2017年10月17日火曜日

塗り間違いではありません!初期の◯◯色ハルクが織りなす誕生秘話

アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

本日お届けするのはジェフ・ローブ(作)&ティム・セイル(画)の名作”カラーシリーズ”最終章、新刊「ハルク:グレイ」です。

ジェフ・ローブ (作)
ティム・セイル (画)
定価:2200円
♦︎2017年10月18日発売予定!♦︎

表紙を飾るのは、秋空にぴったりな灰色のハルク…♡
…あれ?ハルクといえば緑色でしょ?と戸惑う方もいらっしゃるかもしれませんね。
小社がケチってモノクロ印刷にしたわけでも、塗り間違えでもありません。
最初、彼はグレーだったんです!!


灰色 or 緑色?

当初、コミックスにおけるハルクの体の色は灰色でした。(!!)
「色指定の(グレー)を緑の(グリーン)と取り間違えた」や、
「印刷機の関係で灰色だと色が綺麗に出ず、やむなく緑に変更した」など理由は諸説あります。
当時、印刷技術の乏しさから上手くグレーが印刷できないことが多かったため、比較的印刷しやすい緑色になったというのが有力説だそうです。


最後の”カラーシリーズ”

本書はマーベル”カラーシリーズ”の最終章と位置づけされており、インクレディブル・ハルクの誕生秘話(ハルク:グレイ#1−6)が収録されています。

”カラーシリーズ”はマーベルを代表するヒーローたちの初期の日々を描いたもので、小社からは過去3巻発刊済みです。ヒーローたちの誕生や素顔に改めて深く迫るおさらい要素もあるので、予備知識なしでも楽しめる内容になっています。

それぞれ、その色にまつわるジャケットデザインとタイトル、ストーリーが関連するイメージになっており、ヒーローの知らなかった一面を覗けることも…。
気になった方は是非チェックしてみてください!

スパイダーマン:ブルー

デアデビル:イエロー

キャプテン・アメリカ:ホワイト

ダイナミックな絵に何度でも惚れる!

夜のシーンが多い本書では、暗い闇の中でのハルクの様子が大胆な構図と色彩で描かれ、誌面は大変ダイナミック。
どのページも1枚でも美しく、ポスターのような完成度にうっとり。本書の見どころを華麗なイラストとともに少しだけご紹介します!

ベティと読者の緊張感がMAX


夜にベティの部屋をハルクが訪ねるシーンでは、ドア越しのハルクの目玉が宙に浮かび、真っ黒に落とされたベティの影が彼女の不安や緊迫感をこれ以上になく表現しています。
彼女と同じようにドキドキを味わいながらぺージをめくれること間違いなし!

バトルに次ぐバトル!


ハルクおなじみの戦車ハンマー(戦車の上部を引きちぎってハンマーのように使う技)は今回登場しませんが、多くの戦闘シーンが収められています。
ハルクは絵の中にいないのに、彼がどれだけ暴れたかたやすく想像できる、呆然となってしまうシーンです。

新キャラ…?


このキャラクター、実は”インビンシブル・アイアンマン”。
ロス将軍と手を結んだトニースタークと、ハルクが海辺で一騎打ち!
見慣れたアイアンマンとはビジュアルがチョット違いますが、金属のフェイスに映り込むハルクの形相が、これからの壮絶な戦いを予感させます。果たして戦いの行方は…。


白黒つけられない想い

本書はブルース・バナーが、精神科医であるレナード・サムソンに過去を独白する形で進行するストーリー。愛情、怒り、悲しみ、絶望を味わった彼が語る誕生秘話は、様々な感情を今でも彼自身に植え付け苦しめています。
ハルクのオリジンとも呼べる本書には、ブルース・バナーに対する我々読者の視点を、全く違う方向に変えることになる秘密が隠されています。

ハルクの原点を知りたいファンには欠かせない一冊ですので、ぜひお手にとっていただけたらと思います!


緑色のハルクが恋しくなった方は

灰色のハルクはすごくカッコいいんだけど、「いつもの緑色ハルクにも会いたい!」という方のために。小社ではいつものハルクが活躍するコミックスももちろん取り扱い中です!


 






2017年10月10日火曜日

新刊『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』を解説!

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 本日ご紹介するのは、明日発売になる新刊『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』です!

オールスター・バットマン:ワースト・エネミー
スコット・スナイダー[作]
ジョン・ロミータ・Jr 他[画]
定価:本体2,300円+税
◆2017年10月11日発売予定!◆
 

 
 本書は、2016年5月から始まったDCコミックスの新体制“DCリバース”の一環として、同年8月に創刊され、2月までに発売されたシリーズの#1-5を収録したものです。

 月2回刊行の雑誌が多いDCリバース作品のなかで本シリーズは月刊で刊行されましたが、そのぶん各号のページ数が増えて、#1-4の巻末には短編も併載されました。

 内容としては、DCリバース直前からバットマンの仲間になったデューク・トーマスに焦点を当てた本筋シリーズの前日譚で、単行本ではPAGE 138以降にまとめて収録されています。

 なお、“オールスター”とはかつて存在したDCのレーベル名で、10年ほど前に『オールスター:バットマン&ロビン ザ・ボーイ・ワンダー』『オールスター:スーパーマン』の2作が発売されました。しかし、本書との直接的な関係はありません。


 本シリーズで脚本を担当するのはスコット・スナイダー。DCリバースに先立つ“ニュー52”でアーティストのグレッグ・カプロとともに『バットマン』シリーズ(小社刊)を成功に導き、DCを支える主柱の一人になったライターです。


 本シリーズ立ち上げ時のインタビューによると、約5年間にわたったニュー52の雑誌が終わりを迎えようとする頃には、しばらくコミックの仕事から離れることまで考えていたとのこと。しかし、まだ使っていないバットマンの主要ヴィランがいることや、彼らを使って表現したい物語があると思い至りました。そして、彼が注目しているさまざまなアーティストと組んで、それぞれのヴィランを掘り下げる本シリーズが生まれることになったのです。作家陣と登場ヴィランが“オールスター”というわけだ。

 ちなみに、本書で取り上げられたヴィランは下記になります。


●主要ヴィラン
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○トゥーフェイス
 本名ハービー・デント。かつては地方検事として犯罪と戦っていたものの、ギャングに硫酸を浴びせられて精神のバランスを崩し、ヴィランに身を落とした。両面とも表側の柄になっているが、片方に傷のある“双頭”の銀貨を持ち歩く。従来の設定としては、数字の“2”や二面性に病的にこだわり、コインを投げて表裏どちらが出るかによって、自分の行動を決めることで知られていた。


○ビースト
本名アナトリ・クナイゼフ。旧ソ連で育成された暗殺者で、同国の国家保安委員会(KGB)にちなんだ“KGビースト”という名前でも知られる。コミック史的な初登場は『バットマン』#417(1988年3月号)。古い設定では、レーガン大統領(当時)を含む要人を殺すためにアメリカに派遣されるが、最終的には前述の「フェイス・ザ・フェイス」でヴィランに殺害された。ニュー52では、『アクアマン&アザーズ』でメイヘムというチームを率いてヒーローと戦った。



 こうして経緯で組まれた豪華ラインナップのアーティスト陣の先鋒として本書のアートを務めたのが、『キック・アス』(小社刊)で日本でも知られるジョン・ロミータ・ジュニアである。彼はマーベル・コミックスで長年アート・ディレクターを務めた伝説的な父親を持ち、1970年代から作画を始め、マーベルコミックスでほとんどの有名キャラクターを手掛けてきました。そんな彼が2014年からDCコミックスで仕事をするようになった際には、大きな話題を呼びました。本シリーズの幕開けにふさわしい強力な人選といえるでしょう。

 ちなみに、現在までにロミータがDCで担当した作品としては『スーパーマン』や、『バットマン:ダークナイト・リターンズ』(小社刊)の前日譚である『ダークナイト・リターンズ:ラスト・クルセイド』などがあります。

 コミックとシリアス、両方のテイストを併せ持った当代きっての人気アーティスト、ロミータ・ジュニアと、バットマンシリーズの屋台骨を支える人気ライター、スコット・スナイダー。二人のコラボレーションを心ゆくまで担当のしてください。

 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責・山口大介)


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2017年10月3日火曜日

雷神ソーが親父に勘当された!? そのオリジンは、家族の物語。

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

吹く風に秋の気配が漂い、ずいぶんと過ごしやすくなってきましたね。でも、編集部は今日もアツいアメコミをガンガン制作しています!

さて、今回ご紹介するタイトルは、今月18日ごろに発売となる『マイティ・ソー:シーズンワン』です。アベンジャーズの一員としても活躍するキャラクターのその誕生秘話に迫る物語となっています。登場人物たちの心の機微を味わっていただきたい、この季節におすすめの作品です。


●表紙
『マイティ・ソー:シーズンワン』
ライラ・スタージェス[作]
ペペ・ララス[画]
定価:本体2,000円+税
●10月18日頃発売予定●


映画第3弾がもうすぐ公開!
マイティ・ソーについては、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』が11月3日に公開される予定ですので、もうすでにあちこちで宣伝映像を目にしている方も多いのではないでしょうか。この映画は、2011年公開の『マイティ・ソー』、2013年公開の『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』に続いて、シリーズ第3弾となります。ここまでシリーズ化されているという点で、ソーがいかに魅力的で、多くのファンがいるのか、ということがうかがいしれます。
彼は映画『アベンジャーズ』にも登場していますので、ソーを「コミックで読んだことがない」という方でも、映画で「このキャラクターを初めて知った」、「このイケメンにハマッた!」という方も多いようです。

しかも、この映画の予告編では、今年1月に公開された『ドクター・ストレンジ』の主人公がソーと対面する場面もあり、ファンにとっては「この二人が会話している…!」と話題にもなっているようです。

この映画のあらすじは、
ソーの前に<死の女神・ヘラ>が現れた。彼女は、ソーの究極の武器・ムジョルニアをいとも簡単に破壊すると、彼の国へ攻撃を始める。ヘラの復讐と野望を知ったソーは、この最強の敵を倒すために盟友ハルク、宿敵ロキらと型破りのチームを組み極限バトルに挑む。果たして、ソーたちは史上最強の敵からこの世界を守ることができるのか?

