2017年6月20日火曜日

新刊『デスストローク:スーサイド・ラン』:世界最凶の追跡劇!



 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 今週ご紹介するのは、6月7日に発売された『デスストローク:スーサイド・ラン』です。




デスストローク:スーサイド・ラン
トニー・S・ダニエル他[作]
タイラー・カークハム他[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆



 世界最強の傭兵にして暗殺者、デスストロークことスレイド・ウィルソン。DCコミックスきってのアンチヒーローの最新刊です。

 前巻『デスストローク:ゴッド・キラー』では、なんと神の暗殺をやってのけたスレイド。さすが“世界最強の傭兵”の異名は伊達じゃありません。



デスストローク:ゴッド・キラー
トニー・S・ダニエル他[作]
タイラー・カークハム他[画]
トム・モリー他[彩色]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆


 今回は、そんな彼の過激な追跡劇が繰り広げられます。

 DCユニバースでもトップクラスの戦闘能力を誇る彼の唯一の泣きどころ、それは愛娘ローズと愛息ジェリコ、二人の子供たちでした。自分の命と引き替えにしても構わない存在ローズが行方を消し、追跡劇が始まります。ということで、まずは本作のあらましからご紹介します。

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デスストロークことスレイド・ウィルソン。最強の傭兵にして暗殺者。彼の手にかかれば、どんな標的も逃げることはできない。そんな彼の娘ローズが姿を消した。失踪の鍵を握るのは、スーサイド・スクワッドきっての問題児ハーレイ・クイン。かくしてスレイドは、娘の行方をハーレイから聞き出すため、ベル・レーブ収容所に潜入する。しかしそこで待っていてのは、血に飢えたメタ・ヒューマンやスーパーヴィランたちだった。血で血を洗う追跡劇の果てに、どんな結末が待っているのか!?


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  他のヒーローコミックスとは、ひと味もふた味も違うハードコアでハードボイルドな魅力を持ったデスストローク。前巻、前々巻に続いて本作でも、ひとコマごとに血しぶきが読者に届きそうなバイオレンスアクションが展開されます。ではここからは、その魅力を中面とともに紹介します。



 物語冒頭、ベル・レーブ収容所(※スーサイド・スクワッドの面々が収容されているメタヒューマンやスーパーヴィラン専門の刑務所)への侵入を試みるスレイド。その目的は?







スレイドの目的、それはスーサイド・スクワッド最狂の問題児ハーレイ・クイーン。ローズが行方をくらませた家に残されていた死体、そこにはハーレイからと思しきメッセージが残されていたのでした。








スレイドの侵入によって、ベル・レーブ収容所のセキュリティシステムが破綻。それに乗じて凶悪なメタヒューマンが逃亡します。その名は「スネーク・バイト」。






そこから物語は展開し、レックス・ルーサーの思考をコピーしたAIが搭載されたロボット、レックスボットやビザロと思しきクリプトン人のクローン、さらにはレッドフードとの激闘が繰り広げられます。








ノンストップで展開されるアクションの果てに、デスストロークが目にするものとは……それは本編を読んでお確かめください。


さて、アメコミ初心者にはあまりなじみのないデスストロークですが、これまでドラマ『ARROW/アロー』やゲーム『バットマン:アーカム・ナイト』などに登場し、日本でもフィギュア化されるなど、マニアの間では知られた存在です。今後、DCエクステンデッド・ユニバースの展開次第では、映画への登場も想像に難くないキャラクターですので、今からコミックでチェックしておくことをオススメしいたいと思います。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!






(文責・山口大介)



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2017年6月13日火曜日

ウルヴァリン、X-MEN加入前の知られざるストーリー


 「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!
 
6月に入ってじわじわと暑くなり、ちょっと疲れ気味…という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々に今週も、疲れを忘れさせてくれるアメコミの最新情報をお届けしていきます!
 
アメコミファンにはうれしいことに、現在公開中で第ヒットしている映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』や『ローガン』、また8月に公開予定の『スパイダーマン ホームカミング』など、マーベル作品の映画化が目白押しです。
 
「シーズンワン」シリーズの魅力
映画『ローガン』のウルヴァリンは、すでに年老い、無敵のスーパーパワーを失った生身の人間として描かれていますが、今回ご紹介するタイトル『ウルヴァリン:シーズンワン』はまさにその対極にある物語と言えます。

●表紙
『ウルヴァリン:シーズンワン』
ベン・アッカー&ベン・ブラッカー[作]
サルバ・エスピン[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
 
 

 今ではX-MENの中でも特に高い人気を誇るウルヴァリンですが、彼がX-MENに入る以前の物語、まさしくヒーローになる前の知られざる秘話が明らかになるというストーリーとなっています。
 
 本書のタイトルにあるとおり、「シーズンワン」シリーズは、近年の映画でマーベルヒーローの魅力を知った新しいファンに向けて展開されるストーリーです。本書だけでなく、弊社から『アベンジャーズ:シーズンワン』『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』
『X-MEN:シーズンワン』『アントマン:シーズンワン』などを刊行しています。お気に入りのキャラクターのオリジンを知りたい方は、ぜひこれらを読んでみてください。誕生秘話を知ることで、そのキャラクターの個性や能力について深く理解できるようになり、今後の作品についてをもっと楽しむことができるはずです。

この「シーズンワン」というシリーズの特徴は、
おなじみのヒーローたちのオリジンを、現代風のアレンジを加え、わかりやすい読み切りのエピソードにまとめている。また、巻末には試し読み用に最新のコミックが収録され、キャラクターをもっと知りたい人に格好の入門書となっている
(※以上、翻訳者・光岡三ツ子さんによる本書解説から抜粋)


本書の設定は、映画でウルヴァリンのファンとなった方々にもわかりやすい作品にするために、原作をかなりアレンジしたもので、新たなストーリーとして展開しています。

どこから読み始めればよいのか、つい迷ってしまうアメコミですが、上記のようなコンセプトで組み立てられているため、あくまでもわかりやすいストーリー展開と人気キャラクターの初期エピソードで構成されているという点で、アメコミ初心者には特にオススメの一冊といえるのではないでしょうか。

■ウルヴァリンの知られざる過去
 ワイルドなスーパーヒーローというイメージが強いウルヴァリンですが、X-MENに入る前には誰に知られることのない歴史がありました。
ローガン=ウルヴァリンとして知られるこの人物は、カナダ生まれで裕福な家庭の子どもとして育ちました。しかし、怒りにまかせ自分の殺した男が実父だったという衝撃の事実や、子どもの頃からの遊び相手だった女性を誤って刺してしまったこと。さらに、愛した女性を他のミュータントに殺されてしまったことなど、多くの悲劇と苦悩を背負いながら生きてきたのです。
 そんな折に、カナダ政府の人間兵器開発計画「ウェポンX計画」の被験者となり、科学者たちによって骨にアダマンチウムを融合され、現在のウルヴァリンの特徴が形成されます。政府機関から逃げ出したウルヴァリンは、森林に逃げ込みまるで野獣のような暮らしをおくっていたのです。
本書はそんなところから物語が始まります。

【あらすじ】
 カナダの荒野で暮らす男は、自分よりも圧倒的に大きな野獣・ウェンディゴと戦い、重傷を負って倒れていた。カナダ政府の特殊機関に保護され、戦士としての訓練を受けた彼は、おなじみのコスチュームをまといウルヴァリンとなる。ハルクとの初対決や、因縁の敵セイバートゥースとの再会で激しい戦いが繰り広げられていく。はたして、野獣のようなウルヴァリンはX-MENへと続いていく道をどのように切り開いていくのだろうか…。


