2017年4月25日火曜日

『ハーレイ・クイン』第3弾、
今回も超絶キュート&血みどろバイオレンス!

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
目前に迫った大型連休、お出かけの予定はお決まりですか?
まだなんだよな~という方、予算やお休みの都合がつかない方。新作のアメコミをチェックしたりして、のんびり過ごしてみてはいかがでしょう。

インドア連休のおともにイチオシの新刊はコチラです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,400円+税
◆好評発売中◆


とにかくハーレイ・クインがかわいらしく、気軽に読めるシリーズの3巻目。
スーサイド・スクワッド』シリーズなどの極悪シリアスなテイストともまた違い、ハーレイの女の子らしい日常を楽しむことができます。
親友のポイズン・アイビーとのおしゃべりや、「忙しいのにお金がない」と嘆く姿などは、世の多くの人にとって身近なものでしょう。チャド・ハーディンをメインアーティストに据えたかわいらしい絵柄も相まって、女性のファンも多い作品です。

前巻までについておさらいしたい方はコチラの記事をどうぞ。


ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ 』
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


今回のハーレイは、「超スゴイタマゴ」と出会ったり、寄る年波を嘆いたり。バレンタインやクリスマスシーズンの特別号の掲載分を収録しているので、イベント感いっぱいのかわいいアートも(季節はずれではありますが……)要チェックです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
「超スゴイタマゴ」さん、このあとキャラクターが意外な方向に……


さらにはなんと、ハーレイがブルース・ウェインの恋人候補に名乗りをあげるというエピソードも。昨年発売された『バットマン:エンドゲーム(THE NEW 52!)』でも、本編のほうではちょっと辛い展開が続いているバットマン。闇の騎士の元気な姿や、アルフレッドさんとのコミカルなやりとりが見たい方にもオススメです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
やたらとヘルシーな夜食を用意するアルフレッドさん


お好きな方はすでにご存じのことと思いますが、こちらのハーレイ・クインシリーズは、この先も短めのスパンで刊行が続く予定です。今号にはハーレイが自らの活動を手伝うメンバーを募集するなど、次巻につながる重要な出来事も描かれています。今からでも問題なく楽しめるので、『ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』にはぜひ目を通しておきましょう。


ちなみに。
本書に収録されている特別号『ハーレイ・クイン・アニュアル』では、内容にちなんで「こするとニオイがする」特殊な印刷を採用していたそうです。(内容は、ぜひ実際に読んでご確認を!)
そういえば子どものころ、雑誌の付録で、こするとチョコレートのニオイがするペーパーアイテムがあったのを思い出しました。前述の特別号でも、とある食べ物のニオイなどが再現されていたそうです。鼻の頭を紙にそっと近づけて、クンクンする姿はきっと世界共通……想像すると、海の向こうのアメコミファンに親近感がわく気がします。五感にうったえる、楽しい仕様だったのですね。
残念ながら、本国の単行本およびこちらの翻訳版には香りはついていませんが、その分、おうちの本棚でほかのコレクションにニオイが移ってしまう心配もありません。
安心してお買い求めくださいませ。

それではまた!


(文責・鈴木絢子)


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▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、本ブログの下段にある「メッセージを送る」を押していただき、指定の送信フォームからお送りください(携帯からはウェブバージョンにてご対応ください)。



2017年4月11日火曜日

【映画公開目前!】 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、またまたチームアップ!

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 アメコミファンのみならず、映画ファンの間で……というより、主に映画ファンの間で熱烈な支持を集めた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。公開時に熱狂したファンはもちろん、多くの人々が待ちに待った第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の公開が、いよいよ来月12日に迫りました!



 敵味方含め、1人で映画が1本できてしまいそうな個性豊かなキャラクターたち、70~80年代のヒットナンバーに乗せて展開されるアップテンポなスペースオペラがスクリーンに帰ってくるとあって、第1弾のトレーラーが公開された昨年から、気もそぞろな人たちも多いことと思います。トレーラーといえば、昨年のコミコンで発表されたファースト・ルックがYouTubeにアップされた際には、公開から24時間で8,100万回再生されたことでも話題になりました。

 前作で身体の大半を失ってしまったグルートが、本作では〝ベイビーグルート〟として登場し、その愛くるしいルックスに「マーベルユニバースでもっとも可愛いキャラクター」という声が多く寄せられたことも記憶に新しいですね。

 いきなりマーベルユニバースのなかでもトップクラスの人気を獲得してしまった(大半は映画ファンですが……)ガーディアンズ。彼らが映画だけでなく、コミックでも再登場します。来週4月19日発売予定の『ガーディアンズ:チームアップ 2』です。


