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2020年5月12日火曜日

厚みはなくても濃密な内容! 初心者もおススメ、薄いアメコミをご紹介!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

ゴールデンウィークが明け、急に暑くなってきましたね。最近では気温が30度近い日もあり、もう夏が来たのかと錯覚してしまいます。今年の夏はマスクをしないといけなくなるのでしょうか……。

以前『おうち時間に大ボリュームのアメコミはいかが?』という記事にて、ページ数が多い(分厚い)アメコミをご紹介させていただきました。今回はその反対にページ数の少ない(薄い)アメコミをご紹介させていただければと思います!

▐ 80ページに詰め込まれた悪夢 『バットマン:キリングジョーク』


最初にご紹介するのは、皆さんもうお馴染み(?)の大人気タイトル『バットマン:キリングジョーク 完全版』です。


▲『バットマン:キリングジョーク 完全版』書影

2010年に刊行してから2020年4月までに14回も重版を重ねてきた、大人気の名作タイトルです。ページ数は80ページと、ShoPro Booksの邦訳コミックスの中では一番の薄さを誇ります。しかし、内容はとんでもなく濃密なタイトルです。


▲ページは一番少ないですが、
上製本なので実は96ページの兵法入門より厚みがあります。


ライターは『ウォッチメンや『プロメテア』でお馴染みの、鬼才アラン・ムーア。DCコミックスのヴィランの中で、最も有名ともいえるジョーカー。彼は一体どのようにして生まれたのか。アラン・ムーアによって描かれる犯罪界の道化王子のオリジンは、まさに必見です。


モノクロのようなページとカラーページで描かれる、ジョーカーの過去と現在。売れないコメディアンであった彼は、どのような過去からジョーカーに成り果てたのか。アメコミ初心者の方にもぜひ読んで頂きたい名作です。





また、この売れないコメディアンが犯罪界の道化王子へと変貌するという内容は、昨年公開された映画『ジョーカー』の下敷きにもなったはずです。映画で興味を持ったという方や、ジョーカーが好きになったという方にもぴったりの作品です。


▐ デップー先生、作家デビュー?『デッドプールの兵法入門』


お次にご紹介するのは、これまた大人気を博したタイトル『デッドプールの兵法入門』です。

▲『デッドプールの兵法入門』書影

一目ではアメコミとはわからないのではないか、と思えるような斬新なカバーアート。感じられる古代中国味、崖から孫子をけり落とす我らがデップー。96ページとShoPro Booksの邦訳アメコミでは2番目に薄いものになりますが、デッドプールのとんでもない暴れっぷりで、そんなことも感じさせない濃密な内容です。


開幕早々、古代中国で孫子をサクッと殺害するデップー。そこで彼は後の世界でベストセラーになる兵法書『孫子』のテキストを発見します。




こいつで一発ベストセラーを出して一儲け! と企むデップーは早速大手出版社にこの企画を持ち込みますが、帰ってきた返事はNO。既にベストセラーになっている『孫子』の新訳なんて何の価値もない、と一蹴されてしまいます。





そこでデップーがひらめくのは「本を出版したときに世界で戦争が起きてればうれんじゃね?」というはた迷惑なアイデア。そして「全世界が戦争に巻き込まれるためには、神に戦争を起こしてもらえばいいな?」ということでロキをそそのかしてアスガルドを征服。そこから人間界まで巻き込んで大戦争が始まってしまいます! 




果たしてこの迷惑な戦争の行方は? そしてデッドプールは無事にベストセラー作家になれるのか? アメコミに詳しい方も、そうでない方も楽しめるおススメタイトルです。


▐ デップ―先生、新たなシンビオートの誕生『スパイダーマン:ヴェノムVS. カーネイジ』


最後にご紹介するタイトルは、最近映画の公開日も決まり話題となったキャラクターが登場する『スパイダーマン:ヴェノムVS. カーネイジ』です。


▲『スパイダーマン:ヴェノムVS. カーネイジ』書影

こちらもページ数は96ページと短いですが、ページをめくるたびにクレイトン・クレインの美麗なアートに圧倒されます。最近、映画『Venom: Let There Be Carnage (ヴェノム: レット・ゼア・ ビー・カーネイジ)』の全米公開日が2021年6月25日に決まったというニュースもあり、ヴェノムとカーネイジに注目が集まったのではないでしょうか。本書ではそんな二体のシンビオートを存分に堪能することが出来ます。




物語はヴェノムとカーネイジ、二体の凶悪なシンビオートが戦いから始まります。熾烈な戦いから離脱したカーネイジは、その先でパットという警官に遭遇。カーネイジは彼を幼生の宿主に選びます。




自らに寄生したシンビオートの破壊衝動に抗う、正義感の強いパット。そして彼に寄生した共生体を始末しようと企むヴェノムとカーネイジ。3体の強力なシンビオートの争いを、我らがスパイディは食い止めることが出来るのか? ぜひその目でご確認ください。


ここまで紹介したアメコミは、実はどれも重版している人気タイトルです。薄いからといって内容が薄いなんてことは決してなく、その中に魅力的なストーリーやアートが詰め込まれています。先日刊行した『ワンダーウーマン:ヒケテイア』もですが、初心者でも読みやすい名作が多くあるので、ぜひチェックしてみてください。


それでは、本日はここまでです。
来週もよろしくお願い致します。


(文責:比嘉)
TM & © 2020 DC Comics. All Rights Reserved.