舞台はカナダの原野。つまり、スパイダーマンやデッドプールのように大都会での戦いが展開されるのではなく、そこに暮らすたくさんの人々を守るようなかっこいいヒーロー的活躍を見せるわけでもありません。終始、泥くさい自然の中で誰に見守られるわけでもなく、ただただ孤独な戦いが繰り広げられるところが、本書の一つの特徴と言えるでしょう。
 
■ウルヴァリンの新たな魅力が全開
そこでは、全編を通じて様々な敵との激しいアクションが展開していきます。ウェンディゴ、ハルク、セイバートゥース、カナダ政府が開発したエクソスーツなど、巨体で超強力な相手とのバトルは、体と体とのぶつかり合いであり、「スタイリッシュ」からは程遠い肉弾戦ともいうべきもので、壮絶を極めます。ウルヴァリンは殴られ、噛まれ、踏まれ、投げられ、血まみれになり、意識朦朧の戦いを強いられ、瀕死の状況に陥るすさまじさ。他作品にはない大きな見どころとなっています。
 
しかし、本書の魅力はこのアクションシーンだけではありません。「ほとんど野獣」のようなウルヴァリンがはたしてどのように変わっていくのか。その過程にもぜひ注目してください。始めは怒りや不安に駆られると、手のつけようのない凶暴さを露にしていたのですが、ある人物との出会いと献身的なサポートにより、彼は次第に自分の獣性をコントロールできるようになり、人間性をなんとか保つように奮闘し始めます。それは敵ではなく、自分との戦いであり、新たな自分を獲得しようともがく姿であり、ヒーローになる前の彼の試練なのです。その試練をどう乗り切るのか。その行動こそが、のちにヒーローとなるウルヴァリンにつながっていくのではないでしょうか。
 
 つまりこの物語は、X-MENとして活躍する前のウルヴァリンの資質が形成される過程であり、この人気ヒーローの原点が刻まれている作品だと言えるのです。
 
また、今やおなじみのウルヴァリンのコスチュームですが、これを初めて着るシーンをぜひお楽しみに。どのような流れで着ることになるのか。人気キャラクター誕生の瞬間に立ち会えるのも、本書の醍醐味です。
 
さらに、巻末に収録されている試し読み用の一話も、本書のお楽しみです。収録作は、ウルヴァリンが若きミュータントたちを育てる学校の校長として活躍する物語。えっ、校長?    
そうなんです。本編との内容にギャップがありすぎますが、ここではヒーローとしての活躍ではなく、若者たちを危険な現場で直接指導する教育者としての姿が描かれ、彼のまた違った側面が見られます。本編で描かれるオリジンストーリーと合わせて、これまたウルヴァリンの知られざる部分が明らかになります。
 
さて、本書でウルヴァリンの新たな魅力にふれることで、「はまってしまった!」、「ウルヴァリンについてもっと読みたい」という読者が出てくるかもしれません。そんな方にぜひおすすめしたいのが、来週刊行する『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』です。
 
 
●表紙
『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』
ジェイソン・アーロン[作]
アダム・キューバート他[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●
 
 
なんと、ウルヴァリンが日本にやって来て大暴れ、という内容です。日本で待ち受ける敵とは誰なのか。ウルヴァリンの運命はいかに・・・。
 
【あらすじ】
謎の男が忍者集団ハンドとヤクザの抗争をあおり、日本の闇社会の支配権を握ろうと画策する。その謎の男は、セイバートゥースらを仲間にしたうえ、シルバーサムライの若き息子を引き入れるために、その恋人アミコを誘惑する。
しかし、それが彼らの誤算の始まりだった。なんと、アミコはウルヴァリンが引き取り、可愛がっている養女だったのだ・・・。
 
大人気のウルヴァリンから今後も目が離せません。こちらもぜひお楽しみに!
 
それでは、また来週お会いしましょう。
 
(文責:木川)

 

 

2017年6月6日火曜日

『ドクター・ストレンジ & ドクター・ドゥーム』――正反対の力を持つ“二人の天才”によるチームアップ!!

「マーベル展」でドクター・ストレンジが大注目!


六本木ヒルズで開催中の「マーベル展」に行ってきました。
会場に入ると、いきなり巨大アイアンマン像があったり、撮影禁止でお見せできないんですが、貴重な生原稿、キャプテン・アメリカやドクター・ストレンジなどの等身大フィギュア、そして個人的に一番見応えがあったアイアンマンの歴代アイアン・アーマーの展示など、見どころ満載のイベントとなってます。
(※東京では、6月25日まで開催中です。)


ところで話は変わりますが、先日発売した小社刊『マーベル・アベンジャー事典』、皆さま手に取っていただいたでしょうか?
ヒーローチーム「アベンジャーズ」に関わった全てのヒーローを1人1ページずつ紹介する本書は、アメコミ勉強中の私には正直”神”のような本なんです!
ヴィレッジヴァンガードイオンモール日吉津様のTwitterでも、「もうね、少しだけ読みましたけど、すごい!死ぬまで読んでられる物になってます!」と熱いツイートがありました!(ありがとうございます!!)


アラン・カウシル[著]
定価:本体3,000円+税
◆好評発売中◆

この本が面白いのは、ヒーローの能力を6項目に分けて7点満点で数値化していて、ゲームの攻略本みたいで大変分かりやすくなってるところです。例えば、ハルクは、腕力と耐久力は満点の7だけど、非物理攻撃は1(殴る蹴るだけってこと?)。人間であるホークアイ(クリント・バートン)は腕力3、耐久力2だけど、テクニックは7(女性をくどくテクニック?)・・・といった具合です。
そしてドクター・ストレンジも載っていて、腕力・耐久力・テクニックはそれぞれ2・3・3と低めですが、さすが魔術師だからでしょう、非物理攻撃は6、そしてそれ以上にスピードは7と最高点です。


ドクター・ストレンジもアベンジャーズの一員だったんですね!(スイマセン、初心者で・・・)

「マーベル展」でも、アイアンマンやキャプテン・アメリカなどと並んで、ドクター・ストレンジは大々的にフィーチャーされており、ドクター・ストレンジの紹介パネルの前で、カップルが興奮気味に「おぉ、ドクター・ストレンジだ!」とつぶやいてました。
今年映画化されたこともあり、マーベル・ユニバースの中でも大注目のキャラクターなんですね!

展示されてた年表を見て知ったんですが、ドクター・ストレンジの歴史はかなり古く、初出は1963年の「ストレンジ・テイルズ」#110まで遡ります。
もう既にご存じの方も多いとは思いますが、ドクター・ストレンジを簡単にご紹介します。↓↓↓

宇宙最強の魔術師。
かつての彼は優秀な外科医である一方、冷たく傲慢な性格だった。しかし、自動車事故で両腕の神経を損傷して二度とメスを握れなくなってしまった。
治療を求めて東の地の伝説的魔術師エンシェント・ワンに弟子入りし、長く厳しい修行の結果、地球を守る至高の魔術師(ソーサラー・スプリーム)となった。

2017年1月公開映画「ドクター・ストレンジ」で初めて知った人もいると思いますが、ドクター・ストレンジ関連本としては、小社からも既に『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』と『ドクター・ストレンジ:プレリュード』の2冊が刊行され絶賛発売中です。そして、3冊目となるのが、今回ご紹介する『ドクター・ストレンジ & ドクター・ドゥーム』です。

『ドクター・ストレンジ & ドクター・ドゥーム』の見どころ


ロジャー・スターン[作]
マイク・ミニョーラ[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

3冊目とはいえ、本書は読みきりエピソードなので、前の2冊を読んでなくても問題なく理解できる内容となってます。
(もちろん、前の2冊も読んでいただけたら大変うれしいです^^!)