ガーディアンズ:チームアップ 2
ビル・ウィリンガム他[作]
ジオゴ・サイトー他[画]
定価:本体2,100円+税
◆4月19日頃発売予定◆



 本書は、前巻から引き続き2015年6月から8月にかけて刊行され、#10で完結したミニシリーズをまとめたTPBの翻訳版になります。映画版の前作が公開された2014年夏頃から、コミックの動きが活発になりました。本書を除いた当時の関連誌は以下のような状況になっていました。

・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
……2013年に「マーベル・ナウ!」の一環として創刊。

・『レジェンダリー・スターロード』
……2014年7月創刊。最終号である#12(2015年7月号)は“ブラック・ボルテックス”の後日談。

・『ロケット・ラクーン』
……2014年7月創刊。ロケットのニセ者が登場する物語から始まり、#11(2015年7月号)まで刊行。

※以上、翻訳者・中沢俊介さんによる本書解説から抜粋。



 上記の流れのなかで刊行がスタートした「ガーディアンズ:チームアップ」のシリーズになります。その最大の魅力は、タイトル通り他のヒーローとのチームアップ。今回登場するヒーローを挙げると、ナイトクローラー、アントマン、シルバーサーファー、スパイダーマン、そしてデッドプールです。


ナイトクローラーとガモーラが宇宙の武闘会で剣を交わし、




マイアミに向かった宇宙の犯罪者を調査するのはドラックスとアントマンの凸凹コンビ。



シルバーサーファーとグルートが宇宙戦争の運命を握ったかと思えば、



異世界の超兵器をめぐって、スターロードとスパイダーマンが丁々発止のやり取りを繰り広げる。



そして、デッドプールとロケット・ラクーンが出会い、毛と弾丸が乱れ飛ぶ!




前巻に引き続き、とにかくノリの良いガーディアンズの魅力が詰まった1冊です。ぜひ、映画と併せてお読みください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。


(文責・山口大介)




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2017年3月28日火曜日

映画も待ち遠しい! いま予習しておきたい
『ワンダーウーマン』&『ジャスティス・リーグ』

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!
年に一度、満開の桜に浮かれる季節が来ていますね~。
たくさんの人が待ちわびるモノ……という点では桜とも共通点がある(?)のが、映画『ワンダーウーマン』と『ジャスティス・リーグ』。
すでに前者は8月25日(土)、後者は11月18日(土)公開とアナウンスされています。


今日ご紹介するのは、これらの映画をより楽しむためにも、ぜひぜひ読んでおきたい2タイトルです。

ではさっそく、まずは『ワンダーウーマン:アースワン』から。

ワンダーウーマン:アースワン
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

小社刊行のアメコミでもちょっと珍しい、高級感ある肌ざわり。
このアースワンシリーズは、キャラクターのオリジンを新解釈で描くパラレルワールドのストーリーとして展開されているものです。『ワンダーウーマン:アースワン』を手がけたライターはいわずと知れた大物、グラント・モリソン。
あらすじはこちら。↓↓↓

パラダイス島に暮らすアマゾン族は、何千年もの間、男たちの害悪から距離を置き、独自の文明を謳歌してきた。しかし、その閉鎖的な生活に満足できなかったのがアマゾン族の王女ダイアナ。彼女は狭い世界に飽き足らず、もっと多くを知りたいと考えていたのだ。
そんなある日、島に空軍の飛行機が墜落する。ダイアナが生まれて初めて目にした男性こそ、そのパイロットであるスティーブ・トレバーだった。彼を救うため、ついにダイアナは禁じられた“男の世界”に飛び込む。島の掟に背いた彼女を待ち受ける運命とは……?

アール・ヌーヴォーを思わせる華やかなビジュアルを描いたのはヤニック・パケット。
グラント・モリソンとのコンビでは、『バットマン:インコーポレイテッド』も手がけています。

バットマン:インコーポレイテッド
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット他[画]
定価:本体2,600円+税
◆好評発売中◆

きっと誰もが好きになっちゃうのは、ぽっちゃり女子のベス・キャンディさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より


ダイアナに首輪プレイを申し込まれたと思い、うろたえるトレバーさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より

この気品あふれる絵柄で、コミカルなキャラクターやちょっとしたギャグも成立しているあたり、脱帽です。

ちなみに。
本書のスティーブ・トレバーがこれまでと違うのは、黒人として描かれている点です。基本的に白人男性として描かれてきた彼は、8月公開の映画でもクリス・パインによって演じられます。なぜ本作では黒人なのか? その意図は作中の彼の言葉や、冒頭のヤニック・パケットによる「献辞」などから、なんとなーくうかがえるかもしれません(個人的見解)。
そのあたりはぜひご自身でご確認ください!
登場人物のビジュアルにも作り手のポリシーが生きていたりして、単なる「キレイな絵」ではないところも魅力的です。


続いては『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』。

ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2
ジェフ・ジョーンズ [作]
ジェイソン・ファボック[画]
定価:本体2,500円+税
◆好評発売中◆

前作『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー1』についてはこちらの記事をどうぞ。
さらにシリーズ1~6巻まではこちらへ!

