2015年5月4日月曜日

アラン・ムーア初挑戦~着任早々『プロメテア1』を読む。

「アメコミ魂」読者の皆様、はじめまして。

4月より新メンバーとなりました“スミー(SMEE)”こと住友憲二です。
今回が初寄稿ですので、少しだけ自己紹介させていただきます。

私は、テレビ番組の制作に10年以上携わり、その後、いくつかの業務を経て、この4月よりこちらに配属されました。趣味はゴルフ麻雀。麻雀にはそこそこ自信があります。歳は中年。お酒は飲めないのですが、わりとベーシックなおじさんです。

正直に申しますと、アメコミのことはまだよくわかっておりませんが、あえてアメコミと自分との接点を挙げますと、弊社が日本語版の製作をしたアニメ『ミュータント タートルズ』(2003年版シリーズ)では、プロデューサーを務めていました。ご存じのとおり、タートルズの原作はアメコミです。当時は、まさか自分がアメコミ邦訳版を編集する部署に配属されるなんて思ってもいませんでした。ですが、今年の初めに『ミュータント タートルズ大全』が刊行され、そして春にはその部署に自分が配属される……なんとなくタートルズやアメコミに縁を感じてしまいます。まだ不慣れではありますが、今後ともよろしくお願いいたします。

配属されて1ヶ月しか経っておりませんが、編集部に送られてくる愛読者ハガキにはすべて目を通しています。私が想像していた以上に若い読者が多かったのが印象的です(もちろん20年前からずっと購読していただいている心強い読者諸氏もいらっしゃいます)。私が見たなかでは、半数以上10代~20代だったことにビックリしました。女性ファンが多いということにも驚きです。逆に、私のようなおじさんからのハガキは少なかったような気がします……お便りお待ちしております!

私はハガキを読みながら、ふと思いました。アメコミを通らなかった40代~50代の方たちにもアメコミを読んでほしい、昔は読んでいたけど最近のアメコミから遠ざかっている方々にももう一度読んでほしい……と。そこで、中高年のアメコミ初心者を代表する私が「アメコミ」の話をすることで、私と同世代の方たちに、
アメコミを読むのは今からでも遅くない!
解釈は自分なりの解釈で良い!
ということを伝えることができたら、素晴らしいことではないかと考えました。このブログを通して、どこまでお伝えできるかは未知数ですが、どうか温かい目で見守ってください。
※「解釈は自分なりの解釈で良い」。これはアメコミに限らず、あらゆる文学と仲良く付き合っていくためのポイントです。

さて、そんな私が今から読む、記念すべき最初の作品がこちら『プロメテア1』



プロメテア1
アラン・ムーア[作]J・H・ウィリアムズⅢ[画]
定価:本体3,200円+税
好評発売中!
作者のアラン・ムーアアメコミ界の巨匠だそうです……が、そんなこと私は知りません。無知だから言えることなのでしょうが、知らないものは知らないのです。ネットで検索したら色々出てきますが、これ以上先入観を持ちたくないので、まず作品から入ります。

その前に、なぜ最初に読むのがこの作品なのか……疑問に思いました。同僚から「アメコミのこと勉強したいんだったら、とりあえずムーア作品だろ」ということで、この作品が机にポンと置かれたのですが(泣)……はたしてアメコミ初心者の自分でも気軽に読める、楽しい作品なんだろうか……。 

では、読みます。

むむむ…約2時間>
  ↓
 【夕食】
  ↓
これは……約2時間>
  ↓
 【お風呂】
  ↓
おおお!……約2時間>

 《全6時間

ぷはー、読みました、読みました。かなりお腹いっぱいです。 

アラン・ムーアが伝えたかったメッセージが正確に私に伝わっているかどうかはわかりませんが、作品として純粋に面白かったです。さすが「巨匠」と称される人の作品ですね(なんて、偉そうに言える立場じゃないんですけど、あくまでも個人の感想として……)。あのボリュームですから、初めは少し引いていたのですが、意外にすんなり読むことができました。

ただ、この作品はある程度の人生経験があったほうが楽しめる作品だと思いました。ネタバレになってしまうといけないので、抽象的な言い方になって恐縮ですが、作中に出てくる「想像世界」や「性」に関する表現や考え方が、かなり深く掘り下げられているので、様々な経験をした中高年である今だからこそ、吟味しながら読むことができたような気がします。10代の頃の私がこの作品を読んでいたら、どう感じたのでしょう……おそらく、当時の私では、あまりに馬鹿すぎて、この深い話を理解できなかったのではないでしょうか(笑)。同僚がなぜこの作品を私に薦めたのか、少しだけ理解できました(単純に「獅子の子落とし」だったのかもしれませんが……)。私の勝手な解釈ですが、この作品は中高年の方々にお薦めの作品、もとい、大人も楽しめる海外コミック作品でした。

アメコミの楽しみ方の一つとして、作中に使われている他作品のパロディなどがあるそうですが残念ながら、今の私にはまだそれを楽しむ知識がありません。そういう意味では損をしているのかもしれません。しかし数年後、またこの作品を読み返す時、「あぁ、このシーンはあの作品のパロディだったのか」と気付かせてくれることもあると思います。そんな日を楽しみにしつつ、今回はこのへんで……。

あ、ちなみに私の「アメコミ魂」ネーム“スミー(SMEE)”ですが、『プロメテア1』の作中(p.020)に出てくる、黒い悪魔っぽいキャラ“SMEE:Semi-Mindless Elemental Entity(半知性霊的実体)”からいただきました。

中高年のみなさん、アメコミは奥が深くて面白いですよ。



(文責:住友憲二)