2017年9月26日火曜日

『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』堂々発売!



アメコミ魂をご覧の皆様、こんにちは!

今回は、大注目のタイトルを早速ご紹介していきます。


予約殺到!


今もっともイキオイに乗ってる二人のヒーロー。

片や、今夏映画が大ヒット、“脅威の蜘蛛にして親愛なる隣人”スパイダーマン
もう一方は、2016年映画が国内興収20億円越え、続編映画やテレビ・アニメ化も決定した”第四の壁を破壊する饒舌な傭兵”デッドプール

二人はもともと単独誌の中では度々共演してきました。
(※過去の二人の共演から、未邦訳作品5編をまとめたコミックスが、今年7月に小社から刊行された『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』です。)

そんな二人の初のチーム・アップ誌となるのが本日ご紹介する、先週(9月20日)発売されたばかりの新刊『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』です。

ジョー・ケリー[作]エド・マクギネス[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆

デッドプールとスパイダーマンのダイナミック・デュオが結成されるとあって、本作は発売前からファンの間で話題になってました。

本編に入る前の『プロローグ』も、発売即重版になるほどの人気でした。


デップーはスパイダーマンのことが大好き。スパイダーマンはそうでもない。

そんな二人の絶妙な関係を存分に楽しみたいファンの皆さま、「ご安心ください、期待は裏切りません」と胸を張って言える、それが『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』となってます!

お蔭さまで、発売後即売り切れの店が続出となってます。

ですがまだ大丈夫! 首の皮一枚で再入荷できてますので、首を長くして待っていた読者の皆さま、お近くの書店でぜひお買い求めください。

では、さっそく内容の方を見ていきましょう。


その名もズバリ!”ブロマンス”


ところで本書のタイトルにもなっている”ブロマンス”ってどういう意味でしょう?

それは、“肉体関係のない男同士の愛情”という意味です。


まさにスパイダーマンとデッドプールの関係を指す表現が”ブロマンス”です。

中身を見ると冒頭3ページ目からこんな感じです(↓)。


セリフもですが、絶対絶命の中でのこの”密着感”が萌えますね。

この後も……



と、異様に股間にこだわるデップー。

「え、これ公式?間違えて同人買っちゃった?」という表現のオンパレード。

冒頭からアクセル全開の饒舌なデップーに対し、スパイディはクールにスルーします。デッドプールの活躍でやっと闇次元から抜け出したのに、ウェブ・シューター使って自分だけアスファルトへの激突を避けたりして、スパイダーマン結構酷い……。


「ASPHALT!」って何でしょう、この擬音(笑)。


著者紹介


本作は、ジョー・ケリーとエド・マクギネスのコンビによる作品です。

この名前を聞いてピンとくる読者はさすがです。二人は1997年に始まった『デッドプール』初代レギュラーシリーズを担当したコンビなんです。

WIKIによると、黄色いフキダシや、死なない能力、第四の壁を越えて読者に語りかけるなど、デッドプールのクレイジーかつコミカルなキャラが確立したのもこの頃です。そんな二人によって執筆されているわけですから、本作はこれでもかというぐらいデッドプールの魅力満載となってます。

また日本語訳は高木亮氏。小社『デッドプール』関連コミックスをずっと翻訳して頂いている訳者さんで、原書の魅力を余すところなく引き出してます。

デッドプールを読んでいると、アメリカのテレビ・ドラマや音楽を元ネタにした冗談(しかも、1970年代の番組だったりする…)がちょくちょく出てきますが、翻訳者の高木亮氏による解説のお陰で、初めて読んでも何とか付いていけます。


ぐいぐい引き込まれるストーリー


本作は冒頭から、デップーとスパイディーの軽妙な”ブロマンス”が展開されていきますが、単にノリがいいだけの雰囲気本ではありません。

ドルマムゥ、ハイドロマンと、昔からのマーベルファンにとってお馴染みのヴィランとの戦いが終わった後、傭兵デッドプールのPCに届いた暗殺依頼の内容が明かされます。それがなんと!「ピーター・パーカーを殺せ」なんです。


デッドプールは、スパイダーマン=ピーター・パーカーであることを知りません。

大好きなスパイダーマンを、デッドプールが殺しちゃうの!?