▼お気に入りの記事やタイトルがございましたら、ぜひ皆様のSNS等でご紹介してください。ただし、画像の無断転載はご遠慮ください。

▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、下記のメールアドレスにお送りください。

shoprobooks@gmail.com

2020年4月14日火曜日

『ワンダーウーマン:ヒケテイア』 ヒケテイアってそもそもなんだ?


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

最近はあまり外出できない日々が続いていますね。
テレワークとなり、家にいながらオンライン会議などもするようになったのですが、この時はなんとなくバーチャルyoutuber感を味わえて楽しい気がしています。「はいどうもー! バーチャルyoutuberの~」って言いたくなりますね。僕だけでしょうか。


さて、今回は来週木曜日に刊行となる『ワンダーウーマン:ヒケテイア』を改めてご紹介できればと思います。

▲『ワンダーウーマン:ヒケテイア』書影

見るたびにすごいアートだなぁと思わされますね……。
この作品は2002年に発表された作品となり、最近の邦訳刊行の中では少し昔のタイトルになります。映画『ワンダーウーマン 1984』の公開にあわせて、ワンダーウーマンの名作を楽しんでいただければと思い、今回刊行を決めたこのタイトル。残念ながら映画公開は延期となってしまいましたが、ワンダーウーマン誌の中でも是非読んで頂きたい、編集部おすすめのタイトルです。

▐ ヒケテイアとは一体何なのか?? 


あらすじに関しては以前の「4月以降のアメコミ刊行ラインナップをご紹介!」にて触れましたが、改めてこちらにも記載します。


自らの故郷「セミッシラ」より外界に出てきたワンダーウーマンは、
自分の知る世界とこの世界の違いに慣れ始めたところであった。
そんな彼女の元に、突如ダニエルという女性が助けを求めに現れ、
ワンダーウーマンと古代ギリシアの儀式「ヒケテイア」を交わすことになる。
この儀式により、ワンダーウーマンはダニエルを守る使命を帯びることになるが、
彼女はとある理由から殺人の罪を抱えていた……。
グレッグ・ルッカが紡ぐ、ワンダーウーマンの悲劇が今、幕を開ける……。




ここで気になるのはタイトルにもなっている「ヒケテイア」という単語。皆さんはご存知でしたでしょうか。僕は初めて目にする単語だったのですが、このヒケテイアというのは、古代ギリシアで実際に行われていたとされる嘆願儀礼のことだそうです。


アメコミ初心者の方は「なぜ古代ギリシア?」と思われる方もいるかもしれません。その理由はワンダーウーマンの生い立ちにあります。彼女はギリシア神話でお馴染みのオリンポスの神々によって生み出されたという経緯があるキャラクターなのです。(ワンダーウーマンとは何者だ?という記事も読んでみて下さいね)。急にヒケテイア? 古代ギリシア??? となった方も、このワンダーウーマンの生い立ちに触れると納得がいくのではないでしょうか。


さて、このヒケテイアは他に取るべき手段を持たない者が、自分より大きな力を持つ者の膝にすがり、あごに触れることで援助や保護を乞うというもの、だそうです。
実際に本書の中で描かれる、ダニエルがワンダーウーマンに行うヒケテイアの儀礼を見てみると、かなり忠実に描かれているのが見て取れるのではないでしょうか。

▲左ページで膝にすがる様子、右ページ1コマ目であごのあたりに手を触れていますね。

そして、この儀礼をおこなった者は嘆願者を守るゼウスの庇護下におかれ、嘆願者に被害を加えるようなことがあれば、神からの報復を受けることになる……というのがヒケテイアです。つまり、この儀礼を受けたワンダーウーマンは何があってもダニエルを守らなくてはいけなくなってしまったのです。この儀礼により、ワンダーウーマンはゴッサムシティで殺人を犯したダニエルを追ってきたバットマンと対立することとなってしまいます。


▲バットマンとワンダーウーマンの争い

そして、庇護者であるワンダーウーマンを監視する神々の影も……。エリニュスと呼ばれるヒケテイアの儀礼をつかさどる3人の女神が、儀礼が果たされるかどうか、ワンダーウーマンと嘆願者の運命を監視しているのです。


▲ワンダーウーマンに警告をするエリニュス

儀礼を守らねばならないワンダーウーマン、犯罪との闘いに身をささげるバットマン、とある理由から殺人を犯したダニエル、そして神々……それぞれの持つ正義が複雑に絡み合い、やがて悲劇的な最後を迎えることになってしまうワンダーウーマンの物語。是非お手に取ってみてくださいね。



それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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2020年3月17日火曜日

4月以降のアメコミ刊行ラインナップをご紹介!

アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
 最近は気候の変動も激しく、服装にも困りますね。また、新型ウイルスなどもありますし、体調には気を付けて下さいね。


さて、今回はお待ちかね() 4月以降の刊行ラインナップをお知らせできればと思います!