この映画ではハルクも登場するので、このキャラクターに興味を持たれたら、本書と同じ時期に発売となる『ハルク:グレイ』もぜひあわせて読んでみてください。

●表紙
『ハルク:グレイ』
ジェフ・ローブ[作]
ティム・セイル[画]
定価:本体2,200円+税
●10月18日頃発売予定●


「シーズンワン」シリーズは、とにかく読みやすい!
映画第1弾の『マイティ・ソー』では、彼が地球へと追放される様子が描かれますが、今回ご紹介するタイトル『マイティ・ソー:シーズンワン』もまさに同様の内容が展開します。
 
今では人気も高まりつつあるソーですが、もともと彼は神様なのに「オレ様」な態度が目に付く傲慢な性格。そんな身勝手で未熟な神様が、多くの試練を経ることで、「マイティ(偉大な)・ソー」へと成長していきます。まさしく本当のヒーローになる前の秘話が明らかになるというストーリーなのです。
 
本書のタイトルにあるとおり、「シーズンワン」シリーズは、近年の映画でマーベルヒーローの魅力を知った新しいファンに向けて、そのオリジンを新たに書き起こした読み切りのコミックです。「気鋭の作家たちが新時代の読者のために作り出したストーリーは、主に60年代に書かれたオリジナル作品を現代風にアレンジしたもの」(翻訳者・光岡三ツ子さんによる本書解説より)で、半世紀以上前に誕生したこのキャラクターですが、もっと身近に感じることができます。

このシリーズは、すでに弊社から『アベンジャーズ:シーズンワン』『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』『X-MEN:シーズンワン』『アントマン:シーズンワン』『ウルヴァリン:シーズンワン』を刊行しています。お気に入りのキャラクターのオリジンを知りたい方は、ぜひこれらを読んでみてください。誕生秘話を知ることで、そのキャラクターの個性や能力についてもっと深く理解できるようになるはずです。
アメコミといえば、膨大なキャラクターとそれぞれの長い歴史。どこから読み始めればよいのか、つい迷ってしまいですが、上記のようなコンセプトのもと、あくまでもわかりやすいストーリー展開と人気キャラクターの初期エピソードで構成されているおかげで、アメコミ初心者には特にオススメできる一冊です!

神様なのに「オレ様」な態度に、怒りの鉄槌
さて、本書ではソーのオリジンに様々な解釈が加えられているので、ソーをよく知る方でも新たな物語として楽しむことができます。

以下、本書紹介文より引用。
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神々の国アスガルド。この国の若き王子ソーは最も強い神として知られていたが、同時に傲慢で軽はずみな性格でもあった。巨人やトロールをなぎ倒し、その武勇を誇っていた栄光の日々は、嫉妬にかられた義弟ロキの陰謀により突然終わる。彼は、父王オーディンによって地球に追放され足の不自由な医師に転生させられてしまった!
果たして、彼は本来のパワーに目覚め、真の自分の姿を取り戻すことができるのか!?
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このストーリーで重要なのは、やはりソーと弟のロキ。あらためて、この二人の経歴や能力について紹介します。

【ソー】
●名前の由来
コミックでの初登場は『ジャーニー・イントゥ・ミステリー』♯83(66年)なので、なんと50年以上も前。北欧神話での同名の神Thor(トール)をベースにしていて、「ソー」はこのトールの英語読みです。

●高い身体能力と傲慢さ
アスガルド最強とまで謳われるほど怪力を誇り、マーベル最強の怪力の持ち主とも言われるハルクと双璧をなすほど。
しかし、その強大さゆえに傲慢に増長し、事あるごとに横柄な態度をとるようになってしまいます。それを見かねた父オーディンは息子が謙遜を覚える必要があると悟り、人間へと転生させるのです。

本書でも次のような態度やセリフで、傲慢さ全開。周囲のみんなを困らせてしまいます。

・敵国ヨトゥンヘイムへ侵入するや、
「ロキよ、俺たちは他の種族と違う。安全にしがみつくことはしない!」

・氷の巨人の攻撃を受けると、
「粗末な構えだな! お前の剣術の先生のツラが見たいものだ」

・父オーディンに武器使用を禁止されると、
「止めてみろ、老害め」

・倒れ込んだ敵を見下ろしながら、
「このソーを殺すだと? できるならやってみるがいい」

●プライドがとにかく高い
つまり、「できる」人ゆえに、とにかくプライドが高くて、回りの人に迷惑をかけまくる困った人物なのです。

本書でも、石人に「何者ダ?」と聞かれると、

「俺は雨の声、風の心なり」
「人呼んで“雷を運ぶ者”…」
「稲妻の詩人!」
「アース神族の王子」
「神々の父、オーディンの息子!」
などと、バトルの最中に様々に形容して自己紹介する姿は自己陶酔の極み! アメコミの他のキャラクターを見渡しても、ここまで「オレって、すごい!」さんは見つかりません…。


【ロキ】
●敵の王に拾われる
年中雪が降る凍てついた国ヨトゥンヘイムは、ソーの国アスガルドと長年対立していました。ある時、ヨトゥン王ラウフェイとオーディンの間に戦争が起こり、オーディンが勝利しました。その戦場で打ち捨てられていたラウフェイの息子が幼いロキでした。オーディンは慈悲心から連れ帰り、愛息子ソーの弟として育てたのです。

●ソーとの関係で屈折
カリスマ性があって肉体も強靭。自信に満ち溢れた兄に対して、弟として憧れの気持ちと憎しみも持つ。この屈折した性格こそが、じつは『マイティ・ソー』の物語に深みを与えています。

●邪悪で狡猾な性格
ロキもソーと同じく北欧神話に登場する神で、その名前は「終わらせる者」などの意味があります。美しい顔を持っていながら、邪悪な気質で移り気な性格。狡猾さでは誰にも負けず、よく嘘をつきます。『マイティ・ソー』に登場するロキは、いつもこのようなキャラクターです。


神様だけど、親父に勘当された!?
本書が他の作品と大きく違うのは、強敵との戦いや宿敵への復讐といった争いが主眼となっていないこと。乱暴に言ってしまうと、「アメコミっぽくない」物語が展開するのです。

この物語は、ソーが父のオーディンによって地球へ追放されてしまうことで動き始めます。
要は、親父に勘当された息子の話なのです。その息子が何を経験することで、考え方にどのような変化が生じるのか。いつかは親の元に戻るのか。映画でも小説でも、これまでに幾度となく描かれてきた、若き青年の成長物語の変奏と言えます。

父と兄、弟。男たち、そして家族の物語
息子の未熟さを心配するがゆえに、厳しい対応をする父。その父に「なぜ、分からない!」と反発しながらも、「そんな自分も認めてほしい」と甘える子ども。ジェームス・ディーン主演の映画『エデンの東』にもよく似たキャラクターの構図で、いつの時代にも通じる普遍的なテーマが明確に込められています。

同時に、兄との比較で屈折していった弟。「兄だけじゃなく、僕も見て!」という強い願いと不満。その兄弟にしか分からない愛憎が、本書では悲劇の連鎖を生み出していきます。そんな弟を兄は「かわいいがあまり、逆にどうしても許せない!」と思ってしまうあたりがなんとも切なく、胸に迫ります。

そして、ソーの親友にして忠臣でもあるウォリアーズ・スリーの存在も大きい。キャッキャと一緒に遊び回る友達であり、いざという時には連携してピンチを切り抜けるという仲間は、未熟なソーにとって大切なよすがとなっています。

このように見ると、スーパーヒーローが主人公なのに、物語はどこにでもあるような家族のできごとで、男同士の関係も丁寧に描き出したファミリードラマなのです。

さて、ソーと言えば、本書に引き続き、11月上旬には『アストニッシング・ソー』を刊行する予定です。こちらはうって変わって、ソーが宇宙で活躍する壮大なストーリーとなっていますので、あわせて読めば彼の魅力を存分に味わうことができます。

●原書イメージ
『アストニッシング・ソー』
ロバート・ロディ[作]
マイク・チョイ[画]
定価:本体2,000円+税
●11月8日頃発売予定●



コミックも映画も、どんどん広がるマイティ・ソーの世界。そのオリジンを今のうちに押さえておいてはいかがでしょうか。

それでは、また来週お会いしましょう。
(文責:木川)

2017年9月26日火曜日

ファン待望の『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』、ついに刊行!!

 

予約殺到!


今もっともイキオイに乗ってる二人のヒーロー。
片や、今夏映画が大ヒット、”脅威の蜘蛛にして親愛なる隣人”スパイダーマン
もう一方は、2016年映画が国内興収20億円越え、続編映画やテレビ・アニメ化も決定した”第四の壁を破壊する饒舌な傭兵”デッドプール

二人はもともと単独誌の中では度々共演してきました。
(※過去の二人の共演から、未邦訳作品5編をまとめたコミックスが、今年7月に小社から刊行された『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』です。)

そんな二人の初のチーム・アップ誌となるのが本日ご紹介する、先週(9月20日)発売されたばかりの新刊『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』です。

ジョー・ケリー[作]
エド・マクギネス[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中◆

デッドプールとスパイダーマンのダイナミック・デュオが結成されるとあって、本作は発売前からファンの間で話題になってました。
本編に入る前の『プロローグ』も、発売即重版になるほどの人気でした。


デップーはスパイダーマンのことが大好き。スパイダーマンはそうでもない。
そんな二人の絶妙な関係を存分に楽しみたいファンの皆さま、「ご安心ください、期待は裏切りません。」と胸を張って言える、それが『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』となってます!

