2017年5月23日火曜日

新生バットマン誕生! 新刊『バットマン:スーパーヘヴィ』解説

アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
 
 今週ご紹介するのは、先々週発売されたばかりの新刊『バットマン:スーパーヘヴィ』です。


バットマン:スーパーヘヴィ
スコット・スナイダー[作]
グレッグ・カプロ[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


 本書は、2015年5月に発表された序章的な短編の『DCスニークピーク:バットマン』#1と、続いて6月から10月にかけて刊行された『バットマン』#41-45を発売順に収めた単行本の日本版です。じつは当時DCコミックスでは大型イベント“コンバージェンス”が展開されていたため、前巻『バットマン:エンドゲーム』(小社刊)の最終話にあたる#40から本書の#41までには、1ヶ月半近いブランクがありました。
“コンバージェンス”は、4月から5月にかけて仕掛られました。その間、週刊のミニシリーズで主軸となる物語が進む一方で、レギュラー雑誌は中断し、代わりに2号完結の雑誌が40(つまり合計80冊)も刊行されました。
 このイベントでは、2011年にニュー52が始まったことで整理されてしまった旧設定の一時的な回復です。シリーズ各作品2号で、DCユニバースのさまざまな時間軸、設定、都市からキャラクターが集められ、戦いを繰り広げられました。

 ちなみに、同シリーズのなかでバットマンが主役のタイトルは以下の通りになります。

・『バットマン&ロビン』⇒フラッシュポイント直前のバットマン、ロビン(ダミアン・ウェイン)、レッドフード(ジェイソン・トッド)が、1990年代のヴィランのチーム、エクストリミスツと対決。
・『バットマン:シャドウ・オブ・バット』⇒ベインによる半身不随から復帰した頃のブルース・ウェインとジャン・ポール・バレーという二人のバットマンが、ワイルドストーム・ユニバースのチームであるウェットワークスと対決。
・『バットマン&アウトサイダーズ』⇒1980年代のクライシス前の同チームが、1970年代版のオマック(バディ・ブランク)と対決。
・『ディテクティブコミックス』⇒1980年代のクライシス前のアース2のディック・グレイソンとハントレス(ヘレナ・ウェイン)が、『スーパーマン:レッド・サン』(小社刊)のスーパーマンと対決。


 そして、“コンバージェンス”が終了すると、“DCユー”と銘打ってラインナップの刷新が図られました。20を超える新雑誌が立ち上げられ、定期刊行誌の総数も変化しました。世界観は引き継がれましたが、このタイミングで“ニュー52”というブランド名は使われなくなりました。この時期に創刊されたバットマンタイトルには、次のものがあります。

・『バットマン・ビヨンド』⇒別の時間軸のティム・ドレイクがテリー・マクギニスの後継者になる。
・『ロビン:サン・オブ・バットマン』⇒復活したダミアン・ウェインが主役。
・『ウィ・アー・ロビン』⇒本書にも登場したデューク・トーマスが、ゴッサムシティの少年少女による自警団を結成。


 以上のような状況のなかで、本シリーズは再開されました。上述の他にも、『ゴッサム・アカデミー』『グレイソン』『バットガール』(いずれも小社刊)など、当時のバットマン系列には新鮮で意欲的な作品が多く、そのことがライターのスコット・スナイダーに刺激を与えたと、本人もインタビューで語っています。それもあってか、本書に登場する“ロボバットバニー”版の新バットスーツのイラストは、“DCユー”を全体を象徴するイメージの一つに選ばれてました

 ブルース・ウェインの兄弟、オリジンの再定義、ジョーカーの正体……シリーズの幕開け以来、一貫してバットマンの本質に関わる大胆なテーマに挑み、質の高い仕事で成功を収めてきたスナイダー/カプロのコンビ。翌年の“リバース”を前に敢行された“バットマンの代替わり”という最大の挑戦は、どのような結末を迎えるのでしょうか?

 ということで、ここからは気になる本書のあらすじをご紹介したいと思います。

 ジョーカーとの決戦後、バットマンは姿を消した――。ヒーロー不在のゴッサムシティで、ダークナイトの再臨を望む声が高まるなか、ジム・ゴードン本部長はダークナイトの遺志を引き継ぎ、新たなバットマンとなることを決意する。しかし、パワーズ・インターナショナルが作り上げた最新型高機能バットスーツを身にまとい、ゴッサム市警と連携しながら街をパトロールするが、その力はオリジナルには遠く及ばない。新バットマンの苦闘が続くなか、ゴッサムの闇には新たな悪が胎動していた。犯罪者たちに特殊な能力を与えるヴィラン、Mr.ブルームが、その魔手を着実にゴッサム全域に広げつつあるのだ。果たしてコウモリの翼は、再びゴッサムの闇に舞い降りるのか?

 本書の主役はそう、ゴッサムシティの良心にしてバットマンの良き理解者のひとり、ジム・ゴードン市警本部長です。新たなヒーローを望む市民の声に応え、新たなバットマンになるという苦渋の決断をします。



トレードマークのメガネ、髭、くわえタバコをやめ、
海兵隊時代の髪型にしたジム・ゴードン。
そして新型バットスーツを開発した
パワーズ・インターナショナルのCEO、ジェリ・パワーズ。

 バットマンというあまりに偉大すぎるヒーローの名を継ぐ重圧のなか奮闘するゴードン。しかしゴッサムの犯罪はジムを待ってはくれません。日々、悪と戦ううちに、ジムはあることに気がつきます。突然増加したメタヒューマンたちに共通する物証が出てきたのです。


元はチャイニーズマフィアだったはずのジー・ジー・フンは、
石や建材を操る能力を得ていました。


犯罪者の遺骸から見つかった謎の物体“シード”。

メタヒューマン増加の背後にいるヴィランの存在が
徐々に明らかになります。その名はMr.ブルーム。


 果たして新生バットマンことジム・ゴードンは、Mr.ブルームの魔の手からゴッサムを救うことができるのか? そして、行方不明のブルース・ウェインは、ゴッサムに帰還するのか? 本書、そして次巻『バットマン:ブルーム』によって、ニュー52から続いてきた時系列のエピソードは、フィナーレを迎えます(この時系列の番外篇的エピソードを集めた『バットマン:エピローグ』も刊行予定です)。これまでバットマンを読み続けてきた人にとっては、まさに必読の書といえるでしょう。また、本書そして次巻と続く一連のエピソードを担当したのは、スコット・スナイダーとグレッグ・カプロの黄金コンビ。これだけ読んでも読み応え充分です。