▐ ワンダーウーマンを襲う悲劇――『ワンダーウーマン:ヒケテイア』



 直近で刊行を予定しておりますのは、423()発売予定のアメコミ、『ワンダーウーマン:ヒケテイア』になります。




なかなか衝撃的なカバーアートですね……。
こちらの作品は本国で刊行されたのは2002年と少し昔の作品になります。アメコミ界で有名なライター、グレッグ・ルッカが初めてワンダーウーマンを担当した作品でもあり、知る人ぞ知る名作ではないでしょうか。そんな本作の気になるあらすじはこちら。


自らの故郷「セミッシラ」より外界に出てきたワンダーウーマンは、
自分の知る世界とこの世界の違いに慣れ始めたところであった。
そんな彼女の元に、突如ダニエルという女性が助けを求めに現れ、
ワンダーウーマンと古代ギリシャの儀式「ヒケテイア」を交わすことになる。
この儀式により、ワンダーウーマンはダニエルを守る使命を帯びることになるが、
彼女は殺人の罪を抱えていた……。
グレッグ・ルッカが紡ぐ、ワンダーウーマンの悲劇が今、幕を開ける……。


この「ヒケテイア」という嘆願儀礼は実際に存在していたもののようで、今作はこちらを題材にしたギリシア悲劇のような作品になっております。アメコミに触れていると色々な知識が身に付きますね。


読み切り作品ですので、お手に取りやすい作品となっております。現代のワンダーウーマン像を確立したともいえるライター、グレッグ・ルッカによるワンダーウーマン初担当作品。6月公開の映画『ワンダーウーマン 1984の前に読んでみてはいかがでしょうか?


▐ ダイアナと少女の邂逅が、戦いの幕を開ける『ワンダーウーマン:ウォーブリンガー』



5月に刊行を予定しているのは、4月に続きワンダーウーマン作品、『ワンダーウーマン:ウォーブリンガー』です。




こちらの作品は、DCが現在刊行している若者向けのグラフィックノベル作品になります。こちらのレーベルについては、後日またアメコミ魂で取り上げる予定ですが、読み切り作品で脚本がとても立っており、読み応えのある作品のレーベルとなっております。また、判型もこれまでのアメコミと異なり少し小さめ。日本ではどのような形で出版しようかと現在検討しているところです。さて、肝心のあらすじはこちら。


アマゾン族の王女ダイアナはある日、海上で爆発を起こした船を発見し、
ひとりの少女を救い出す。
彼女の名前はアリア。運命的なふたりの出会いは、
争いを引き起こす“ウォーブリンガー”をめぐる戦いに発展する。
アマゾンの仲間に認められたい王女ダイアナと、過保護な兄から逃れたい少女アリア。
彼女たちを待ち受ける運命とは?


こちらの作品も読み切り作品となっており、前知識もなく読むことが出来るので、アメコミ初心者の方にもお勧めできる作品となっております。



▐ 巨匠たちによって描かれる新たな誕生譚。『スーパーマン:イヤーワン』



6月に刊行を予定している作品、最初にご紹介するのは『スーパーマン:イヤーワン』です。




こちらはまたもDCの新レーベルである”BLACK LABEL”からの作品です。既に他社様からは『バットマン:ホワイトナイト』『バットマン:ダムド』が刊行されており、アメコミ読者の方には馴染みがある方もいるのではないでしょうか。こちらのレーベルの特徴はなんといってもライター・アーティストが豪華であること。アメコミ界の第一線で活躍されてきた有名なライターたちによって描かれる、ヒーローたちの新たな物語は読みごたえ抜群です。あらすじはこちら。


幼くして故郷を追われ、カンザスの牧草地に到達したクリプトン星人のカル=エル。
将来スーパーマンと呼ばれる偉大な英雄へと成長する彼は、
どのような異星の地で幼少期を過ごすことになるのか。
そしてカンザスを離れた先で何を経験し、ヒーローへの道を選択することになったのか。
アメコミ界の巨匠、フランク・ミラーとジョン・ロミータJr.が描き出す、
新たなスーパーマンの誕生譚。



今回の『スーパーマン:イヤーワン』のライターは、『バットマン:ダークナイト・リターンズ』『バットマン/ダークナイト:マスター・レイス』など名作を手掛けたフランク・ミラー。アーティストは『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』や『キック・アス』シリーズを手掛けたジョン・ロミータJr.。生きる伝説たちによって描かれる新たなスーパーマンの誕生譚はまさに必見です。『スーパーマン:アメリカン・エイリアン』とはまた違った物語を楽しむことが出来ますよ。



▐ ガラスの天井をブチ破れ!『ハーレイ・クイン:ブレイキング・ガラス』



最後に紹介するのは、こちらもDCが若者向けのグラフィックノベルとして刊行した『ハーレイ・クイン:ブレイキング・ガラス』です。




著者はマリコ・タマキ。ジュリアン・タマキとの共作で、アイズナー賞、イグナッツ賞、さらに児童向けのコールデコット副賞、ヤング・アダルト向けのプリンツ副賞を総なめにしたという驚異の経歴を持つライターです。そんな本作のあらすじはこちらです。


5歳の少女、ハーリーン・クインゼル(ハーレイ・クイン)は、
母親が仕事で家を開ける間ゴッサムシティに住む祖母の家に預けられることなる。
しかし祖母はすでに亡くなっていたため、
そのアパートに住むドラァグクイーンの“ママ”に面倒を見てもらうことに。
ハーリーンはママと出会ってから楽しい日々を迎え、アイビーという親友もできた。
しかし、ママの店が地域開発のために立ち退きを要求される。
立ち退きを求める大企業に立ち向かうハーリーンの前に、
ジョーカーと名乗る少年が現れるが……。


お馴染みのアイビー、そしてジョーカーまでもが登場し、15歳のハーリーンの物語はどこへ向かっていくのでしょうか。ぜひ楽しみにしていてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


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2020年3月10日火曜日

“悪カワ”ヒロイン ハーレイ・クイン覚醒!『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』


 アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは!