ジェフ・ジョーンズ脚本の長編も、8巻目の本作をもっていよいよ完結です!!
あらすじはこちら。↓↓↓

ダークサイドとアンチモニターとの戦争により、神々とヒーローたちとを分かつ境界線が消え去った。彼らはさまざまな力を統べる神となり、人間以上の存在へと変貌を遂げたのだった。しかし、依然として危機的な状況は続いている。すべての災厄を防ぐために、ジャスティス・リーグは、宿敵クライム・シンジケートと手を組むことに……。
二つの世界の二つの最強チームは、魔の反生命方程式から生命そのものを守り抜き、ニューゴッズの脅威を終わらせることができるのか。

ジャスティス・リーグ:ダークサイドウォー2』本編より


前作でドヤっていたバットマンだけでなく、リーグの面々それぞれが神になってしまうのです。

とにかくいろいろと大変なことが起こる本作。
邪神との戦いには一応の幕を引きつつ、驚きの事実をいくつも仄めかしてエンディングを迎えました。ひとコマも見逃せないことになっているので、「ん? なんだコレ?」と思ったシーンはすべて覚えておかれることをオススメします。

残された謎は、新たに展開される「リバース」で解明されていくことになります。これは「New 52!」でのリランチを引き継いでの新体制ですが、それを余すところなく楽しむためにも、ぜひ本作に目を通しておきましょう。

また、『ワンダーウーマン:アースワン』にも登場したスティーブ・トレバーは、『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』ではこれまでどおり白人男性として描かれています。彼も大変重要な役どころなので、ぜひぜひ両方併せてお読みいただき、思いっきり感情移入してみてください!

どちらの作品もコミック単体でも大変おもしろいですが、スクリーンとセットにすれば、アメコミビギナーもぐっと楽しみやすくなるのは間違いなし。お友達や恋人を沼に誘うのにも、このチャンスをぜひご活用ください!

それではまた!

(文責・鈴木絢子)

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2017年3月22日水曜日

世界最高かつ最凶の傭兵デスストローク、再び見参! 

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 本日ご紹介するのは、先週15日に発売された新刊『デスストローク:ゴッドキラー』です。

デスストローク:ゴッド・キラー
トニー・S・ダニエル[作]
タイラー・カークハム[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆



 本書は、、2015年5月刊行の『DCスニーク・ピーク:デスストローク』、2015年8月から11月にかけて刊行された『デスストローク』#7-10と、2015年9月に刊行された『デスストローク・アニュアル』#1を収録した単行本です。

 前巻では、トニー・S・ダニエルがライター兼ペンシラーとして全編を担当していました。しかし、2015年9月より『バットマン&ロビン:エターナル』のアートを一部担当するなど、他の作品も抱えたために、本書では、冒頭2話を除いてライターに専任することになりました。

 彼に代わって抜擢されたアーティストのなかで、本書の翻訳家・吉川悠さんが注目しているのが、タイラー・カークハムです。イメージコミックスのレーベル、トップカウ出身で、2016年現在はDCコミックス看板タイトルの一つである、『アクションコミックス』誌も担当している実力派です。力強い画風がデスストロークのハードボイルドな魅力をもり立てています。




 さて、前巻では、バットマンやハーレイ・クインなど、DCコミックスを代表するキャラクターを迎えてデスストロークの戦いが描かれました。今回はどんなキャラクターがゲストに迎えられるのか、気になりますよね。今回の豪華ゲスト、それはニュー52最強のカップル、スーパーマンとワンダーウーマンです!

本書P034より



本書P126より




 この二人が登場するいきさつの説明を含めて、ここからは本書『デスストローク:ゴッドキラー』のあらすじをご紹介したいと思います。


 前回の任務のあと、傭兵部隊デッドバスターズに身を寄せ、訓練を続けていたスレイド・ウィルソン(デスストローク)のもとに新しい依頼が舞い込みます。依頼主は神々の刀鍛冶ヘパイストス。そしてその内容は、封印されている巨神(タイタン)のひとり、ラペトゥスの暗殺です。問題はラペトゥスが封じ込められた場所でした。その場所とは、アマゾネスが支配する島セミッシラ(別名パラダイス・アイランド)。そう、アマゾネスの女王ワンダーウーマンが統べるエリアです。どうにか隠密に任務を遂行しようとするデスストロークでしたが、その過程でラペトゥスの封印が解けてしまい、世界は破滅の危機に陥ります。かくして、任務遂行をしたいデスストロークと、世界を守りたいワンダーウーマン、スーパーマンは共闘してこの危機に立ち向かうことになります。


本書P131より


 濃密な筆致で描かれる超能力バトル(今回スレイドには、任務遂行のために魔剣ゴッドキラーが与えられています)は必見です。映画『300』以降、ドラマ『スパルタカス』などを見ても顕著ですが、アメリカのフィクション作品において、古代ローマとハードコアなバイオレンス描写は切っても切れないものになっています。ギリシャやオリンポス神話をベースにした本作でも、豪快かつ過激なアクションが満載。ぜひお手に取っていただき、映画顔負けの迫力バトルを楽しんでいただきたいです。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。

(文責・山口大介) 


 
 
 
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2017年3月14日火曜日

業火を纏うアンチヒーロー“ゴーストライダー”の単独誌!