お蔭さまで、発売後即売り切れの店が続出となってます。
ですがまだ大丈夫!首の皮一枚で再入荷できてますので、首を長くして待っていた読者の皆さま、お近くの書店でぜひお買い求めください。

では、さっそく内容の方を見ていきましょう。


その名もズバリ!”ブロマンス”


ところで本書のタイトルにもなっている”ブロマンス”ってどういう意味でしょう?
それは、”肉体関係のない男同士の愛情”、という意味です。


まさにスパイダーマンとデッドプールの関係を指す表現が”ブロマンス”です。
中身を見ると冒頭3ページ目からこんな感じ↓


セリフもですが、絶対絶命の中でのこの”密着感”が萌えますね。
この後も、



と、異様に股間にこだわるデップー。
「え、これ公式?間違えて同人買っちゃった?」という表現のオンパレード。

冒頭からアクセル全開の饒舌なデップーに対し、スパイディはクールにスルーします。
デッドプールの活躍でやっと闇次元から抜け出したのに、ウェブ・シューター使って自分だけアスファルトへの激突を避けたりして、スパイダーマン結構酷い・・・


「ASPHALT!」って何でしょう、この擬音・笑


著者紹介


本作は、ジョー・ケリーとエド・マクギネスのコンビによる作品です。
この名前を聞いてピンとくる読者はさすがです。

二人は1997年に始まった『デッドプール』初代レギュラーシリーズを担当したコンビなんです。
WIKIによると、黄色いフキダシや、死なない能力、第四の壁を越えて読者に語りかけるなど、デッドプールのクレイジーかつコミカルなキャラが確立したのもこの頃です。
そんな二人によって執筆されているわけですから、本作はこれでもかというぐらいデッドプールの魅力満載となってます。

また日本語訳は高木亮氏。小社『デッドプール』関連コミックスをずっと翻訳して頂いている訳者さんで、原書の魅力を余すところなく引き出してます。
デッドプールを読んでいると、アメリカのテレビ・ドラマや音楽を元ネタにした冗談(しかも、1970年代の番組だったりする…)がちょくちょく出てきますが、高木亮氏の解説のお陰で、初めて読んでも何とか付いていけます。


ぐいぐい引き込まれるストーリー


本作は冒頭から、デップーとスパイディーの軽妙な”ブロマンス”が展開されていきますが、単にノリがいいだけの雰囲気本ではありません。

ドルマムゥ、ハイドロマンと、昔からのマーベルファンにとってお馴染みのヴィランとの戦いが終わった後、傭兵デッドプールのPCに届いた暗殺依頼の内容が明かされます。それがなんと!「ピーター・パーカーを殺せ」なんです。


デッドプールは、スパイダーマン=ピーター・パーカーであることを知りません。
大好きなスパイダーマンを、デッドプールが殺しちゃうの!?
ここからストーリーは一気に転がっていきます。

デッドプールは基本的に悪人専門の殺し屋です。
ピーター・パーカーを殺そうと思ったのも、彼がマッド・サイエンティストならぬ反倫理的企業家の疑いがあったからです。
つまりパーカー産業の持つ先端技術で、ユーザーに幻覚を見せたり、反人道的な人体実験を指揮していると思ったのです。


もちろんピーター・パーカーはそんな人間ではありません。
では、一体なぜそんな疑いが生じたのか?
そもそもデッドプールにピーター・パーカーを殺すように依頼した人物は誰なのか?
そして何より、デッドプールはピーター・パーカーを殺してしまうのか!?

ここから先はネタバレになりますので、続きはぜひ本書を手に取ってご確認ください!


もう一人のスパイダーマン、娘のエリー、魅力的な既婚の女医、妻のシクラー、女性の雷神ソー…などなど魅惑のサブ・キャラたち


様々な謎が平行線として進行し、ストーリーだけをとっても大変面白く読める本書ですが、本書最大の魅力は何といっても、デッドプールとスパイダーマンのコミカルな掛け合いと、二人に絡むように次々に登場する魅力的なキャラクターたちでしょう。

デッドプールと純真無垢な娘のエリーとの会話は、本書の中で一服の清涼剤です。
妻のシクラーはデッドプールに対し、常に過激な解決策をけしかけます。
ピーター・パーカーが一瞬で心奪われる魅力的な既婚の女医は、もう二度と登場しません。


ミステリオによる集団幻覚に一緒に立ち向かうもう一人のスパイダーマン(マイルズ・モラレス)
瞬間移動の後にボリビアで一緒に戦うデッドプールのチーム、マックス・フォー・マネーの面々、
クラブ(お酒を飲む方の)でのグループデートに登場する女性の雷神ソー(ジェーン・フォスター)…。

なんでこんなに多彩なキャラがゲスト出演するのかといえば、同時期に創刊された彼らの個人誌『スパイダーマン』、『デッドプール&マークス・フォー・マネー』、『マイティ・ソー』の宣伝のためだそうです・笑。

それは冗談として、同じスパイダーマンなのに、デッドプールがなぜかマイルズ・モラレスには冷たいのを見るとクスッと笑えます。

そして個人的に本書一番の見どころは、デッドプールがスパイダーマンのためにセッティングしたグループデートでの出来事です。

ここで登場するのが先ほど紹介した女性の雷神ソーであるジェーン・フォスターですが、怒ったジェーン・フォスターをなだめるため、スパイダーマンとデッドプールは、なんとパンツ一枚になって、ステージで踊りだします。
これが最高!

片手倒立からのヘリコプターからの華麗なステップ!


最後はスパイディーがデップーをリフト!


悪ノリした二人のパフォーマンスに会場は大盛り上がり。

この出来事は、

”悪戯好きの蜘蛛の匠と、酔狂なる醜悪な楽人が、生と死の瀬戸際にて、女戦士のために踊りし…”

と、伝説のソーの書に記述されたとかしないとか…。

ちなみに二人のリフトの元ネタはこちら。


1987年公開のダンス映画『ダーティ・ダンシング』の名シーンからのパロディーです。


今なら特製ガーランドもらえます!



10月31日はハロウィン。最近は日本でも若者を中心に盛り上がってますね。
昨年はハロウィンでハーレイ・クインのコスプレが流行ったみたいに、ハロウィンにアメコミ・キャラの仮装ってなんか合う気がします。
でも、そういう明るいノリはちょっと…という方。
(私もそうです。)
そういう方は、ぜひ家でこのガーランドを飾って楽しんでみてはいかがですか?
オフィスのデスクに飾るとこんな感じです↓


対象店舗で本書を購入された方に、もれなく差し上げてます。
詳しくはコチラのページでご確認ください↓
http://books.shopro.co.jp/?news=201709marvel_tokuten

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責:小出)

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2017年9月19日火曜日

ツムツムたちがMARVELをジャック!?

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!


9月に入りましたが、まだ暑い日が続いていますね。
それでも朝晩は気温も下がり、秋の到来を感じさせます。

秋といえば、「読書の秋」や「芸術の秋」、「スポーツの秋」とさまざまなことに挑戦しやすい季節です。

今回はそんなタイミングにぴったりの一冊である、『マーベル ツムツム:テイクオーバー!』をご紹介します。


マーベル ツムツム:テイクオーバー!
ジェイコブ・シャボット[作]
デイビッド・バルデオン[画]
定価:本体1,800円+税
◆9月20日発売予定◆



アメコミに興味があって、これから何か読んでみようかなって思ってる方や、シリアスなアートはちょっと苦手という方にも絶対おすすめしたい内容となっています。


本書は、人気パズルゲームである「マーベル ツムツム」の世界をマーベル・コミックスが独自の設定にてコミカライズした作品となっています。

私も本書を編集するにあたり、「マーベル ツムツム」をプレイしましたがキャプテン・アメリカやスパイダーマンといったマーベルを代表するメジャーなヒーローはもちろん、マイナーなキャラクターも登場しマーベルファンには嬉しいゲーム内容になっています。

友だちとの協力プレイが可能というシステムもさながらアベンジャーズのように、強敵にチームアップして挑むという感覚が楽しめます。ちなみに、私のメインチームはファルコン、スパイダーグウェン、ドクター・ストレンジという構成です。

ファルコンは個人的に大好きなキャラで、スパイダーグウェンとドクター・ストレンジはコミックの編集を担当したことで思い入れがあり選びました!

読者のみなさんも「マーベル ツムツム」を遊んでいる方が多数いらっしゃるかとは思いますが、まだプレイしたことのない方はコミックと合わせてこの機会にトライしてみてはいかがでしょうか。

では、本書のあらすじを簡単にご紹介します。

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コレクターの元へ届けられるはずだったコンテナが、輸送の途中で宇宙から地球に落下してしまう……。拾ったのは、ブルックリンに暮らす3人のティーンエイジャーたち。
コンテナを開けてみると、なかにはかわいい謎の生き物“ツムツム”が入っていた。なんと彼らは、ヒーローの能力をコピーすることができるのだ! しかしそれは、ヴィランの能力をもコピーできるということだった……。
ツムたちの力を借りて、少年たちはウルトロンとの戦いを生き抜くことができるのか!?