ここからストーリーは一気に転がっていきます。

デッドプールは基本的に悪人専門の殺し屋です。ピーター・パーカーを殺そうと思ったのも、彼がマッド・サイエンティストならぬ反倫理的企業家の疑いがあったからです。つまりパーカー産業の持つ先端技術で、ユーザーに幻覚を見せたり、反人道的な人体実験を指揮していると思ったのです。


もちろんピーター・パーカーはそんな人間ではありません。

では、一体なぜそんな疑いが生じたのか?

そもそもデッドプールに「ピーター・パーカーを殺すように依頼した人物は誰なのか?」
そして何より、デッドプールは「ピーター・パーカーを殺してしまうのか!?」

ここから先はネタバレになりますので、続きはぜひ本書を手に取ってご確認ください!


もう一人のスパイダーマン、娘のエリー、魅力的な既婚の女医、妻のシクラー、女性の雷神ソー…などなど魅惑のサブ・キャラたち


様々な謎が平行線として進行し、ストーリーだけをとっても大変面白く読める本書ですが、本書最大の魅力は何といっても「デッドプールとスパイダーマンのコミカルな掛け合い」と、「二人に絡むように次々に登場する魅力的なキャラクターたちでしょう。

デッドプールと純真無垢な娘のエリーとの会話は、本書の中で一服の清涼剤です。妻のシクラーはデッドプールに対し、常に過激な解決策をけしかけます。ピーター・パーカーが一瞬で心奪われる魅力的な既婚の女医は、もう二度と登場しません。


ミステリオによる集団幻覚に一緒に立ち向かうもう一人のスパイダーマン(マイルズ・モラレス、瞬間移動の後にボリビアで一緒に戦うデッドプールのチーム、マックス・フォー・マネーの面々、クラブ(お酒を飲む方の)でのグループデートに登場する女性の雷神ソー(ジェーン・フォスター……。

なんでこんなに多彩なキャラがゲスト出演するのかといえば、同時期に創刊された彼らの個人誌『スパイダーマン』『デッドプール&マークス・フォー・マネー』『マイティ・ソー』の宣伝のためだそうです(笑)。

それは冗談として、同じスパイダーマンなのに、デッドプールがなぜかマイルズ・モラレスには冷たいのを見るとクスッと笑えます。

そして個人的に本書一番の見どころは、デッドプールがスパイダーマンのためにセッティングしたグループデートでの出来事です。

ここで登場するのが先ほど紹介した女性の雷神ソーであるジェーン・フォスターですが、怒ったジェーン・フォスターをなだめるため、スパイダーマンとデッドプールは、なんとパンツ一枚になってステージで踊りだします。

これが最高!

片手倒立からのヘリコプターからの華麗なステップ!


最後はスパイディーがデップーをリフト!


悪ノリした二人のパフォーマンスに会場は大盛り上がり。

この出来事は、

”悪戯好きの蜘蛛の匠と、酔狂なる醜悪な楽人が、生と死の瀬戸際にて、女戦士のために踊りし……”

と、伝説のソーの書に記述されたとかしないとか……。

ちなみに二人のリフトの元ネタはこちら。


1987年公開のダンス映画『ダーティ・ダンシング』の名シーンからのパロディーです。


今なら特製ガーランドがもらえます!



10月31日はハロウィン。最近は日本でも若者を中心に盛り上がってますね。

昨年はハロウィンでハーレイ・クインのコスプレが流行ったみたいに、ハロウィンにアメコミ・キャラの仮装ってなんか合う気がします。

でも、そういう明るいノリはちょっと…という方(私もそうです)。

そういう方は、ぜひ家でこのガーランドを飾って楽しんでみてはいかがですか?
オフィスのデスクに飾るとこんな感じです(↓)。


対象店舗で本書を購入された方に、もれなく差し上げてます。

▼詳しくはコチラのページでご確認ください▼
http://books.shopro.co.jp/?news=201709marvel_tokuten

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責:小出)


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2017年9月19日火曜日

ツムツムたちがMARVELをジャックする!?