 これから控えている「DCリバース」を迎える前に、ぜひこの大団円的エピソードを楽しんでください。

 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。

(文責・山口大介)
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2017年5月16日火曜日

デッドプール、チームアップ作品の最新作!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

長いゴールデンウィークもあっという間に終わり、ちょっとユーウツ・・・なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。いえいえ、お楽しみはこれからです! ということで、そんな落ち込み気分を吹き飛ばすべく、今週もアメコミの最新情報をご紹介していきます。

ゴールデンウィークといえば、私は、いま東京・六本木で開催中の「マーベル展」に行ってきました。連休中とあって大盛況! 日本初のマーベル総合展ということで、いくつかのテーマによる展示で構成され、ライトなアメコミファンから熱狂的ファンまで幅広い方々が楽しめる内容になっていました。個人的に最も興味深かったのは、1930年~60年代の貴重な原画とアートが見られたこと。いま見ても全然古くさくない。というか、何十年たった今でも斬新でクールなその絵づくりに改めて感銘を受けました。

そして、先週末12日(金)には、映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』が公開されました。大ヒット作の第2弾とあって注目されていますが、この個性豊かなキャラクターたちは発売中のコミック『ガーディアンズ:チームアップ2』でも登場していますので、こちらもぜひお楽しみください。

さて、そんなマーベルの中でも最近とくに人気の高いキャラクターが、デッドプール。昨年からいくつものタイトルを刊行していますが、その最新作『デッドプール VS. ガンビット』が発売中です。他のシリーズ作との関連性は低いので、本書からスタートしてもすんなりとストーリーが理解できます。

『デッドプール VS. ガンビット』
ベン・アッカー&ベン・ブラッカー[作]
ダニーロ・ベイルース[画]
定価:本体1,800円+税
●好評発売中●


本作ではタイトルにあるとおり、マーベルファンにお馴染みのデッドプールとガンビットのコンビが活躍します。
デッドプールについては、みなさんの多くにはもはや説明は不要かもしれませんが、ガンビットとあわせて紹介します。

【デッドプール】
本名はウェイド・ウィルソン。傷ついても驚異的な再生能力で復活し、殺人を躊躇しない冷酷な性格の傭兵。初登場は1991年2月月号『ニューミュータンツ』#98で、善悪に偏らないトリックスターのようなキャラクター。

【ガンビット】
本名は、レミー・ルボー。世界的に暗躍する盗賊。トランプなど手にした物体にエネルギーをチャージすることができ、様々なアイテムを爆発させることができる特殊能力を持つ。

ガンビットは優男とあって外見がわりと一般人と変わりなく普通なので、存在感に乏しい、なんて思われがちですが、これがなかなかのクセモノ。
実はX-MENの一人で、最もハンサムな上に口が達者なミュータントなのです。この個性が遺憾なく発揮された時、彼の魅力が爆発することとなります。

彼の初登場は『アンキャニーX-MEN』#266(1990年8月)。90年代はローグの恋人として有名であり、とくに女性読者の間で人気が高かった。魔人アポカリプスやミスター・シニスターの部下となって、X-MENと戦ったこともある。
実写版としては、2009年の映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』では、テイラー・キッチュがガンビット役を演じていた。

※以上、翻訳者・高木亮さんによる本書解説から抜粋。


こんな“饒舌な傭兵”と“イケメン盗賊”が繰り広げる本書のあらすじを紹介します。

【あらすじ】
デッドプールとガンビット、実はこの二人、こっそり手を組んで詐欺をはたらいた“共犯者”だった。相容れない性格の二人がしぶしぶ手を結び、乗り出したのはドデカイ詐欺! 
正体不明でつかみどころのない怪しい紳士の雇い主から指令を受けた二人は、中国人の実業家からお宝を盗もうと画策する。こんなのいたって楽勝!の計画のはずが、そうは問屋が卸さない。実業家の思わぬ攻撃に合い、二人の息も合わず、そこにパワーを“かく乱する”能力をもつミュータント・スクランブラーも現れて・・・。はたして最悪の共犯者にして、マーベル最高の詐欺師二人は最高のタッグになれるのか?
 
本作の一番の見どころは、よくしゃべる二人の“迷コンビ”ぶりです。

「裏切られた!」と勝手に思い込んでは、相手への復讐心を燃やして街じゅうを巻き込んでの激しい戦いを繰り広げたかと思えば、共通の敵を倒すために連携プレーを試みたり。はたまた顔を突き合わせれば、お互いを罵り始めて・・・。こんな繰り返しが続いていきます。計画をともに遂行していくコンビとは思えないデコボコぶりが際立っていて、一体どうなることやらと、ハラハラさせられます。
 
本書ナレーションでも、「アクションシーンを期待してる?」。「悪いが、これは詐欺師の話だ。アクションシーンなんかない」とあるとおり、これはちょっと言い過ぎかもしれませんが、セリフの応酬が大きな魅力となっています。

例えば、
デッドプール:「さっきのタックルは痛かったぞ」
ガンビット:「我慢しろ」
ガンビット:「もっと痛くなるぞ」
デッドプール:「やめてくれよ。楽なヤツがいい」

というふうに、いつ終わるともしれない堂々めぐりの会話が続いては、それぞれがボケたりツッコんだりと、まるでベテラン漫才師の丁々発止のやりとりを見ているかのようです。そのスピード感、緊張感はクセになる面白さで、とても新鮮です。

もちろん、この迂回しがちなストーリー展開を支え面白くしているのは、やっぱりデッドプールのクソヒーローぶりで、今回も「オレちゃん」のデッドプール節が健在なのもうれしい限りです。

とは言っても、アクションシーンもきちんと充実しています。

デッドプールとガンビットそれぞれの能力を発揮するシーンはもちろん見せ場としてありますが、日本の少年マンガに登場するような「~拳」なる武術のワザがたっぷりと展開されます。「えっ! これ、アメコミ?」と驚きつつも、「これは痛そう!」と感じさせるアクションの数々はアメコミにはちょっと珍しく、ここが見どころの一つとなっています