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スパイダーマンやアイアンマンたちの能力を手に入れて、少年たちと一緒に活躍するツムツムたちは超キュート! みなさんのお気に入りのヒーローやヴィランの姿をしたツムツムもきっと登場してると思います。

コミックのなかで登場するツムがどのキャラクターがモデルになっているのかを探してみるのも面白いかもしれません。

マーベル・ユニバースをとおして、いろいろなキャラクターがツムとして出てくるのですがその一例をピックアップしてみます。

【サノス】
全宇宙に死をもたらす邪悪で強大なパワーを持ったタイタン人。
来年春公開予定の映画「アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー」での登場も楽しみですね!


【クロスボーン】
ヒドラのリーダーであった、キャプテン・アメリカの宿敵レッドスカルの部下で残忍な傭兵。


【イエロージャケット】
アントマンこと、ヘンリー・“ハンク”・ピムが開発したピム粒子によりサイズ変化能力を用いて、ハイテクスーツに身をまとって戦う。


【エレクトロ】
落雷が直撃したことで、強力な電気を操る能力を手に入れたヴィラン。スパイダーマンの宿敵の一人。


【ドクター・オクトパス】
本名:オットー・オクタビアス。人工アームを操る悪の天才科学者。彼もスパイダーマンの有名なヴィランの一人。2004年公開の映画「スパイダーマン 2」の悪役ですね。


【ロナン】
超人的な体力を持つクリー人。すさまじいパワーを誇る武器、ユニバーサル・ウェポンを持つ。


【リザード】
本名:カート・コナーズ。特殊な血清によってトカゲ男に変化した科学者。強力な尻尾と再生能力を持っています。2012年公開「アメイジング・スパイダーマン」に登場しました。


【レッカー】
怪力の持ち主で、武器はなんとレンチ(笑)。


【ジャガーノート】
大きなヘルメットをかぶり、すべてをなぎ倒す勢いで突進する。
90年代のアーケードゲーム「X-MEN VS. STREET FIGHTER」でジャガーノート良く使ってたのを思い出しました……。懐かしい。


【マグニートー】
X-MENでお馴染みの磁力を自由自在に操るミュータント。


などなど、まだまだ紹介しきれないほどの様々なツムたちがいます。

なかには、ゲームに登場しないツムツムやゲームのデザインとは異なったツムツムもいるので注目してみてください。

もちろん、ツムツムではないヒーローもちゃんと登場します!

冒頭には宇宙を守るガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーの姿があります。
映画でも大人気のロケット・ラクーンやグルート、ドラックスに加えてコミックのオリジナルメンバーであるガモーラやヴェノムなどが戦っているコマが出てきます。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの関連コミックも3冊刊行していますので、ご興味あれば是非! 今月6日にガーディアンズ最新作映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス」のDVDも発売となっていますので合わせてご覧になってみてはいかがでしょうか。

また、アベンジャーズもウルトロン率いる軍団に立ち向かっていますがここでもメンバー構成が異なっています。

トニー・スタークことアイアンマンやナターシャの愛称でも知られるブラック・ウィドウに加え、ハルクは2015年より新ハルクになった超天才少年アマデウス・チョです。ゲームのマーベル ツムツムでもアマデウスのハルクが登場しています。スパイダーマンも本書では、ブルックリン出身の黒人少年マイルズ・モラレス版になっています。

このように、よりマーベル・ユニバースに深く触れていくきっかけになる要素もところどころにあります。


最後に、巻末のバリアントカバー集も必見です!

通常のコミックと比べると32ページ分という圧倒的なボリュームで全バリアントパターンを収録しています!

注目は、カバーにも使用していますが日本在住の人気アーティストであるグリヒル氏が手がけたアートをはじめ、人気アーティストたちがツムツムとマーベルヒーローたちをテーマに想像をふくらませながら素敵なカバーアートを描いています。

本書には登場しないキャラクターも多数描かれてはいますが、どれもストーリー性豊かで絵本のように楽しむことができます。

個人的には、アリに乗ったアントマンが必死にアベンジャーズのツムツムを落とさないように踏ん張っているアートが気に入っています!

スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、デアデビルにブラックパンサーなど、みなさんもお気に入りの一枚に出会えるはずです。

読みやすいストーリーと、かわいいツムツムが大活躍する『マーベル ツムツム:テイクオーバー!』は明日発売となります。


是非、お手にとっていただきいつもとは違うテイストのコミックをお楽しみください!


それではまた次回に。


(文責:渡辺)

2017年9月12日火曜日

“REBIRTH”シリーズ続々刊行中! 『バットマン:アイ・アム・ゴッサム』『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 今夏から刊行を開始した「DC REBIRTH」シリーズ。ただいま続々と新タイトルがリリースされている最中です。そこで今回は今月6日に発売された2タイトルをご紹介いたします。

 まずは、シリーズ待望のバットマン作品第一弾に『バットマン:アイ・アム・ゴッサ』です。

バットマン:アイ・アム・ゴッサム
トム・キング[作]
デイビッド・フィンチ他[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中!◆


  本書は、『DCユニバース:リバース』(小社刊)によって仕切り直された、「DC REBIRTH」シリーズにおけるバットマンの第1巻にあたり、2016年6月発売の序章的な増刊『バットマン:リバース』と、その後、同年9月まで月2回のペースで刊行された『バットマン』の#1-6が収録されています。
 本シリーズで脚本を担当したのはトム・キング。若手時代にDCやマーベルでインターンを経験しながらも、9・11テロ後はCIAの対テロ・センターに約7年間勤めてアフガニスタンやイラクに在駐。その後、スーパーヒーローを題材にした小説で、作家としてデビューを果たしたという変わり種です。
 コミック業界に進出してからは、DCで『オメガメン』『シェリフ・オブ・バビロン』、マーベルで『ビジョン』と立て続けに話題作を発表し注目を集めました。邦訳版のコミックスでは、ティム・シーリーと共同で脚本を手掛けた『グレイソン』(小社刊)が刊行されています。
 本シリーズ刊行時のインタビューにおいて、前職では善意だけでは解決できない現実の問題の難しさに直面したと語っていましたが、その思いは本書におけるゴッサム兄妹にも反映されていることは想像に難くありません。
 そして、メインの作画を担当したアーティストはデイビッド・フィンチ。1990年代後半からイメージ・コミックスで腕を磨き、2000年代にはマーベルの転機になったエピソード「アベンジャーズ・ディサセンブルド」や『ニューアベンジャーズ』の立ち上げに関わりました。
 2010年以降の活躍の場であるDCでは、『ダークナイト:姿なき恐怖』『フォーエバー・イービル』(いずれも小社刊)などを担当している実力派です。重厚な絵柄は、DCの旗艦誌の一つである本シリーズの幕開けにふさわしいといえるでしょう。

 また、「DC REBIRTH」では、本シリーズに続いてバットマン系列誌が多数立ち上げられています。以下、その一覧を記載します。

●『ディテクティブコミックス』
 バットマンの発案で、バットウーマン(ケイト・ケイン)の指揮のもと、レッドロビン(ティム・ドレイク)、スポイラー(ステファニー・ブラウン)、オーファン(カサンドラ・ケイン)、そしてクレイフェイス(ベイジル・カルロ)がチームを組み、ゴッサムシティのヒーローを監視する謎の組織に迫る。

●『ナイトウィング』
 ディック・グレイソンがニュー52でのスパイ活動からヒーローに復帰。梟の法廷の関連組織に潜入して、内部から壊滅させようとする。

●『バットガール』
 バーバラ・ゴードンはニュー52後期に彼女の拠点となった街バーンサイドを離れて、沖縄、シンガポール、韓国、中国とアジア諸国をまたにかけて戦う。

●『バットガール&バーズ・オブ・プレイ』
 ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)、ハントレス(ヘレナ・ベルティネリ)とチームを組んだバットガールが、かつて彼女の使っていたヒーロー名“オラクル”を名乗る敵を追う。

●『オールスター・バットマン』
……ニュー52で『バットマン』のライターだったスコット・スナイダーが作画にジョン・ロミータ・ジュニアを迎え、トゥーフェイスを護送するバットマンの過酷な旅路を描く。

 ちなみに『オールスター:バットマン』の第一巻『オールスター:バットマン:ワースト・エネミー』が、近々小社から刊行予定ですので、そちらもお楽しみにしてください。


 さて、新たなシリーズに入り、バットマンの物語はどのような展開を見せるのでしょうか? 以下、あらすじをご紹介します。

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ゴッサムシティに2人のヒーローが現れた。スーパーマンと同様の能力を持った覆面の2人組だ。彼らはお互いを「ゴッサム」、そして「ゴッサムガール」と呼び合う。かつてバットマンの側に立ち、彼を助け、彼から多くの経験を学んだメタヒューマンたちだ。しかし、もし彼らが悪に染まったらどうなるのか? そしてその責任がダークナイトに押しつけられるとしたら……。今、ヒーローの心を歪ませ、悪へと引き込む邪悪な力が解放された。バットマンと仲間たちには、決断の時が刻一刻と迫っていた。
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 正義そのもの意味や在り方を問うバットマン作品に相応しい重厚なストーリーを、ぜひお手にとって堪能してください。

 さて、続いては同じタイミングで刊行された『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』をご紹介します。昨年公開されて話題を集めた映画『スーサイド・スクワッド』でも、一際ファンの心を掴んだダーク・ヒロイン、ハーレイ・クインの単独シリーズ『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』です。


ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン
アマンダ・コナ―、ジミー・パルミオッティ[作]
ジョン・ティムス、チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中!◆

  本書は、体裁上は「DC REBIRTH」シリーズで仕切り直されていますが、その内容は、世界観やアマンダ・コナ―&ジミー・パルミオッティ夫妻をはじめたとした制作陣を含めて、前シリーズ「ニュー52」から地続きになっています。
 ちょっと頭のネジがユルんでいてバイオレントだけど、キュートな魅力が詰まったハーレイのキャラクターが、引き続き楽しめる快作です。
「DC REBIRTH」で新展開を始めたタイトルには「(タイトル名):リバース#1」として、導入のための特別号が刊行され、その後改めて1号から刊行されるというスケジュールでしたが、前シリーズからの路線を継続しているハーレイ誌については、現時点ではリバース号は存在していません。改めて1号から再カウントする形でハーレイ・クイン誌が刊行され、本書に収録している第1話でこれまでの登場人物紹介を行なっています。 
 前シリーズからのファンの方は、引き続き彼女の魅力を堪能できるので、ぜひ本書をお手に取っ手ください。




 今後もShopro Booksでは、「DC REBIRTH」シリーズ作品を刊行していくので、DCコミックスファンの方、広くアメコミを読まれる読者の方は、お楽しみにしてください。



 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう! 