「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

9月に入りましたが、まだ暑い日が続いていますね。それでも朝晩は気温も下がり、秋の到来を感じさせます。

秋といえば、「読書の秋」や「芸術の秋」、「スポーツの秋」とさまざまなことに挑戦しやすい季節です。

今回はそんなタイミングにぴったりの一冊である、『マーベル ツムツム:テイクオーバー!』をご紹介します。

マーベル ツムツム:テイクオーバー!
ジェイコブ・シャボット[作]
デイビッド・バルデオン[画]
定価:本体1,800円+税
●9月20日頃発売●

アメコミに興味があって、これから何か読んでみようかなって思ってる方や、シリアスなアートはちょっと苦手という方にも絶対おすすめしたい内容となっています。

本書は、人気パズルゲームである「マーベル ツムツム」の世界をマーベル・コミックスが独自の設定にてコミカライズした作品となっています。

私も本書を編集するにあたり、「マーベル ツムツム」をプレイしましたがキャプテン・アメリカやスパイダーマンといったマーベルを代表するメジャーなヒーローはもちろん、マイナーなキャラクターも登場しマーベルファンには嬉しいゲーム内容になっています。

友だちとの協力プレイが可能というシステムもさながらアベンジャーズのように、強敵にチームアップして挑むという感覚が楽しめます。ちなみに、私のメインチームはファルコン、スパイダーグウェン、ドクター・ストレンジという構成です。

ファルコンは個人的に大好きなキャラで、スパイダーグウェンとドクター・ストレンジはコミックの編集を担当したことで思い入れがあり選びました!

読者のみなさんも「マーベル ツムツム」を遊んでいる方が多数いらっしゃるかとは思いますが、まだプレイしたことのない方はコミックと合わせてこの機会にトライしてみてはいかがでしょうか。

では、本書のあらすじを簡単にご紹介します。

コレクターの元へ届けられるはずだったコンテナが、輸送の途中で宇宙から地球に落下してしまう……。拾ったのは、ブルックリンに暮らす3人のティーンエイジャーたち。
コンテナを開けてみると、なかにはかわいい謎の生き物“ツムツム”が入っていた。なんと彼らは、ヒーローの能力をコピーすることができるのだ! しかしそれは、ヴィランの能力をもコピーできるということだった……。
ツムたちの力を借りて、少年たちはウルトロンとの戦いを生き抜くことができるのか!?



スパイダーマンやアイアンマンたちの能力を手に入れて、少年たちと一緒に活躍するツムツムたちは超キュート! みなさんのお気に入りのヒーローやヴィランの姿をしたツムツムもきっと登場してると思います。

コミックのなかで登場するツムがどのキャラクターがモデルになっているのかを探してみるのも面白いかもしれません。

マーベル・ユニバースをとおして、いろいろなキャラクターがツムとして出てくるのですがその一例をピックアップしてみます。

▊サノス
全宇宙に死をもたらす邪悪で強大なパワーを持ったタイタン人。
来年春公開予定の映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」での登場も楽しみですね!

▊クロスボーン
ヒドラのリーダーであった、キャプテン・アメリカの宿敵レッドスカルの部下で残忍な傭兵。

▊イエロージャケット
アントマンこと、ヘンリー・“ハンク”・ピムが開発したピム粒子によりサイズ変化能力を用いて、ハイテクスーツに身をまとって戦う。

▊エレクトロ
落雷が直撃したことで、強力な電気を操る能力を手に入れたヴィラン。スパイダーマンの宿敵の一人。

▊ドクター・オクトパス
本名:オットー・オクタビアス。人工アームを操る悪の天才科学者。彼もスパイダーマンの有名なヴィランの一人。2004年公開の映画「スパイダーマン 2」の悪役ですね。

