2020年2月25日火曜日

2月刊行『バットウーマン:エレジー』と『マーベル・ミャオ』をご紹介


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
最近はすっかり暖かくなってきましたね。2月も終盤で春の訪れを感じられるようになってきたのではないでしょうか。ついでに花粉も感じられますね……。


本日は先週発売したタイトル、『バットウーマン:エレジー』『マーベル・ミャオ』をご紹介いたします。

▲『バットウーマン:エレジー』書影

『バットウーマン:エレジー』は現在米国で放送されている実写ドラマ『バットウーマン』の原案作品にもなっております。ドラマ化の影響もあってか、今最も注目されているヒロインの一人ともいえるバットウーマンですが、実は単独誌の邦訳は今作が初めてです。

▐ 語られるバットウーマンの戦いと、オリジンストーリー


ケイト・ケインことバットウーマン初登場誌は本作ではなく52という週刊シリーズになります。ここでは、ゴッサムシティを離れたバットマンことブルース・ウェインの代わりに、バットウーマンが街を守るための戦いをしていました。この戦いの中で犯罪教団に狙われ、九死に一生を得ることになるのですが、その物語の続きが本作になります。

『バットウーマン:エレジー』の舞台は『ファイナル・クライシス』と呼ばれるイベントの後に、ブルース・ウェインが消えたゴッサムシティ。そこで自警活動を行っているバットウーマンの耳に、かつて戦った犯罪教団が新しい指導者を迎え、再びゴッサムに魔の手を伸ばそうとしているという情報が入ります。バットウーマンは街を守るため、そして自分を狙う犯罪教団を今度こそ倒すため、街を奔走します。




しかし、犯罪教団の新たな指導者を相手に、一度敗北してしまうバットウーマン。街を滅ぼそうとする強大な相手を前に、バットウーマンはどのように戦うのでしょうか。新たな若きヒロインの戦いに注目です。


犯罪教団の新たな指導者の名前はアリス。自分をルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に心酔し、自らをアリスと名乗る謎の女性です。彼女の発する台詞は全て『不思議の国のアリス』または『鏡の国のアリス』のアリスの台詞を引用したものと、底の見えないキャラクターです。



さらには口の中に毒を塗った刃物を隠し持つなど、普通ではなく一筋縄ではいかない敵です。ドラマ『バットウーマン』でも登場するこのキャラクターですが、バットウーマンの過去につながるキーキャラクターでもあります。アリスを模倣して本性の見えない彼女が抱える秘密とは一体何なのでしょうか。その答えはコミックスで確認してみてくださいね。


また本書後半では、ケイトがバットウーマンとして活動するに至るまでの物語も掲載されております。この作品を読めば、バットウーマンのオリジンも知ることが出できるので、来る実写ドラマの日本放映に備えることもできちゃいます。ちなみに本作はNEW52!期以前の物語になりますが、このオリジンはNEW52!以降にもおおむね持ち越された設定になっています。



▐ J・H・ウィリアムズⅢの描く、独特なアートとコマ割り


今作の見どころはなんといってもJH・ウィリアムズⅢのアートではないでしょうか。魔術をテーマとしたアラン・ムーアの作品『プロメテア』でもその神髄を発揮しましたが、今作でもその才能を発揮しています。特に独特のコマ割りが随所で目立ち、バットウーマンのシンボルのようなコマ割りや、鏡合わせのようなコマで描かれるページなど、普段のアメコミではなかなか見られないアートを堪能することが出来ます。







また今作でも宗教や魔術のような要素もあり、アートも神秘的なものが多く見受けられます。『プロメテア』のような世界観が好きなファンの方にもお勧めできる一冊です。

▐ かわいい猫がマーベル世界を席巻する!? 『マーベル・ミャオ』


『マーベル・ミャオ』は先日の222(猫の日)に発売いたしました。また23日にはヴァ―スコミック様にてサイン会も開催させていただきました。このサイン会には102名もの読者の皆さまがいらしてくださいました。お越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。