このほかにも、『マトリックス』、『ファイトクラブ』、『ダーティ・ダンシング』など熱狂的なファンを持つ映画を意識したシーンやセリフがポンポン飛び出します。加えて、ガンビットとの戦闘中にデッドプールが楽しげにデスティニーズ・チャイルドの『サバイバー』を歌い続ける場面は、彼の趣味が全開。ヒーローの隠された一面を垣間見るようで個人的にツボにはまりました(笑)。こういったいろいろな作品からの引用や批評もデッドプール作品ならではの面白さです。

本書では、個性豊かなキャラクターを擁するマーベル作品をもっと広く知っていただきたい、との編集部の思いから、カンフーヒーローの活躍を描く『イモータル・アイアンフィスト』を13ページ分、試し読みできるよう特典として付いています。こちらもあわせてお楽しみください。

弊社では、デッドプールとのチームアップ作品をこれまでに4冊刊行しています。
この最近作が『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』です。





ケーブルというキャラクターについて簡単に紹介しておきます。
本名はネイサン(ネイト)・サマーズ。彼はX-MENのサイクロップスと、X-MENのジーン・グレイのクローンである、マデリーン・プライアーのあいだに生まれるが、アポカリプスによって特殊な病気に感染させられてしまう。
彼はその治療のために未来に送り出され、成長したのちに1991年3月号『ニューミュータンツ』#87でもとの世界に戻り、未来を守るために戦うミュータントとなる。

【あらすじ】
ある男の死によって引き起こされる恐るべき未来を予見したケーブル。ケーブルがその男を守ろうと決意する一方、同じ男を殺すために“ある男”が近づく・・・。デッドプールは果たして相棒なのか!? 活劇と時間旅行のトリックに満ちた大騒動の始まりだ!

そして、来月下旬には、デッドプールとエイリアン共生体との合体を描いた注目作品『デッドプール:バック・イン・ブラック』が発売予定です!

1984年の『マーベル・スーパーヒーローズ・シークレット・ウォーズ』において、デッドプールが遭遇したエイリアン共生体は、スパイダーマンの漆黒のコスチュームとなり、最終的にはヴェノムとなった。ところで、その共生体がエディ・ブロックと出会う前に、実はデッドプールと合体していた! ブラック・コスチュームのスパイダーマンまで現れて、驚きの大事件が起こる。

今後もデッドプール作品から目が離せません。こちらもぜひお楽しみに!

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)

2017年5月9日火曜日

マーベル・ユニバース屈指の拳法の使い手、アイアンフィスト登場!

アメコミファンの皆さま、こんにちは。
4月から編集担当となりました小出と申します。
アメコミ初心者ですが、個性的なヒーローがたくさん登場するので張り切って勉強していきたいと思ってます。
こちらのアメコミ魂でも小社イチオシ新刊を月一で紹介していきますので、どうぞよろしくお願いします。

早速ですが、今回ご紹介する書籍はコチラです。

マット・フラクション&エド・ブルベイカー[作]
デイビッド・アジャ他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

ネットフリックスでドラマ化になり話題のキャラクターですが、単独誌としては小社初刊行となります。



ドラマでは、浮浪者のような姿で15年ぶりにニューヨークに舞い戻ってきた主人公のダニー・ランドが、父の遺産であるランド社を取り戻そうと奮闘する姿がドラマチックに描かれてますが、コミックでは、既に会社を取り戻した後から物語がスタートします。

まずは簡単に、アイアンフィストのあらすじをご紹介します。
主人公のダニエル(ダニー)・ランドは、伝説の都市”クン=ルン”で格闘技を学び、不死の龍の力を手に入れ、”気”の力で必殺の拳を放つアイアンフィストとなった後、アメリカに戻り大企業を相続し誰もが羨む地位とお金を手にするものの、彼がアイアンフィストであるがゆえに様々な過酷な戦いに巻き込まれていく・・・というストーリーです。

大筋の設定はドラマ版もコミック版も同じですが、例えばドラマ版でダニーの恋人となるコリーン・ウィングが、コミック版では友人という設定だったり、コミック版ではアイアンフィストであるダニーはヒーロースーツを着ていたり、といった違いがあります。

実はこのアイアンフィストのスーツが、個性的でカッコいい!
緑のスーツに黄色いバンダナ風マスクとブーツがアクセントになっていて、超クールなんです。残念ながらドラマ版ではこのスーツが出てこないので、ぜひ本書で堪能してください。


(※アーティストのデイビット・アジャは本書において、アイアンフィストの定番イメージ、衿が立って胸をはだけたデザインを思い切って刷新した結果、より現代的なキャラクターに生まれ変わらせることに成功しました。本書巻末では、デイビット・アジャによる貴重なキャラクターデザイン集が載っていて、そのデザインの変遷は大変見応えがあります。)

ドラマ版に出てこないコミック版のもう一つの見どころが、歴代のアイアンフィストについて全編に渡って丁寧に触れられている点です。ダニー以外の、国も時代も性別も違う様々なアイアンフィストの存在(歴史上、66人の男女がアイアンフィストを名乗ったそうです!)により、そのキャラクターに一層の深みが与えられています。
ここで、ダニー以外の歴代のアイアンフィスト達を一部ご紹介します。

●1227年のアイアンフィスト
クン=ルンの山岳地帯に住むベイ・ミン=シャンは、モンゴル軍に襲われた村を守るため一人立ち向かう。
(※1227年はモンゴル帝国の初代皇帝チンギス・カンが死んだ年です。この事件は、実はアイアンフィストがチンギス・カンを倒したことを暗示しているのではないでしょうか・・・)


●1545年のアイアンフィスト
中国広東省、平海港の支配権をめぐって倭寇に戦いを挑む女アイアンフィストのウー・アオ=シ。
(※1545年といえば種子島の鉄砲伝来で大きな役割を果たした中国人倭寇・王直が、倭寇最大の頭目に成りあがった年です。倭寇の権力闘争にアイアンフィストが影響を及ぼした可能性を暗示してます・・・)


