語では、ダミアン以前にブルースとタリアの子供が登場したことがあって、名作『キングダム・カム』では、そんなキャラクターの一人である“イブン・アル・ズファッシュ”の姿を見ることができます。

さて、こんな流れを前提に新サーガ第3部が始まったのですが、ここまで触れていなかった事柄が一つ……。じつは、前巻『バットマン:インコーポレイテッド』と本書『バットマン・インコーポレイテッド:デーモンスターの曙光』のあいだには、DCコミックス全体を巻き込んだ一大リランチ“ニュー52が起こっているのです。そのため、『デーモンスターの曙光』ではキャラ設定のいくつかに変更が見られたりします。ですが読み始めると、不思議と違いは気にならず、むしろますます激しさを増すリバイアサンとの戦いに圧倒され、ブルースダミアンという父子の絆に心を揺さぶられ、ページを繰る手が止まらなくなってしまいました。前巻とは一転して舞台を限定し、キャラクターの感情に焦点を当てているからでしょうか(具体的な違いは、翻訳者の高木亮さんが解説してくださっています)
スタート以来、さまざまに趣向を凝らして読者を楽しませてくれたグラント・モリソンの“バットマン新サーガ”、年明けの1月には、最終巻である『バットマン・インコーポレイテッド:ゴッサムの黄昏』が発売される予定です。クライマックスに向けていよいよ盛り上がる物語をどうぞお見逃しなく!

ではでは、今日はこんなところで失礼します。



(文責:中沢俊介)

2014年12月8日月曜日

映画公開を前に「アントマン」を徹底解剖!

「アメコミ魂」読者のみなさま、こんばんは!

今回ご紹介するタイトルは『アントマン:シーズンワン』です!

スパイダーマンやキャプテン・アメリカ、ソー、アイアンマンといったマーベルを代表するスーパーヒーローに比べるとその認知度は少し低いかもしれませんが、このアントマン、なんと来年に映画化が決定しているとのことです!
※原書イメージ
▲『アントマン:シーズンワン』
トム・デファルコ[作]
オラシオ・ドミンゲス[画]
定価:本体2,000円+税
●1月28日頃発売予定●

そこで、今回はこのアントマンに焦点を当てた作品である、『アントマン:シーズンワン』の内容に少しふれながらご紹介したいと思います。

「アメコミ魂」の読者さんはご存知かもしれませんが、あらためて“アントマン”を紹介したいと思います。本名ヘンリー・“ハンク”・ピム、天才科学者。彼が発明した「ピム粒子」によって身体のサイズを自在に変え昆虫を操ることができるパワーを持つヒーローです。

体のサイズを縮小してしまうと、力もそれに伴い弱まってしまうのではないかと思われがちですが、そこは力が強化され、体のサイズを縮小できるという能力になります。また、昆虫を操る方法は彼が着用する、サイバネティック・ヘルメットを通して昆虫と会話ができ、昆虫に命令を下して敵を攻撃させることができます。

そして、なんとハンクアベンジャーズの創立メンバーの一人でもあります!
そんなアントマンの誕生秘話に迫る、本書のあらすじをご紹介します。

妻を殺害され、非難される父を持ち、ライバルからはずかしめられて、安い賃金で働かされる科学者ハンク・ピム――。この男こそが、アベンジャーズのオリジナルメンバーであり、アントマンとして活躍する以前のハンクの姿である……。彼は一体どのようにして、苦悩を乗り越えアントマンという地球上最も強いヒーローの一人として立ち上がったのだろうか?

このように、悲劇に見舞われ、不安定な精神状態のなか、同じく科学者であった亡き妻が残してくれた発明品である、昆虫とコミュニケーションする装置というアイデアをかたちにし、ヒーローとなっていく過程が描かれております。

そして、そんな彼を取り巻く本書の登場人物も簡単にご紹介します。

ウォーレン・ピム
 ハンクの父親で、頑固なガミガミ屋だが、内心ではいつも息子を気にかけている。

エッグヘッド
 天才科学者にして、国際的科学企業エッグヘッド・イノベーションズ社の社長。
 ハンクの発明した「ピム粒子」に注目し、彼を科学者としてエッグヘッド社に招く。

ビリー・フォスター
 若き科学者。エッグヘッド社でハンクの助手として働く気のいい青年。

有能なビリーと実験を繰り返しながら、「ピム粒子」の実用性と妻の発明品をかたちにしていくハンク。そこには、正義感あふれるヒーローの誕生を見ることがきます。

アリとコミュニケーションを取るという能力も、とてもユニークで、羽アリの背中に乗って移動したり、何百という数の大群で襲いかかるという攻撃方法も可能です。
そして、あちこちに生息しているという特徴を利用し、特定の人物を探すときも、そのイメージを近いアリから遠方のアリへと次々に伝達していくことで、容易に行うことができます。
セキュリティが厳しい場所への潜入も、虫の大きさでは遮られることなく進入できます。