▲『マーベル・ミャオ』書影

さて、そんな『マーベル・ミャオ』ですが、内容はキャプテン・マーベルの飼い猫チューイが、マーベルのあんなキャラクターからこんなキャラクターまでと可愛く戯れるというお話。皆さまお馴染みのスパイダーマンやアイアンマンといったキャラクターから、少しコアファン向けなキャラクターまで、実に多くのキャラクターたちが登場します。



また、各キャラクターについて一言解説を入れたページもあるので、マーベルキャラクターたちを簡単に知ることもできちゃう、アメコミ初心者向けの書籍でもあります。



サイン会でもMCUは見ていたけど、アメコミとして買うのは『マーベル・ミャオ』が初めてだという方もいらっしゃいました。


可愛い猫とマーベルキャラクターたちに会いに行けば、きっとお気に入りのキャラクターも見つかるはず? アメコミが好きな方も初めてな方も楽しめる一冊になっております。


それでは本日の記事はここまでです。
次回の更新もよろしくお願いします。

(文責:比嘉)
TM & © 2020 DC Comics. All Rights Reserved.


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2020年2月18日火曜日

知識は力なり!初心者にもおすすめアメコミビジュアルブック4選



アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。

突然ですが、アメコミ初心者の方がぶつかりがちな悩みは「刊行点数が多すぎてどこから読んでいいのか分からない」だと思います(私自身もそうでした)。

本日はそんな方にもぜひおすすめしたい! アメコミ通の方も、アメコミ初心者の方も楽しめるイラストや写真をメインにした「ビジュアルブック」を紹介します。

▐ 映画派にもおすすめ『バットマン・キャラクター事典』



最新のコミックアートとともにバットマンやゴッサムシティに関する、200人を越えるキャラクターを収録! 強い者、奇妙な者、いかれた者……長い歴史に彩られたバットマンの世界"に登場する数々のキャラクターがここに集結! 魅力的なキャラクターそれぞれのオリジン、武器、得意技、能力などの解説を、DCコミックスを代表するアーティストによる迫力あるアートを全ページに配しながら掲載!

バットマンをはじめとするゴッサムシティの住人、ヴィランなど200人以上の情報を収録したキャラクター事典。
キャラクターに絞った事典なので「映画は見たことあるけれど、アメコミは初心者!」という方にもおすすめです。聞き覚えのあるキャラクターがたくさん出てくるはず。

バットマンは昨年で80周年を迎えました。歴史のある作品だからこそ、掘り下げていくと登場人物がわからなくなる……なんてこともしばしば。しかしそんなときでも、この事典を片手に読み進めると、よりバットマンの世界が楽しめますよ。

▐ ダークナイトの世界を知るならこれ! 『バットマン:ビジュアル・ヒストリー』



コミックスを代表するヒーローこと、バットマンが誕生した1939年から全世界共通の文化的アイコンとなった現在にいたるまでを、歴史に名を残す主要なストーリーを網羅しながら徹底解説! ロビン、ジャスティス・リーグをはじめジョーカーやキャットウーマンなどバットマンにかかわるスーパーヒーローやスーパーヴィランの経歴もまとめた充実した内容はまさに決定版!                                                                

もはやひとつのカルチャーとして親しまれるヒーロー、バットマンの世界をまとめたヒストリーブック。
これまで発売された膨大なバットマンシリーズの表紙やあらすじはもちろん、その他キャラクターやガジェットを時代の流れとともに振り返ることができます。

お値段は比較的高めですが、これ1冊でバットマンの世界を隅から隅まで知ることができます! 膨大なイラストと資料の数々は、眺めているだけでも満足感を得られること間違いなしですよ。

▐ マーベルのヒーローを網羅『アベンジャーズ大全』



キャプテン・アメリカ、ソー、アイアンマン、アントマン、ホークアイなどチームを代表するヒーローはもちろん、ワスプ(ナディア・ピム)やミズ・マーベル(カマラ・カーン)といった新たなメンバーの詳細な情報も掲載。 アベンジャーズ創設時からアベンジャーズ VS. X-MEN"“インフィニティ"“シークレット・ウォーズ"“シビル・ウォーII"などの主要なテーマやストーリーを各年代別に徹底解説!

