2015年12月11日金曜日

【特報】「ガイマン賞2015」の結果が発表されました!

いつも「アメコミ魂」をご愛読いただき、誠にありがとうございます。

数日前に寄稿した、小社アメコミの重版出来に関する記事『「アメコミ魂」読者の皆様、重版出来ですよ!』の文末にて、「……あとは山口侘助に任せます!」と申しておりましたが、舌の根の乾かぬうちに(笑)再度イレギュラーの投稿となりました。すみません。

もうすでにご覧になった方もいらっしゃると思いますが、本日発表された「ガイマン賞2015」の結果を受け、めでたく「ベスト10」に入った小社刊行作品をいち早く「アメコミ魂」の読者さんに紹介したく、今週より始まった月曜日更新を無視して急遽更新させていただきました。また、来週19日(土)に開催するイベントの告知も兼ねた記事になりますので、最後までお読みください。

ちなみに「ガイマン賞2015」のすべての結果に関してはこちらをご参照ください。

「ガイマン賞」におけるディフェンディングチャンピオンだったShoPro Booksではありますが(笑)、今年のガイマン賞では残念ながら第1位を逃してしまいました……しかし、なんと小社刊行の5作品がベスト10内にランクイン! ご投票いただいた皆様、ご声援いただいた皆様、本当にありがとうございました。

では、裏話のような僕の感想も混ぜながら、早速ランクインした作品を紹介したいと思います!
(作品評や内容紹介は「」印にある過去の記事をお読みください)


第2位
シャザム!:魔法の守護者(THE NEW 52!)
ジェフ・ジョーンズ[作]/ゲイリー・フランク[画]/中沢俊介、内藤真代[訳]

おお! シャザムが第2位ですか。実力派かつ売れっ子ライターのジェフ・ジョーンズが脚本を書いていますからね、面白くないわけがありません(後述する『フォーエバー・イービル』もライターはジェフ・ジョーンズです)。この作品は、アメコミの中でも比較的読みやすく、日本人にも馴染みやすい内容だと思います。日本の少年マンガを読む感覚に多少似ているかな、と。以前、邦訳してほしいキャラクターアンケートを行なったときも、第2位はシャザムでしたね(第1位はロキ)。邦訳希望アンケートをとったり、次の作品を色々と模索していた時期に、主人公のビリーくんと同じくらいのパッションの持ち主である翻訳者の内藤さんからタイミングよく本書の企画の持ち込みがあって、上梓することができました。また共訳に中沢さんを加えることによって、内藤さんの情熱と中沢さんの冷静な判断が上手くコラボした邦訳版だといえます。これは万人に薦められるアメコミだと思うので、ぜひご一読ください!

本書に関連した「アメコミ魂」の記事はこちらです。



第3位
トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン
シェーン・マッカーシー他[作]/グイド・グイディ他[画]/中沢俊介[訳]

先月開催した「ShoPro Books感謝祭~第3章~」にも登壇していただいたシェーン・マッカーシー先生とグイド・グイディ先生がメインを務めた作品『トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン』が第3位となりました。来日中、先生たちも日本のファンと交流できて、ものすごく喜んでいました。本当に気さくでユーモアがあって素晴らしい先生たちでした。ちなみに本書の担当編集者は今年の春に部署異動してしまったのですが、日本語版は彼の細かい対応があってこそ完成したのだと思います。実は、企画立案から実現までには3年近くかかってしまったのですが、そもそもこの企画を立ち上げるきっかけを作ってくれたのは、僕の個人アカウントで知り合ったTFファンの方だったんですよね。TFファンたちのアンケートを集約してくれたり、企画を提案してくれたり、その方がいなかったら未だにTFの邦訳コミックは出ていなかったんじゃないかなと思います。ある意味、本書も持ち込み企画が実現したいい例かと思います。

本書に関連した「アメコミ魂」の記事はこちらです。



第4位
サーガ Vol.1』『サーガ Vol.2
ブライアン・K・ヴォーン[作]/フィオナ・ステイプルズ[画]/椎名ゆかり[訳]

ランクインされていてよかったあ!と素直に思います。椎名さん、よかったですね! 翻訳者の椎名さんは、誰よりもこの作品に対する深い愛情を持っている方なんですよね。ちなみに、椎名さんには2年前に「アメコミ魂」の記事も書いてもらったことがあります。その記事はこちらです。アメコミ読者ならご存知であろう、この『サーガ』という作品は、現代のアメリカのコミック(グラフィック・ノベル)業界で一番といっていいほど評価されていますが、日本では正直あまり受け入れられておりません(我々の責任だと思いますが)。ですので、このような賞にランクインされ、少しでも注目されることは、作品にとっても非常に喜ばしいことだと思います。邦訳版は、小社より3巻まで刊行いたしております。この機会に3冊まとめてぜひ読んでみてください。この作品にはスーパーヒーローもののような派手さはありませんが(登場人物はけっこう派手なんですけどね)、SFファンやファンタジーファン、海外文芸ファン、人外ファン、異形ファンなどなど多種多様なジャンルの方にも好まれる要素のある作品だと思います。引き続きご声援のほどを!

