さてさて、先々週に引き続き、デッドプール新刊のご紹介です。
今回は、『デッドプール:モンキー・ビジネス』と同日発売の『デッドプールの兵法入門』の魅力をお伝えしたいと思います。
『デッドプールの兵法入門』 ピーター・デイビッド[作] スコット・コブリッシュ[画] 定価:本体1,400円+税 ◆好評発売中◆ |
さて、本著で注目したいポイントは、その物語構成です。全体が4章で構成されていますが、物語の筋が『孫子』の13篇に対応しながら進んでいきます。つまり、れっきとしたデッドプール作品でありながら、このコミックを読めば『孫子』の概観が理解できるという作りになっているのです。ビジネス書、リーダーシップ術、歴史書など、『孫子』を解説したり元にした作品は多数ありますが、デッドプールのハチャメチャな面白さと『孫子』を両立させた作品は、本著をおいて他にないでしょう。
この奇想天外なアイディアを物語としてまとめあげたのは、約12年(1987~1998年)にわたって『インクレディブル・ハルク』誌のライターを務めたピーター・デイビッド。他にも『アベンジャーズ:シーズン・ワン』(小社刊)などを手がけたベテランです。そして、読めば読むほど味わいが増すアートワークは、「マーベル・ナウ!」でスタートしたデッドプール第3シーズンでも画力をいかんなく発揮しているスコット・コブリッシュによるもの。
上記のような物語なので、他作品との関連性が薄く、しかもスパイダーマン、ハルク、映画が公開されたばかりのファンタスティック・フォーなど、いろんなヒーローがカメオ出演するのでお得感もばっちり。しかも、これだけ品質保証がされていながら、邦訳コミックとしては破格の本体価格1,400円! まさにアメコミ初心者が手に取るにはもってこいの作品。もちろん、これまでデッドプールの活躍を追いかけてきたファンの方々も、お腹を抱えながら笑って手に汗握ること請け合いです。
そのことを証明するように、発売から約1ヶ月が経ち、読者の皆さまからもご好評をいただいております。先日、関西の書店さんを視察して回ったのですが、発売直後に完売して追加注文をくださった書店さんや、欠品状態の書店さんがあったほどです。
喜久屋書店漫画館京都店様にて。 デッドプールを大きく展開してくれています! |
(文責・山口大介)