●1916年6月23日のアイアンフィスト
死傷者70万人を出した第一次世界大戦最大の激戦地であるヴェルダンで、毒ガスや火炎放射器といったドイツの最新兵器に一人立ち向かうフランス兵アイアンフィストのランドール。
フランス軍にとって防戦一方で最も過酷なこの時期を耐えきった後、8月にフランス軍は反転攻勢を開始します。


●1860年のアイアンフィスト
英仏と清の第2次アヘン戦争において、アイアンフィストのベイ・バン=ウェンが指揮する清軍部隊は、イギリス軍の上陸を許し、自らも拳を剣に突き刺される。この年、清軍の降伏で第2次アヘン戦争が終結したのは、アイアンフィストの戦死による結果であろうか・・・。


本書はこのように、人類の歴史の重要なシーンにアイアンフィストが関与していたことを仄めかすことで、アイアンフィストがただのアメコミヒーロー以上の存在なのだと読者に気付かせてくれます。

しかし、ダニー以外のアイアンフィストは皆、過去の存在なのでしょうか?

ダニーは会社の道場で訓練中、突然右手に痛みを感じ、倒れ込みます・・・。誰かがダニーの”気”、すなわちのアイアンフィストの能力の源である不死の龍ショウ=ラオの力を使ったことを、はっきり自覚するのです。

・・・誰がダニーの力を使ったのか?この後、ダニーとアイアンフィストの更なる宿命の扉が開かれます。

ここから先はぜひ本書を手に取って、お楽しみください。
ダニーの父宿敵ヒドラ、ランド社の大口顧客である中国企業の秘密、そしてクン=ルンに運命を翻弄された者たち・・・多くの因縁が複雑に絡み合う、濃厚な世界観を存分に楽しめることでしょう。

この辺りで今回の記事を締めさせて頂きます。最後までお読み頂きありがとうございました。それではまた来月!
(文責・小出)


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2017年4月25日火曜日

『ハーレイ・クイン』第3弾、
今回も超絶キュート&血みどろバイオレンス!

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
目前に迫った大型連休、お出かけの予定はお決まりですか?
まだなんだよな~という方、予算やお休みの都合がつかない方。新作のアメコミをチェックしたりして、のんびり過ごしてみてはいかがでしょう。

インドア連休のおともにイチオシの新刊はコチラです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,400円+税
◆好評発売中◆


とにかくハーレイ・クインがかわいらしく、気軽に読めるシリーズの3巻目。
スーサイド・スクワッド』シリーズなどの極悪シリアスなテイストともまた違い、ハーレイの女の子らしい日常を楽しむことができます。
親友のポイズン・アイビーとのおしゃべりや、「忙しいのにお金がない」と嘆く姿などは、世の多くの人にとって身近なものでしょう。チャド・ハーディンをメインアーティストに据えたかわいらしい絵柄も相まって、女性のファンも多い作品です。

前巻までについておさらいしたい方はコチラの記事をどうぞ。


ハーレイ・クイン:ホット・イン・ザ・シティ
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


ハーレイ・クイン:パワー・アウテイジ 』
アマンダ・コナー、ジミー・パルミオッティ[作]
チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆


今回のハーレイは、「超スゴイタマゴ」と出会ったり、寄る年波を嘆いたり。バレンタインやクリスマスシーズンの特別号の掲載分を収録しているので、イベント感いっぱいのかわいいアートも(季節はずれではありますが……)要チェックです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
「超スゴイタマゴ」さん、このあとキャラクターが意外な方向に……


さらにはなんと、ハーレイがブルース・ウェインの恋人候補に名乗りをあげるというエピソードも。昨年発売された『バットマン:エンドゲーム(THE NEW 52!)』でも、本編のほうではちょっと辛い展開が続いているバットマン。闇の騎士の元気な姿や、アルフレッドさんとのコミカルなやりとりが見たい方にもオススメです。


ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』本編より。
やたらとヘルシーな夜食を用意するアルフレッドさん


お好きな方はすでにご存じのことと思いますが、こちらのハーレイ・クインシリーズは、この先も短めのスパンで刊行が続く予定です。今号にはハーレイが自らの活動を手伝うメンバーを募集するなど、次巻につながる重要な出来事も描かれています。今からでも問題なく楽しめるので、『ハーレイ・クイン:キス・キス・バン・スタブ』にはぜひ目を通しておきましょう。


ちなみに。
本書に収録されている特別号『ハーレイ・クイン・アニュアル』では、内容にちなんで「こするとニオイがする」特殊な印刷を採用していたそうです。(内容は、ぜひ実際に読んでご確認を!)
そういえば子どものころ、雑誌の付録で、こするとチョコレートのニオイがするペーパーアイテムがあったのを思い出しました。前述の特別号でも、とある食べ物のニオイなどが再現されていたそうです。鼻の頭を紙にそっと近づけて、クンクンする姿はきっと世界共通……想像すると、海の向こうのアメコミファンに親近感がわく気がします。五感にうったえる、楽しい仕様だったのですね。
残念ながら、本国の単行本およびこちらの翻訳版には香りはついていませんが、その分、おうちの本棚でほかのコレクションにニオイが移ってしまう心配もありません。
安心してお買い求めくださいませ。

それではまた!


(文責・鈴木絢子)


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2017年4月11日火曜日

【映画公開目前!】 ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、またまたチームアップ!

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 アメコミファンのみならず、映画ファンの間で……というより、主に映画ファンの間で熱烈な支持を集めた『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。公開時に熱狂したファンはもちろん、多くの人々が待ちに待った第2作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の公開が、いよいよ来月12日に迫りました!