▊ロナン
超人的な体力を持つクリー人。すさまじいパワーを誇る武器、ユニバーサル・ウェポンを持つ。

▊リザード
本名:カート・コナーズ。特殊な血清によってトカゲ男に変化した科学者。強力な尻尾と再生能力を持っています。2012年公開「アメイジング・スパイダーマン」に登場しました。

▊レッカー
怪力の持ち主で、武器はなんとレンチ(笑)。

▊ジャガーノート
大きなヘルメットをかぶり、すべてをなぎ倒す勢いで突進する。
90年代のアーケードゲーム「X-MEN VS. STREET FIGHTER」でジャガーノート良く使ってたのを思い出しました……。懐かしい。

▊マグニートー
X-MENでお馴染みの磁力を自由自在に操るミュータント。

などなど、まだまだ紹介しきれないほどの様々なツムたちがいます。

なかには、ゲームに登場しないツムツムやゲームのデザインとは異なったツムツムもいるので注目してみてください。

もちろん、ツムツムではないヒーローもちゃんと登場します!

冒頭には宇宙を守るガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーの姿があります。
映画でも大人気のロケット・ラクーンやグルート、ドラックスに加えてコミックのオリジナルメンバーであるガモーラやヴェノムなどが戦っているコマが出てきます。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの関連コミックも3冊刊行していますので、ご興味あれば是非! 今月6日にガーディアンズ最新作映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のDVDも発売となっていますので合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

また、アベンジャーズもウルトロン率いる軍団に立ち向かっていますがここでもメンバー構成が異なっています。

トニー・スタークことアイアンマンやナターシャの愛称でも知られるブラック・ウィドウに加え、ハルクは2015年より新ハルクになった超天才少年アマデウス・チョです。ゲームのマーベル ツムツムでもアマデウスのハルクが登場しています。スパイダーマンも本書では、ブルックリン出身の黒人少年マイルズ・モラレス版になっています。

このように、よりマーベル・ユニバースに深く触れていくきっかけになる要素もところどころにあります。


最後に、巻末のバリアントカバー集も必見です!

通常のコミックと比べると32ページ分という圧倒的なボリュームで全バリアントパターンを収録しています!

注目は、カバーにも使用していますが日本在住の人気アーティストであるグリヒル氏が手がけたアートをはじめ、人気アーティストたちがツムツムとマーベルヒーローたちをテーマに想像をふくらませながら素敵なカバーアートを描いています。

本書には登場しないキャラクターも多数描かれてはいますが、どれもストーリー性豊かで絵本のように楽しむことができます。

個人的には、アリに乗ったアントマンが必死にアベンジャーズのツムツムを落とさないように踏ん張っているアートが気に入っています!

スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、デアデビルにブラックパンサーなど、みなさんもお気に入りの一枚に出会えるはずです。

読みやすいストーリーと、かわいいツムツムが大活躍する『マーベル ツムツム:テイクオーバー!』は明日発売となります。

是非、お手にとっていただきいつもとは違うテイストのコミックをお楽しみください!

それではまた次回に。

(文責:渡辺)


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2017年9月12日火曜日

リバース版バットマン&ハーレイ・クイン、発売開始!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

今夏から刊行を開始した「DC REBIRTH」シリーズ。ただいま続々と新タイトルがリリースされている最中です。そこで今回は今月6日に発売された2タイトルをご紹介いたします。

まずは、シリーズ待望のバットマン作品第一弾にバットマン:アイ・アム・ゴッサムです。

バットマン:アイ・アム・ゴッサム
トム・キング[作]
デイビッド・フィンチ他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

本書は、『DCユニバース:リバース』(小社刊)によって仕切り直された、「DC REBIRTH」シリーズにおけるバットマンの第1巻にあたり、2016年6月発売の序章的な増刊『バットマン:リバース』と、その後、同年9月まで月2回のペースで刊行された『バットマン』の#1-6が収録されています。

本シリーズで脚本を担当したのはトム・キング。若手時代にDCやマーベルでインターンを経験しながらも、9・11テロ後はCIAの対テロ・センターに約7年間勤めてアフガニスタンやイラクに在駐。その後、スーパーヒーローを題材にした小説で、作家としてデビューを果たしたという変わり種です。