まずは、本書のあらすじ紹介から。↓↓↓

魔術を操る天才ドクター・ストレンジと、科学を愛する天才ドクター・ドゥーム。相反する力を合わせ、二人は魔王メフィストに挑む!
ファンタスティック・フォーの宿敵でもある天才科学者、ドクター・ドゥーム。彼は母親の魂を地獄から解放するための孤独な戦いに、何度も敗れていた。その戦いに手を貸したのが、天才脳外科医の魔術師、ドクター・ストレンジだった! まったく逆の力を武器にする二人は、魔王メフィストを倒し、母シンシアの魂を救うことができるのか。そしてそのために彼らが払わなければならない犠牲とは、いったいどれほどのものなのか……? 天才ヴィランと天才ヒーローによる、予想外のチームアップ。
◆収録作品:『ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム』、『ドクター・ストレンジ』#54、『アストニッシング・テイルズ』#8、『マーベル・ファンフェア』#16&#43


多くのエピソードが収録されて大変お得な1冊となってますが、その中でもメインエピソードの『ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム』は、マーベルの「グラフィックノベル・レーベル」として1989年に発表され、その名のとおり、小説のようなストーリー性に優れた作品となってます。

老ジェンギスが大魔術大会を開催する「起」、そこからドゥームの母を救うという主題が与えられる「承」、そして魔王メフィストとの対決のため冥界へ赴く「転」、読者の予想を裏切る戦いの展開とその結末を描いた「結」と、怒涛のごとく一気に78ページを読ませてくれます。私のようなアメコミ初心者には分かりやすくアマチュア・フレンドリーな作品です。

しかし、小説的だからといって、アメコミ最大の魅力であるキャラクターが疎かになっているわけではありません!
むしろ78Pと短い本編の中だけでも、「ドクター・ストレンジ」「ドクター・ドゥーム」「魔王メフィスト」「ドゥームの母シンシア」「老ジェンギス」など、個性豊かで魅力的なキャラクターが目白押しです。

中でも本書で最大の魅力を放っているのが、ドクター・ストレンジではなく、彼とチームアップするドクター・ドゥームだと個人的に思います。



最初、本書はドクター・ストレンジを主人公とした物語なのかなーと思って読み始めたのですが、読み進めるうちにすっかりドクター・ドゥームに感情移入してしまいました。本作でドゥームは、完全に主人公のドクター・ストレンジを食ってます!

魅力あふれるドクター・ドゥーム

ここで簡単にドクター・ドゥームをご紹介します。↓↓↓

科学の天才である一方、魔女である母の血を受け継ぎ、魔術にも秀でている。
並はずれて自尊心が強い一方、傷つき醜い素顔をつねに仮面で覆っている。
東ヨーロッパの小国ラトベリアの独裁者として他国から憎まれる一方、ラトビア国民からは深く愛されている。
ラトビア旧領主から迫害されたロマ民族の生まれで父母をラトビア軍に殺害されたが、自らの科学技術と魔力によりラトビア王位を簒奪した。
世界支配を目論む暴君だが、彼の最大の悲願は魔王メフィストに囚われた母の魂を解放することである。

どうですか!
彼の概略だけでも十分魅力が伝わってきませんか。
本書を読んでいると、彼が何を考え、どう行動するのか、気にせずにいられません。
なぜドクター・ドゥームは読者を魅了してやまないのでしょうか。

それは彼が、矛盾した人物だからだと思います。
独裁者なのに国民に愛され、魔術師の血が流れているのに科学技術を愛し、世界征服を目指しているのに母親一人の魂を救うためならどんな犠牲も厭わない・・・。
その意外性にやられちゃいます。

「普段突っ張っている不良少年が、雨の中で捨て猫を拾う姿をたまたま見て、クラス一の美少女が、その優しさにキュンとなって恋に落ちる・・・」

そんな気分です・笑。
ぜひ皆さんも本書を手にとってドゥームの魅力に触れてください!

全てがつながっている!3つのエピソード

ところで、本書は以下3つの短編で成り立ってます。
(※他にネイモア・ザ・サブマリナーを主人公にした短編2つも収録)

(1)『ドクター・ストレンジ&ドクター・ドゥーム』(ライター:ロジャー・スターン、1989年発表)
(2)『アストニッシング・テイルズ』#8(ライター:ジェリー・コンウェイ、1971年発表)
(3)『ドクター・ストレンジ』#57(ライター:ロジャー・スターン、1983年発表)

実は、この3つの短編は(2)→(3)→(1)の順につながっています。
ライターのロジャー・スターンが、ジェリー・コンウェイが書いた(2)を読んで、ドクター・ドゥームにスポットを当てた(1)を最初に構想したのは1982年です。

「ドクター・ドゥームが本気で母親の魂を救う気があるなら、直接冥界にアタックするはずだ。だが、そのためには科学の力だけでは足りない。最強の魔術師の援助が必要なはずだ。しかし自尊心が高いドゥームがドクター・ストレンジに助力を乞うなど考えられない。そうだ、100年に一度の魔術師の世界大会を開き、優勝者は準優勝者の願いを一つ適えなければならない、というルールを設けよう。それによって、ドクター・ストレンジが地球最高の至高魔術師であるという正式なお墨付きを与えることもできる。」というアイデアを思い付きました。

その伏線として、ロジャー・スターンは自身の作品である、ドクター・ストレンジを主人公とした(3)で、ドクター・ドゥームがドクター・ストレンジに弟子入りしようかと一瞬考える、というシーンをさりげなく入れてます。足かけ6年に及ぶ壮大な伏線です!

このあたりの本作の成り立ちは、本書P144・145に、ロジャー・スターンのインタビュー記事として載っていて、大変読み応えがあります。(1)(2)(3)を読み終えた後に必ず目を通していただきたいです!

・・・本書について語りたい事はまだまだたくさんありますが、いい加減他の仕事もしないと周りに怒られそうなので、今週はこのあたりで。最後までお読みいただきありがとうございました!来週の更新もお楽しみに。

(文責・小出)


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2017年5月30日火曜日

『ハーレイ・クイン』第4弾――ハーレイの仲間、大増員!

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
短い春は早くも終わりに差しかかり、あっという間に初夏の気配ですね。
梅雨に入ってしまうまで、外遊びも楽しい季節ではありますが、
新刊のアメコミも逃さずチェックしてください。

今回ご紹介するのは『ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ』。

ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ
アマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中◆

「The New 52!」シリーズとして『ホット・イン・ザ・シティ』から続くハーレイ・クイン主演作の第4弾です。
これから手にとってみようという方は、既刊作品を以下の順番でお読みください。


ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ
シリーズを通してレギュラーとなるキャラクターたちも登場。なぜハーレイが常に金欠なのかなどもわかる、この単独主演作の幕開けとなった一冊です。

ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ
アマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆



ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ
南海の孤島から宇宙、果てはコミコン会場まで、ハーレイがTPOをわきまえず大暴れ! パワーガールとのチームアップも楽しめます。

ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ
アマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ
親友ポイズン・アイビーの助言もあり、忙しすぎるハーレイはワークライフバランスの改善を図ることに。急募! ハーレイのアシスタント!

ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ
アマンダ・コナー&ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン[画]
定価:本体2,400円+税
◆好評発売中◆



そして最新作『ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ』のあらすじはこちら。↓↓↓

ハーレイとギャング・オブ・ハーレイズは、報酬をもらうために活動を開始する。しかし、少々手に余る仕事が舞い込むことも。単なる行方不明者捜索のはずが、“凶暴化した船長と対決する”ハメになるなんて――誰に予想できただろう?
さらにハーレイはハリウッドへ。賞金稼ぎのビジネスにも手を広げた彼女だったが、やがてそれがヒーロー稼業より危険な仕事だと思い知ることになる。なぜなら、ハーレイはデッドショットの標的を横取りしようとしていたのだから……!


本作では、前号の『キス・キス・バン・スタブ』で募集したハーレイの助手集団「ギャング・オブ・ハーレイズ」が本格始動します。彼女たちのおこなう活動は、意外なほどに人の役に立つことばかり。街のコソ泥をやっつけたり、悪徳市長をこらしめたりしています。そのやり方がちょっと過激でメチャクチャで、高確率で流血沙汰になってしまったりするのですが、そこがハーレイらしくて楽しいところですね。


個性豊かな12人のメンバーについてもコードネームが与えられ、詳しく紹介されているので、こちらの小ネタもお楽しみください。

ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ』本編より

ここで挙がっているのは、DCのコミックに登場したヒロインたちの名前です。アメコミ好きならみんながわかるものから、どっぷり詳しい方がクスッと笑えるコアなものまで。
たとえば「エラスティ・ガール」は『ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ』に登場したドゥーム・パトロールの一員です。身体の大きさを変えられるというインパクトの強さで、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。

ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ
ジェフ・ジョーンズ[作]
ダグ・マーンキ他[画]
定価:本体2,700円+税
◆好評発売中◆


ほかにも、不朽の名作『ウォッチメン』に登場しているキャラクターの名前もあるのですが、おわかりになるでしょうか?(答えは文末に記載しています!)

ウォッチメン
アラン・ムーア[作]
デイブ・ギボンズ[画]
定価:本体3,400円+税
◆好評発売中◆


毎回いろいろなゲストが登場するのも本シリーズの魅力ですが、今回はスーサイド・スクワッドでハーレイとともに任務をこなす凄腕ガンマン、デッドショットことフロイド・ロートンが出演しています。
自殺部隊では非道なリーダー的存在ですが、素顔は人の子であり人の親であるデッドショット。彼については単独主演作も刊行されています。気になる方はこちらの記事も併せてご覧ください。

スーサイド・スクワッド:デッドショット
ブライアン・ブッチェラート[作]
ビクトル・ボグダノビッチ[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆


基本的に、本シリーズでのハーレイは弱きを助け強きをくじく勧善懲悪タイプ(あくまでハーレイ目線の善悪ですが)。ジョーカーの恋人として狂気の限りを尽くしていた頃とは違い、現在のハーレイの行動原理になっているのは生活苦だといえるでしょう。本業の精神科医とギャング・オブ・ハーレイズの活動をもってしても、あがないきれない生活費。大所帯のギャングを雇ったことで、負担は増えている気がしますが……。
とかくお金を稼ぐため、高額の報酬に釣られて慣れない仕事を引き受けたハーレイですが、実はその仕事、もともとはデッドショットが依頼を受けたものだったのです。思いがけず、デッドショットと単身対決することになったハーレイの運命やいかに! そしてそもそもの目的、彼女が手にするはずだった報酬の行方も気になるところです。

また、『キス・キス・バン・スタブ』から登場しているハーレイの恋人候補、メイソンとの関係がどう進展していくのかも見逃せません。
前作では思わぬすれ違いが生まれてヤキモキしたものの、無事に誤解をとくことができたハーレイでしたが、今回はさらに深刻な障害がふたりの間に立ちはだかります。市長の息子を殺害したとしてメイソンが逮捕されてしまい、彼に会うことすらままならなくなってしまいました。この先、いったいどうなってしまうのでしょうか。


ハーレイ・クイン:コール・トゥ・アームズ』本編より。
連行されるメイソンと引き離されるハーレイ


親友であるポイズン・アイビーとの仲良しぶりはもちろんのこと、キャットウーマンも加わっての女子旅エピソードも収録されています。
キャットウーマンはバットマンと付き合いの長いキャラクターで、盗みのプロ。今回も女子旅のついでとばかりに、敵対関係にあるヴィラン、ダークウルフの獲物を掠め取ろうとしています。
3人3様の魅力が描かれていますが、とくにハーレイの天真爛漫ぶりがとってもかわいらしいですよ。

すでにお知らせしていますが、このハーレイ・クインシリーズはこのあともスピード感をもって続刊が発売される予定です。普通の幸せ、そしてお金を追求して奮闘するハーレイは、その願いをかなえることができるのか? 完結まで、どうぞ目を離さずにお付き合いください。


忘れるところでした。
前述のクイズ(?)の回答をお知らせしておきましょう。
ギャング・オブ・ハーレイズにディスられてしまった、『ウォッチメン』に登場するヒロインの名前はシルク・スペクター。初代の娘にあたるローリーが二代目を継いでおり、Dr.マンハッタンの恋人でもある重要な役どころですが、ここではひどい言われようでした。


ウォッチメン本編より。
左の女性がシルク・スペクター

きれいですけどね!

それではまた。 来週の更新もお楽しみに!

(文責・鈴木絢子)



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2017年5月23日火曜日

新生バットマン誕生! 新刊『バットマン:スーパーヘヴィ』解説

アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
 
 今週ご紹介するのは、先々週発売されたばかりの新刊『バットマン:スーパーヘヴィ』です。


バットマン:スーパーヘヴィ
スコット・スナイダー[作]
グレッグ・カプロ[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


 本書は、2015年5月に発表された序章的な短編の『DCスニークピーク:バットマン』#1と、続いて6月から10月にかけて刊行された『バットマン』#41-45を発売順に収めた単行本の日本版です。じつは当時DCコミックスでは大型イベント“コンバージェンス”が展開されていたため、前巻『バットマン:エンドゲーム』(小社刊)の最終話にあたる#40から本書の#41までには、1ヶ月半近いブランクがありました。
“コンバージェンス”は、4月から5月にかけて仕掛られました。その間、週刊のミニシリーズで主軸となる物語が進む一方で、レギュラー雑誌は中断し、代わりに2号完結の雑誌が40(つまり合計80冊)も刊行されました。
 このイベントでは、2011年にニュー52が始まったことで整理されてしまった旧設定の一時的な回復です。シリーズ各作品2号で、DCユニバースのさまざまな時間軸、設定、都市からキャラクターが集められ、戦いを繰り広げられました。

 ちなみに、同シリーズのなかでバットマンが主役のタイトルは以下の通りになります。

・『バットマン&ロビン』⇒フラッシュポイント直前のバットマン、ロビン(ダミアン・ウェイン)、レッドフード(ジェイソン・トッド)が、1990年代のヴィランのチーム、エクストリミスツと対決。
・『バットマン:シャドウ・オブ・バット』⇒ベインによる半身不随から復帰した頃のブルース・ウェインとジャン・ポール・バレーという二人のバットマンが、ワイルドストーム・ユニバースのチームであるウェットワークスと対決。
・『バットマン&アウトサイダーズ』⇒1980年代のクライシス前の同チームが、1970年代版のオマック(バディ・ブランク)と対決。
・『ディテクティブコミックス』⇒1980年代のクライシス前のアース2のディック・グレイソンとハントレス(ヘレナ・ウェイン)が、『スーパーマン:レッド・サン』(小社刊)のスーパーマンと対決。