 敵味方含め、1人で映画が1本できてしまいそうな個性豊かなキャラクターたち、70~80年代のヒットナンバーに乗せて展開されるアップテンポなスペースオペラがスクリーンに帰ってくるとあって、第1弾のトレーラーが公開された昨年から、気もそぞろな人たちも多いことと思います。トレーラーといえば、昨年のコミコンで発表されたファースト・ルックがYouTubeにアップされた際には、公開から24時間で8,100万回再生されたことでも話題になりました。

 前作で身体の大半を失ってしまったグルートが、本作では〝ベイビーグルート〟として登場し、その愛くるしいルックスに「マーベルユニバースでもっとも可愛いキャラクター」という声が多く寄せられたことも記憶に新しいですね。

 いきなりマーベルユニバースのなかでもトップクラスの人気を獲得してしまった(大半は映画ファンですが……)ガーディアンズ。彼らが映画だけでなく、コミックでも再登場します。来週4月19日発売予定の『ガーディアンズ:チームアップ 2』です。


ガーディアンズ:チームアップ 2
ビル・ウィリンガム他[作]
ジオゴ・サイトー他[画]
定価:本体2,100円+税
◆4月19日頃発売予定◆



 本書は、前巻から引き続き2015年6月から8月にかけて刊行され、#10で完結したミニシリーズをまとめたTPBの翻訳版になります。映画版の前作が公開された2014年夏頃から、コミックの動きが活発になりました。本書を除いた当時の関連誌は以下のような状況になっていました。

・『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
……2013年に「マーベル・ナウ!」の一環として創刊。

・『レジェンダリー・スターロード』
……2014年7月創刊。最終号である#12(2015年7月号)は“ブラック・ボルテックス”の後日談。

・『ロケット・ラクーン』
……2014年7月創刊。ロケットのニセ者が登場する物語から始まり、#11(2015年7月号)まで刊行。

※以上、翻訳者・中沢俊介さんによる本書解説から抜粋。



 上記の流れのなかで刊行がスタートした「ガーディアンズ:チームアップ」のシリーズになります。その最大の魅力は、タイトル通り他のヒーローとのチームアップ。今回登場するヒーローを挙げると、ナイトクローラー、アントマン、シルバーサーファー、スパイダーマン、そしてデッドプールです。


ナイトクローラーとガモーラが宇宙の武闘会で剣を交わし、




マイアミに向かった宇宙の犯罪者を調査するのはドラックスとアントマンの凸凹コンビ。



シルバーサーファーとグルートが宇宙戦争の運命を握ったかと思えば、



異世界の超兵器をめぐって、スターロードとスパイダーマンが丁々発止のやり取りを繰り広げる。



そして、デッドプールとロケット・ラクーンが出会い、毛と弾丸が乱れ飛ぶ!




前巻に引き続き、とにかくノリの良いガーディアンズの魅力が詰まった1冊です。ぜひ、映画と併せてお読みください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。


(文責・山口大介)




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2017年3月28日火曜日

映画も待ち遠しい! いま予習しておきたい
『ワンダーウーマン』&『ジャスティス・リーグ』

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!
年に一度、満開の桜に浮かれる季節が来ていますね~。
たくさんの人が待ちわびるモノ……という点では桜とも共通点がある(?)のが、映画『ワンダーウーマン』と『ジャスティス・リーグ』。
すでに前者は8月25日(土)、後者は11月18日(土)公開とアナウンスされています。


今日ご紹介するのは、これらの映画をより楽しむためにも、ぜひぜひ読んでおきたい2タイトルです。

ではさっそく、まずは『ワンダーウーマン:アースワン』から。

ワンダーウーマン:アースワン
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

小社刊行のアメコミでもちょっと珍しい、高級感ある肌ざわり。
このアースワンシリーズは、キャラクターのオリジンを新解釈で描くパラレルワールドのストーリーとして展開されているものです。『ワンダーウーマン:アースワン』を手がけたライターはいわずと知れた大物、グラント・モリソン。
あらすじはこちら。↓↓↓

パラダイス島に暮らすアマゾン族は、何千年もの間、男たちの害悪から距離を置き、独自の文明を謳歌してきた。しかし、その閉鎖的な生活に満足できなかったのがアマゾン族の王女ダイアナ。彼女は狭い世界に飽き足らず、もっと多くを知りたいと考えていたのだ。
そんなある日、島に空軍の飛行機が墜落する。ダイアナが生まれて初めて目にした男性こそ、そのパイロットであるスティーブ・トレバーだった。彼を救うため、ついにダイアナは禁じられた“男の世界”に飛び込む。島の掟に背いた彼女を待ち受ける運命とは……?

アール・ヌーヴォーを思わせる華やかなビジュアルを描いたのはヤニック・パケット。
グラント・モリソンとのコンビでは、『バットマン:インコーポレイテッド』も手がけています。

バットマン:インコーポレイテッド
グラント・モリソン[作]
ヤニック・パケット他[画]
定価:本体2,600円+税
◆好評発売中◆

きっと誰もが好きになっちゃうのは、ぽっちゃり女子のベス・キャンディさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より


ダイアナに首輪プレイを申し込まれたと思い、うろたえるトレバーさん。

ワンダーウーマン:アースワン』本編より

この気品あふれる絵柄で、コミカルなキャラクターやちょっとしたギャグも成立しているあたり、脱帽です。

ちなみに。
本書のスティーブ・トレバーがこれまでと違うのは、黒人として描かれている点です。基本的に白人男性として描かれてきた彼は、8月公開の映画でもクリス・パインによって演じられます。なぜ本作では黒人なのか? その意図は作中の彼の言葉や、冒頭のヤニック・パケットによる「献辞」などから、なんとなーくうかがえるかもしれません(個人的見解)。
そのあたりはぜひご自身でご確認ください!
登場人物のビジュアルにも作り手のポリシーが生きていたりして、単なる「キレイな絵」ではないところも魅力的です。


続いては『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』。

ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2
ジェフ・ジョーンズ [作]
ジェイソン・ファボック[画]
定価:本体2,500円+税
◆好評発売中◆

前作『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー1』についてはこちらの記事をどうぞ。
さらにシリーズ1~6巻まではこちらへ!

