2016年4月26日火曜日

DC学園ドラマ『ゴッサム・アカデミー』&学園映画特集

『アメコミ魂』をご覧の皆さま、こんにちは!

先週金曜日のトークイベントにお越しいただいた皆さま、ありがとうございました。不慣れでお見苦しい点の多いイベントでしたが、暖かく見守ってくださり、本当に感謝しております。

さて、まずは4月20日に発売されたアメコミのなかでも珍しい学園ストーリーゴッサム・アカデミーのご紹介です。
ゴッサム・アカデミー
ベッキー・クルーナン、ブレンダン・フレッチャー[作]
カール・カシール[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中!◆
ゴッサムシティの名門校ゴッサム・アカデミーを舞台に、オリーブ、マップス、ポメリーン、コルトンといった学生たちが、幽霊騒動を発端に学園の秘密を解き明かしていきます。学園の謎を解き明かす過程で絆を深めていく主人公たち。思春期の悩みを描きながら、コミカルな要素を盛り込んだ青春ストーリーを主軸に置きながらも、ひと筋縄ではいかないのが本書です。

なぜなら、この学園があるのは犯罪がはびこる悪徳の街ゴッサム。作中で描かれる明るい学園生活の背景には、ゴッサムを舞台にした他の作品にも通底する不穏な空気が流れています。瑞々しい青春とユーモア、陰鬱さが混在した魅力的な物語を、ぜひ手にとってお確かめください。

DCコミックスのなかでは異例の学園物語を真っ向から描いた本作ですが、学園物語は映画でも人気のジャンルです。皆さんもよくご存じの『ハリー・ポッター』シリーズも、学園ストーリーにファンタジーを加えた作品といえるでしょう。

こでここからは、学園を舞台にした名作映画をご紹介したいと思います。

まずは、『ゴッサム・アカデミー』同様、寄宿学校を舞台にした古典的名作『チップス先生さようなら』(1969年)です。この作品の主人公は、学生ではなく先生ですが、全寮制のパブリックスクールに赴任してきた堅物の教師が、徐々に人間味のある人物へと変化していく過程を丹念に描いた佳作です。

続いて『いまを生きる』(1989年)。こちらも全寮制学校の教師を主人公にした名作。規律と伝統を重んじる校風に風穴を開ける主人公と生徒たちの絆と葛藤を見事に描ききりました。

メインテーマとともに映画史にその名を残す『炎のランナー』(1981年)。スポーツ映画の金字塔ともいえる本作ですが、こちらも大学を舞台にした学園物語という側面が見られます。
学園物語の舞台を大学まで広げると、もっともオススメしたい作品が登場します。

落ちこぼれ学生たちがエリート学生たちにひと泡吹かせる名作コメディ『アニマル・ハウス』(1978年)です。当時、『サタデー・ナイト・ライブ』で人気を博し、後に『ブルースブラザース』(1980年)に出演するジョン・ベルーシの映画デビュー作です。負け犬たちが奮起する(間違った方向に)姿に爆笑すること請け合いの学園コメディの傑作です。

学園コメディといえば『スクール・オブ・ロック』(2003年)を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか? 当代きっての人気コメディアンのひとり、ジャック・ブラックの代表作のひとつです。教材としてロックを生徒たちに押しつけるなりきり教師の暴走っぷりが見所です。全編を通して流れるロックの名曲にニヤリとする音楽ファンも多い作品です。


ここまで洋画を中心に学園映画のオススメ作品を紹介してきましたが、最後に邦画のオススメ作品を紹介したいと思います。

バレー部のカリスマ、桐島の不在によって起こる人間ドラマを描いた日本映画史に名を残す傑作『桐島、部活やめるってよ』(2012年)。同じ時間の出来事を複数のキャラクターの視点で何度も描き直すことで、「桐島の不在」が立体的に浮かび上がり、物語のクライマックスでキャラクターたちの感情が一点に集中するという群像劇のお手本のような作品。

公開時、話題になった作品ですので、ご覧になられた方は多いと思いますが、まだ見ていないという方はぜひご覧ください。

ところで、毎度突然ではございますが、この「アメコミ魂」、次週より執筆担当が代わります。 おおよそ4ヶ月間、当ブログに執筆して参りました。短い間でしたが、ご愛顧いただき誠にありがとうございました。

もちろん当ブログ自体はこれからも更新されていくので、引き続き宜しくお願いします。

では、また来週!


(文責・山口侘助)