 暑くなったり寒くなったり、なんだかスッキリしない気候が続きますね。花粉症の方はそろそろ大変な時期かと思います……。

 本日は、そんな鬱々とした気分を吹き飛ばす! 映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYを記念して発売された短編集『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』(2020年3月12日発売)をご紹介します。

▐ “悪カワ”覚醒!ハーレイ・クイン



 ジョーカーと破局したハーレイ・クイン。髪をバッサリ切り、失恋の痛手から立ち直ろうとしていたハーレイは、とある事情から謎のダイヤを盗んだ少女カサンドラ・ケインを守るため、サイコな極悪ブラックマスクに立ち向かうことに……!というストーリー。

 『スーサイド・スクワッド』に引き続きハーレイを演じるのはマーゴット・ロビー。モラルゼロだけど、とびきりキュートなハーレイは健在です!
 
 実は先日編集部も『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREY』の試写会にお邪魔させていただきました。失恋に傷つきながらも自分らしくいるために、あらゆる敵に立ち向かうハーレイの姿に勇気を貰える……そんな映画だったように思います。

 そしてなによりもハーレイがかわいい! コロコロ変わる表情や、天真爛漫な振る舞い、そして衣装もメイクも全て派手でおしゃれ……。女性があこがれるファッションアイコンのような存在感を感じました。そんなハーレイのかわいさを堪能しに、ぜひ劇場に足を運んでみてください!

▐ “バーズ・オブ・プレイ”とは?

 映画のタイトルにもなった“バーズ・オブ・プレイ”とは、オラクル(バーバラ・ゴードン)とブラックキャナリー(ダイナ・ランス)のふたり、あるいは彼女たちが中心となって結成したチームのこと。映画では主要人物であるブラックキャナリー、ハントレス、レニー・モントーヤ、カサンドラ・ケインのことを指します。

 
▲『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』書影
(購入はコチラから)

 今回映画公開を記念して刊行された『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』は、上記メンバーとハーレイ・クイン、そしてブラックマスクがメインのストーリーが収録された短編集! その中身を少しご紹介します。

▲「家族のようなもの」featuringハーレイ・クイン


▲「類は友を呼ぶ」featuringブラックキャナリー


▲「人生の半分」featuringレニー・モントーヤ


▲「ケインの紋章」featuringカサンドラ・ケイン


▲「無慈悲なるもの」featuringブラックマスク

 様々な時代のストーリーが収録されているので、アートの違いもなんだか新鮮ですよね。バーズ・オブ・プレイの仲間たちだけではなく、バットマンやキャットウーマン、ナイトウィングなど、DCコミックでおなじみのメンバーも多数登場しています。この短編集をきっかけに、好きなキャラクターやおもしろそうなコミックを探してみるのもアリですよ!

▐ バーズ・オブ・プレイの仲間たちに会いに行こう!

映画とは少し設定が異なる部分もありますが、公開前にキャラクターについて知っておきたい方にはぜひオススメです! 悪カワなハーレイだけではなく、個性派揃いの「バーズ・オブ・プレイ」の活躍を楽しめる一冊、ぜひ役立ててくださいね!



(文責:松本)
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2020年1月7日火曜日

新年あけましておめでとうございます!


アメコミ魂をご覧の皆さま、新年あけましておめでとうございます!

昨年も読者の皆さまから多くのご感想や邦訳リクエストなどを頂き、編集部一同感謝の念で一杯でございます。今年もShoPro Booksは多くのアメコミを刊行していく予定ですので、引き続き何卒宜しくお願いいたします!

さて、新年最初のアメコミ魂では、2020年公開予定のDC映画と今後の刊行スケジュールについてお話できればと思います。

▐ 今年公開のDC映画は?


昨年2019年は『アクアマン』から始まり、『シャザム』そして『ジョーカー』といったDC映画が公開されましたね。中でも『ジョーカー』はR指定映画史上初の世界興収10億ドル突破という偉業も達成する大ヒットを記録し、主演のホアキン・フェニックスはこの作品でゴールデン・グローブ賞の主演男優賞を受賞するなど、アカデミー賞にも期待がかかる作品になりました。

今勢いのあるDC映画ですが、今年2020年も既に公開が決まっている作品が2作あります!


▐ ハーレイがまたまたスクリーンで大暴れ!? 『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』


1作目は『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』です。3月20日(金)全国ロードショーと、公開まで3か月を切っており、既に待ちきれない方もいるのではないでしょうか。



ハーレイを演じるのは2016年に公開した『スーサイド・スクワッド』に引き続きマーゴット・ロビーハントレス役にメアリー・エリザベス・ウィンステッドブラックキャナリー役にジャニー・スモレット・ベル、ヴィランのブラックマスク役には、スター・ウォーズのオビ=ワン・ケノービなどで有名なユアン・マクレガーの出演が予定されています。『スーサイド・スクワッド』でマーゴット・ロビーが魅せたハーレイが、さらにパワーアップしてスクリーンに帰ってくると思うと今からワクワクしますね。

そんな『ハーレイ・クイン』に合わせてShoPro Booksは『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』を刊行いたします!

こちらの作品は『ハーレイ・クイン』映画の公開を記念して刊行されたタイトルです。映画に登場する主要キャラクターである、ハーレイ・クイン、ブラックキャナリー、ハントレス、レニー・モントーヤ、カサンドラ・ケイン、ブラックマスクの6人をよく知るためのストーリーがオムニバス形式で収録されています。映画公開前に登場キャラクターについて知りたい方や、映画で各キャラクターたちに興味を持った方などに特におすすめしたい一冊となっております。映画公開前の3月12日(木)に刊行予定ですので、是非チェックしてみてくださいね!


