2016年2月1日月曜日

世界最速の男フラッシュが再び疾走する!

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

本日は、あるヒーローにクローズアップしようと思います。そのヒーローとは、世界最速の男、フラッシュです。

ニュー52」以降、フラッシュとして活躍しているのはバリー・アレンですが、他にも世界最速の男は3人いて、計4人がフラッシュになりました。

初代はジェイ・ギャリック1940年の『フラッシュコミックス#1で登場しました。大学のフットボール選手だったジェイが、ある日実験室で“重水”の煙を吸い込み、高速移動の能力を身につけました。ヒーロー活動から引退した後、中年期に復帰をするなど、ジェイは長い期間ファンに親しまれました。「ニュー52」以降は若返り、別次元の地球アース2に登場します。

2代目は、「ニュー52」で主役として活躍しているバリー・アレン。稲妻と化学薬品を浴びて高速移動の能力を獲得。初登場は1956年の『ショーケース#4で、1985年から始まったクロスオーバーイベント『クライシス・オン・インフィニット・アース』で命を落としたのですが、2008年のイベント『ファイナル・クライシス』から翌年の『フラッシュ:リバース』の流れで復活しました。

3代目はウェリー・ウェスト。バリー・アレンの婚約者で後に妻になるアイリス・ウェストの甥です。バリーと同様の事故に遭い能力を得ると、まずはフラッシュのサイドキック、キッド・フラッシュになり、前述の「クライシス・オン・インフィニット・アース」でバリーが命を落とすと、その跡を継いで3代目フラッシュになりました。

4代目はバート・アレン。姓からもわかるように、2代目フラッシュのバリーとは血縁関係にあります。バリーとアイリスの孫で、特異体質を治療するために未来からやってきて、3代目フラッシュのサイドキック、インパルスとして活躍した後、キッド・フラッシュ(2代目)を名乗り、2005年のイベント「インフィニット・クライシス」で3代目が姿を消したことで4代目フラッシュとなりました。

このように、代替わりによってキャラクターの鮮度を保ち続けてきたのが、フラッシュの特徴と言えるでしょう。

さて、「ニュー52」以降、2代目フラッシュことバリー・アレンが再び主人公になったのですが、1990年のドラマ版、そして現行のドラマ『THE FLASH / フラッシュ』でも主人公はバリーになっています。なぜ彼が、他のフラッシュたちよりも語られることが多いのかといえば、それはDCコミックスのユニバース全体に関わる功績を残しているからです。

第二次大戦以後、ヒーロー物の人気が衰退し、代わりに台頭した犯罪物やホラー物が社会的なバッシングを受けているときに、2代目バリー・アレンが過去のヒーローをモダンにアップデートして登場したのです。その後、1961年の『フラッシュ#123にヒーローたちが住むもう1つの地球“アース2”が登場。このことによって、DCコミックスを特徴づける多次元宇宙“マルチバース”が確立されました。

このようにDCコミックスのその後を左右するキャラクターが、2代目フラッシュ、バリー・アレンだったのです。

ShoPro Booksでは、「ニュー52」以降の記念すべき第1巻で新たなバリーが大活躍する『フラッシュ:新たな挑戦』(紹介記事はこちら)を昨年刊行しました。

フラッシュ:新たな挑戦
フランシス・マナプル[作・画]
ブライアン・ブッチェラート[作・彩色]
定価:2,000円+税
◆好評発売中!◆
そして、それに続く第2巻『フラッシュ:ローグズの逆襲』を3月に刊行いたします。本書では、そのタイトル通り、スーパーヴィランの犯罪チーム“ローグズ”が大々的にフィーチャーされた作品になります。前作にも登場したキャプテン・コールドを中心に、ウェザー・ウィザード、グライダー、ヒート・ウェーブなどのヴィランたちの背景が深く掘り下げられ、フラッシュとの対決へと至ります。さらに前巻でたどりついたゴリラシティの王、キング・グロッドとの確執も描かれ、次巻への期待をさらに高める内容になっています。

この第2巻は続編の刊行を望む声が多く寄せられた作品で、ドラマを含めて今後のDCコミックスの展開を追う上で見逃すことのできない作品です。ぜひお手にとってご覧ください。本ブログ、公式Twitterでも、刊行の続報をお届けしていきますので、どうぞご期待ください!

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!



(文責・山口侘助)