                                                            (文責・山口大介)




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2017年9月5日火曜日

新生ジャスティス・リーグが誕生! 今度は、地球壊滅の危機に立ち向かう!

「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

9月に入っても暑さが続き、夏バテで…なんて方も多いのではないでしょうか。そんな疲れを吹き飛ばしてくれるようなアメコミを、今週も紹介していきます。

■映画『ワンダーウーマン』がヒット中!
先月末に映画『ワンダーウーマン』がついに日本でも公開され、たいへん人気を呼んでいます。全国596スクリーンで公開、興行収入も20億円に達する勢いの好調なスタートのようで、ワンダーウーマンというキャラクターを知らなかったアメコミ初心者もたくさん詰めかけているようです。

「女性をヒーローにした映画はヒットしにくい」などという映画業界の定説を打ち破り、結果は見事成功。アメリカ本国で長く親しまれてきたこのキャラクターが日本でも幅広い方々に認知され支持されているのは、なんともうれしいかぎりです。

しかも、この盛り上がりは秋から来年まで続きそうです。彼女がチームの一員として活躍する映画『ジャスティス・リーグ』が11月23日に、そしてリーグのまた別の一員『アクアマン』が来年公開の予定となっています。
DCコミックスに登場するキャラクターを主人公にした映画が今後も相次ぎますので、その元となるコミックスの魅力をどんどんお伝えしていきます!

■「リバース」にジャスティス・リーグが登場
さて今回ご紹介するタイトルは、明日発売となる『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』です。ワンダーウーマンもこのリーグの一員として活躍するので、以前からのDCファンはもちろん、公開中の映画で「彼女にハマッた!」、「強い女性っていいよな…」などとワンダーウーマンのとりこになってしまったDCコミックス初心者にもぜひ読んでいただきたい作品です。


●表紙
『ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン』
ブライアン・ヒッチ[作]
トニー・S・ダニエル、ブライアン・ヒッチ、へスス・メリノ[画]
定価:本体2,300円+税
●9月6日頃発売予定●


「リーグってなに?」、「ほかのキャラクターなんて全然知らないよ」、「これまでの流れも知らないし…」なんて方でも大丈夫。予備知識なしでも分かりやすく読める内容に仕上がっていますので、過去の作品をおさらいする必要もありません。

この作品、DCコミックスの最新シリーズである「DCリバース」という新体制の内容となります。先月初旬に刊行した『DCユニバース:リバース』を皮切りに、下旬には『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』を発売しており、弊社ではこの「DCリバース」シリーズを順次刊行していきますので、ぜひお楽しみに。


●表紙
『DCユニバース:リバース』
ジェフ・ジョーンズ[作]
ゲーリー・フランク他[画]
定価:本体1,500円+税
●好評発売中●


●表紙
『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』
ピーター・J・トマシ他[作]
パトリック・グリーソン他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

●表紙
『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』
グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●



2011年9月に行った「NEW52!」シリーズでのリランチは、それまでの設定自体を大幅に変更したものでしたが、今回のリバースは一部設定の変更はあるものの、基本的にNEW52!の設定を引き継いだ、いわば「新章突入」というステップです。
そして本作品は、新章「リバース」でのジャスティス・リーグ1巻目ということになります。

■「絶滅装置」が発動!?
さて、リバース第1弾ではこれまでにない新たな物語、いえ危機が展開します。

以下、本書紹介文より引用。
スーパーマンは第二の故郷である地球を守って殉死し、残されたジャスティス・リーグは、スーパーマン不在のまま戦いを続けることになった。そんななか、彼の後釜を継ぐべく、別世界から“経験豊富なスーパーマン”がやって来た。
はたして、新生ジャスティス・リーグは、チームとして機能するのか? いや、今すぐ機能させなければならない。なぜならば、リーグ史上最大の半神存在が到来したからだ。
恐るべき破壊兵器が活動を始めるとともに、地球が崩壊の危機を迎え、人類が生体兵器へと作り変えられていく……。その絶滅装置を阻止するためには、ジャスティス・リーグ全員の力が必要だ!


要は、「エクスティンクション・マシン=絶滅装置」がはるか以前より地球内部に埋め込まれており、それが作動したことにより、世界各地で大地震や津波が起こり始めます。そんな自然災害から人々を守るために、リーグは各地へ赴き救助活動にてんやわんや。同時に、装置破壊に奔走することにもなる、というストーリーです。

■8人体制となった新生ジャスティス・リーグ
新章に突入ということで、リーグのメンバーが一部変更となりました。NEW52!(リランチ)の時には、ジャスティス・リーグのメンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、サイボーグ、フラッシュ、グリーンランタン(ハル・ジョーダン)という7人体制(男6・女1)でしたが、リバースではハルの代わりに2人の新人グリーンランタン(サイモン・バズ(黒人男性)とジェシカ・クルーズ(白人女性))が加入。さらにNEW52!版スーパーマンが死亡したことにより、新スーパーマンが加入し8人体制(男6・女2)となり、組織としても増員、パワーアップが図られたわけです。

このスーパーマンの変更が、本作においては重要なポイントとなります。そう、敵を倒すとか、人々を救援するというメインストーリーのほかに、「リーグは一致団結できるのか」というサブストーリーを形成し奥行きをもたらしています。
「NEW52!」のスーパーマンと外見は似ているものの、年齢は今回のほうが上。約10年前に現行世界にやって来ましたが、表舞台での活躍はせず隠棲していました。そのため、バットマンなど他のメンバーたちにとってはほとんど赤の他人なのです。

■新スーパーマンは仲間になれるのか?
実際、作中では、スーパーマンは「彼らは私の友人じゃない」と関わりを避けるし、バットマンはリーグのメンバーに対して「あの男から目を離したくない」と警戒心バリバリだし、心のなかでも「信頼できない」、「この男の存在は我々を傷つけるかもしれない」とスーパーマンの加入を認めようとしません。

このように、リーグの中核であるスーパーマンはメンバーの自覚はないし、やる気もないし、バットマンは心を許さないという状態で、読者としては「えっ! こんな雰囲気で大丈夫?」という不安がどんどん募ってくるのです。その溝が埋まらない間にも事態は深刻さを増していくため、ストーリーがよりスリリングに展開していきます。読んでいる第三者としては、「仲間割れしている場合じゃないよ!」と両者に大声で叫びたくなってくるのです。

そして、変更となったもう一つのキャラクターがグリーンランタン。新人二人が加入したのですが、「経験はないけれど、その分、体力でカバーしてます」とでもいうように、体力にまかせて全力であちこちを駆け回る活躍を見せます。なにより特筆すべきは、男性グリーンランタンのサイモン。このキャラクターの面白さが料理の隠し味に使うスパイスのように、ストーリーにぴりりとよく効いているのです。詳しいキャラ説明は、後ほど「見どころ」で。

ジャスティス・リーグという超人たちのチームプレーが展開するので、どこをどう読んでも読者それぞれの楽しみ方ができますが、とくに「ここに注目!」という見逃せないポイントをご紹介します。


■【見どころ1】 緻密な作画による壮大なアクション
ストーリー自体が地球崩壊までのカウントダウンという内容のため、世界各地で大規模な自然災害が起こります。それにしたがって、絵も規模の大きなものになります。たとえば、高層ビルが崩壊し大量の瓦礫が降っているシーンやビル群に流れ込んでくる大洪水、謎の飛翔物体が大群で舞い市民を襲うシーンなど、人や建物、風景が圧倒的な物量で詰め込まれており、それが実に緻密に描かれています。

しかも単に詰め込んだ、というだけでなく、人や物の構図が「自然さ」を度外視した作りによりクールでかっこいいいのです。つまり、見せ場がきちんと一つのアートになっているわけなんです。そんな緻密なコマが臨場感につながり、まるでハリウッド映画の超大作を観ているかのように引き込まれていく感覚を味わえます。

この点でぜひともじっくりと見ていただきたいのが、「CHAPTER2」の始めからわずか7ページで展開されるワンダーウーマンの戦場シーンです。
彼女の飛翔する角度、戦車が空を舞う構図、戦場となった街の壊滅していくさまなど、「かっこいい…」のひと言に尽きます。ひとコひとコマが一幅の絵画のように絵としての魅力にあふれていて、この数ページを見るだけでも、この作品にふれる価値はあるのではないでしょうか。
と同時に、これを忠実に撮影すると映画『ワンダーウーマン』になるなぁ、と思い至り(それはそれで制作者は大変ですが)、映画との親和性の高さをあらためて感じます。