ジェフ・ジョーンズ脚本の長編も、8巻目の本作をもっていよいよ完結です!!
あらすじはこちら。↓↓↓

ダークサイドとアンチモニターとの戦争により、神々とヒーローたちとを分かつ境界線が消え去った。彼らはさまざまな力を統べる神となり、人間以上の存在へと変貌を遂げたのだった。しかし、依然として危機的な状況は続いている。すべての災厄を防ぐために、ジャスティス・リーグは、宿敵クライム・シンジケートと手を組むことに……。
二つの世界の二つの最強チームは、魔の反生命方程式から生命そのものを守り抜き、ニューゴッズの脅威を終わらせることができるのか。

ジャスティス・リーグ:ダークサイドウォー2』本編より


前作でドヤっていたバットマンだけでなく、リーグの面々それぞれが神になってしまうのです。

とにかくいろいろと大変なことが起こる本作。
邪神との戦いには一応の幕を引きつつ、驚きの事実をいくつも仄めかしてエンディングを迎えました。ひとコマも見逃せないことになっているので、「ん? なんだコレ?」と思ったシーンはすべて覚えておかれることをオススメします。

残された謎は、新たに展開される「リバース」で解明されていくことになります。これは「New 52!」でのリランチを引き継いでの新体制ですが、それを余すところなく楽しむためにも、ぜひ本作に目を通しておきましょう。

また、『ワンダーウーマン:アースワン』にも登場したスティーブ・トレバーは、『ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2』ではこれまでどおり白人男性として描かれています。彼も大変重要な役どころなので、ぜひぜひ両方併せてお読みいただき、思いっきり感情移入してみてください!

どちらの作品もコミック単体でも大変おもしろいですが、スクリーンとセットにすれば、アメコミビギナーもぐっと楽しみやすくなるのは間違いなし。お友達や恋人を沼に誘うのにも、このチャンスをぜひご活用ください!

それではまた!

(文責・鈴木絢子)

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2017年3月22日水曜日

世界最高かつ最凶の傭兵デスストローク、再び見参! 

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 本日ご紹介するのは、先週15日に発売された新刊『デスストローク:ゴッドキラー』です。

デスストローク:ゴッド・キラー
トニー・S・ダニエル[作]
タイラー・カークハム[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆



 本書は、、2015年5月刊行の『DCスニーク・ピーク:デスストローク』、2015年8月から11月にかけて刊行された『デスストローク』#7-10と、2015年9月に刊行された『デスストローク・アニュアル』#1を収録した単行本です。

 前巻では、トニー・S・ダニエルがライター兼ペンシラーとして全編を担当していました。しかし、2015年9月より『バットマン&ロビン:エターナル』のアートを一部担当するなど、他の作品も抱えたために、本書では、冒頭2話を除いてライターに専任することになりました。

 彼に代わって抜擢されたアーティストのなかで、本書の翻訳家・吉川悠さんが注目しているのが、タイラー・カークハムです。イメージコミックスのレーベル、トップカウ出身で、2016年現在はDCコミックス看板タイトルの一つである、『アクションコミックス』誌も担当している実力派です。力強い画風がデスストロークのハードボイルドな魅力をもり立てています。




 さて、前巻では、バットマンやハーレイ・クインなど、DCコミックスを代表するキャラクターを迎えてデスストロークの戦いが描かれました。今回はどんなキャラクターがゲストに迎えられるのか、気になりますよね。今回の豪華ゲスト、それはニュー52最強のカップル、スーパーマンとワンダーウーマンです!

本書P034より



本書P126より




 この二人が登場するいきさつの説明を含めて、ここからは本書『デスストローク:ゴッドキラー』のあらすじをご紹介したいと思います。


 前回の任務のあと、傭兵部隊デッドバスターズに身を寄せ、訓練を続けていたスレイド・ウィルソン(デスストローク)のもとに新しい依頼が舞い込みます。依頼主は神々の刀鍛冶ヘパイストス。そしてその内容は、封印されている巨神(タイタン)のひとり、ラペトゥスの暗殺です。問題はラペトゥスが封じ込められた場所でした。その場所とは、アマゾネスが支配する島セミッシラ(別名パラダイス・アイランド)。そう、アマゾネスの女王ワンダーウーマンが統べるエリアです。どうにか隠密に任務を遂行しようとするデスストロークでしたが、その過程でラペトゥスの封印が解けてしまい、世界は破滅の危機に陥ります。かくして、任務遂行をしたいデスストロークと、世界を守りたいワンダーウーマン、スーパーマンは共闘してこの危機に立ち向かうことになります。


本書P131より


 濃密な筆致で描かれる超能力バトル(今回スレイドには、任務遂行のために魔剣ゴッドキラーが与えられています)は必見です。映画『300』以降、ドラマ『スパルタカス』などを見ても顕著ですが、アメリカのフィクション作品において、古代ローマとハードコアなバイオレンス描写は切っても切れないものになっています。ギリシャやオリンポス神話をベースにした本作でも、豪快かつ過激なアクションが満載。ぜひお手に取っていただき、映画顔負けの迫力バトルを楽しんでいただきたいです。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう。

(文責・山口大介) 


 
 
 
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2017年3月14日火曜日

業火を纏うアンチヒーロー“ゴーストライダー”の単独誌!

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!

今日はホワイトデーですね。バレンタインデーにチョコをもらえた男性諸君はきっちりお返しましょう!

さて、本日ご紹介するのは、好評発売中の『ゴーストライダー:破滅への道』です。

ガース・エニス[作]、クレイトン・クレイン[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆

アメコミファンの方はご存知! ゴーストライダー!! だと思いますが、恥ずかしながら私も担当するまでは映画は見たことあるけど…… という程度だったので、まずは基本情報からゴーストライダーの魅力を紐解いていければと思います。

本書は2005年から翌年にかけて、マーベル・ナイツから発売された全6号のミニシリーズを邦訳したものです。バイクのスタントマンだったジョニー・ブレイズが末期ガンを患った恩人の命を救うため悪魔メフィストと契約し、復讐の精霊ゴーストライダーとなり、地獄で苦しんでいるところからストーリーが始まります。

本書では常にゴーストライダーの格好をしていますが、他の作品では普段は人間の姿をしており、ゴーストライダーに変身している間のみ、頭は燃えさかるドクロとなり、不死身に近い身体になります。その能力は悪魔をも燃やすことができる地獄の業火(ヘルファイヤー)や乗っているバイクにヘルファイヤーを纏わせたヘルサイクルで敵と戦います。

ゴーストライダーは歴史の長いヒーローで、時代によって、呼ばれ方が変わったり、宿主の人間が代わったりしますが、一番有名なのが本書に登場するジョニー・ブレイズのゴーストライダーだと思います。