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

今日はホワイトデーですね。バレンタインデーにチョコをもらえた男性諸君はきっちりお返しましょう!

さて、本日ご紹介するのは、好評発売中の『ゴーストライダー:破滅への道』です。

ガース・エニス[作]、クレイトン・クレイン[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆

アメコミファンの方はご存知! ゴーストライダー!! だと思いますが、恥ずかしながら私も担当するまでは映画は見たことあるけど…… という程度だったので、まずは基本情報からゴーストライダーの魅力を紐解いていければと思います。

本書は2005年から翌年にかけて、マーベル・ナイツから発売された全6号のミニシリーズを邦訳したものです。バイクのスタントマンだったジョニー・ブレイズが末期ガンを患った恩人の命を救うため悪魔メフィストと契約し、復讐の精霊ゴーストライダーとなり、地獄で苦しんでいるところからストーリーが始まります。

本書では常にゴーストライダーの格好をしていますが、他の作品では普段は人間の姿をしており、ゴーストライダーに変身している間のみ、頭は燃えさかるドクロとなり、不死身に近い身体になります。その能力は悪魔をも燃やすことができる地獄の業火(ヘルファイヤー)や乗っているバイクにヘルファイヤーを纏わせたヘルサイクルで敵と戦います。

ゴーストライダーは歴史の長いヒーローで、時代によって、呼ばれ方が変わったり、宿主の人間が代わったりしますが、一番有名なのが本書に登場するジョニー・ブレイズのゴーストライダーだと思います。

今年は記念すべき映画1作目の『ゴーストライダー』が公開されてから10周年のアニバーサリーイヤーでもあるのですが、この映画のゴーストライダーもジョニー・ブレイズのお話です。
映画ではニコラス・ケイジがゴーストライダーを演じ、ゴーストライダーの誕生から悪魔メフィストに翻弄されながら、悪魔ブラックハートというメフィストの息子と戦います。

また、映画は『ゴーストライダー2』が2013年に日本でも公開されていますが、ニコラス・ケイジがゴーストライダーを演じていること以外はストーリー上の繋がりもなく、設定も異なる部分があります。『ゴーストライダー2』では悪魔メフィストが地上で活動するための完全な肉体を得るため人間の女に産ませたダニーという少年を捕らえ、自らの生贄にしようとします。ゴーストライダーは悪魔メフィストの企みをダニーの母親であるナディアや神父モローと協力し、阻止しようとするというストーリーです。もちろんアメコミとも部分的に違った設定になっています。

マーベルのアメコミとしてのゴーストライダーが初めて登場したのは『ゴーストライダー』#1(1967年2月号)です。白馬に乗って白装束で戦う西部劇ヒーローでファントムライダー(本名:スレイド・カーター)と呼ばれていましたが、さらにその前の1940年代にマガジン・エンタープライジズで考案されたキャラクターが本当の元祖ゴーストライダーとなります。

映画とコミックスの違いはありますが、共通してあるのはゴーストライダーのアンチヒーローとしての闇の深さと外見と内面のかっこよさ、そして男なら一度は経験するヒーローならではの超クールなバイク! という魅力に溢れています。

これを機に映画もコミックスもチェックしてみてください!


さて、基本情報はこのくらいにして、ここからは本書のストーリーにふれていきたいと思います。

本書のみどころは大きく分けて2つあります! ストーリーと超美麗なアートです。

悪魔を倒すという単純なストーリーかと思いきや読み進めていくうちに天国と地獄、地上に住むそれぞれのキャラクターの思惑が絡み合い、隠された秘密も散りばめられており、最後には…… おっと、詳しくは本書をお読みいただければわかりますが、本当に読み応えのある内容になっております。