 そして、“コンバージェンス”が終了すると、“DCユー”と銘打ってラインナップの刷新が図られました。20を超える新雑誌が立ち上げられ、定期刊行誌の総数も変化しました。世界観は引き継がれましたが、このタイミングで“ニュー52”というブランド名は使われなくなりました。この時期に創刊されたバットマンタイトルには、次のものがあります。

・『バットマン・ビヨンド』⇒別の時間軸のティム・ドレイクがテリー・マクギニスの後継者になる。
・『ロビン:サン・オブ・バットマン』⇒復活したダミアン・ウェインが主役。
・『ウィ・アー・ロビン』⇒本書にも登場したデューク・トーマスが、ゴッサムシティの少年少女による自警団を結成。


 以上のような状況のなかで、本シリーズは再開されました。上述の他にも、『ゴッサム・アカデミー』『グレイソン』『バットガール』(いずれも小社刊)など、当時のバットマン系列には新鮮で意欲的な作品が多く、そのことがライターのスコット・スナイダーに刺激を与えたと、本人もインタビューで語っています。それもあってか、本書に登場する“ロボバットバニー”版の新バットスーツのイラストは、“DCユー”を全体を象徴するイメージの一つに選ばれてました

 ブルース・ウェインの兄弟、オリジンの再定義、ジョーカーの正体……シリーズの幕開け以来、一貫してバットマンの本質に関わる大胆なテーマに挑み、質の高い仕事で成功を収めてきたスナイダー/カプロのコンビ。翌年の“リバース”を前に敢行された“バットマンの代替わり”という最大の挑戦は、どのような結末を迎えるのでしょうか?

 ということで、ここからは気になる本書のあらすじをご紹介したいと思います。

 ジョーカーとの決戦後、バットマンは姿を消した――。ヒーロー不在のゴッサムシティで、ダークナイトの再臨を望む声が高まるなか、ジム・ゴードン本部長はダークナイトの遺志を引き継ぎ、新たなバットマンとなることを決意する。しかし、パワーズ・インターナショナルが作り上げた最新型高機能バットスーツを身にまとい、ゴッサム市警と連携しながら街をパトロールするが、その力はオリジナルには遠く及ばない。新バットマンの苦闘が続くなか、ゴッサムの闇には新たな悪が胎動していた。犯罪者たちに特殊な能力を与えるヴィラン、Mr.ブルームが、その魔手を着実にゴッサム全域に広げつつあるのだ。果たしてコウモリの翼は、再びゴッサムの闇に舞い降りるのか?

 本書の主役はそう、ゴッサムシティの良心にしてバットマンの良き理解者のひとり、ジム・ゴードン市警本部長です。新たなヒーローを望む市民の声に応え、新たなバットマンになるという苦渋の決断をします。



トレードマークのメガネ、髭、くわえタバコをやめ、
海兵隊時代の髪型にしたジム・ゴードン。
そして新型バットスーツを開発した
パワーズ・インターナショナルのCEO、ジェリ・パワーズ。

 バットマンというあまりに偉大すぎるヒーローの名を継ぐ重圧のなか奮闘するゴードン。しかしゴッサムの犯罪はジムを待ってはくれません。日々、悪と戦ううちに、ジムはあることに気がつきます。突然増加したメタヒューマンたちに共通する物証が出てきたのです。


元はチャイニーズマフィアだったはずのジー・ジー・フンは、
石や建材を操る能力を得ていました。


犯罪者の遺骸から見つかった謎の物体“シード”。

メタヒューマン増加の背後にいるヴィランの存在が
徐々に明らかになります。その名はMr.ブルーム。


 果たして新生バットマンことジム・ゴードンは、Mr.ブルームの魔の手からゴッサムを救うことができるのか? そして、行方不明のブルース・ウェインは、ゴッサムに帰還するのか? 本書、そして次巻『バットマン:ブルーム』によって、ニュー52から続いてきた時系列のエピソードは、フィナーレを迎えます(この時系列の番外篇的エピソードを集めた『バットマン:エピローグ』も刊行予定です)。これまでバットマンを読み続けてきた人にとっては、まさに必読の書といえるでしょう。また、本書そして次巻と続く一連のエピソードを担当したのは、スコット・スナイダーとグレッグ・カプロの黄金コンビ。これだけ読んでも読み応え充分です。

 これから控えている「DCリバース」を迎える前に、ぜひこの大団円的エピソードを楽しんでください。

 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。

(文責・山口大介)
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2017年5月16日火曜日

デッドプール、チームアップ作品の最新作!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

長いゴールデンウィークもあっという間に終わり、ちょっとユーウツ・・・なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。いえいえ、お楽しみはこれからです! ということで、そんな落ち込み気分を吹き飛ばすべく、今週もアメコミの最新情報をご紹介していきます。

ゴールデンウィークといえば、私は、いま東京・六本木で開催中の「マーベル展」に行ってきました。連休中とあって大盛況! 日本初のマーベル総合展ということで、いくつかのテーマによる展示で構成され、ライトなアメコミファンから熱狂的ファンまで幅広い方々が楽しめる内容になっていました。個人的に最も興味深かったのは、1930年~60年代の貴重な原画とアートが見られたこと。いま見ても全然古くさくない。というか、何十年たった今でも斬新でクールなその絵づくりに改めて感銘を受けました。

そして、先週末12日(金)には、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開されました。大ヒット作の第2弾とあって注目されていますが、この個性豊かなキャラクターたちは発売中のコミック『ガーディアンズ:チームアップ2』でも登場していますので、こちらもぜひお楽しみください。

さて、そんなマーベルの中でも最近とくに人気の高いキャラクターが、デッドプール。昨年からいくつものタイトルを刊行していますが、その最新作『デッドプール VS. ガンビット』が発売中です。他のシリーズ作との関連性は低いので、本書からスタートしてもすんなりとストーリーが理解できます。

『デッドプール VS. ガンビット』
ベン・アッカー&ベン・ブラッカー[作]
ダニーロ・ベイルース[画]
定価:本体1,800円+税
●好評発売中●


本作ではタイトルにあるとおり、マーベルファンにお馴染みのデッドプールとガンビットのコンビが活躍します。
デッドプールについては、みなさんの多くにはもはや説明は不要かもしれませんが、ガンビットとあわせて紹介します。

【デッドプール】
本名はウェイド・ウィルソン。傷ついても驚異的な再生能力で復活し、殺人を躊躇しない冷酷な性格の傭兵。初登場は1991年2月月号『ニューミュータンツ』#98で、善悪に偏らないトリックスターのようなキャラクター。

【ガンビット】
本名は、レミー・ルボー。世界的に暗躍する盗賊。トランプなど手にした物体にエネルギーをチャージすることができ、様々なアイテムを爆発させることができる特殊能力を持つ。

ガンビットは優男とあって外見がわりと一般人と変わりなく普通なので、存在感に乏しい、なんて思われがちですが、これがなかなかのクセモノ。
実はX-MENの一人で、最もハンサムな上に口が達者なミュータントなのです。この個性が遺憾なく発揮された時、彼の魅力が爆発することとなります。