■【見どころ2】 メンバーそれぞれの見せ場がたっぷり
本作で特に注力して描かれているのが、メンバーそれぞれのソロ活躍シーン。ともすると、スーパーマンやバットマンがメインになりがちですが、今回は半歩下がった状態のように抑えられていて、8人それぞれにしっかりと見せ場が用意されています。メイン・サブという区別なく、バランスよく各キャラクターの奮闘が配置されているので、チームプレーが展開される以上に、リーグの組織力や結束感が際立っています。

特にグリーンランタン、フラッシュ、サイボーグは世界各地を飛び回り、八面六臂の活躍を見せるので、予備知識のない方でもそれぞれがどんな能力を持っていて、どのように戦うのかということが、よくわかるようになっています。

■【見どころ3】 的確なタイミングで入る自虐ネタ
このストーリーで秀逸なのは、シリアスさのなかにもオフビートな笑いが随所に盛り込まれていることではないでしょうか。自虐ネタでそのコメディリリーフを担うのが、今回から参加しているグリーンランタンのサイモン。

たとえば、
フラッシュが「ジェシカの到着だ」と言えば、「俺もいるよ」と自分の存在感のなさをきちんとフォローするし、
「ジェシカ、見事だよ」とほかのメンバーが評価されると、「おい、俺も誉めろよ」と自分の仕事を猛烈にアピール。
ほかのメンバーから「慎重に行動してね」と念押しされれば、「俺は慎重だよ」と言った後に、間をおいて「たまに」とぼそりともらすし。
このほかにも、フラッシュは謎の飛翔物体を見れば、「変なヤドカリを吐き出しているんだ。アクアマンなら会話できるんじゃない?」とメンバーをちょっとバカにする始末。
ふっと肩の力が抜けるような会話やセリフが絶妙のタイミングで入ることで、キャラクターの本心や人間関係が浮き彫りになって、ストーリーに奥行きをもたらす効果となっているのです。


この新生ジャスティス・リーグについては、早くも第2巻を編集中です! タイトルは『ジャスティス・リーグ:アウトブレイク』。敵はがらりと変わって、ハッカーです。そしてその次の作品では、あの「スーサイド・スクワッド」が参戦するかもしれません!

新生ジャスティス・リーグの活躍の場はどんどん広がっていきます。今後も超人たちのチームプレイと人間関係の新たな展開をぜひお楽しみに。

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)

2017年8月29日火曜日

ワンダーウーマンとは誰だ?

映画『ワンダーウーマン』ついに公開

「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!
先週末(8/25)公開の映画『ワンダーウーマン』、もうご覧になりましたか?
アメリカでの前評判の高さから、日本での公開を心待ちにしていたのは私だけではないと思います。
新宿ゴジラロードも、ワンダーウーマンvsスパイダーマンvsゴジラとすごいことになってました。


映画業界では女性ヒーロー映画はヒットしづらいと言われ、ワンダーウーマンは長らく映画化が実現しませんでした。
しかしいざ公開されてみると、アメリカで映画選びの指標となっているレビューサイト「Rotten Tomato」で批評家94%、観客93%の高評価を獲得し、単独ヒーロー映画としては2008年『アイアンマン』や2014年『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』など名だたるヒット作を抑え、歴代No1のオープニング成績を達成するなど、世界中で大ヒットとなってます。



ところで、ガル・ガドット演じるワンダーウーマンが鮮烈なスクリーンデビューを飾ったのは、2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でした。

バットマンが絶対絶命の場面で「Is She with You?」のテーマ曲とともに颯爽と登場するワンダーウーマンにズッキュンしちゃった人も多かったと思います。
(コチラ↓)



あのバトルシーンで、否が応でも翌年公開の単独映画『ワンダーウーマン』への期待が高まりましたが、本映画は見事その期待を裏切らない内容となってます。

ワンダーウーマンで一気に盛り上がったDCフィルムズ・ユニバースは、この後11月23日公開の映画『ジャスティス・リーグ』、来年公開予定『アクアマン』、そして早くも決定した2019年公開予定『ワンダーウーマン2』へとつながっていきます。

日本でも今後ますますワンダーウーマンへの注目が高まっていくのは間違いないでしょう。
そんな中、満を持して8月23日に刊行されたコミックスが、今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』です。

グレッグ・ルッカ[作]
リアム・シャープ[画]
定価:本体2,300円+税
◆好評発売中◆


ザ・ライズ(嘘)という衝撃的なタイトル、そして「ワンダーウーマンとは誰だ?」というそもそも論的な背帯のキャッチコピー。


これは「本当にワンダーウーマンを知っているのか?」っていう私たちへの問いかけです。
確かに彼女の赤と青のコスチュームはインパクト大で印象に残りますが、私たちは彼女を知っているようで知らないんじゃないか?
そこでちょうどいい機会なので、「ワンダーウーマンは何者なのか?」をクイズ形式で自問自答してみたいと思います。


ここで問題です。ワンダーウーマンとは何者でしょう。


問題:DCユニバースの中で、ワンダーウーマンの位置づけは?
答え:
スーパーマン、バットマンと並ぶ"3大ヒーローの一人"です。

そして、その強さはスーパーマンにも引けを取らない、いや、むしろそれ以上かも!?
バットマンが「地球上で最強」と認めるほどの強さです。

とにかく強い、強すぎる…
銃弾を弾き飛ばし、戦車を軽く持ち上げ、あらゆる武術を身に着け、そしてほぼ不死身!

アメリカのエンターテイメント誌「Entertainment Weekly」(2016年10月14日発売号)の特集「最強スーパーヒーロー50選」では、アイアンマンやスパイダーマンなど並み居る男性スーパーヒーローを抑え、ダントツの一位を獲得するほど。

また、彼女の身に着けている武器も相当最強です。
決して壊れることがなく、ゼウスの雷を呼ぶブレスレット。相手の嘘を見破る"真実の投げ縄"。"ゴッドキラー"と呼ばれる剣。そして、砲弾をも跳ね返す盾。
さらに、時代をまたぎ数百の言語を操る能力に加え、「肉体的快楽論」全12巻を読破するほどの好奇心の塊
まさに彼女は史上最強、ワンダー(驚異)な戦士なんです!


問題:ワンダーウーマンの初出はいつ?
答え:
1941年「オールスター・コミックス」という雑誌に始めて掲載されました。

相当歴史がありますね。
そのストーリーは、"女性のみからなるアマゾン族が住むパラダイス島に、ある日外界から、スティーブ・トレバーが乗る飛行機が迷い込み、墜落した。初めて男性を見た王女ダイアナは恋に落ち、彼が元の世界に戻る手助けをする…"という内容で、わずか9ページながら私たちが知っているワンダーウーマンの原型が既に出来上がっていることが分かります。

その後、1970年代のテレビドラマシリーズ「空飛ぶ鉄腕美女ワンダーウーマン」、2009年製作の長編アニメ「ワンダーウーマン」、前述の2016年公開映画『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』でのスクリーンデビューを経て、ファン待望の単独映画として登場したのが映画『ワンダーウーマン』なんです。

なお、「オールスター・コミックス」のワンダーウーマン初出コミックは、映画『ワンダーウーマン』の前売り特典になってたのでご覧になった方も多いと思います。
コチラです↓



問題:ワンダーウーマンは何者なの?
答え:
スーパーマンはクリプトン星人、バットマンは金持ちの人間。でもワンダーウーマンは何者なのか、ちょっと分かりづらい。
見た目は完全に人間です。しかし空を飛べたり、年をとらなかったり、人間のわけがない。

その答えは、少しややこしいんですが、"神の子"です。

3000年間女性のみが暮らすパラダイス島で王女として育ったダイアナは、長らく「粘土から生まれた」という設定でした。映画でもそうです。
しかし2011年に始まったDCの雑誌ニュー52シリーズでは、実はダイアナは母ヒッポリタと神ゼウスの間に生まれた子で、ゼウスの妻である女神ヘラの怒りを避けるために、偽りの出生譚が語られた、ということが明らかにされました。

神ゼウスの子と考えれば、その強さも納得がいきますね。


問題:ワンダーウーマンの恋人、スティーブ・トレバーはどこの国の人?
答え:
ちょっと趣向を変えてライトな問題になります。
答えは"アメリカ人"です。

映画ではイギリス軍に所属して戦ってましたが、設定としてはイギリス諜報部のスパイとして働くアメリカ外征軍の大尉らしいです。
今回ご紹介する『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』でもアメリカ人という設定になってます。


問題:ダイアナの元彼は誰?
答え:
映画ではワンダーウーマンことダイアナは、スティーブ・トレバーと恋に落ちます。そして、現代を舞台にした本書『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』では、ダイアナは中年となったスティーブ・トレバーと再び恋に落ちます。
では、その間ダイアナがつきあっていた男性は誰でしょうか?

実は、"スーパーマン"なんです。
その経緯は、小社から刊行している『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』に詳しく載ってますので、ぜひご覧ください。


『ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)』では、スティーブ・トレバーとワンダーウーマンの確執や別れも詳しく描かれてますので、映画『ワンダーウーマン』にハマった人は必見ですよ。



本書の見どころ


 見どころ1  映画を見た人にオススメ!