コミック業界に進出してからは、DCで『オメガメン』『シェリフ・オブ・バビロン』、マーベルで『ビジョン』と立て続けに話題作を発表し注目を集めました。邦訳版のコミックスでは、ティム・シーリーと共同で脚本を手掛けた『グレイソン』(小社刊)が刊行されています。

本シリーズ刊行時のインタビューにおいて、前職では善意だけでは解決できない現実の問題の難しさに直面したと語っていましたが、その思いは本書におけるゴッサム兄妹にも反映されていることは想像に難くありません。

そして、メインの作画を担当したアーティストはデイビッド・フィンチ。1990年代後半からイメージ・コミックスで腕を磨き、2000年代にはマーベルの転機になったエピソード「アベンジャーズ・ディサセンブルド」や『ニューアベンジャーズ』の立ち上げに関わりました。

2010年以降の活躍の場であるDCでは、『ダークナイト:姿なき恐怖』『フォーエバー・イービル』(いずれも小社刊)などを担当している実力派です。重厚な絵柄は、DCの旗艦誌の一つである本シリーズの幕開けにふさわしいといえるでしょう。

また、「DC REBIRTH」では、本シリーズに続いてバットマン系列誌が多数立ち上げられています。以下、その一覧を記載します。

●『ディテクティブコミックス』
バットマンの発案で、バットウーマン(ケイト・ケイン)の指揮のもと、レッドロビン(ティム・ドレイク)、スポイラー(ステファニー・ブラウン)、オーファン(カサンドラ・ケイン)、そしてクレイフェイス(ベイジル・カルロ)がチームを組み、ゴッサムシティのヒーローを監視する謎の組織に迫る。

●『ナイトウィング』
ディック・グレイソンがニュー52でのスパイ活動からヒーローに復帰。梟の法廷の関連組織に潜入して、内部から壊滅させようとする。

●『バットガール』
バーバラ・ゴードンはニュー52後期に彼女の拠点となった街バーンサイドを離れて、沖縄、シンガポール、韓国、中国とアジア諸国をまたにかけて戦う。

●『バットガール&バーズ・オブ・プレイ』
ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)、ハントレス(ヘレナ・ベルティネリ)とチームを組んだバットガールが、かつて彼女の使っていたヒーロー名“オラクル”を名乗る敵を追う。

●『オールスター・バットマン』
……ニュー52で『バットマン』のライターだったスコット・スナイダーが作画にジョン・ロミータ・ジュニアを迎え、トゥーフェイスを護送するバットマンの過酷な旅路を描く。

ちなみに『オールスター:バットマン』の第一巻『オールスター:バットマン:ワースト・エネミー』が、近々小社から刊行予定ですので、そちらもお楽しみにしてください。


さて、新たなシリーズに入り、バットマンの物語はどのような展開を見せるのでしょうか? 以下、あらすじをご紹介します。

▼あらすじ▼

ゴッサムシティに2人のヒーローが現れた。スーパーマンと同様の能力を持った覆面の2人組だ。彼らはお互いを「ゴッサム」、そして「ゴッサムガール」と呼び合う。かつてバットマンの側に立ち、彼を助け、彼から多くの経験を学んだメタヒューマンたちだ。しかし、もし彼らが悪に染まったらどうなるのか? そしてその責任がダークナイトに押しつけられるとしたら……。今、ヒーローの心を歪ませ、悪へと引き込む邪悪な力が解放された。バットマンと仲間たちには、決断の時が刻一刻と迫っていた。

▲あらすじ▲

正義そのもの意味や在り方を問うバットマン作品に相応しい重厚なストーリーを、ぜひお手にとって堪能してください。

さて、続いては同じタイミングで刊行された『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』をご紹介します。昨年公開されて話題を集めた映画『スーサイド・スクワッド』でも、一際ファンの心を掴んだダーク・ヒロイン、ハーレイ・クインの単独シリーズ『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』です。

ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン
アマンダ・コナ―、ジミー・パルミオッティ[作]
ジョン・ティムス、チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