このように、アリや昆虫を自由に操れるという能力、実はかなり強力であることが分かります。

また、アントマンというヒーローですが、ハンクは初代であり、アントマンと名乗ったヒーローは二人目として、スコット・ラングがいます。彼は娘の命を救うために、初代からコスチュームを盗み、体のサイズを縮小し、アリを操るという同じ能力で活躍しました。

一時はファンタスティック・フォーに参加しており、その後アベンジャーズに加入しました。彼はチームの主要メンバーではあったものの、精神錯乱状態になったスカーレット・ウイッチが仲間を攻撃した際に、爆発に巻き込まれて死亡してしまいます。

ハンク自身はと言えば、「ピム粒子」を使ってジャイアントマン、イエロージャケット、二代目ワスプなどど改名し複数の名前を名乗り、初代ワスプであるジャネット・バン・ダインと様々な苦難を乗り越えた末、二人は結婚します。しかし、ハンクの不安定な精神状態が原因で、離婚することになります。

自らの発明品をもとに、アントマン以外のさまざまなヒーローとしても活躍するハンク
ぜひ本書をお手に取っていただき、彼のオリジンである、アントマンとしての誕生秘話を目撃してください!

さらに本書の巻末には、メインエピソードに加え『アベンジャーズ・アカデミー』#1も収録されています。

アベンジャーズ・アカデミーとは、アベンジャーズ設立メンバーであるハンク・ピムが、チームの伝統を受け継ぐべく創設した地球最強の次世代チームであります。
ピムはベテラン勢を率いて、明日を担う若者たちを導いて行くというストーリーになっており、様々な能力を持った若者がキャプテン・アメリカやソーに続くヒーローを目指す姿が描かれております。

こちらも、メインストーリーの『シーズンワン』とはまた異なった雰囲気を楽しんでいただければと思います。

『アントマン:シーズンワン』2015年1月28日頃、発売予定です。ただいま絶賛予約受付中!
映画公開より一足先に、この一風変わったスーパーヒーローに注目していきましょう!

それではまた次回に。


(文責:渡辺直経)

2014年12月1日月曜日

最強ラクガキング逆輸入! 寺田克也画集、発売!

こんにちは。

今日から12月です! 「今年もあと364日……」なんて言ってたのはそんなに前な気もしませんが、1年すぎてしまうのは早いですね。

11月刊行のShoPro Booksラインナップ『シン・シティ2』のみ、と少々寂しかったのですが、この12月はアメコミ『バットマン』『スパイダーマン』だけでなくもう1つ、月初から大注目作品が控えています。

「アメコミ魂」の名の通り、アメコミの話題が多いこのブログですが、今回はちょっと嗜好を変えて、アメリカから上陸する画集をご紹介です。そう、今週12月6日(土)ごろShoPro Booksより発売、寺田克也先生の最新画集『DORAGON GIRL & MONKEY KING』です!!

日本のポップカルチャーと世界を繋ぐ

「KATSUYA TERADA」をご存じですか?

寺田克也(てらだかつや)
ゲームキャラクターの3Dポリゴン表現黎明期に、セガ『バーチャファイター』のキャラクターデザインを手がけたことで知られる。ハードボイルドな世界観に根強いファンが多い『探偵 神宮寺三郎シリーズ』(ワークジャム)や、押井守氏製作の映画『BLOOD THE LAST VAMPIRE』(Production I.G)などのキャラクターデザインのほか、月刊「ウルトラジャンプ」にて連載のフルカラーコミック『西遊奇伝 大猿王』(集英社)の作者としても知られている。
自身が“ラクガキ”と呼ぶ創作スタイルから広がるイラスト表現は根強いファンの支持を受けている。その評価は日本国内に留まらず、海外でも人気のアーティストである。本書『DORAGON GIRL & MONKEY KING』で序文を綴っている映画監督 ギレルモ・デル・トロも寺田ファンの1人であり、大ヒットした映画『パシフィック・リム』の日本版ポスターではそのイラストワークに寺田を指名したほどである。
今年11月~12月にかけては、アメリカ・ロサンゼルスで個展『Return of the hot pot girls』を開催。海外でも積極的に活動を行う寺田は、もはや全世界にファンをもつアーティストである。
▲『DORAGON GIRL & MONKEY KING』
寺田克也[著]ギレルモ・デル・トロ[序文]
定価:本体4,000円+税
●12月5日発売予定●
世界を股にかけて活躍している寺田先生、そのスタイルを“ラクガキ”と呼ぶように、思いつくままにイラストを描きその世界観を広げていくことが特徴です。日本で活躍する多数のマンガ家やクリエイターたちと親交があることや、ジャンルを問わず幅広く活躍していることから、コアなファンだけでなく、先生の作品を目にしていることも多いでしょう

そんな寺田作品を楽しむには、これまでに刊行された画集に『寺田克也全部』(講談社)や『ラクガキング』(アスペクト)ほか、多数あります。そして2013年には京都国際マンガミュージアムで企画展『寺田克也ココ10年展』が開催されました。この時に刊行された、図録でありご自身のコメンタリーブックもである『寺田克也ココ10年』(パイ インターナショナル)は先生の足跡を辿る1冊です。

これらの画集に続く、最新の画集が本書『DORAGON GIRL & MONKEY KING』なのです。

原書をお持ちの方にもオススメする理由とは!

