2016年11月29日火曜日

今からでも楽しめる『フラッシュ』シリーズ
第3巻『グロッドの脅威』発売


「アメコミ魂」をご覧の皆さま、はじめまして。

今回初めて担当いたします鈴木と申します。

アメコミについての知識はまだまだ発展途上のヒヨッコですが、その分、きっとビギナーの方にも寄り添った視点でお話ができる(はず)。日進月歩で造詣を深めていく所存ですので、温かい目で見守っていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします!

さて、今回ご紹介するのは『フラッシュ:グロッドの脅威』。

フラッシュ:グロッドの脅威
フランシス・マナプル[作・画]
ブライアン・ブッチェラート[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆


「ニュー52!」シリーズの『フラッシュ:新たなる挑戦』『フラッシュ:ローグズの逆襲』に続く第3巻です。既刊やシリーズ全体については、過去の記事「『フラッシュ:新たなる挑戦』から始める“ニュー52”」「世界最速の男フラッシュが再び疾走する!」もご覧ください。まだ1~2巻を読んでいない方は、この機会にぜひご一読を。息をもつかせぬ展開でどんどん読めてしまうので、気づけば最新刊に手が伸びているはずです。

まずはフラッシュ:グロッドの脅威』のあらすじを簡単にご説明しましょう。

高度な知性を有するゴリラの王グロッドが、大軍を率いて侵略を開始した。圧倒的な兵力でまたたく間に街を制圧するグロッド軍に対抗するため、フラッシュは宿敵ローグズと手を組まざるを得なくなる。しかも、アイリス・ウェストたちはまだスピードフォースに囚われている……真紅のスピードスターは、この難局を乗り切ることができるのか!? 

原題のサブタイトルは、そのものズバリ『GORILLA WARFARE』。これまでもちょこちょこ登場していたゴリラ王グロッドですが、ここでついにフラッシュとの直接対決と相成ります。

前号から続くローグズとの戦いに加え、恋人のパティは思い込みからフラッシュを憎んでいるし、新聞記者のアイリスをはじめとする複数の一般人が異世界に閉じ込められたままだし、問題は山積みです。そこに加えてのゴリラ戦争ですから、世界最速の男ってすごいマルチタスクを求められるのですね。大変です。

「ゴリラ戦争」、パンチのあるいい響きです。しかしなぜゴリラなのか?

アメコミ界におけるゴリラの立ち位置については、本書の解説にもチラリと書いてあります。ゴリラの偉大さ(?)がわかりやすくまとめられているので、ぜひ読んでみてください。


テレビドラマ『THE FLASH/フラッシュ』も好評で、メディアを問わず幅広く人気を博している本シリーズ。



ヒヨッコのくせに僭越ですが、フラッシュさんは個人的にもかなり好きなキャラクターです。(掲題の「今からでも必ず楽しめる」には個人的に絶対の自信があります。なぜなら私がフラッシュさんを好きになったのも、まさに今、このタイミングだからです)

その魅力はいったいどこにあるのか、超個人的見解でざっくり考察してみました。

まず、アーティストであるフランシス・マナプル氏と、カラリストであるブライアン・ブッチェラート氏による絵がとにかく綺麗です。繊細で優しいタッチなのに、グラマラスで筋骨粒々。大迫力のトビラ絵は、下敷きに挟んでいって月曜日の学校で自慢したくなります。

さらにフラッシュが「赤い」。
黒いヒーローや青いヒーローもカッコいいですが、赤っていうのもやっぱりいいですよね。確固たる画力のもと、画面を赤く染めながら走り回るフラッシュ。さすが「真紅のスピードスター」、見ていて大変気持ちがいいです。

そして何より、フラッシュがとにかくいいやつ。世をしのぶ仮の姿(化学捜査官)だってインテリでカッコいいのに、そのうえ真っ赤なヒーローになって、ピンチのときにも軽妙なジョークを飛ばすなど……。なんてさわやかなアメリカ青年なのでしょう。これはもう、好きにならずにいられませんよね。

そのいいやつぶりは、個性派ぞろいのジャスティス・リーグ』シリーズでも見受けられます。


グリーン・ランタンの無礼をいさめるフラッシュ。
※『ジャスティス・リーグ:誕生』本文より抜粋

非常事態にあえてアイスを配るフラッシュ。
※『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』本文より抜粋

衝突しがちなヒーローたちを和ませるThe いいやつ・フラッシュ。
単独作のときとひと味違う姿が楽しめるのは、ひいきのスポーツ選手が代表入りしている試合を観るのに似ています。チームの中で活躍する彼も必見なので、この『ジャスティス・リーグ』シリーズも併せてお楽しみください。

こちらは6巻目となる最新作『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』がリリースされており、続く7巻は12月14日発売予定です。

フラッシュ:グロッドの脅威の制作中もワクワクしながら読みましたが、また次号への引きのうまいこと! えっ、この人がこんなことに!? むむっ、あの人はどうなるのか!?

……すでに早く続きが読みたいのは、個人的見解ではないはずです。

ちなみにフラッシュは前述のドラマのほか、映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』にも出演しています。


どちらもソフト化されているので、続刊を待ちつつ、映像作品をチェックして気分を高めておくのもオススメです。

今後も楽しみなフラッシュシリーズ最新作、『フラッシュ:グロッドの脅威』は好評発売中です!


ではまた!

(文責:鈴木絢子)


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