本書は、体裁上は「DC REBIRTH」シリーズで仕切り直されていますが、その内容は、世界観やアマンダ・コナ―&ジミー・パルミオッティ夫妻をはじめたとした制作陣を含めて、前シリーズ「ニュー52」から地続きになっています。

ちょっと頭のネジがユルんでいてバイオレントだけど、キュートな魅力が詰まったハーレイのキャラクターが、引き続き楽しめる快作です。

「DC REBIRTH」で新展開を始めたタイトルには「(タイトル名):リバース#1」として、導入のための特別号が刊行され、その後改めて1号から刊行されるというスケジュールでしたが、前シリーズからの路線を継続しているハーレイ誌については、現時点ではリバース号は存在していません。改めて1号から再カウントする形でハーレイ・クイン誌が刊行され、本書に収録している第1話でこれまでの登場人物紹介を行なっています。 

前シリーズからのファンの方は、引き続き彼女の魅力を堪能できるので、ぜひ本書をお手に取っ手ください。

今後もShopro Booksでは、「DC REBIRTH」シリーズ作品を刊行していくので、DCコミックスファンの方、広くアメコミを読まれる読者の方は、お楽しみにしてください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう! 

(文責:山口)


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2017年9月5日火曜日

新生ジャスティス・リーグが誕生する!



「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

9月に入っても暑さが続き、夏バテで…なんて方も多いのではないでしょうか。そんな疲れを吹き飛ばしてくれるようなアメコミを、今週も紹介していきます。


映画『ワンダーウーマン』がヒット中!

先月末に映画『ワンダーウーマン』がついに日本でも公開され、たいへん人気を呼んでいます。全国596スクリーンで公開、興行収入も20億円に達する勢いの好調なスタートのようで、ワンダーウーマンというキャラクターを知らなかったアメコミ初心者もたくさん詰めかけているようです。

「女性をヒーローにした映画はヒットしにくい」などという映画業界の定説を打ち破り、結果は見事成功。アメリカ本国で長く親しまれてきたこのキャラクターが日本でも幅広い方々に認知され支持されているのは、なんともうれしいかぎりです。

しかも、この盛り上がりは秋から来年まで続きそうです。彼女がチームの一員として活躍する映画『ジャスティス・リーグ』が11月23日に、そしてリーグのまた別の一員『アクアマン』が来年公開の予定となっています。

DCコミックスに登場するキャラクターを主人公にした映画が今後も相次ぎますので、その元となるコミックスの魅力をどんどんお伝えしていきます!


リバースにジャスティス・リーグが登場

さて今回ご紹介するタイトルは、明日発売となる『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』です。ワンダーウーマンもこのリーグの一員として活躍するので、以前からのDCファンはもちろん、公開中の映画で「彼女にハマッた!」、「強い女性っていいよな…」などとワンダーウーマンのとりこになってしまったDCコミックス初心者にもぜひ読んでいただきたい作品です。

『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』
ブライアン・ヒッチ[作]
トニー・S・ダニエル、ブライアン・ヒッチ、へスス・メリノ[画]
定価:本体2,300円+税
●9月6日頃発売●

「リーグってなに?」、「ほかのキャラクターなんて全然知らないよ」、「これまでの流れも知らないし…」なんて方でも大丈夫。予備知識なしでも分かりやすく読める内容に仕上がっていますので、過去の作品をおさらいする必要もありません。

この作品、DCコミックスの最新シリーズである「DCリバース」という新体制の内容となります。先月初旬に刊行した『DCユニバース:リバース』を皮切りに、下旬には『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』を発売しており、弊社ではこの「DCリバース」シリーズを順次刊行していきますので、ぜひお楽しみに。

『DCユニバース:リバース』
ジェフ・ジョーンズ[作]
ゲーリー・フランク他[画]
定価:本体1,500円+税
●好評発売中●

『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』
ピーター・J・トマシ他[作]
パトリック・グリーソン他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』
グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

2011年9月に行った「NEW52!」シリーズでのリランチは、それまでの設定自体を大幅に変更したものでしたが、今回のリバースは一部設定の変更はあるものの、基本的にNEW52!の設定を引き継いだ、いわば「新章突入」というステップです。

そして本作品は、新章「リバース」でのジャスティス・リーグ1巻目ということになります。


「絶滅装置」が発動!?