マーベルの登場人物の中でも、ヒーローチーム「アベンジャーズ」に焦点を当てたビジュアルブック。年代ごとに登場人物のプロフィールや背景などが細かく紹介されています。

アメコミの中でも、まずはアベンジャーズから知りたい……!という方はぜひ読んでみてください。

▐ MCUをカバーするなら『マーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブック』



大人気のマーベル・コミックを原案とした映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」。2014年の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から2017年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に至る、観客を興奮の渦に巻き込んだヒット作に登場したすべての主要登場人物、場所、組織、兵器などを大紹介! 豊富なビジュアルや各作品のイラスト、さらに映画では明かされなかった情報も新たに収録された、この一冊で「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」を総復習! 次回作のフェーズに備えよう。

こちらはマーベル・コミックではなくマーベル・コミックを原案とした映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)」のガイドブック。

2014年の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』から2017年の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』に至る登場人物や場所、組織、兵器についてなど……。かなりの情報が記載されています。
本書の最大の特徴は、マーベル編集部公式という点。そのため、映画とコミックにおける設定を比較しながら読むことができます。これができるのもマーベル編集部公式だからこそ! ぜひ映画とコミックを見返しながら楽しんでみてくださいね。

※『マーベル・シネマティック・ユニバース ガイドブック』に関する記事はコチラ

▐ ビジュアルブックでさらなるアメコミの世界へ!


ビジュアルブックは本編の内容をまとめたものになりますので、話を読み進める面白さはないかもしれません。
しかし、このようなビジュアルブックをあわせて読むと知識が増え、歴史あるDCやマーベルコミックを読み進めるのがとても楽しくなりますよ! 「映画は見たことある」という方も、聞き覚えのあるキャラクターについて知るだけで興味がより深まるはずです。コミックとともに、ぜひビジュアルブックを手に取ってみてください!

それでは本日はこのあたりで。
次回の更新もよろしくお願いします!

(文責:松本)
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2020年2月13日木曜日

少女を巡って騎士と道化師が対決!『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
2月も早いものでもう中盤ですね。個人的にはつい先日年が明けた気分なのですが……。
また、先日のアカデミー賞では『ジョーカー』が主演男優賞と作曲賞を受賞しましたね! アカデミー賞の結果を受けて、またホアキン・フェニックスの名演技をスクリーンで見たくなった人は多いのではないでしょうか。



▲『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』書影

こちらの作品は『バットマン:ヨーロッパ』とともに昨年のバットマンデーに併せて刊行したタイトルです。カバーのアートからは、どことなく普段のアメコミとは異なる雰囲気を感じられるのではないでしょうか。

実はこの作品は、バンド・デシネ(フランスの漫画)作家である、エンリコ・マリーニが作画を担当した作品なのです。今までのアメコミアーティストにはなかなか見られない、独特な美しさを持つアートと、彼の紡ぐストーリーはまさに必見です。

そんな本作の簡単なあらすじはこちら。


バットマンことブルース・ウェインの前に現れた、謎の少女アリーナ。
 少女とブルースの関係に目を付けた”犯罪界の道化王子”ジョーカーは、自身の歪んだ計画のためにアリーナを誘拐する。
バットマンはかつてないほどの焦燥と怒りを抱きながら、少女を救うべくゴッサムの闇へと飛び込んでいく。
 謎の少女を巡り、歪んだゲームの舞台上で対峙するバットマンとジョーカー。
二人が激突する時、物語は予想外の結末へと向かっていく……


バットマンとジョーカーの対決を、オリジナルのキャラクターを中心に描いたスト―リーとなっております。現行の世界とは異なるエルスワールド物の読み切り作品なので、初心者にもおすすめの作品です。