▐ 大ヒット映画『ワンダーウーマン』の続編、『ワンダーウーマン 1984』


『ハーレイ・クイン』に引き続き、6月には『ワンダーウーマン 1984』も公開されます。





2017年に公開した『ワンダーウーマン』の続編となっており、主演は同じくガル・ガドット、監督も引き続きパティ・ジェンキンスが務めることになっております。(前作に関連した記事はこちら)。また今回の作品では、主要なヴィランにおなじみのチーターが登場するほか、前作で死亡したはずのスティーブ・トレバーがワンダーウーマンの前に姿を現すようです。一体どんなストーリーになるのか今から気になりますね!

こちらの映画にも合わせてShoPro Booksからはワンダーウーマンのタイトルを刊行予定です。刊行タイトルはまた後日、改めてお知らせいたします!


▐ 2020年刊行タイトルのご紹介


さて、改めて今年のShoPro Books刊行アメコミのご紹介をいたします。今回は3月刊行タイトルまでのご紹介をさせて頂きます!

まず、1月刊行タイトルは2タイトル、『バットマン・フー・ラフズ』『ヒーローズ・イン・クライシス』になります。

▲『バットマン・フー・ラフズ』書影

『バットマン・フー・ラフズ』『バットマン:ブラックミラー』でタッグを組んだスコット・スナイダーとジョックの作品です。『バットマン・メタル』でバットマンを苦しめた最凶の男”笑うバットマン”が、ゴッサムシティを闇に落とすために現れます。彼が今回引き連れてきたのは”グリムナイト”と呼ばれるダーク・マルチバースのバットマン。バットマンが本来使用しないはずの銃を使いこなし、笑うバットマン同様に勝つためには手段を選ばないまさに”最強の傭兵”です。この強敵と戦うため、バットマンはあらゆる力を借りることになります。その中には闇の力も……。

▲『ヒーローズ・イン・クライシス』書影

『ヒーローズ・イン・クライシス』は12月に刊行した『バットマン:ウエディング』など、リバース以降のバットマン誌を担当するトム・キングがライターを務める作品です。日々戦いに明け暮れるヒーローたちの療養施設”サンクチュアリ”で殺人事件が発生。容疑者はブースター・ゴールドハーレイ・クイン。果たして犯人はこの2人のどちらなのでしょうか。それとも……? ヒーローでも心を病むというテーマも持つこの作品。元CIAのトム・キングが自身の経験を活かしたからこそ描けるストーリーは、今までにないものではないでしょうか。アメリカでも話題になった作品です。

2月刊行予定タイトルは『バットウーマン:エレジー』『マーベル・ミャオ』の2タイトルです。




『バットウーマン:エレジー』
は、バットマンが死亡したとされる『ファイナルクライシス』後に、ゴッサムシティで自警活動を行うバットウーマンの戦いを描いたものです。
ゴッサムシティに現れた危険な犯罪教団と、それを率いる『不思議の国のアリス』に触発され、自身もアリスと名乗る謎の女。彼女らはゴッサムシティを恐ろしい死の世界に変えようと目論んでいます。果たしてバットウーマンはゴッサムシティを守り切れるのでしょうか。そして、アリスの持つバットウーマンの過去に関わる秘密とは……。『プロメテア』を担当したJ・H・ウィリアムズⅢの描くアートも含めて必見の一冊です。


▲『マーベル・ミャオ』イメージ画像

『マーベル・ミャオ』はマーベルの公式Instagramに投稿され話題を呼んだ、藤ナオさんが描くキャプテン・マーベルの飼い猫グースを主人公としたコマ漫画です。スパイダーマン、アイアンマンなどのおなじみのヒーローたちから、サノス、ヴェノムなどのこわもてヴィラン、タスクマスター、デッドプールなど人気の個性派キャラまでが登場し、気まぐれキャットに翻弄されてしまいます! マーベル・ヒーローたちの新たな魅力がたっぷり詰まった一冊です。


最後に3月刊行タイトル『ハーレイ・クイン&バーズ・オブ・プレイ』の紹介です!




こちらは先ほど、映画『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey』のお話の中で紹介したように、映画公開を記念して刊行された、映画に登場する主要キャラクターそれぞれのストーリーをオムニバス形式でまとめた作品です。ハーレイ・クイン、ブラックキャナリー、ハントレス、レニー・モントーヤ、カサンドラ・ケイン、ブラックマスクといった6人のキャラクターの魅力を味わえる一冊となっております。表紙のアートを務めたのは『バットマン:ルール・オブ・エンゲージメント』などで知られるジョエル・ジョーンズです。映画に合わせたカラフルな表紙絵は目を惹かれますね。


今回お知らせしたタイトルは3月までのものですが、近いうちに4月以降の刊行タイトルもお知らせできれば……と考えております。是非楽しみにお待ちいただければ幸いです。


それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

来週のアメコミ魂の更新は1月14日(火)19時~20時頃を予定しております。今年も引き続きよろしくお願いいたします!