さて、リバース第1弾ではこれまでにない新たな物語、いえ危機が展開します。

▼本書紹介文より引用▼

スーパーマンは第二の故郷である地球を守って殉死し、残されたジャスティス・リーグは、スーパーマン不在のまま戦いを続けることになった。そんななか、彼の後釜を継ぐべく、別世界から“経験豊富なスーパーマン”がやって来た。
はたして、新生ジャスティス・リーグは、チームとして機能するのか? いや、今すぐ機能させなければならない。なぜならば、リーグ史上最大の半神存在が到来したからだ。
恐るべき破壊兵器が活動を始めるとともに、地球が崩壊の危機を迎え、人類が生体兵器へと作り変えられていく……。その絶滅装置を阻止するためには、ジャスティス・リーグ全員の力が必要だ!


▲本書紹介文より引用▲

要は、「エクスティンクション・マシン=絶滅装置」がはるか以前より地球内部に埋め込まれており、それが作動したことにより、世界各地で大地震や津波が起こり始めます。そんな自然災害から人々を守るために、リーグは各地へ赴き救助活動にてんやわんや。同時に、装置破壊に奔走することにもなる、というストーリーです。


8人体制の新生ジャスティス・リーグ

新章に突入ということで、リーグのメンバーが一部変更となりました。NEW52!(リランチ)の時には、ジャスティス・リーグのメンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、フラッシュ、グリーンランタン(ハル・ジョーダン)という7人体制(男6・女1)でしたが、リバースではハルの代わりに2人の新人グリーンランタン(サイモン・バズ(黒人男性)とジェシカ・クルーズ(白人女性))が加入。さらにNEW52!版スーパーマンが死亡したことにより、新スーパーマンが加入し8人体制(男6・女2)となり、組織としても増員、パワーアップが図られたわけです。

このスーパーマンの変更が、本作においては重要なポイントとなります。そう、敵を倒すとか、人々を救援するというメインストーリーのほかに、「リーグは一致団結できるのか」というサブストーリーを形成し奥行きをもたらしています。

「NEW52!」のスーパーマンと外見は似ているものの、年齢は今回のほうが上。約10年前に現行世界にやって来ましたが、表舞台での活躍はせず隠棲していました。そのため、バットマンなど他のメンバーたちにとってはほとんど赤の他人なのです。


新スーパーマンは仲間になれるのか?

実際、作中では、スーパーマンは「彼らは私の友人じゃない」と関わりを避けるし、バットマンはリーグのメンバーに対して「あの男から目を離したくない」と警戒心バリバリだし、心のなかでも「信頼できない」、「この男の存在は我々を傷つけるかもしれない」とスーパーマンの加入を認めようとしません。

このように、リーグの中核であるスーパーマンはメンバーの自覚はないし、やる気もないし、バットマンは心を許さないという状態で、読者としては「えっ! こんな雰囲気で大丈夫?」という不安がどんどん募ってくるのです。その溝が埋まらない間にも事態は深刻さを増していくため、ストーリーがよりスリリングに展開していきます。読んでいる第三者としては、「仲間割れしている場合じゃないよ!」と両者に大声で叫びたくなってくるのです。

そして、変更となったもう一つのキャラクターがグリーンランタン。新人二人が加入したのですが、「経験はないけれど、その分、体力でカバーしてます」とでもいうように、体力にまかせて全力であちこちを駆け回る活躍を見せます。なにより特筆すべきは、男性グリーンランタンのサイモン。このキャラクターの面白さが料理の隠し味に使うスパイスのように、ストーリーにぴりりとよく効いているのです。詳しいキャラ説明は、後ほど「見どころ」で。

ジャスティス・リーグという超人たちのチームプレーが展開するので、どこをどう読んでも読者それぞれの楽しみ方ができますが、とくに「ここに注目!」という見逃せないポイントをご紹介します。