今回はメインストーリーである悪魔カザンの誕生とカザンを追う者を紹介します。

悪魔カザンは長きに渡る天国と地獄の冷戦を地獄の勝利で終わらせるために、地上に冥界の扉を開こうと石油王グスタフと取引し、地上に姿を現します。


天国と地獄からは悪魔カザンの企みを止めるために追跡者が放たれます。それが天使ルツと悪魔ホスです。




さらに、天使マラキはある個人的な理由で悪魔カザンを止めるために独自に追跡者を放ちます。


道中でそれぞれの追跡者はぶつかり合いながら悪魔カザンがいるテキサスを目指します。


※すごいところから気持ち悪い触手が出ています。はじめてみたときは思わず「気持ち悪っ!!」と叫んでしまいました。


※生身の人間を振り回して殴り合うというクレイジーな戦い。

果たして、ゴーストライダーは悪魔カザンを捕らえ自由を手にすることができるのか…… というストーリーです。

イラストの美麗さは説明するまでもない美しさですね。

ここに書いたストーリーはあくまで本筋で、物語の中で、登場人物に深い過去があったり、半分人間、半分悪魔であるゴーストライダーならではの言葉に人間という存在を考えさせられる魅力に溢れる作品です。


最後に個人的に大好きなキャラクター“バットビュー”の紹介です。


元は人間でしたが、悪魔ホスの逆鱗に触れ、顔面を自らのケツに埋め込まれるという改造をされた謎の生き物です。
言葉も『ンンフゥ』しか話せない、なんともキュートでクレイジーなキャラクターです。
死んでるのか生きてるのかわかりませんが、こんな死に方は絶対したくないですね。笑

現代社会を生きるのは辛く地獄のような毎日だと感じることもあるかもしれませんが、本物の地獄は本書の中にあります。

本書を読んで、人間の闇の奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

同時発売となった『ワンダーウーマン:アースワン』と明日3月15日発売予定の下記のタイトルも改めてこのブログで紹介します!

グラント・モリソン[作]、ヤニック・パケット[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中!◆

ジェフ・ジョーンズ[作]、ジェイソン・ファボック[画]
定価:本体2,500円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

トニー・S・ダニエル他[作]
タイラー・カークハム他[画]
トム・モリー他[彩色]
定価:本体2,100円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

ジェイソン・ラトゥーア[作]
ロビー・ロドリゲス[画]
定価:本体2,100円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

それではまた次回お会いできることを楽しみにしております!

(文責:関谷怜也)

2017年3月7日火曜日

デッドプール、チームアップ作品最新作!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!


今年もあっという間に2ヶ月が終わりもう3月ですね。春の到来が待ち遠しいですが、5月に公開が予定されている『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』も今からとても楽しみです!

スパイダーマン、アイアンマン、アントマン、キャプテン・アメリカにドクター・ストレンジなど今まで数多くのヒーローをスクリーンで活躍させてきたマーベル・スタジオズですが、そのなかでも最もユニークな宇宙最凶チームがこの“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”です。

銀河滅亡を阻止する最後の希望となった彼らのストーリー展開はもちろんのこと、個人的には前作のように懐かしくも激アツなセレクションで映画を彩るサントラナンバーに期待大です!

ガーディアンズに関しては、前作映画の前日譚とチームメンバーの原作エピソードを収録した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』とアベンジャーズやX-MENなどスーパーヒーローたちとガーディアンズが共演する『ガーディアンズ:チームアップ』の2冊が発売中です。


『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』
 定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆
 

『ガーディアンズ:チームアップ』
 定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆



公開までに是非、これらの既刊をチェックいただきガーディアンズが繰り広げる銀河の冒険を楽しんでいただければと思います。


さて、チームアップといえばこちらも見逃せません! 今回ご紹介するタイトルの『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』です!


本作はタイトルにあるとおり、アメコミファンにはお馴染みの90年代を代表するデッドプールとケーブルの“迷コンビ”が復活します。

デッドプールに関しては、読者のみなさんの多くにとってもはや説明不要かとは思いますがせっかくの機会ですのでケーブルと合わせて簡単に触れておきます。


【デッドプール】
本名:ウェイド・ウィルソン。驚異的な再生能力と殺しの腕を有するチミチャンガ好きの傭兵。初登場は1991年2月号『ニューミュータンツ』#98だったのですが、なんとその目的はケーブルの殺害というストーリー! この時から二人の関係がはじまっていたとは……。

時系列でいうと、本作が開始されたときにはすでに“マーベル・ナウ!”版のデッドプールシリーズ(小社刊)は完結していたことから、同シリーズを合わせて読んでいただければ本書の理解が一層深まると思います。


【ケーブル】
本名:ネイサン(ネイト)・サマーズ。彼はX-MENのサイクロップスと、X-MENのジーン・グレイのクローンである、マデリーン・プライアーのあいだに生まれるのですが、アポカリプスによって特殊な病気に感染させられてしまいます。

彼はその治療のために未来に送り出され、成長したのちに1991年3月号『ニューミュータンツ』#87でもとの世界に戻り、未来を守るために戦うミュータントとなります。



そんな“冗舌な傭兵”と“未来から来た戦士”が繰り広げる本書のあらすじをご紹介します。


ある男の死によって引き起こされる恐るべき未来を予見したケーブル。

ケーブルがその男を守ろうと決意する一方、同じ男を殺すために“ある男”が近づく……デッドプールは果たして相棒なのか!? 活劇と時間旅行のトリックに満ちた大騒動の始まりだ!


