2017年6月13日火曜日

ウルヴァリン、X-MEN加入前の知られざるストーリー


 「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!
 
6月に入ってじわじわと暑くなり、ちょっと疲れ気味…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々に今週も、疲れを忘れさせてくれるアメコミの最新情報をお届けしていきます!
 
アメコミファンにはうれしいことに、現在公開中で第ヒットしている映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『ローガン』、また8月に公開予定の『スパイダーマン ホームカミング』など、マーベル作品の映画化が目白押しです。
 
「シーズンワン」シリーズの魅力
映画『ローガン』のウルヴァリンは、すでに年老い、無敵のスーパーパワーを失った生身の人間として描かれていますが、今回ご紹介するタイトル『ウルヴァリン:シーズンワン』はまさにその対極にある物語と言えます。

●表紙
『ウルヴァリン:シーズンワン』
ベン・アッカー&ベン・ブラッカー[作]
サルバ・エスピン[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
 
 

 今ではX-MENの中でも特に高い人気を誇るウルヴァリンですが、彼がX-MENに入る以前の物語、まさしくヒーローになる前の知られざる秘話が明らかになるというストーリーとなっています。
 
 本書のタイトルにあるとおり、「シーズンワン」シリーズは、近年の映画でマーベルヒーローの魅力を知った新しいファンに向けて展開されるストーリーです。本書だけでなく、弊社から『アベンジャーズ:シーズンワン』『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』
『X-MEN:シーズンワン』『アントマン:シーズンワン』などを刊行しています。お気に入りのキャラクターのオリジンを知りたい方は、ぜひこれらを読んでみてください。誕生秘話を知ることで、そのキャラクターの個性や能力について深く理解できるようになり、今後の作品についてをもっと楽しむことができるはずです。

この「シーズンワン」というシリーズの特徴は、
おなじみのヒーローたちのオリジンを、現代風のアレンジを加え、わかりやすい読み切りのエピソードにまとめている。また、巻末には試し読み用に最新のコミックが収録され、キャラクターをもっと知りたい人に格好の入門書となっている
(※以上、翻訳者・光岡三ツ子さんによる本書解説から抜粋)


本書の設定は、映画でウルヴァリンのファンとなった方々にもわかりやすい作品にするために、原作をかなりアレンジしたもので、新たなストーリーとして展開しています。

どこから読み始めればよいのか、つい迷ってしまうアメコミですが、上記のようなコンセプトで組み立てられているため、あくまでもわかりやすいストーリー展開と人気キャラクターの初期エピソードで構成されているという点で、アメコミ初心者には特にオススメの一冊といえるのではないでしょうか。

■ウルヴァリンの知られざる過去
 ワイルドなスーパーヒーローというイメージが強いウルヴァリンですが、X-MENに入る前には誰に知られることのない歴史がありました。
ローガン=ウルヴァリンとして知られるこの人物は、カナダ生まれで裕福な家庭の子どもとして育ちました。しかし、怒りにまかせ自分の殺した男が実父だったという衝撃の事実や、子どもの頃からの遊び相手だった女性を誤って刺してしまったこと。さらに、愛した女性を他のミュータントに殺されてしまったことなど、多くの悲劇と苦悩を背負いながら生きてきたのです。
 そんな折に、カナダ政府の人間兵器開発計画「ウェポンX計画」の被験者となり、科学者たちによって骨にアダマンチウムを融合され、現在のウルヴァリンの特徴が形成されます。政府機関から逃げ出したウルヴァリンは、森林に逃げ込みまるで野獣のような暮らしをおくっていたのです。
本書はそんなところから物語が始まります。

【あらすじ】
 カナダの荒野で暮らす男は、自分よりも圧倒的に大きな野獣・ウェンディゴと戦い、重傷を負って倒れていた。カナダ政府の特殊機関に保護され、戦士としての訓練を受けた彼は、おなじみのコスチュームをまといウルヴァリンとなる。ハルクとの初対決や、因縁の敵セイバートゥースとの再会で激しい戦いが繰り広げられていく。はたして、野獣のようなウルヴァリンはX-MENへと続いていく道をどのように切り開いていくのだろうか…。