彼の初登場は『アンキャニーX-MEN』#266(1990年8月)。90年代はローグの恋人として有名であり、とくに女性読者の間で人気が高かった。魔人アポカリプスやミスター・シニスターの部下となって、X-MENと戦ったこともある。
実写版としては、2009年の映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では、テイラー・キッチュがガンビット役を演じていた。

※以上、翻訳者・高木亮さんによる本書解説から抜粋。


こんな“饒舌な傭兵”と“イケメン盗賊”が繰り広げる本書のあらすじを紹介します。

【あらすじ】
デッドプールとガンビット、実はこの二人、こっそり手を組んで詐欺をはたらいた“共犯者”だった。相容れない性格の二人がしぶしぶ手を結び、乗り出したのはドデカイ詐欺! 
正体不明でつかみどころのない怪しい紳士の雇い主から指令を受けた二人は、中国人の実業家からお宝を盗もうと画策する。こんなのいたって楽勝!の計画のはずが、そうは問屋が卸さない。実業家の思わぬ攻撃に合い、二人の息も合わず、そこにパワーを“かく乱する”能力をもつミュータント・スクランブラーも現れて・・・。はたして最悪の共犯者にして、マーベル最高の詐欺師二人は最高のタッグになれるのか?
 
本作の一番の見どころは、よくしゃべる二人の“迷コンビ”ぶりです。

「裏切られた!」と勝手に思い込んでは、相手への復讐心を燃やして街じゅうを巻き込んでの激しい戦いを繰り広げたかと思えば、共通の敵を倒すために連携プレーを試みたり。はたまた顔を突き合わせれば、お互いを罵り始めて・・・。こんな繰り返しが続いていきます。計画をともに遂行していくコンビとは思えないデコボコぶりが際立っていて、一体どうなることやらと、ハラハラさせられます。
 
本書ナレーションでも、「アクションシーンを期待してる?」。「悪いが、これは詐欺師の話だ。アクションシーンなんかない」とあるとおり、これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、セリフの応酬が大きな魅力となっています。

例えば、
デッドプール:「さっきのタックルは痛かったぞ」
ガンビット:「我慢しろ」
ガンビット:「もっと痛くなるぞ」
デッドプール:「やめてくれよ。楽なヤツがいい」

というふうに、いつ終わるともしれない堂々めぐりの会話が続いては、それぞれがボケたりツッコんだりと、まるでベテラン漫才師の丁々発止のやりとりを見ているかのようです。そのスピード感、緊張感はクセになる面白さで、とても新鮮です。

もちろん、この迂回しがちなストーリー展開を支え面白くしているのは、やっぱりデッドプールのクソヒーローぶりで、今回も「オレちゃん」のデッドプール節が健在なのもうれしい限りです。

とは言っても、アクションシーンもきちんと充実しています。

デッドプールとガンビットそれぞれの能力を発揮するシーンはもちろん見せ場としてありますが、日本の少年マンガに登場するような「~拳」なる武術のワザがたっぷりと展開されます。「えっ! これ、アメコミ?」と驚きつつも、「これは痛そう!」と感じさせるアクションの数々はアメコミにはちょっと珍しく、ここが見どころの一つとなっています

このほかにも、『マトリックス』、『ファイトクラブ』、『ダーティ・ダンシング』など熱狂的なファンを持つ映画を意識したシーンやセリフがポンポン飛び出します。加えて、ガンビットとの戦闘中にデッドプールが楽しげにデスティニーズ・チャイルドの『サバイバー』を歌い続ける場面は、彼の趣味が全開。ヒーローの隠された一面を垣間見るようで個人的にツボにはまりました(笑)。こういったいろいろな作品からの引用や批評もデッドプール作品ならではの面白さです。

本書では、個性豊かなキャラクターを擁するマーベル作品をもっと広く知っていただきたい、との編集部の思いから、カンフーヒーローの活躍を描く『イモータル・アイアンフィスト』を13ページ分、試し読みできるよう特典として付いています。こちらもあわせてお楽しみください。

弊社では、デッドプールとのチームアップ作品をこれまでに4冊刊行しています。
この最近作が『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』です。





ケーブルというキャラクターについて簡単に紹介しておきます。
本名はネイサン(ネイト)・サマーズ。彼はX-MENのサイクロップスと、X-MENのジーン・グレイのクローンである、マデリーン・プライアーのあいだに生まれるが、アポカリプスによって特殊な病気に感染させられてしまう。
彼はその治療のために未来に送り出され、成長したのちに1991年3月号『ニューミュータンツ』#87でもとの世界に戻り、未来を守るために戦うミュータントとなる。

【あらすじ】
ある男の死によって引き起こされる恐るべき未来を予見したケーブル。ケーブルがその男を守ろうと決意する一方、同じ男を殺すために“ある男”が近づく・・・。デッドプールは果たして相棒なのか!? 活劇と時間旅行のトリックに満ちた大騒動の始まりだ!

そして、来月下旬には、デッドプールとエイリアン共生体との合体を描いた注目作品『デッドプール:バック・イン・ブラック』が発売予定です!

1984年の『マーベル・スーパーヒーローズ・シークレット・ウォーズ』において、デッドプールが遭遇したエイリアン共生体は、スパイダーマンの漆黒のコスチュームとなり、最終的にはヴェノムとなった。ところで、その共生体がエディ・ブロックと出会う前に、実はデッドプールと合体していた! ブラック・コスチュームのスパイダーマンまで現れて、驚きの大事件が起こる。

今後もデッドプール作品から目が離せません。こちらもぜひお楽しみに!

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)

2017年5月9日火曜日

マーベル・ユニバース屈指の拳法の使い手、アイアンフィスト登場!

アメコミファンの皆さま、こんにちは。
4月から編集担当となりました小出と申します。
アメコミ初心者ですが、個性的なヒーローがたくさん登場するので張り切って勉強していきたいと思ってます。
こちらのアメコミ魂でも小社イチオシ新刊を月一で紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

早速ですが、今回ご紹介する書籍はコチラです。

マット・フラクション&エド・ブルベイカー[作]
デイビッド・アジャ他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

ネットフリックスでドラマ化になり話題のキャラクターですが、単独誌としては小社初刊行となります。



ドラマでは、浮浪者のような姿で15年ぶりにニューヨークに舞い戻ってきた主人公のダニー・ランドが、父の遺産であるランド社を取り戻そうと奮闘する姿がドラマチックに描かれてますが、コミックでは、既に会社を取り戻した後から物語がスタートします。

まずは簡単に、アイアンフィストのあらすじをご紹介します。
主人公のダニエル(ダニー)・ランドは、伝説の都市”クン=ルン”で格闘技を学び、不死の龍の力を手に入れ、”気”の力で必殺の拳を放つアイアンフィストとなった後、アメリカに戻り大企業を相続し誰もが羨む地位とお金を手にするものの、彼がアイアンフィストであるがゆえに様々な過酷な戦いに巻き込まれていく・・・というストーリーです。

大筋の設定はドラマ版もコミック版も同じですが、例えばドラマ版でダニーの恋人となるコリーン・ウィングが、コミック版では友人という設定だったり、コミック版ではアイアンフィストであるダニーはヒーロースーツを着ていたり、といった違いがあります。

実はこのアイアンフィストのスーツが、個性的でカッコいい!
緑のスーツに黄色いバンダナ風マスクとブーツがアクセントになっていて、超クールなんです。残念ながらドラマ版ではこのスーツが出てこないので、ぜひ本書で堪能してください。