本書に関連した「アメコミ魂」の記事はこちらこちらです。



第7位
マウスガード 1152年 秋
デイビッド・ピーターセン[著]/柳田 真坂樹、滝野原 南生[訳]

僕は、持ち込み企画などがあれば可能な限りお話を聞くので、それらが邦訳版の刊行に結びつくことも少なくありません。実は、前述の『サーガ』も椎名さんがずっと邦訳版を出したいと仰っていた作品だったのですが、いったんスルーしてしまい(笑)、しばらく経ってから結果小社でやることにいたしました。その流れに似ているのが、本書『マウスガード』です。いまや『がっこうぐらし!』で有名な海法紀光さんの紹介で、翻訳者の柳田さんとお会いし、この『マウスガード 1152年 秋』ほか本シリーズの邦訳化の企画の話をいただきました。海法さんと柳田さんはTRPGつながりでお知り合いだったかと思います。本作はTRPGでも有名な作品で、コミックもアイズナー賞を獲っていたのですが、当時はこの手の作品をあまり手掛けていなかったのでいったんお断りしました。それから数年が経ち、僕らの刊行ラインアップも幅が広がったので、版権を取得し、改めて柳田さんに連絡して翻訳を依頼しました。柳田さんも急に連絡があったのでビックリしたと思います。その後、柳田さんから滝野原さんを紹介いただき、タッグを組んで翻訳していただきました。現在、日本語版は2巻まで出ていますので、興味のある方はぜひ読んでください。

本書に関連した「アメコミ魂」の記事はこちらです。


ちなみに本書の続編にあたるマウスガード 1152年 冬のPVもYoutubeに上がっているので、ご興味のある方はぜひご視聴ください。



第9位(同率)
フォーエバー・イービル(THE NEW 52!)
ジェフ・ジョーンズ[作]/デイビッド・フィンチ[画]/高木 亮[訳]

最後に紹介するのは同率第9位になった『フォーエバー・イービル』。本書は、前作ジャスティス・リーグ:トリニティ・ウォー(THE NEW 52!)の後編にあたる作品です。前作の衝撃のラストシーンを受けたかたちで本編が始まります(本当に面白いのでぜひセットでお読みください)。下記の表紙画でもお分かりかと思いますが、本作はヴィラン(悪役)が主人公、史上最悪のヒーローチームが登場します。様々なキャラクターが登場するクロスオーバー作品ですので、アメコミファンには堪らないですよね。翻訳は小社作品でお馴染みの高木亮さん。先日の名古屋出張で高木さんと今後の展開について打合せをしました。2016年もいろんな海外コミックを刊行してまいりますので、引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。邦訳希望に関しても、読者アンケートはがきやツイッターやメール、その他このブログの下にある「感想を送る」でも送れますのでぜひご利用ください!

本書に関連した「アメコミ魂」の記事はこちらです。



以上が、「ガイマン賞2015」のトップ10にランクインした小社コミックになります。

ガイマン賞スタッフの皆様とは、以前から顔馴染みの方々ばかりですので、この賞を立ち上げる当初からいろいろなお話を聞いていました。関係者一同、手弁当で取り組んでいたり、認知度や投票数を高めるために試行錯誤したり、毎年様々な努力をされていました。今年は例年以上に多様なイベントや話題づくりをされていたので、きっと投票数も増えたことかと思います。ShoPro Booksとしては、唯一、「ShoPro Books感謝祭」でガイマン賞スタッフの皆様にご登壇していただき、ガイマン賞を告知する場を提供したくらいで、期間中はあまり協力できませんでしたが(汗)、今回、結果も出たことですし、少しだけ「ガイマン賞」のことも紹介できればと思っております。

「ガイマン賞(GAIMAN AWARD)」といっても、『サンドマン』のNEIL GAIMAN(ニール・ゲイマン)の賞ではありません。「海外のマンガ」全般を指す造語で「ガイマン」だそうです。「海外文芸」を「ガイブン」と呼ぶのと同じですね。コミックブック(アメコミ)やバンド・デシネ、マンファなど日本以外の地域で制作された海外のマンガで、この1年間に邦訳されたものの中から面白い作品を選出する賞なのです。さらに詳しく知りたい方は「ガイマン賞」の公式サイトをご覧いただければ、彼らの活動がよくわかると思います。また、彼らは約9ヶ月前からYoutubeでGAIMAN SHOW!なるガイマンを紹介する動画(番組)を始めています。もう第21回を迎えているのですが、いくぶん視聴回数がまだまだ少ないので(泣)、ぜひ応援してあげてください(この「アメコミ魂」のPV数も自慢できたもんじゃありませんが……)。


さて、最後になりますが、そんなガイマン賞のイベントが開催されます。

ガイマン賞2015トークイベント「ガイマン賞2015結果発表!」
日時:2015年12月19日(土) 16:00-17:30
場所:米沢嘉博記念図書館 2階閲覧室
料金:無料
※ただし、会員登録料金[1日会員300円]が別途必要なので、入場料に300円はかかります。
【講師】ガイマン賞2015上位作品の関係者
【聞き手】原正人(BD翻訳者)、椎名ゆかり(米コミックス翻訳者)

昨年は『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』が第1位を獲得したので、翻訳者の中沢と編集者の僕が昨年の同イベントに登壇させていただきましたが(記事はこちら)、今年は第1位を獲得したご担当者さんとともになぜか僕もまた登壇することになりました……。別に押しかけたたわけではなく、一応、上位にランクインした作品の担当者として急遽参加させていただくことになりました。

この時期はおそらく、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』一色になっているかと思いますが、入場料も300円ですので、ぜひ来場をご検討ください。僕らのイベントではないので、壇上では大人しくしておりますが、読者の皆さまとお会いすることができればと思っております。ちなみに観客が少ないことを想定して、山口侘助(前・サモン山口)こと山口大介を強制的に参加させています(笑)。

では、当日皆様とお会いできることを楽しみにしております!

ではまた!

(文責:山本将隆)