舞台はカナダの原野。つまり、スパイダーマンやデッドプールのように大都会での戦いが展開されるのではなく、そこに暮らすたくさんの人々を守るようなかっこいいヒーロー的活躍を見せるわけでもありません。終始、泥くさい自然の中で誰に見守られるわけでもなく、ただただ孤独な戦いが繰り広げられるところが、本書の一つの特徴と言えるでしょう。
 
■ウルヴァリンの新たな魅力が全開
そこでは、全編を通じて様々な敵との激しいアクションが展開していきます。ウェンディゴ、ハルク、セイバートゥース、カナダ政府が開発したエクソスーツなど、巨体で超強力な相手とのバトルは、体と体とのぶつかり合いであり、「スタイリッシュ」からは程遠い肉弾戦ともいうべきもので、壮絶を極めます。ウルヴァリンは殴られ、噛まれ、踏まれ、投げられ、血まみれになり、意識朦朧の戦いを強いられ、瀕死の状況に陥るすさまじさ。他作品にはない大きな見どころとなっています。
 
しかし、本書の魅力はこのアクションシーンだけではありません。「ほとんど野獣」のようなウルヴァリンがはたしてどのように変わっていくのか。その過程にもぜひ注目してください。始めは怒りや不安に駆られると、手のつけようのない凶暴さを露にしていたのですが、ある人物との出会いと献身的なサポートにより、彼は次第に自分の獣性をコントロールできるようになり、人間性をなんとか保つように奮闘し始めます。それは敵ではなく、自分との戦いであり、新たな自分を獲得しようともがく姿であり、ヒーローになる前の彼の試練なのです。その試練をどう乗り切るのか。その行動こそが、のちにヒーローとなるウルヴァリンにつながっていくのではないでしょうか。
 
 つまりこの物語は、X-MENとして活躍する前のウルヴァリンの資質が形成される過程であり、この人気ヒーローの原点が刻まれている作品だと言えるのです。
 
また、今やおなじみのウルヴァリンのコスチュームですが、これを初めて着るシーンをぜひお楽しみに。どのような流れで着ることになるのか。人気キャラクター誕生の瞬間に立ち会えるのも、本書の醍醐味です。
 
さらに、巻末に収録されている試し読み用の一話も、本書のお楽しみです。収録作は、ウルヴァリンが若きミュータントたちを育てる学校の校長として活躍する物語。えっ、校長?    
そうなんです。本編との内容にギャップがありすぎますが、ここではヒーローとしての活躍ではなく、若者たちを危険な現場で直接指導する教育者としての姿が描かれ、彼のまた違った側面が見られます。本編で描かれるオリジンストーリーと合わせて、これまたウルヴァリンの知られざる部分が明らかになります。
 
さて、本書でウルヴァリンの新たな魅力にふれることで、「はまってしまった!」、「ウルヴァリンについてもっと読みたい」という読者が出てくるかもしれません。そんな方にぜひおすすめしたいのが、来週刊行する『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』です。
 
 
●表紙
『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』
ジェイソン・アーロン[作]
アダム・キューバート他[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
 
 
なんと、ウルヴァリンが日本にやって来て大暴れ、という内容です。日本で待ち受ける敵とは誰なのか。ウルヴァリンの運命はいかに・・・。
 
【あらすじ】
謎の男が忍者集団ハンドとヤクザの抗争をあおり、日本の闇社会の支配権を握ろうと画策する。その謎の男は、セイバートゥースらを仲間にしたうえ、シルバーサムライの若き息子を引き入れるために、その恋人アミコを誘惑する。
しかし、それが彼らの誤算の始まりだった。なんと、アミコはウルヴァリンが引き取り、可愛がっている養女だったのだ・・・。
 
大人気のウルヴァリンから今後も目が離せません。こちらもぜひお楽しみに!
 
それでは、また来週お会いしましょう。
 
(文責:木川)