(※アーティストのデイビット・アジャは本書において、アイアンフィストの定番イメージ、衿が立って胸をはだけたデザインを思い切って刷新した結果、より現代的なキャラクターに生まれ変わらせることに成功しました。本書巻末では、デイビット・アジャによる貴重なキャラクターデザイン集が載っていて、そのデザインの変遷は大変見応えがあります。)

ドラマ版に出てこないコミック版のもう一つの見どころが、歴代のアイアンフィストについて全編に渡って丁寧に触れられている点です。ダニー以外の、国も時代も性別も違う様々なアイアンフィストの存在(歴史上、66人の男女がアイアンフィストを名乗ったそうです!)により、そのキャラクターに一層の深みが与えられています。
ここで、ダニー以外の歴代のアイアンフィスト達を一部ご紹介します。

●1227年のアイアンフィスト
クン=ルンの山岳地帯に住むベイ・ミン=シャンは、モンゴル軍に襲われた村を守るため一人立ち向かう。
(※1227年はモンゴル帝国の初代皇帝チンギス・カンが死んだ年です。この事件は、実はアイアンフィストがチンギス・カンを倒したことを暗示しているのではないでしょうか・・・)


●1545年のアイアンフィスト
中国広東省、平海港の支配権をめぐって倭寇に戦いを挑む女アイアンフィストのウー・アオ=シ。
(※1545年といえば種子島の鉄砲伝来で大きな役割を果たした中国人倭寇・王直が、倭寇最大の頭目に成りあがった年です。倭寇の権力闘争にアイアンフィストが影響を及ぼした可能性を暗示してます・・・)


●1916年6月23日のアイアンフィスト
死傷者70万人を出した第一次世界大戦最大の激戦地であるヴェルダンで、毒ガスや火炎放射器といったドイツの最新兵器に一人立ち向かうフランス兵アイアンフィストのランドール。
フランス軍にとって防戦一方で最も過酷なこの時期を耐えきった後、8月にフランス軍は反転攻勢を開始します。


●1860年のアイアンフィスト
英仏と清の第2次アヘン戦争において、アイアンフィストのベイ・バン=ウェンが指揮する清軍部隊は、イギリス軍の上陸を許し、自らも拳を剣に突き刺される。この年、清軍の降伏で第2次アヘン戦争が終結したのは、アイアンフィストの戦死による結果であろうか・・・。


本書はこのように、人類の歴史の重要なシーンにアイアンフィストが関与していたことを仄めかすことで、アイアンフィストがただのアメコミヒーロー以上の存在なのだと読者に気付かせてくれます。

しかし、ダニー以外のアイアンフィストは皆、過去の存在なのでしょうか?

ダニーは会社の道場で訓練中、突然右手に痛みを感じ、倒れ込みます・・・。誰かがダニーの”気”、すなわちのアイアンフィストの能力の源である不死の龍ショウ=ラオの力を使ったことを、はっきり自覚するのです。

・・・誰がダニーの力を使ったのか?この後、ダニーとアイアンフィストの更なる宿命の扉が開かれます。

ここから先はぜひ本書を手に取って、お楽しみください。
ダニーの父宿敵ヒドラ、ランド社の大口顧客である中国企業の秘密、そしてクン=ルンに運命を翻弄された者たち・・・多くの因縁が複雑に絡み合う、濃厚な世界観を存分に楽しめることでしょう。

この辺りで今回の記事を締めさせて頂きます。最後までお読み頂きありがとうございました。それではまた来月!
(文責・小出)


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2017年4月25日火曜日

『ハーレイ・クイン』第3弾、
今回も超絶キュート&血みどろバイオレンス!

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
目前に迫った大型連休、お出かけの予定はお決まりですか?
まだなんだよな~という方、予算やお休みの都合がつかない方。新作のアメコミをチェックしたりして、のんびり過ごしてみてはいかがでしょう。

インドア連休のおともにイチオシの新刊はコチラです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,400円+税
◆好評発売中◆


とにかくハーレイ・クインがかわいらしく、気軽に読めるシリーズの3巻目。
スーサイド・スクワッド』シリーズなどの極悪シリアスなテイストともまた違い、ハーレイの女の子らしい日常を楽しむことができます。
親友のポイズン・アイビーとのおしゃべりや、「忙しいのにお金がない」と嘆く姿などは、世の多くの人にとって身近なものでしょう。チャド・ハーディンをメインアーティストに据えたかわいらしい絵柄も相まって、女性のファンも多い作品です。

前巻までについておさらいしたい方はコチラの記事をどうぞ。


ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ 』
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


今回のハーレイは、「超スゴイタマゴ」と出会ったり、寄る年波を嘆いたり。バレンタインやクリスマスシーズンの特別号の掲載分を収録しているので、イベント感いっぱいのかわいいアートも(季節はずれではありますが……)要チェックです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
「超スゴイタマゴ」さん、このあとキャラクターが意外な方向に……


さらにはなんと、ハーレイがブルース・ウェインの恋人候補に名乗りをあげるというエピソードも。昨年発売された『バットマン:エンドゲーム(THE NEW 52!)』でも、本編のほうではちょっと辛い展開が続いているバットマン。闇の騎士の元気な姿や、アルフレッドさんとのコミカルなやりとりが見たい方にもオススメです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
やたらとヘルシーな夜食を用意するアルフレッドさん


お好きな方はすでにご存じのことと思いますが、こちらのハーレイ・クインシリーズは、この先も短めのスパンで刊行が続く予定です。今号にはハーレイが自らの活動を手伝うメンバーを募集するなど、次巻につながる重要な出来事も描かれています。今からでも問題なく楽しめるので、『ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』にはぜひ目を通しておきましょう。


ちなみに。
本書に収録されている特別号『ハーレイ・クイン・アニュアル』では、内容にちなんで「こするとニオイがする」特殊な印刷を採用していたそうです。(内容は、ぜひ実際に読んでご確認を!)
そういえば子どものころ、雑誌の付録で、こするとチョコレートのニオイがするペーパーアイテムがあったのを思い出しました。前述の特別号でも、とある食べ物のニオイなどが再現されていたそうです。鼻の頭を紙にそっと近づけて、クンクンする姿はきっと世界共通……想像すると、海の向こうのアメコミファンに親近感がわく気がします。五感にうったえる、楽しい仕様だったのですね。
残念ながら、本国の単行本およびこちらの翻訳版には香りはついていませんが、その分、おうちの本棚でほかのコレクションにニオイが移ってしまう心配もありません。
安心してお買い求めくださいませ。

それではまた!


(文責・鈴木絢子)


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2017年4月11日火曜日

【映画公開目前!】 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、またまたチームアップ!

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 アメコミファンのみならず、映画ファンの間で……というより、主に映画ファンの間で熱烈な支持を集めた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。公開時に熱狂したファンはもちろん、多くの人々が待ちに待った第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の公開が、いよいよ来月12日に迫りました!