今回ShoPro Booksより刊行する『DORAGON GIRL & MONKEY KING』は、アメリカのダークホース・コミックス社で出版した『Doragon Girl and Monkey King: The Art of Katsuya Terada』の邦訳版です(ダークホース・コミックス社は寺田先生の『西遊奇伝 大猿王』のアメリカ版コミックスも刊行しています)。アメリカでは2014年夏に発売されており、洋書として日本国内へも入ってきていますので、原書をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

ですが!

単なる翻訳しただけの出版ではありません! すべてが変更されているわけではありませんが、これまでの画集『カバー・ガールズ』(ワニマガジン社)や『寺田克也全部』に収録されたイラストは、まだ書籍では収録されていない画稿に差し替えたり、一部のイラストは構成を改訂しています。また原書収録のものも含めて、先生自らのコメントもボリュームUP、寺田克也ファンなら押さえておきたいイラストの初出情報も追加しています。

個展やオリジナルTシャツなどでも作品を発表している、寺田先生の最新イラストを楽しめるのは本書だけ!

タイトルにもなっている「MONKEY KING」は、ご存じ『西遊奇伝 大猿王』から。本書の表1側にドドンと収まっています。一方、もう一つ「DORAGON GIRL」は、「MONKEY KING」とは対照的なイラスト。特徴的な肩のほかにも“龍”を感じさせるモチーフです。
いずれもこの画集のために描き起こしたイラストです。

日本版ならではのポイントはココだ!

実は日本版の表紙は、原書と異なるオリジナルのレイアウトになっています。このデザインは寺田先生と共にお仕事をされてきたデザイナーの大岡寛典氏が仕上げた逸品。寺田作品のイメージを掴んでいる大岡氏だからこそ、デザイン作成の打合せは一発で決定でした!

キラリと輝くシルバーのタイトルが重厚な印象を生み出しているカバー。そのカバーを外してみると、また別の重厚感のある表紙が出てきます。ぜひカバーも外して楽しんでいただきたいですね。

恐らく皆さん気になるのはそのサイズ。もちろん原書とほぼ同じサイズで、A4版より一回り大きいです。また原書の時点で「文句なし!」とお話ししていた先生ですが、日本版では大岡氏と印刷の色あいを確認&調整し、先生の描かれたオリジナルの色を極力再現出来るようにとしました。カバーのカッコよさと追加の要素だけじゃなく仕上がった本書、ファンの方ならずとも絶対に満足していただけることでしょう。

あなたの本棚に並べて欲しい1冊です

寺田克也先生は「まるで絵を描くために生まれてきた人のよう」と評す方もいるくらい、とにかく「絵が上手い!」のです。お気に入りの1枚を探すもよし、これまでのコレクションの中の1つに加えるもよし。描き込まれたイラストたちを、ぜひじっくりと味わっていただけたらと思います。

絵師「寺田克也に興味を持たれた方は、この機会に下記のWEBSITEもぜひご覧ください!

寺田克也先生のWEBSITE 
『terra's book』 http://cacazan.com/
ブログ
『terra's book blog』 http://terrasbook.blogspot.jp/

 

【イベント告知】

2014年12月14日 日曜日

寺田克也先生『DRAGON GIRL & MONKEY KING』刊行記念サイン会


寺田克也先生自画像
日時:12月14日(日) 14:00スタート
会場:西武池袋本店書籍館4Fリブロコミック売場特設会場
ご予約・お問い合せ:03-5949-2906
『DRAGON GIRL & MONKEY KING』刊行を記念して、寺田克也先生のサイン会を開催いたします。
サイン会参加整理券は、上記対象書籍お買い上げの方、先着50名様に配布いたします。

整理券は、上記サイン会対象書籍を「リブロ池袋本店書籍館4Fコミック売場」にてご入金のうえご予約をいただいた時、お電話にてご予約のうえ代金をお支払い時、または発売後コミック売場にてお買い上げいただいた時にお渡しいたします。
サイン会参加ご希望の方は、リブロ池袋本店書籍館4Fコミック売場にて、係員にお申し付けください。

※サインと一緒にイラストをお入れする予定です。(絵柄の指定はご遠慮ください)
※サインと一緒にお客様のお名前を必ず入れさせていただきます。
※参加整理券はなくなり次第配布を終了いたします。

詳しくは「リブロ池袋本店」イベントページをご確認ください。

このほかにも一部書店の店頭にて、イラストのパネル展を開催予定です。
ご期待ください!

それではまた。


(文責:石割太郎)