そう、本作のキーワードは“時間”になります。

サブタイトルにある、スプリット・セカンドも未来からやってきた暗殺者の名前であり、物語としても一瞬にして約70秒前に飛ばされたりするなど、全体をとおして時間という概念が上手く組み込まれています。

あるシーンではコマの背景に90年代のコミックカバーや、中面が登場するなどユニークな工夫も見逃せないポイントとなっています!

さらに、ループという未来でデッドプールの前に現れた謎の男も登場しますが、その正体に関するストーリーの進行そのものが驚きの仕掛けになっており、きっとみなさんも読んだあとにあらためて納得するトリックの面白さに気づいていただけることでしょう。


また、このようなストーリー展開を最高に面白いものにしているデッドプール節も健在です!

個人的には音楽ネタになってしまいますが、70年代から活動を続けたダリル・ホール&ジョン・オーツというデュオが出てくるあたりはツボでした(笑)

80年代には全米No.1に輝く名曲を次々に発表した彼らですが、まさかデッドプールのアレの例えで出してくるとは……。(ヒント:デッドプールが対でいつも装備しているもの)

そのほかにも、『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの映画ネタにDCコミックスネタまで飛び出します! こういったところもデッドプールタイトルならではの醍醐味と言えますね。

本書に収録されているアートのひとつが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュなのも時間をテーマにしているだけにぴったりなコンセプトです!


今回ピックアップした、『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』は好評発売中です! 
対象店舗によってはまだ購入特典のポストカードがもらえるかもしれませんので是非、早めにゲットしてください!


最後に、弊社ではデッドプールとのチームアップ作品をいままでにも3冊刊行しています。
それぞれ、簡単なあらすじとともに紹介しておきますので合わせてチェックしてみてください!


『デッドプール VS. カーネイジ』

“饒舌な傭兵”と“最悪のスパイダーマン”が対決! 凶暴かつ凄惨な戦いの行方は……!?


『デッドプール VS. カーネイジ』
 定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆


いまやマーベル・ユニバースきっての人気者になった“饒舌な傭兵”デッドプール。今度のお相手はカーネイジ……スパイダーマンから生まれたヴェノムから、さらに生まれた“最悪のスパイダーマン”である。
殺戮を繰り返すカーネイジがデッドプールと出会い、血を血で洗う凄惨な戦いが始まった。デッドプールがカーネイジの口に手榴弾を突っ込んだかと思うと、カーネイジはデッドプールをバラバラに引き裂く……。
常軌を逸した真紅の2狂の凶演、果たして勝利はどちらの手に……!?


『ホークアイ VS. デッドプール』
“冗舌な傭兵”と“常人ヒーロー”――コミックでもおなじみ2大キャラがついに手を組んだ!!


『ホークアイ VS. デッドプール』
 定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

映画で活躍し、コミックでも高い支持を得ているマーベル・コミックスの人気者二人の共演作。
ハロウィンの夜のブルックリン……ウルトロンに扮したホークアイとゴーストバスターズになったデッドプールが、ヒーローの仮装をしたヴィランと戦い、SHIELDがらみの殺人事件の謎に挑む!? 

“もう一人のホークアイ”ことケイト・ビショップとブラックキャットも登場!


『デッドプール VS. サノス』
“デス(死)”を救え! 恋のライバルである二人のありえない共闘によって、マーベル・ユニバースを揺るがす大騒動が勃発!


『デッドプール VS. サノス』
 定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆


無限の力を持つ絶対的ヴィラン、サノスが報われない想いを寄せ続ける相手こそが、“死”を具現化した存在“デス”だった。一方、そんな彼女と相思相愛なのがデッドプールである。
しかし、ある日デスが姿を消し、世界から死が奪われてしまう。彼女を探すため、恋敵二人は手を組むことになるが……。

デッドプールと、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースでの活躍に期待が高まるサノスに加え、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやメフィストも登場する、次元を超えた恋の旅路の行く末は!?



そして、来月中旬には“X-MENの優男”と“世界イチ醜い傭兵”がタッグを組む、要注目作品『デッドプール VS. ガンビット(仮)』が発売予定です!

最高の腕と最低のルックスを併せ持つ傭兵デッドプールの今度の相棒は、なんと甘いマスクを誇るX-MENのイケメン盗賊、ガンビット!

一体どんな内容になるのか!? こちらも楽しみにしていてください!