 敵味方含め、1人で映画が1本できてしまいそうな個性豊かなキャラクターたち、70~80年代のヒットナンバーに乗せて展開されるアップテンポなスペースオペラがスクリーンに帰ってくるとあって、第1弾のトレーラーが公開された昨年から、気もそぞろな人たちも多いことと思います。トレーラーといえば、昨年のコミコンで発表されたファースト・ルックがYouTubeにアップされた際には、公開から24時間で8,100万回再生されたことでも話題になりました。

 前作で身体の大半を失ってしまったグルートが、本作では〝ベイビーグルート〟として登場し、その愛くるしいルックスに「マーベルユニバースでもっとも可愛いキャラクター」という声が多く寄せられたことも記憶に新しいですね。

 いきなりマーベルユニバースのなかでもトップクラスの人気を獲得してしまった(大半は映画ファンですが……)ガーディアンズ。彼らが映画だけでなく、コミックでも再登場します。来週4月19日発売予定の『ガーディアンズ:チームアップ 2』です。


ガーディアンズ:チームアップ 2
ビル・ウィリンガム他[作]
ジオゴ・サイトー他[画]
定価:本体2,100円+税
◆4月19日頃発売予定◆



 本書は、前巻から引き続き2015年6月から8月にかけて刊行され、#10で完結したミニシリーズをまとめたTPBの翻訳版になります。映画版の前作が公開された2014年夏頃から、コミックの動きが活発になりました。本書を除いた当時の関連誌は以下のような状況になっていました。

・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
……2013年に「マーベル・ナウ!」の一環として創刊。

・『レジェンダリー・スターロード』
……2014年7月創刊。最終号である#12(2015年7月号)は“ブラック・ボルテックス”の後日談。

・『ロケット・ラクーン』
……2014年7月創刊。ロケットのニセ者が登場する物語から始まり、#11(2015年7月号)まで刊行。

※以上、翻訳者・中沢俊介さんによる本書解説から抜粋。



 上記の流れのなかで刊行がスタートした「ガーディアンズ:チームアップ」のシリーズになります。その最大の魅力は、タイトル通り他のヒーローとのチームアップ。今回登場するヒーローを挙げると、ナイトクローラー、アントマン、シルバーサーファー、スパイダーマン、そしてデッドプールです。


ナイトクローラーとガモーラが宇宙の武闘会で剣を交わし、




マイアミに向かった宇宙の犯罪者を調査するのはドラックスとアントマンの凸凹コンビ。



シルバーサーファーとグルートが宇宙戦争の運命を握ったかと思えば、



異世界の超兵器をめぐって、スターロードとスパイダーマンが丁々発止のやり取りを繰り広げる。



そして、デッドプールとロケット・ラクーンが出会い、毛と弾丸が乱れ飛ぶ!




前巻に引き続き、とにかくノリの良いガーディアンズの魅力が詰まった1冊です。ぜひ、映画と併せてお読みください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。


(文責・山口大介)




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2017年3月28日火曜日

映画も待ち遠しい! いま予習しておきたい
『ワンダーウーマン』&『ジャスティス・リーグ』

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!
年に一度、満開の桜に浮かれる季節が来ていますね~。
たくさんの人が待ちわびるモノ……という点では桜とも共通点がある(?)のが、映画『ワンダーウーマン』と『ジャスティス・リーグ』。
すでに前者は8月25日(土)、後者は11月18日(土)公開とアナウンスされています。


今日ご紹介するのは、これらの映画をより楽しむためにも、ぜひぜひ読んでおきたい2タイトルです。

ではさっそく、まずは『ワンダーウーマン:アースワン』から。

ワンダーウーマン:アースワン
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

小社刊行のアメコミでもちょっと珍しい、高級感ある肌ざわり。
このアースワンシリーズは、キャラクターのオリジンを新解釈で描くパラレルワールドのストーリーとして展開されているものです。『ワンダーウーマン:アースワン』を手がけたライターはいわずと知れた大物、グラント・モリソン。
あらすじはこちら。↓↓↓

パラダイス島に暮らすアマゾン族は、何千年もの間、男たちの害悪から距離を置き、独自の文明を謳歌してきた。しかし、その閉鎖的な生活に満足できなかったのがアマゾン族の王女ダイアナ。彼女は狭い世界に飽き足らず、もっと多くを知りたいと考えていたのだ。
そんなある日、島に空軍の飛行機が墜落する。ダイアナが生まれて初めて目にした男性こそ、そのパイロットであるスティーブ・トレバーだった。彼を救うため、ついにダイアナは禁じられた“男の世界”に飛び込む。島の掟に背いた彼女を待ち受ける運命とは……?

アール・ヌーヴォーを思わせる華やかなビジュアルを描いたのはヤニック・パケット。
グラント・モリソンとのコンビでは、『バットマン:インコーポレイテッド』も手がけています。

バットマン:インコーポレイテッド
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット他[画]
定価:本体2,600円+税
◆好評発売中◆

きっと誰もが好きになっちゃうのは、ぽっちゃり女子のベス・キャンディさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より


ダイアナに首輪プレイを申し込まれたと思い、うろたえるトレバーさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より

この気品あふれる絵柄で、コミカルなキャラクターやちょっとしたギャグも成立しているあたり、脱帽です。

ちなみに。
本書のスティーブ・トレバーがこれまでと違うのは、黒人として描かれている点です。基本的に白人男性として描かれてきた彼は、8月公開の映画でもクリス・パインによって演じられます。なぜ本作では黒人なのか? その意図は作中の彼の言葉や、冒頭のヤニック・パケットによる「献辞」などから、なんとなーくうかがえるかもしれません(個人的見解)。
そのあたりはぜひご自身でご確認ください!
登場人物のビジュアルにも作り手のポリシーが生きていたりして、単なる「キレイな絵」ではないところも魅力的です。


続いては『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』。

ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2
ジェフ・ジョーンズ [作]
ジェイソン・ファボック[画]
定価:本体2,500円+税
◆好評発売中◆

前作『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー1』についてはこちらの記事をどうぞ。
さらにシリーズ1~6巻まではこちらへ!

ジェフ・ジョーンズ脚本の長編も、8巻目の本作をもっていよいよ完結です!!
あらすじはこちら。↓↓↓

ダークサイドとアンチモニターとの戦争により、神々とヒーローたちとを分かつ境界線が消え去った。彼らはさまざまな力を統べる神となり、人間以上の存在へと変貌を遂げたのだった。しかし、依然として危機的な状況は続いている。すべての災厄を防ぐために、ジャスティス・リーグは、宿敵クライム・シンジケートと手を組むことに……。
二つの世界の二つの最強チームは、魔の反生命方程式から生命そのものを守り抜き、ニューゴッズの脅威を終わらせることができるのか。

ジャスティス・リーグ:ダークサイドウォー2』本編より


前作でドヤっていたバットマンだけでなく、リーグの面々それぞれが神になってしまうのです。

とにかくいろいろと大変なことが起こる本作。
邪神との戦いには一応の幕を引きつつ、驚きの事実をいくつも仄めかしてエンディングを迎えました。ひとコマも見逃せないことになっているので、「ん? なんだコレ?」と思ったシーンはすべて覚えておかれることをオススメします。

残された謎は、新たに展開される「リバース」で解明されていくことになります。これは「New 52!」でのリランチを引き継いでの新体制ですが、それを余すところなく楽しむためにも、ぜひ本作に目を通しておきましょう。

また、『ワンダーウーマン:アースワン』にも登場したスティーブ・トレバーは、『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』ではこれまでどおり白人男性として描かれています。彼も大変重要な役どころなので、ぜひぜひ両方併せてお読みいただき、思いっきり感情移入してみてください!

どちらの作品もコミック単体でも大変おもしろいですが、スクリーンとセットにすれば、アメコミビギナーもぐっと楽しみやすくなるのは間違いなし。お友達や恋人を沼に誘うのにも、このチャンスをぜひご活用ください!

それではまた!

(文責・鈴木絢子)

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