今年は記念すべき映画1作目の『ゴーストライダー』が公開されてから10周年のアニバーサリーイヤーでもあるのですが、この映画のゴーストライダーもジョニー・ブレイズのお話です。
映画ではニコラス・ケイジがゴーストライダーを演じ、ゴーストライダーの誕生から悪魔メフィストに翻弄されながら、悪魔ブラックハートというメフィストの息子と戦います。

また、映画は『ゴーストライダー2』が2013年に日本でも公開されていますが、ニコラス・ケイジがゴーストライダーを演じていること以外はストーリー上の繋がりもなく、設定も異なる部分があります。『ゴーストライダー2』では悪魔メフィストが地上で活動するための完全な肉体を得るため人間の女に産ませたダニーという少年を捕らえ、自らの生贄にしようとします。ゴーストライダーは悪魔メフィストの企みをダニーの母親であるナディアや神父モローと協力し、阻止しようとするというストーリーです。もちろんアメコミとも部分的に違った設定になっています。

マーベルのアメコミとしてのゴーストライダーが初めて登場したのは『ゴーストライダー』#1(1967年2月号)です。白馬に乗って白装束で戦う西部劇ヒーローでファントムライダー(本名:スレイド・カーター)と呼ばれていましたが、さらにその前の1940年代にマガジン・エンタープライジズで考案されたキャラクターが本当の元祖ゴーストライダーとなります。

映画とコミックスの違いはありますが、共通してあるのはゴーストライダーのアンチヒーローとしての闇の深さと外見と内面のかっこよさ、そして男なら一度は経験するヒーローならではの超クールなバイク! という魅力に溢れています。

これを機に映画もコミックスもチェックしてみてください!


さて、基本情報はこのくらいにして、ここからは本書のストーリーにふれていきたいと思います。

本書のみどころは大きく分けて2つあります! ストーリーと超美麗なアートです。

悪魔を倒すという単純なストーリーかと思いきや読み進めていくうちに天国と地獄、地上に住むそれぞれのキャラクターの思惑が絡み合い、隠された秘密も散りばめられており、最後には…… おっと、詳しくは本書をお読みいただければわかりますが、本当に読み応えのある内容になっております。

今回はメインストーリーである悪魔カザンの誕生とカザンを追う者を紹介します。

悪魔カザンは長きに渡る天国と地獄の冷戦を地獄の勝利で終わらせるために、地上に冥界の扉を開こうと石油王グスタフと取引し、地上に姿を現します。


天国と地獄からは悪魔カザンの企みを止めるために追跡者が放たれます。それが天使ルツと悪魔ホスです。




さらに、天使マラキはある個人的な理由で悪魔カザンを止めるために独自に追跡者を放ちます。


道中でそれぞれの追跡者はぶつかり合いながら悪魔カザンがいるテキサスを目指します。


※すごいところから気持ち悪い触手が出ています。はじめてみたときは思わず「気持ち悪っ!!」と叫んでしまいました。


※生身の人間を振り回して殴り合うというクレイジーな戦い。

果たして、ゴーストライダーは悪魔カザンを捕らえ自由を手にすることができるのか…… というストーリーです。

イラストの美麗さは説明するまでもない美しさですね。

ここに書いたストーリーはあくまで本筋で、物語の中で、登場人物に深い過去があったり、半分人間、半分悪魔であるゴーストライダーならではの言葉に人間という存在を考えさせられる魅力に溢れる作品です。


最後に個人的に大好きなキャラクター“バットビュー”の紹介です。


元は人間でしたが、悪魔ホスの逆鱗に触れ、顔面を自らのケツに埋め込まれるという改造をされた謎の生き物です。
言葉も『ンンフゥ』しか話せない、なんともキュートでクレイジーなキャラクターです。
死んでるのか生きてるのかわかりませんが、こんな死に方は絶対したくないですね。笑

現代社会を生きるのは辛く地獄のような毎日だと感じることもあるかもしれませんが、本物の地獄は本書の中にあります。

本書を読んで、人間の闇の奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。

同時発売となった『ワンダーウーマン:アースワン』と明日3月15日発売予定の下記のタイトルも改めてこのブログで紹介します!

グラント・モリソン[作]、ヤニック・パケット[画]
定価:本体2,200円+税
◆好評発売中!◆

ジェフ・ジョーンズ[作]、ジェイソン・ファボック[画]
定価:本体2,500円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

トニー・S・ダニエル他[作]
タイラー・カークハム他[画]
トム・モリー他[彩色]
定価:本体2,100円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

ジェイソン・ラトゥーア[作]
ロビー・ロドリゲス[画]
定価:本体2,100円+税
◆3月15日頃発売予定!◆

それではまた次回お会いできることを楽しみにしております!

(文責:関谷怜也)

2017年3月7日火曜日

デッドプール、チームアップ作品最新作!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!


今年もあっという間に2ヶ月が終わりもう3月ですね。春の到来が待ち遠しいですが、5月に公開が予定されている『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー リミックス』も今からとても楽しみです!

スパイダーマン、アイアンマン、アントマン、キャプテン・アメリカにドクター・ストレンジなど今まで数多くのヒーローをスクリーンで活躍させてきたマーベル・スタジオズですが、そのなかでも最もユニークな宇宙最凶チームがこの“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”です。

銀河滅亡を阻止する最後の希望となった彼らのストーリー展開はもちろんのこと、個人的には前作のように懐かしくも激アツなセレクションで映画を彩るサントラナンバーに期待大です!

ガーディアンズに関しては、前作映画の前日譚とチームメンバーの原作エピソードを収録した『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』とアベンジャーズやX-MENなどスーパーヒーローたちとガーディアンズが共演する『ガーディアンズ:チームアップ』の2冊が発売中です。


『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』
 定価:本体2,000円+税
◆好評発売中◆
 

『ガーディアンズ:チームアップ』
 定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆



公開までに是非、これらの既刊をチェックいただきガーディアンズが繰り広げる銀河の冒険を楽しんでいただければと思います。


さて、チームアップといえばこちらも見逃せません! 今回ご紹介するタイトルの『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』です!