それではまた次回に。


(文責:渡辺)

2017年2月28日火曜日

各キャラがもっと好きになる、
スーサイド・スクワッド読み切り2タイトル

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!
2月の発売ラッシュ第2弾では、4タイトルが同時リリースされました。
熱心な読者の皆さまにおかれましては、すでに全作チェックしていただけていることと思います。ですよね! 本当にありがとうございます!!

今回はそのうち、スーサイド・スクワッド関連の読み切り2作品をご紹介しましょう。
まずは『スーサイド・スクワッド:デッドショット』について。

スーサイド・スクワッド:デッドショット
ブライアン・ブッチェラート[作]
ビクトル・ボグダノビッチ[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆


映画でも好評を博した自殺部隊<スーサイド・スクワッド>。そこに所属する“孤高のガンマン”が、デッドショットことフロイド・ロートンです。
彼の単独主演作として描かれる本作ですが、スーサイド・スクワッドのレギュラーメンバーもしっかり登場しており、見どころもいっぱいです。
小社刊『スーサイド・スクワッド』のチームとしての過去作品は、現在下記2冊が刊行されています。こちらもお見逃しなく!

スーサイド・スクワッド:悪虐の狂宴
アダム・グラス[作]
フェデリコ・ダロッチオ他[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆


スーサイド・スクワッド:バジリスク・ライジング
アダム・グラス[作]
フェルナンド・ダグニーノ[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


本作『スーサイド・スクワッド:デッドショット』の脚本はブライアン・ブッチェラート氏によるもので、骨太かつちょっと重めの展開です。
抑えたトーンで登場人物の心の機微を余すところなく描いた、大人向けのハードボイルドといったところでしょうか。もちろん迫力のアクションシーンも盛りだくさん。ハーレイ・クインのかわいらしさもアマンダ・ウォラーの鬼畜ぶりも健在です!
「デッドショットって、ヴィランとはいえちょっと殺しすぎじゃない?」「地味だし、あんまり好きじゃないんだよなぁ」なんて思っている方にこそ、ぜひ読んでみていただきたい作品です。きっとデッドショットのことが好きになっちゃいますよ。

ちなみに。
ルックスなどが似通っていることから、デッドショットとよく比較されるのがデスストロークさんです。

デスストローク
トニー・ダニエル[作・画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆

小社から単独主演作が刊行されたのもデスストロークのほうが先だし、本国での人気や知名度も、やや水をあけられているデッドショット……。しかし、キャラクターの誕生自体はデスストロークが1980年、デッドショットが1950年と、後者のほうがずっと先輩です。舘ひろしさんと同い年ですから、さすがデッドショットさん、渋いわけですよね。
デスストロークの既刊についてはこちらでご紹介していますが、続刊『デスストローク:ゴッド・キラー』も近日発売予定です!


そしてもう一作は『スーサイド・スクワッド:カタナ』です。

スーサイド・スクワッド:カタナ
マイク・W・バー[作]
ディオゲネス・ネベス[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆

こちらはデッドショットの読み切り作と打って変わって、カタナの女性らしい優しさとまっすぐな正義感が気持ちよい、ヒューマン(?)なストーリーです。
あらすじは下記のとおり。↓↓↓

「小国マルコビアを、カルト教団コブラの侵攻から救う」という任務を与えられたカタナ。事務的に仕事をこなして帰る予定だったが、島の住民に頼られ、スーサイド・スクワッドの面々とも遭遇し、カタナの戦いはいつしか義勇軍の様相を呈してくる。
スーサイド・スクワッドはカタナの味方なのか? カルト教団コブラの真の目的は? 彼らが隠している秘密とはいったい――?
すべてを明らかにするため、暗殺者・カタナが妖刀を振るう!

ハーレイやエンチャントレスといった女性ヴィランとカタナの会話も、女性同士ならではのレア感があって微笑ましく読めます。

スーサイド・スクワッド:カタナ』より


カタナの愛刀・ソウルテーカーの不思議な力や、カタナにとっても重要な存在となるヘイローの登場など、今後にかかわるエピソードもしっかり描かれているため、読み切りとはいえ読み応えも抜群です。

ちなみに。

スーサイド・スクワッド:カタナ』より

かーわいい!
カタナにゴロっている「バカ猫」ちゃん、いったいどんな活躍をしてくれるのでしょうか!
ねこ好きも必読です。


同時発売となったもう一作、気になるアヒルについての記事はこちらへ。

ハワード・ザ・ダック:アヒルの探偵物語
チップ・ズダースキー[作]
ジョー・キノーネス[画]
定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆


さらに新感覚の学園モノ第2巻『ゴッサム・アカデミー:カラミティ』については、このブログで改めてお知らせしますのでお楽しみに!

ではまた!

(文責・鈴木絢子)



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2017年2月21日火曜日

バットマン史上最大の物語「ノーマンズ・ランド」待望の第3巻!

