2016年11月1日火曜日

異彩を放つマーベル・ヒーロー、ムーンナイト
いよいよ日本デビュー!


「アメコミ魂」読者のみなさん、グーテン ターク!

先々週になりますが、今年も世界最大の書籍見本市であるフランクフルト・ブックフェアに参加するため、ドイツへ出張に行っていました。

滞在中は残念なことに雨が降る日も多く、ヨーロッパの気候は日本に比べて、1ヶ月ほど先行しているような寒さでした。

そんな寒さを吹き飛ばす熱気に包まれたブックフェアですが、なぜ開催地がドイツのフランクフルトなのか? ふと疑問に思い調べてみたところ、15世紀半ばにヨハネス・グーテンベルクがフランクフルトに近いマインツという場所で活版印刷を発明したことから開催されたとのこと。

500年以上の歴史があり、いまも世界各国からフランクフルトに多くの人が集まるこのイベントは地元の人々の誇りであるかのようにも感じました。


さて、先週の記事にもありましたように今回から当ブログはアメコミ編集部員によって執筆していきます。各自が編集を担当する新刊タイトルを中心に、いろいろとご紹介できればと思っておりますので、引き続きよろしくお願いします。

今回ピックアップするタイトルですが数々のマーベル・ヒーローのなかでも一際異彩を放つ『ムーンナイト/光』(11月16日頃発売)をご紹介します。

Ⓒ 2016 MARVEL
なぜ今、ムーンナイトなのか?

みなさんそう思われることでしょう。

振り返ること、約2年前の出来事です。私がマーベル・ヒーローといえば、キャプテン・アメリカをはじめとしたアベンジャーズやスパイダーマンといったメジャー級なキャラクターしか知らなかった頃、ムーンナイトに出会ってしまいました。

怪しげな月のマークを胸に付け、真っ白いコスチューム、フード、マスクに身を包んだその姿を見たとき衝撃が走りました。

しかも、スーパーヒーローによくある特殊能力がないうえに、銃などの飛び道具も使用しないファイティングスタイル……正直、時代遅れとしか言いようのないこのムーンナイトですがなにか不思議な魅力を感じたのであります。

そのときからずっとあたためていた、ムーンナイトの日本デビューがいよいよ決まり、この度刊行となりました。


ムーンナイトこと本名マーク・スペクターの初登場は1975年。

60年代にメジャー級ヒーローが多く登場していた頃から比べるとかなり遅れていますね。

その後、時代の変化とともに実は心を病んでいるという設定が付け加えられ、本作においてもマーベル・ユニバースで特に人気のある3人のスーパーヒーローが彼の頭のなかで存在するという一風変わったストーリー展開となっています。


それでは、あらすじを簡単にご紹介します。

キャプテン・アメリカ。ウルヴァリン。スパイダーマン。

彼ら3人のアベンジャーズは、バックアップにするには最高にパワフルなヒーローたちだ。ただ問題は、彼らはムーンナイトの頭のなかにだけいるということ。つまり彼らは、ムーンナイトことマーク・スペクターの幻覚だったのだ……。

なんとか心のバランスを取り戻そうとしていたスペクターの前に、危険な行動に出た犯罪組織のボスが現れた。一時的に機能停止に陥ったウルトロンのロボット・ボディを売買しようというのだ。

はたしてムーンナイトは正気を取り戻してこの危険な行為を阻止できるのか!?


このようにキャプテン・アメリカやウルヴァリン、スパイダーマンは本作においてはあくまでもムーンナイトの脳内バディたちとして登場し、彼にいろいろなアドバイスをしてくれたりといつもとは違うかたちで大活躍です(笑)。

肝心なムーンナイトも、アメリカ西海岸を拠点とするヴィランたちによる犯罪グループことナイトシフトや、マーベル・ユニバースでも最強のスーパーヴィランの一人であるカウント・ネフェリアを相手にどう立ち回るのか!?

このスリリングな展開を、ぜひとも本書にてお楽しみください!

そして、タイトルからもお分かりのとおり本作は上・下巻にて刊行となります。

月をイメージして、上巻を"光"とし下巻は"影"とつけました。

L.A.を舞台に繰り広げられる、この多重人格で怪奇なヒーロー活躍劇の結末を収録した『ムーンナイト/影』(仮)は2017年早春に刊行を予定しております。




最後に、先月23日(日)に東京ビッグサイトで行われました海外マンガフェスタ2016に出展してきました。海外コミックの物販をメインに、『塩素の味』『ポリーナ』のバスティアン・ヴィヴェス氏と『ゴッサム・アカデミー』のアーティストであるカール・カーシル氏のサイン会を行いました。

たくさんの方々にご参加いただき、サイン会は大盛況でした。ありがとうございました!
また機会があれば、アーティストのサイン会を実施できればと思います。


それではまた次回に。
Danke!


(文責:渡辺直経)


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