▮見どころ① 緻密な作画による壮大なアクション

ストーリー自体が地球崩壊までのカウントダウンという内容のため、世界各地で大規模な自然災害が起こります。それにしたがって、絵も規模の大きなものになります。たとえば、高層ビルが崩壊し大量の瓦礫が降っているシーンやビル群に流れ込んでくる大洪水、謎の飛翔物体が大群で舞い市民を襲うシーンなど、人や建物、風景が圧倒的な物量で詰め込まれており、それが実に緻密に描かれています。

しかも単に詰め込んだ、というだけでなく、人や物の構図が「自然さ」を度外視した作りによりクールでかっこいいいのです。つまり、見せ場がきちんと一つのアートになっているわけなんです。そんな緻密なコマが臨場感につながり、まるでハリウッド映画の超大作を観ているかのように引き込まれていく感覚を味わえます。

この点でぜひともじっくりと見ていただきたいのが、「CHAPTER2」の始めからわずか7ページで展開されるワンダーウーマンの戦場シーンです。

彼女の飛翔する角度、戦車が空を舞う構図、戦場となった街の壊滅していくさまなど、「かっこいい…」のひと言に尽きます。ひとコひとコマが一幅の絵画のように絵としての魅力にあふれていて、この数ページを見るだけでも、この作品にふれる価値はあるのではないでしょうか。

と同時に、これを忠実に撮影すると映画『ワンダーウーマン』になるなぁ、と思い至り(それはそれで制作者は大変ですが)、映画との親和性の高さをあらためて感じます。


▮見どころ② メンバーそれぞれの見せ場がたっぷり

本作で特に注力して描かれているのが、メンバーそれぞれのソロ活躍シーン。ともすると、スーパーマンやバットマンがメインになりがちですが、今回は半歩下がった状態のように抑えられていて、8人それぞれにしっかりと見せ場が用意されています。メイン・サブという区別なく、バランスよく各キャラクターの奮闘が配置されているので、チームプレーが展開される以上に、リーグの組織力や結束感が際立っています。

特にグリーンランタン、フラッシュ、サイボーグは世界各地を飛び回り、八面六臂の活躍を見せるので、予備知識のない方でもそれぞれがどんな能力を持っていて、どのように戦うのかということが、よくわかるようになっています。


▮見どころ③ 的確なタイミングで入る自虐ネタ

このストーリーで秀逸なのは、シリアスさのなかにもオフビートな笑いが随所に盛り込まれていることではないでしょうか。自虐ネタでそのコメディリリーフを担うのが、今回から参加しているグリーンランタンのサイモン

たとえば、フラッシュが

「ジェシカの到着だ」

と言えば、

「俺もいるよ」

と自分の存在感のなさをきちんとフォローするし、

「ジェシカ、見事だよ」

とほかのメンバーが評価されると、

「おい、俺も誉めろよ」

と自分の仕事を猛烈にアピール。

ほかのメンバーから

「慎重に行動してね」

と念押しされれば、

「俺は慎重だよ」

と言った後に、間をおいて

「たまに」

とぼそりともらすし。

このほかにも、フラッシュは謎の飛翔物体を見れば、

「変なヤドカリを吐き出しているんだ。アクアマンなら会話できるんじゃない?」

とメンバーをちょっとバカにする始末。

ふっと肩の力が抜けるような会話やセリフが絶妙のタイミングで入ることで、キャラクターの本心や人間関係が浮き彫りになって、ストーリーに奥行きをもたらす効果となっているのです。

この新生ジャスティス・リーグについては、早くも第2巻を編集中です! タイトルは『ジャスティス・リーグ:アウトブレイク』。敵はがらりと変わって、ハッカーです。そしてその次の作品では、あの「スーサイド・スクワッド」が参戦するかもしれません!

新生ジャスティス・リーグの活躍の場はどんどん広がっていきます。今後も超人たちのチームプレイと人間関係の新たな展開をぜひお楽しみに。

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)


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