本作はタイトルにあるとおり、アメコミファンにはお馴染みの90年代を代表するデッドプールとケーブルの“迷コンビ”が復活します。

デッドプールに関しては、読者のみなさんの多くにとってもはや説明不要かとは思いますがせっかくの機会ですのでケーブルと合わせて簡単に触れておきます。


【デッドプール】
本名:ウェイド・ウィルソン。驚異的な再生能力と殺しの腕を有するチミチャンガ好きの傭兵。初登場は1991年2月号『ニューミュータンツ』#98だったのですが、なんとその目的はケーブルの殺害というストーリー! この時から二人の関係がはじまっていたとは……。

時系列でいうと、本作が開始されたときにはすでに“マーベル・ナウ!”版のデッドプールシリーズ(小社刊)は完結していたことから、同シリーズを合わせて読んでいただければ本書の理解が一層深まると思います。


【ケーブル】
本名:ネイサン(ネイト)・サマーズ。彼はX-MENのサイクロップスと、X-MENのジーン・グレイのクローンである、マデリーン・プライアーのあいだに生まれるのですが、アポカリプスによって特殊な病気に感染させられてしまいます。

彼はその治療のために未来に送り出され、成長したのちに1991年3月号『ニューミュータンツ』#87でもとの世界に戻り、未来を守るために戦うミュータントとなります。



そんな“冗舌な傭兵”と“未来から来た戦士”が繰り広げる本書のあらすじをご紹介します。


ある男の死によって引き起こされる恐るべき未来を予見したケーブル。

ケーブルがその男を守ろうと決意する一方、同じ男を殺すために“ある男”が近づく……デッドプールは果たして相棒なのか!? 活劇と時間旅行のトリックに満ちた大騒動の始まりだ!


そう、本作のキーワードは“時間”になります。

サブタイトルにある、スプリット・セカンドも未来からやってきた暗殺者の名前であり、物語としても一瞬にして約70秒前に飛ばされたりするなど、全体をとおして時間という概念が上手く組み込まれています。

あるシーンではコマの背景に90年代のコミックカバーや、中面が登場するなどユニークな工夫も見逃せないポイントとなっています!

さらに、ループという未来でデッドプールの前に現れた謎の男も登場しますが、その正体に関するストーリーの進行そのものが驚きの仕掛けになっており、きっとみなさんも読んだあとにあらためて納得するトリックの面白さに気づいていただけることでしょう。


また、このようなストーリー展開を最高に面白いものにしているデッドプール節も健在です!

個人的には音楽ネタになってしまいますが、70年代から活動を続けたダリル・ホール&ジョン・オーツというデュオが出てくるあたりはツボでした(笑)

80年代には全米No.1に輝く名曲を次々に発表した彼らですが、まさかデッドプールのアレの例えで出してくるとは……。(ヒント:デッドプールが対でいつも装備しているもの)

そのほかにも、『スター・ウォーズ』や『バック・トゥ・ザ・フューチャー』などの映画ネタにDCコミックスネタまで飛び出します! こういったところもデッドプールタイトルならではの醍醐味と言えますね。

本書に収録されているアートのひとつが、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のオマージュなのも時間をテーマにしているだけにぴったりなコンセプトです!


今回ピックアップした、『デッドプール&ケーブル:スプリット・セカンド』は好評発売中です! 
対象店舗によってはまだ購入特典のポストカードがもらえるかもしれませんので是非、早めにゲットしてください!


最後に、弊社ではデッドプールとのチームアップ作品をいままでにも3冊刊行しています。
それぞれ、簡単なあらすじとともに紹介しておきますので合わせてチェックしてみてください!


『デッドプール VS. カーネイジ』

“饒舌な傭兵”と“最悪のスパイダーマン”が対決! 凶暴かつ凄惨な戦いの行方は……!?


『デッドプール VS. カーネイジ』
 定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆


いまやマーベル・ユニバースきっての人気者になった“饒舌な傭兵”デッドプール。今度のお相手はカーネイジ……スパイダーマンから生まれたヴェノムから、さらに生まれた“最悪のスパイダーマン”である。
殺戮を繰り返すカーネイジがデッドプールと出会い、血を血で洗う凄惨な戦いが始まった。デッドプールがカーネイジの口に手榴弾を突っ込んだかと思うと、カーネイジはデッドプールをバラバラに引き裂く……。
常軌を逸した真紅の2狂の凶演、果たして勝利はどちらの手に……!?


『ホークアイ VS. デッドプール』
“冗舌な傭兵”と“常人ヒーロー”――コミックでもおなじみ2大キャラがついに手を組んだ!!


『ホークアイ VS. デッドプール』
 定価:本体2,200円+税
◆好評発売中◆

映画で活躍し、コミックでも高い支持を得ているマーベル・コミックスの人気者二人の共演作。
ハロウィンの夜のブルックリン……ウルトロンに扮したホークアイとゴーストバスターズになったデッドプールが、ヒーローの仮装をしたヴィランと戦い、SHIELDがらみの殺人事件の謎に挑む!? 

“もう一人のホークアイ”ことケイト・ビショップとブラックキャットも登場!


『デッドプール VS. サノス』
“デス(死)”を救え! 恋のライバルである二人のありえない共闘によって、マーベル・ユニバースを揺るがす大騒動が勃発!


『デッドプール VS. サノス』
 定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆


無限の力を持つ絶対的ヴィラン、サノスが報われない想いを寄せ続ける相手こそが、“死”を具現化した存在“デス”だった。一方、そんな彼女と相思相愛なのがデッドプールである。
しかし、ある日デスが姿を消し、世界から死が奪われてしまう。彼女を探すため、恋敵二人は手を組むことになるが……。

デッドプールと、今後のマーベル・シネマティック・ユニバースでの活躍に期待が高まるサノスに加え、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーやメフィストも登場する、次元を超えた恋の旅路の行く末は!?



そして、来月中旬には“X-MENの優男”と“世界イチ醜い傭兵”がタッグを組む、要注目作品『デッドプール VS. ガンビット(仮)』が発売予定です!

最高の腕と最低のルックスを併せ持つ傭兵デッドプールの今度の相棒は、なんと甘いマスクを誇るX-MENのイケメン盗賊、ガンビット!

一体どんな内容になるのか!? こちらも楽しみにしていてください!



それではまた次回に。


(文責:渡辺)