本書は、映画を見てワンダーウーマンに興味を持った人に、次に見るべきワンダーウーマン作品として是非手に取ってほしいコミックです。
その理由は、映画の舞台は1918年、本書の舞台は現代と時代設定に違いはあれど、映画とコミックスにたくさんの共通点があり、映画を見た人にはスッと入りやすい内容になってることです。

ワンダーウーマンの恋人であるスティーブ・トレバーのほか、映画でトレバーの秘書としていい味出してたエッタ・キャンディ、アマゾン族の女王である母ヒッポリタ、そして美しいセミッシラ島も登場します。
小ネタですが、顔のマスクが印象的だったドクター・ポイズンことマリナ・マル博士もセリフの中で少し登場します(P125の4コマ目)。

また本書冒頭では、女性だけのセミッシラ島にトレバーが初めて不時着し、ダイアナが彼を助けて軍神アレスに立ち向かうという、映画でもお馴染みのシーンがダイアナの回想シーンとして描かれます。

さらに、同じく本書冒頭のチャプター1『ワンダーウーマン:リバース』で、ダイアナが真実を求めて新たな戦いに身を投じるシーンで、コスチュームをニュー52版のものからリバース版のものに着替えます。このコスチュームこそ、映画『ワンダーウーマン』のものと同じデザインになってます。


(左)ニュー52版コスチューム/(右)リバース版コスチューム

このように本書は、映画を見た人には大変分かりやすい内容になってます。

ただ、本書は映画との相違点もあります。
まず、時代が現代になっていることです。
また、時間が経った分スティーブ・トレバーが中年として描かれ、身分もアメリカ政府機関ARGUS(アーガス)の上級軍曹(エコー隊の現場指揮官)となってます。
でも、永遠の若さを保つアマゾン族の王女ダイアナは若々しいままなので、ご安心を^^

次に、エッタ・キャンディはトレバーの上官という設定になってます。
ただ、その明るくチャーミングなキャラクターはそのまま。
実は本書で、ある陰謀に最初に気付くのが彼女であり、重要な役割を演じてます。

アメコミでは、シリーズによって基本設定が変わることがよくありますが、映画とコミックスの設定の違いに注目して読むのも面白いです。


 見どころ2  絵がきれい!

アメコミの魅力の一つに、圧倒的クオリティーのアートのような絵柄という点が挙げられます。
ただ、昔の絵柄だったりと、中には正直微妙な絵のアメコミ本もあったりしますが…。

しかしご安心あれ!
本書は全ページフルカラー緻密かつド迫力のアメコミならではハイクオリティーな絵柄全ページにわたって惜しげもなく展開されてますので、決して読者の期待を裏切りません!!
また、巻末のバリアントカバー集も、タッチの違う美しい絵柄ばかりで必見です。

本書巻末バリアントカバー・ギャラリーより


 見どころ3  ワンダーウーマンとスティーブ・トレバーのロマンス!

映画の見どころの一つがワンダーウーマンとトレバーのロマンスです。そのクライマックスとなるシーンが、ドイツ軍からの解放を祝う村のお祭りの最中、チャーリーが弾くピアノをバックに二人がダンスするシーンだったと思います。

本書でもそれに匹敵する、感動のラブシーンが描かれてます。

久しぶりに再会を果たした二人が、戦いの後の束の間の休息時、私服に着替え、夕日をバックに語り合うシーンです。
立場と価値観の違い、いやそもそも種族の違いからすれ違ってきた二人が、お互いの思いをさらけ出し、誤解やわだかまりが解け、二人は自然と求め合います。


ていうか、私服のダイアナ超かわいいッス


 見どころ4  チーターとの友情!

映画には登場しませんでしたが、ワンダーウーマンシリーズの主要キャラの一人がチーターことバーバラ・アン・ミネルバです。本書では、チーターとワンダーウーマンの宿命的な友情が深く描かれてます。
美しいアフリカの密林を舞台に、過去の因縁からワンダーウーマンを深く憎むチーターと、彼女を友人として愛し続けるワンダーウーマンの絡みは、何やら妖艶でエロチックですらあります。


本書後半のクライマックスがワンダーウーマンとスティーブ・トレバーの純愛なら、前半のクライマックスは、ワンダーウーマンとチーターの愛憎交錯する友情でしょう。
(なお、中盤のクライマックスは、ワンダーウーマンが武装勢力の親玉カデュロと太古の密林神ウズルカルタガを倒すバトルシーンですが、詳細は割愛させていただきます。^^;)


 見どころ5  ミステリアスなストーリー、深まるナゾ!

"ザ・ライズ"(嘘)というサブタイトルが示すとおり、本書は、ワンダーウーマンが事実と信じてきたことに疑いを抱くところから物語は始まります。
そして、味方だと思っていた人物が裏で敵に通じ、故郷だと思っていた場所が実は幻だったのでは?と仄めかされます。
もしかして、全ては偽りだったのか!?
ナゾは深まるばかりです。内容が気になりますね。
さあ、本書が気になってきたあなた、映画の次はコミックスでワンダーウーマンを堪能しましょう!
(文責・小出)


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2017年8月22日火曜日

この夏はセミじゃなく、クモが熱い!


「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!


8月も中旬にさしかかり、例年であれば暑い夏らしい日が続いてもおかしくないのに今年は雨が降ったり、気温も10月上旬並みといまいち夏らしさに欠けます……。

あんまり暑い日は厳しいですが、やっぱり夏なんだなって実感できる要素にここのところ欠けるんですよね……。涼しいせいか、近所の公園でもセミもあまり鳴いていません。

そんななか今回は今最も熱いヒーローをテーマにお届けしたいと思います。


そのヒーローとは今月11日に待望の新作映画が公開となったスパイダーマンです!


アメコミに詳しくなくても、スパイダーマンは知っているという方は多いと思います。
それだけ高い認知度を誇るマーベルを代表するヒーローですね。

映画「スパイダーマン:ホームカミング」では、主人公のスパイダーマンこと15歳の高校生ピーター・パーカーが、憧れのアイアンマンに導かれて、様々な葛藤を経て真のヒーローへと成長する姿が描かれています。

単なるヒーロー映画ではなく、スパイダーマン最大の魅力でもある一人の高校生としての青春や恋愛、友情といった身近なテーマも含まれていて、ところどころに笑いもあり、圧倒的スケールのアクションも盛りだくさんな内容は見逃せません!

本作より、マーベル・シネマティック・ユニバースに本格参戦することになったスパイダーマンの新シリーズ、今後の展開もますます楽しみです。

さて、この映画公開タイミングに合わせ必ず読んでいただきたいスパイダーマン関連コミックを今月2タイトル刊行しました!


まずは『スパイダーマン ホームカミング:プレリュード』です。




スパイダーマン ホームカミング:プレリュード
ウィル・コロナ・ピルグリム[作]
トッド・ナウク他[画]
定価:本体2,000円+税
◆好評発売中!◆



タイトルにあるプレリュードが示すとおり、本書は「スパイダーマン:ホームカミング」の前日譚にあたる、映画「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」におけるスパイダーマンのエピソードをメインに、そのほか映画に影響を与えた原作コミック3話を収録しています。


それでは簡単に各収録作品をご紹介していきたいと思います。


【スパイダーマン:ホームカミング プレリュード】
先に述べたとおり、この作品は「シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ」のコミカライズとなっており、特にスパイダーマンの活躍を抜粋したかたちで描かれています。
アベンジャーズのメンバーやウインター・ソルジャーも登場することから、ストーリーの復習兼ねて「シビル・ウォー」を観てみるのも楽しいかもしれません。


【インビンシブル・アイアンマン #7】
映画でも重要なポジションとして登場するアイアンマンとスパイダーマンのクロスオーバー・コミック。
本国では2009年に刊行され、シビル・ウォーでトニー・スタークとの仲が決裂したピーターだったが再びこの両者がチームアップするというストーリーは胸が熱くなります!


【アメイジング・スパイダーマン #2】
スパイダーマンを代表するヴィランこと、バルチャー初登場号も収録しています。自分で空を飛ぶための装備品を開発し、上空から襲ってくる姿は映画でもかっこよく描かれています。
そんなバルチャー、映画ではまぁまぁなおじさんですが原作コミックだとかなりのおじいちゃん(笑)


【アメイジング・スパイダーマン #46】
1967年刊行の本作では、ピーターは進学しなんと大学生になっています。青春を謳歌しているピーターを待ち受けるのは、新顔の邪悪なヴィランことシニスター・ショッカーです。
映画でもその設定を変えて登場するショッカーの記念すべき初登場号がコミック界伝説のアーティストである、ジョン・ロミータ・Srによって描かれています。


よりスパイダーマンへの理解を深めるためにも、映画を観る前に読んでいただくことを強くおすすめしますが、あとでも充分に楽しめる内容となっていますので、是非とも手に取っていただければと思います!


このプレリュードシリーズですが、今回の「スパイダーマン:ホームカミング」のほかに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:プレリュード』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン:プレリュード』『アントマン:プレリュード』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ:プレリュード』『ドクター・ストレンジ:プレリュード』の5タイトルが好評発売中です!


どのコミックも、貴重なクラシック作品を収録し各映画を更に面白くするエピソードが満載ですのでこれらもチェックしてみてください!