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 先週15日、バットマン史上最大のエピソード「バットマン:ノーマンズ・ランド」の第3巻が刊行されました! 前巻の刊行からおおよそ2年弱。紆余曲折を経て、ようやっと刊行することができました。これもひとえに、続編の刊行を待ち望んでくださった方々のおかけです!

バットマン:ノーマンズ・ランド3
ジャネット:ハーヴェイ他[作]
セルジオ・キャリエロ他[画]
定価:本体4,000円+税
◆好評発売中!◆



 本書は、1999年からおおよそ1年間にわたって展開された一大クロスオーバー「ノーマンズ・ランド」に、「アズラエル」や「ナイトウィング」、「ロビン」などの周辺エピソードを追加して2011年に刊行された〝完全版〟の第3巻です。


第1巻、第2巻の紹介記事はこちら↓
伝説の一大巨編『バットマン:ノーマンズ・ランド』始動
米DC映像展開まとめと『ノーマンズ・ランド2』!


 ゴッサムシティがアメリカ本土から隔離されるという衝撃の設定でスタートした本シリーズも、いよいよ折り返し地点を過ぎて後半戦に突入。長大な物語(総ページ数2100ページ超!)にも関わらず、決してダレることなくテンションを保ち続けていることは、さすがのひとことです。これはひとえに、脚本陣による巧みなストーリー作りと、シリーズ編集者による計算された構成の賜物といえるでしょう。
 極限状況下に置かれた人間の決断、行動を描いてきた本シリーズ。第3巻では、ヒーロー、ヴィランたちはもちろん、市井の人々の物語も描き出します。その代表的なエピソードを、いくつかご紹介しましょう。



第1話『ザ・キング』
 汚水の濾過装置や風力発電、病原菌や害虫の駆除などの知識や技術によって、困窮している市民を救った謎の男〝キング〟。彼が行方不明になり、その捜索を依頼されたバットマンは、やがて意外な人物へとたどり着く。
 ゴッサムで生まれ育ち、たとえ瓦礫の山と化してもこの街と供に生きることを決意した男の想いが胸を打つエピソード。特殊能力や卓抜した戦闘力がなくても、人はヒーローになり得るということを伝えてくれます。




   
第8~9話『光の当たらない場所で』『ヒーローの条件』
 霊龍団と聖天拳会、2つのギャング団が対立するチャイナタウン。霊龍団の女首領リンクスは、不法移民たちに不当な過重労働を強いる聖天拳会に戦いを挑むが、バットマンの協力を得てもなお、苦戦を余儀なくされる。
 権力者に抑圧された民衆が、やがて蜂起に至るまでの過程。そこにはあまりにも悲しく尊い犠牲が払われることになります。




第12~13話『地下鉄道 第1章/第2章』
 ボック、通称〝ハードバック〟。自警団を組織して、5丁目から15丁目の100ブロックを守る元警官。彼は、未来ある子供たちをゴッサムから逃がすため、ペンギンに危険な賭けを持ちかける。
 自らを犠牲に利他的な行動を取る男、そして悪党として忌み嫌われる人物の意外な人間性の発露。犯罪がはびこるゴッサムシティに住む人々の、様々な想いやドラマが描かれます。




 これら市井の人々を中心としたエピソードの他にも、本書ではバットマンの歴代ヴィランのビッグネームであるジョーカー、ベイン、トゥーフェイスのエピソードも収録されています。秩序が失われたゴッサムシティで自由を謳歌するジョーカー。法への復讐とゴッサムの完全なる壊滅を目指すベイン。そして、その背後に見え隠れする黒幕の存在など、最終巻に向けて物語はますます加速します。

第10話 『コード 第1章:違法行為』より



 ヒーロー、ヴィラン、一般市民、それらの垣根を取り払い、極限状況下に置かれた人々を描くことで、単純な勧善懲悪のストーリーに陥らず、正義の意味や人間の尊厳といった深淵なテーマを浮かび上がらせた本シリーズ。皆さんもご存じの通り、本シリーズは、2012年に公開されたクリストファー・ノーラン監督の映画『ダークナイト ライジング』の底本のひとつに選ばれています。現在のバットマンのイメージを確立した作品の一つですので、ぜひシリーズを通して読んでいただきたい作品です。 次巻はいよいよ最終巻。アメコミ史上に残る、サーガと呼ぶに相応しい大河ドラマを、ぜひお手に取って楽しんでください。
 また、普段はアメコミを読まないけど、映画「ダークナイト三部作」は好きという方にもオススメです。映画のインスピレーションの源泉になった本シリーズをお読みになれば、きっとアメコミの奥深い魅力を感じることができるはずです。

 それでは今週はこの辺で。また来週火曜日にお会いしましょう。


(文責:山口大介)




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