(文責:比嘉)
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2019年12月17日火曜日

MARVEL編集部公式!『マーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブック』で次なるフェーズに備えよ!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

2019年ももうすぐ終わりますね。今年は映画『アクアマン』『シャザム!』『キャプテン・マーベル』『アベンジャーズ/エンドゲーム』『X-MEN: ダーク・フェニックス』……そして世界中で大ヒットを記録した『ジョーカー』など、アメコミ原作の映画が多数公開された年でもありました。

来たる2020年5月には、MARVELの人気キャラクターブラック・ウィドウを主役にした映画が日米同時公開されますね!
詳しい内容はまだ明かされていませんが、ブラック・ウィドウの過去と秘密が描かれるとか……。どんな作品になるのか、今から楽しみにされている方も多いのではないでしょうか?

さて、本日はそんな映画ファンの方にもオススメしたい1冊! MARVEL編集部公式のMCU(マーベル・シネマティック・ユニバース)のガイドブックマーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブックをご紹介します。

▐ 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』以降7作品を徹底紹介

▲『マーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブック』書影

2019年6月に発売したこちらのガイドブック。184ページというボリュームの中では、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』まで7作品にわたる登場人物や組織、兵器の情報を一挙にご紹介しています。

収録されている作品は、以下の7作品になります。

【収録作品】
・キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
・アントマン
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
・アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
・シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
・ドクター・ストレンジ
・ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

なんとこのガイドブックはアメリカのMARVEL編集部公式のガイドブック! そのため、映画ファンはもちろん、コミックファンも楽しめる要素が盛りだくさん。

来たる次回のフェーズに備えてMCU作品を総復習できちゃいます!

▐ コミックとの比較が楽しい!


MARVEL編集部公式本ならではの見どころは、なんと言ってもコミックにおける設定が掲載されていること。

いつ登場したのか、コミックではどんな設定なのか、どんな格好をしているのか……。ほぼすべての項目において、これらが紹介されています。



MARVEL作品ではおなじみのアントマンですが、コミックではどのように描かれているかご存知ですか?(アメコミ魂をご覧いただいている方はご存知かもしれませんね!)

映画の設定とコミックの設定を比較して読むことができるので、映画ファンの方も新たな発見があるはず! まさにコミックファンの方も、映画ファンの方も楽しめるガイドブックとなっています。


また、登場人物だけでなく、施設や兵器などのアイテムの比較も掲載。
これらを詳しく知ることで、よりMCUの世界に入り込めるかもしれませんね。

▲『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』のイメージイラスト

そしてコミックファンの方は必見! それぞれの作品の章には原作コミックのイラストも収録。映画の世界観をイラストで楽しむことができます。

▐ ファンならニヤリとする?小ネタも満載


紹介している情報のほか、劇中に出てきた、いわゆる“小ネタ”も細かくカバーしており、ファンなら思わずニヤリと笑ってしまう情報があるかもしれません。
中には、この本で初めて明かされる情報もあるそうですよ。


例えば、“ドクター・ストレンジ”に登場するウォンの項目には「彼は西洋の最新ヒット曲を愛聴している。」との一文が(クリックもしくはタップで拡大できます)。音楽を聴きながら仕事をすることもある、ウォンらしい小ネタです。

ちなみに個人的に好きな小ネタは、アントマン(スコット・ラング)の「彼は前科を隠して働こうとしたものの、すぐにサーティワンアイスクリーム社の調査力を思い知った。」です(笑)。
みなさんもぜひ、好きな作品の項目を読み込んでみてください!

▐ 年末年始の長期休みにはMCU作品を振り返ろう!


通常ご紹介しているアメコミと違い、かなりの文字数を誇るボリュームですが、その分読み物としても十分楽しめる『マーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブック』。年末年始の長いお休み、このガイドブックを片手に、MCU作品を見返してみてはいかがでしょうか?

それでは本日はこのあたりで失礼します。
来週はクリスマスにぴったりな「あの作品」をご紹介するかも……?
次回の更新もお楽しみに!

(文責:松本)
© 2019 MARVEL 


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2019年11月6日水曜日

映画『ジョーカー』を観た後でも観る前でも楽しめるジョーカー邦訳アメコミ10選!



「アメコミ魂」の読者のみなさま、ご無沙汰しております!

本ブログを再開しますと宣言したものの、舌の根の乾かぬうちに、未投稿のまま半年が過ぎてしまいました。大変失礼いたしました。最後に書いた記事が「平成」の終わりでしたので、新元号「令和」となって初投稿になります。1年に数回しか更新しないブログなんか滅多にないですよね……申し訳ございません。相変わらず手作り感満載のブログですが、細々と更新してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。


▣映画『ジョーカー』、予想外(!?)の大ヒット

さて、映画をご覧になった読者さんも多いと思いますが、ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞受賞作品の『ジョーカー』が日本でも大ヒットしています。「世界興行収入9億3,000万円(約1,012億円)突破!」「史上最多、アカデミー賞16部門にノミネート!」など話題に事欠かない、いま最も注目すべき映画です。国内の週末ランキングでは、4週連続第1位に輝き、日本の興行収入でも35億円を突破し、50億円の大台が期待されています。日本における“アメコミ映画”が4週連続第1位となったのは、なんと2002年公開の映画『スパイダーマン』以来、17年ぶりの快挙ということですから、この映画の凄さが数字だけでも伝わってきます。

本作は、あの凶人ジョーカーが主人公なので、もちろんR指定です。とはいえ、あくまで個人的な意見ですが、それほど過激でグロテスクなシーンはありませんでした。過激さよりも映画の内容に引き込まれてしまい、いつしか自分がジョーカー側に立って彼を応援しているという恐ろしさを感じました。ちなみに、R指定映画での世界興行収入ランキング第1位は『デッドプール2』でしたが、『ジョーカー』は、あの爆発的な勢いのあったデッドプールの記録までをも塗り替え、R指定映画の第1位となりました。必ずや映画史に残る作品となるでしょうね。

現在、公開5週目となる『ジョーカー』は、残念ながら、同じくワーナー・ブラザース映画配給の『IT/イット THE END  “それ”が見えたら、終わり。』に第1位の座を明け渡してしまいました。それでも『ジョーカー』の快進撃はまだまだ続くと思いますので、気になる方は、ぜひ映画館に足を運んでください!