そして、今回ピックアップするもう一冊が『スパイディ:ファースト・デイ』です。




スパイディ:ファースト・デイ
ロビー・トンプソン[作]
ニック・ブラッドショー他[画]
定価:本体2,100円+税
◆好評発売中!◆



本書はピーター・パーカーの高校時代にさかのぼり、彼のファースト・デイ(若き日々)にスポットを当てた作品です。

この設定はちょうど映画ともリンクし、若きスパイディの活躍を存分に堪能できるものになっています。

全6話が収録されており、それぞれスパイダーマンとゆかりのあるヴィランが登場します。
カバーにもスパイディの背景に6人のヴィランがデザインされていますが、各話数ごとに対決するヴィランをおさらいしておきましょう。


①ドクター・オクトパス
人工アームを操る悪の天才科学者。2004年公開の映画「スパイダーマン 2」の悪役として登場したので、映画ファンにもお馴染みかもしれません。


②サンドマン
砂状の肉体を持った犯罪者。サンドマンも2007年に公開された映画「スパイダーマン 3」に出てきましたのでよく知られているヴィランの一人でしょう。
映画で砂が集まっていくシーンはいまでも鮮明に覚えているくらい衝撃的でした。


③リザード
特殊な血清によってトカゲ男に変化した科学者。2012年公開「アメイジング・スパイダーマン」に登場しましたが、映画版リザードをはじめて見たときいろんな意味でビックリしました……。トカゲ感があまりないんですよね(笑)


④ドクター・ドゥーム
東欧の小国ラトベリアの専制君主。ドゥーム、カッコイイですよね! 個人的にも好きなヴィランの一人です。音楽のヒップホップにおいてもMF DOOMというラッパー/プロデューサーがまさに彼のようなマスクをつけて活動しています。


⑤グリーン・ゴブリン
緑色のコスチュームを着た怪人。これまでのスパイダーマン映画にもたびたび登場し長年スパイダーマンを苦しめてきたいわゆる宿敵といえるヴィランです。
映画版とは違いコミックのグリーン・ゴブリンはとんがり帽子をかぶり、爆弾などの武器を持ち運ぶ斜めがけバッグを持っていたりとコスチュームが大きく異なりゴブリンっぽさが前面に出ています。
そんなグリーン・ゴブリンをスパイディが野菜に例えて、呼ぶシーンは要注目ですよ!


ざっと、主要ヴィランについて触れましたが他にもマーベルお馴染みのキャラクターたちも意外なかたちで出てきます。
どんなキャラクターたちなのか本書で確認してみてください!(例のサイ風強化スーツを着たヴィランもいますよ~)

いかがでしたでしょうか。
今年の夏は映画とコミックで“あなたの親しき隣人”の魅力にどっぷり浸ってみてください!


最後に、スパイダーマンとあの冗舌な傭兵ことデッドプールの共演作である『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』も発売中!

ウェイド・ウィルソンが、コミックの魔法とタイムトラベルを駆使して、ピーター・パーカーの若かりし時代の世界に入り込む! “あの映画”のように、夢の階層を下りていく彼らを待つ運命は? 赤と黒の臭いコスチュームをまとったデッドプールと、赤と青のコスチュームをまとったスパイダーマン。入れ替わってみたいというデッドプールの夢は叶うのか?

『ケーブル&デッドプール』のスパイダーマン登場回や、“レディースティルトマン”も現れる『アメイジング・スパイダーマン』など、ふたりの競演が楽しめる未邦訳作品5編を収録。


一冊で二度おいしい、デッドプールとスパイダーマンのW主演作も読んでみてください。


それではまた次回に。


(文責:渡辺)

2017年8月15日火曜日

「DCリバース」ついに始動! DCコミックスの新展開を解説

 アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

 ShoPro Booksでは、これまでDCコミックスの様々な作品を邦訳刊行してまいりました。

 そしてこの夏、現行のDCコミックスの最新シリーズである「DCリバース」の刊行を開始します!

 その口火を切るのが、今月初旬に刊行された、「DCリバース」全作品のイントロダクションとなる『DCユニバース:リバース』です。


DCユニバース:リバース
ジェフ・ジョーンズ[作]
ゲーリー・フランク他[画]
定価:本体1,500円+税
◆好評発売中!◆



 今後のDCコミックス全体に関わる重要タイトルですので、ぜひお手に取っていただきたい作品です。

 ところで、「DCリバース」とはそもそもなんなのか? そこのところがいまいち飲み込めていない方もいらっしゃるかもしれません。ということで今回は、このシリーズの概要をご説明したいと思います。

 皆さんご存知のとおり、DCコミックスはアメリカンコミックを代表する創業1934年の老舗出版社。抱えるキャラクターの数も多く、そのストーリーラインは多岐にわたります。場合によっては矛盾することもあるそれらのストーリーラインを整理するために、同社では「多元宇宙(マルチバース)」という概念によって全作品の世界を構成しています。この多元宇宙は平行世界(パラレルワールド)と理解してもいいでしょう。メインのストーリーラインを中心に、パラレルな世界を行き来するのが、DCユニバースの基本的な世界観です。

 そして、長期連載によって設定が複雑になりすぎた場合には、世界観そのものをリセットして一から再始動することがあります。たとえば1985年の「クライシス」や2011年の「フラッシュポイント」などがそうです。以前にはアース1やアース2といった平行世界がありましたが、それが「クライシス」によって一つのアースに収束されました(2005年の「インフィニット・クライシス」以降は少し時間軸が修正されたため、「ニュー・アース」と呼ばれています)。その後、2011年の「フラッシュポイント」によって世界が大きく改変され、現在の「プライム・アース」へとつながっていきます。そのため、一口に“正史”と言っても、その正史の舞台(アース)そのものが都度変わっています。

 細かいことを言えば「アース1」「アース2」「ニュー・アース」「プライム・アース」に区分することになりますが、1985年の「クライシス」以前の正史世界はアース1、「クライシス」以後はニュー・アース、2011年の「フラッシュポイント」以降の現在はプライム・アースと大枠でとらえていても問題はないでしょう。

 上記のような経緯を経て、DCユニバースは「リバース」と呼ばれる新体制に突入しました。2011年9月のリランチ(NEW 52 !)は従来の設定を大幅に変更した“世界改変”でしたが、今回のリバースは前回のリランチの設定を引き継いだ、いわば“新章突入”といってもいいでしょう(一部設定が変更されている部分もありますが…)。

 このような流れのなか、今回ご紹介する『DCユニバース:リバース』は刊行されました。その気になる中身はというと……


(以下、本書紹介文より引用)↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

ウォリー・ウェスト(三代目フラッシュ)は、彼の先輩にあたるバリー・アレン(二代目フラッシュ)が引き起こした“フラッシュポイント”事件によって、現実の時空間から追放され、次元の狭間に囚われてしまった。虚無の空間を彷徨うウォリー……かつてキッド・フラッシュと名乗り、フラッシュの名を受け継いだ彼だけが、この世界の謎を見ることができる。いったい誰が“失われた10年間”を盗んだのか? ウォリーは地球に戻らなければならない。彼の愛する人たちが避雷針の役目を果たしてくれるはずなのだが、誰に接触を試みても、彼はますます世界から遠ざかり、真の消滅へと近づいていく……全宇宙の運命は、ウォリーの再生にかかっているのだ! 

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 ちなみに本書は、新シリーズの第一弾ということ以外にも見所があります。それは、かの名作『ウォッチメン』との関わりです。刊行から年月が経っても、いまだに熱烈なファンを生み出し続けている同作がどのように関わっているのか、それはここではあえて触れません。ぜひ、お手に取って、ご自身の目でお確かめください。

 さて、ShoPro Booksでは 、「リバース」シリーズの刊行開始に際しまして、今月もう二作品同シリーズの作品を刊行いたします。『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』と『ワンダーウーマン:ザ・ライズ』です。

 今回はそのうちの『スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン』をご紹介したいと思います。

スーパーマン:サン・オブ・スーパーマン
ピーター・J・トマシ[作]
パトリック・グリーソン[作・画]
ダグ・マーンキ他[画]
定価:本体2,300円+税
◆2017年8月23日頃発売◆


以下、あらすじ↓↓↓↓↓↓↓ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

鋼鉄の男が第二の故郷を守るために命を落とした時、彼の体現する真実と正義は永遠に失われたかと思えた。しかし、それを遠くから見つめるもう一人のスーパーマンがいた。より年齢を重ね、経験と知恵を身につけたスーパーマン。さらに彼は妻のロイス・レーンと、息子のジョナサン・ケントを伴っていた。
とある消え去ったユニバースから逃れてきた彼が、表舞台に現れる。いまは亡きもう一人の自分の名前を継承して、地球で最も偉大なヒーローとして飛び立つために。
だが、この次元にたどり着いたクリプトン星の生き残りは、彼だけではなかった。
“エラディケイター”として知られる人工知能体が、エル家の生存者を追う。彼の目的はクリプトン星人の遺伝情報の保存のみであり、他の生命体に対する考慮は一切ない――たとえそれが、カル=エル――つまりクラーク・ケントの血を継ぐ者であったとしても。
果たしてスーパーマンの息子は、目覚めたばかりの能力を使いこなして、地球人としての自分をまっとうすることができるのか? それとも母なる世界の灰のなかから、新たなクリプトン星人として生まれ変わってしまうのか?

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 本書は「DCリバース」のスタートに際し、2016年6月に刊行された序章的な『スーパーマン:リバース』と、それに続いて9月まで毎月2号のペースで刊行された『スーパーマン』#1-6をまとめた単行本になります。ここで登場するスーパーマンは、ニュー52!で活躍したスーパーマンではなく、「インフィニット・アース」後に登場したスーパーマンです。彼はロイス・レーンと結婚し、息子も生まれていました。なぜ別のアース(次元)にいた彼が、メインのアースに現れたのか? また先代(ニュー52!)のスーパーマンよりも経験豊富な壮年のスーパーマンが、力が覚醒しつつある息子とともにどのような活躍をみせるのか? などなど、こちらの作品も見どころが満載です。



 と、ここまで駆け足でご紹介してきましたが、ShoPro Booksでは今後も「DCリバース」の作品を続々刊行する予定です。ぜひお楽しみにしてください。

 それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責・山口大介) 



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