ちょうど1年半くらい前に、今後公開するDCコミックス原作の映画のラインアップについて配給会社さんとお話する機会がありました。当時は、R指定になるとの情報もあり、また映画の規模的にも『ジョーカー』の宣伝にはあまりお金をかけないと聞いていたので、話題にもならずに終わるのかなと思っていたのですが、ここまで大ヒットするとは嬉しい誤算でした。個人的にはここ数年のDCコミックス映画のなかでもイチオシの作品でしたので、喜ばしいかぎりです。

映画『ジョーカー』は、CGやVFXなどの最先端技術を駆使したハリウッド超大作のアメコミ映画に比べると、低予算で製作されているようです。確かにこの映画には、超人的なスピードで移動したり、目から光線を出したり、宇宙で壮絶なバトルを繰り広げたりするようなシーンはありませんからね。アメコミの壮大な世界観を実写化するには、最新の映像技術や予算が必要だと思いますが、『ジョーカー』のような渋いアメコミ映画も大歓迎です!


▣「ヴィラン」という言葉の浸透

「ジョーカーは、ヒーローではなくヴィランだ」と言ったとき、いまでは多くの人がその意味を理解してくれるはずです。「ヒーロー(Hero)」という言葉は昔からよく使われていたと思いますが、ヒーローに対する「ヴィラン(Villain)」という言葉が日常的に浸透したのはここ数年ではないでしょうか。ヴィランとは、悪党、悪者、悪役、敵役という意味ですが、アメコミではよく使われる言葉です。ずいぶん昔の話になりますが、私が邦訳アメコミに携わりはじめた当初は、日本語で「ヴィラン」と表記して読者に通じるものか悩んだことがあったくらいです。

ヴィランという言葉の認知度が上がったのは、アメコミ映画が途切れることなく公開され、広がりをみせていったのも理由の一つです。アメコミ映画は80年代、90年代にもありましたが、2000年代に入ってからは多くの作品が公開されました。なかでも『X-MEN』(2000年)や『スパイダーマン』(2002年)は、いまのアメコミ映画の礎を築いたといっても過言ではないかと思います。2008年には『ダークナイト』や『アイアンマン』、2012年には『アベンジャーズ』など、現在では誰もが知っている作品が公開され、ある種ニッチ的なイメージのあった「アメコミ」という言葉が浸透し、アメコミ映画というジャンル自体も市民権を得ました。スーパーヒーローが主人公のアメコミ映画にとって、敵役であるヴィランは必要不可欠な存在です。MCUでも、『スパイダーマン』シリーズでも、DCEUでも毎回個性的なヴィランが登場します。さらには、2016年の『デッドプール』や『スーサイド・スクワッド』、2018年の『ヴェノム』など、ヴィランやアンチヒーローを主人公にしたアメコミ映画も多くの人に受け入れられました。そのような流れのなかで、「ヴィラン」という言葉も浸透したのだと思います。

また、日本のマンガやアニメ作品の中でも「ヴィラン」という言葉が使われはじめたことも大きかったと思います(実は最大の理由かもしれませんが……)。2014年から週刊少年ジャンプで連載が始まり、2016年からアニメシリーズも放送されている『僕のヒーローアカデミア』がその代表的な作品です。作中でも、超常能力である「個性」を悪用する敵をヴィランと呼んでおり、その悪の組織をヴィラン連合と称しています。かくにも、ヴィランという言葉が日常的に通じるなんて「いい時代になったなあ」と、大袈裟かもしれませんが、いちアメコミ読者としては感慨深い気持ちでいっぱいになります……と、ここまで約2,300文字書き終えたところで、本題である邦訳アメコミをご紹介いたします!


▣ヴィランを代表する“ジョーカー”が活躍する邦訳アメコミ10選!

DCEUとは無関係、原作とはまったくの別物と聞いて、映画『ジョーカー』を鑑賞しました。ジョーカー役のホアキン・フェニックスの怪演もあってか、個人的には原作のイメージを壊さずにジョーカーを描いた作品だと感じました。また、過去の名作映画を想起させるシーンも鏤められているので、映画ファンには堪らない作品ですね。売れないコメディアンが“ジョーカー”という凶人になるまでを描いた物語なので、原作や背景を知らなくてももちろん楽しめます。ただ、アメコミ読者ならニヤリとするシーンもあったのではないでしょうか? そこで今回は、鑑賞前でも鑑賞後でも楽しめるジョーカー邦訳コミック10作品をみなさまにご紹介したいと思います(各コミックのあらすじや詳細は、書名をクリックして小社の書籍紹介ページをご覧ください)。


『バットマン:キリングジョーク 完全版』

本作は、あの『ウォッチメン』を書いたアメコミ界の鬼才ライター、アラン・ムーアが放つジョーカー誕生譚です。ジョーカーのオリジンを描いたアメコミはいくつかありますが、代表作といえば、必ずこの「キリングジョーク」が挙げられるので、映画の下敷きにもなっているはずです。実際、売れないコメディアンという設定や貧しくも家族(原作では妻、映画では母親)の生活を支えなければならない設定などは共通しています。読み切り作品で、邦訳アメコミのなかでは比較的良心的な価格(本体価格1,800円+税)なので、映画を観た人はぜひ手に取ってみてください。映画公開後、入手しにくい状況となっておりますが、ここ1ヶ月の間に二度ほど重版をかけていますので、しばらくお待ちください。11月下旬には書店さんでもすぐ買える状態になると思います。

『バットマン:キリングジョーク 完全版』


『ジョーカー[新装改訂版]』

アーカム・アサイラムから釈放された凶人ジョーカー。彼に憧れ、彼の下で働く青二才ジョニー・フロストを通して、ゴッサムシティで暴れる、残忍で凶暴なジョーカーの姿が語られていきます。本作の最大の魅力は、人気アーティストのリー・ベルメホが描くジョーカーです。見てください、この生々しいジョーカー! 表紙だけではなく、本編もベルメホが担当しているので、リアルでカッコいいジョーカーが好きな人は必読です。本書も読み切りのグラフィック・ノベルで、価格も『バットマン:キリングジョーク』と同じです。また、リー・ベルメホが脚本と画を担当した『バットマン:ノエル』はこの時期にぴったりな内容ですので合わせてお読みください(もちろんジョーカーも登場します!)。

『ジョーカー[新装改訂版]』


『バットマン:喪われた絆』
『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』
『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』

新規読者にも入りやすいように、DCコミックスのユニバース全体を再構築し、物語をリスタートした“ニュー52”というシリーズがあるのですが、そのシリーズのバットマン誌で初めてジョーカーが登場したのが、この「喪われた絆」編です。本編は『バットマン:喪われた絆』、その外伝にあたるのが『ジョーカー:喪われた絆』になります。3巻まとめてお読みいただくと、物語を完全に把握することができておススメです。もちろん本編だけでも、ジョーカー上下巻だけでも楽しめますよ!

『バットマン:喪われた絆(THE NEW 52!)』

『ジョーカー:喪われた絆〈上〉(THE NEW 52!)』

『ジョーカー:喪われた絆〈下〉(THE NEW 52!)』


『バットマン:ヨーロッパ』

本書は、2019年9月に発売した邦訳コミックです。アメリカで2015年に発表されたミニシリーズが底本なので、比較的新しいコミックになります。ウイルスに侵されたバットマンとジョーカーが治療薬を求めてヨーロッパ各地を巡るという物語なのですが、宿敵である二人の旅路の果てには何が待ち受けているのか……続きは本書でお楽しみください。

『バットマン:ヨーロッパ』


『ジョーカー:ラスト・ラフ』

2019年1月発売の邦訳コミックです。今年は、映画『ジョーカー』の公開が控えていたので、後にも続きますが、多くのジョーカー関連コミックを刊行しました。また、1940年にアメリカで発売された"Batman #1"で初登場を飾ったジョーカーにとって、来年2020年は生誕80周年にあたります。来年も多くのジョーカーの邦訳コミックが刊行できるよう、引き続きご声援のほどよろしくお願いします。本書「ラスト・ラフ」では、犯罪界の道化王子という異名を持つジョーカーの変人的な行動に注目です。彼が放つ一世一代のジョークとは……ご期待ください。

『ジョーカー:ラスト・ラフ』


『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』

2019年10月に発売したばかりの新刊です。本書は、邦訳リクエストが多かったので、いつか刊行しようと考えていた作品です。ジョーカーの宿敵といえばバットマンですが、今回、ジョーカーの前に立ちはだかるのは“鋼鉄の男”スーパーマンです。スーパーマンは宇宙の皇帝となったジョーカーを倒すことはできるのか? ジョーカーというキャラクターの幅の広さを感じる一冊です。

『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』


『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』

日本では『バットマン:ヨーロッパ』と同時発売した作品になります。アメリカでは2017年に第1巻、2018年に第2巻が発売され、その後、合本版が発売されました。本書は合本版を底本にしています。バンド・デシネ(フランスのマンガ)作家のエンリコ・マリーニ(フランス人ではなく、実はイタリア人です)がバットマン&ジョーカーの物語を描いているのが特徴です。バンド・デシネ作家による渾身のアートをご堪能あれ!

『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』


⑩『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』

本書は、ライターにグラント・モリソン、アーティストにデイブ・マッキーンという、奇抜で独特な世界観を持つ二人が生み出した伝説的なコミックです。残念ながら、現在、日本語版が入手困難となっておりますが(お近くの書店さんに在庫があれば即購入することをお勧めします)、近いうちにコミック本編だけを編集し、ソフトカバー版で出版することを検討しております。

『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』


さて、気になる邦訳コミックはあったでしょうか? 上記以外にもジョーカーは様々なコミックに登場しております。個人的には『バットマン:マッドラブ 完全版』のジョーカーが大好きです。それにしても、“ジョーカー”は、なぜこれほどまでに人を魅了しつづけるのでしょうか……その答えは邦訳コミックのなかにあるのかもしれません。

では、今日はこの辺で失礼いたします。来週もよろしくお願いします。

(文責:乙間萌生)
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