▐ オリジナルキャラクター、アリーナとアーチー


この作品では、本作オリジナルキャラクターのアリーナという少女が物語のカギを握っております。バットマンことブルース・ウェインの娘であるという疑惑を持つ彼女は、その理由からジョーカーに攫われてしまいます。


しかし、自分を誘拐したジョーカーに対して「怖くないわ。バットマンが来るから」と啖呵を切ったり、ジョーカーの部下であるこれまたオリジナルキャラクターのアーチーに対しても蹴りを入れるなど、幼いながらも強い一面を持っている様子。




そして彼女の容貌ですが、目の部分に生まれつきのあざがついています。また服装は緑色のワンピースのような服と、白と赤紫のボーダーの服と、どことなくジョーカーに似た色合いの格好をしています。そして目の色も同じ緑色。そんな彼女の姿も注目のポイントです。

▲アリーニのスケッチ

そしてもう一人のオリジナルキャラクター、アーチー。彼は何度も自殺未遂を図っては失敗に終わり生き続けているといった男です。そんなこともあってか、ジョーカーに脅されても全く怯える様子もなく、逆にジョーカーに気に入られてしまいます。そんな彼にもぜひ注目して頂きたいとと思います。


▲ジョーカーの手下、アーチ―

▐ マリーニによって描かれるキャラクターたち


この作品で特に注目していただきたい部分は、なんといってもマリーニの描くキャラクターたちの姿です。カバーアートにも大きく描かれているバットマンは、現行の『バットマン』誌とは異なり、胸元のコウモリも黄色の縁取りがなくなり、より暗さが増しています。


▲バットマン

ゴッサムシティに降り立つ姿も暗く描かれており、バットマンの持つ陰鬱な雰囲気が最大限に描かれていると思います。そして何よりこの作品内で彼はほとんど笑うことがありません。表に現れる感情は怒りや焦りといったものが多く、描かれている姿とよく合っているように思えます。





それに対してジョーカーは赤紫色のサスペンダー付きのベストに蝶ネクタイを装備しており、とてもおしゃれに描かれています。またジャケットも着用している場面もあり、そのかっこよさはジョーカーファンにはたまらないのではないでしょうか



▲ジョーカー、おしゃれですね……!

また、ジョーカーはバットマンに対して表情が豊かに変わります。怒ったり笑ったり驚いたりと、残酷さとかっこよさを持ちながらコミカルな部分もあり、大変魅力的に描かれています。






そんなジョーカーの隣にいるハーレイ・クインも、とてもキュートに描かれており、髪型も角のようになっていてとても可愛らしく感じられます。またアリーナにストックホルム症候群とリマ症候群の間違いを指摘されたりと、少し抜けているみたいです。


▲ハーレイ、少しむくれている様子

『バットマン:ブライド・オア・バーグラー』では神経学の博士号を4つ持っていると記述されたハーレイですが、ここではそこまで賢くはない様子。作品ごとに微妙にキャラクターの特性が違って描かれるのは、アメコミの面白いところだと思います。

もちろんキャラクターだけではなく、マリーニの描くゴッサムシティにも注目です。普段より昏さをもった街の様子を楽しめますよ。

バンド・デシネ界の鬼才が描いたバットマンの物語。ぜひお手に取ってみてくださいね。


▐ 猫の日に発売!『マーベル・ミャオ』


最後に、来週の猫の日2月22日(土)に刊行予定の『マーベル・ミャオ』をご紹介いたします。こちらの書籍ですが、先日見本誌が上がってまいりました。

▲『マーベル・ミャオ』見本誌

表紙からもうかわいらしさ前回のこの一冊。スパイダーマンに肉球パンチ(?)を繰り出しているのは本作の主人公、キャプテン・マーベルの飼い猫チューイ。そんな可愛らしいチューイに、なんと総勢50名を超えるマーベルキャラクターたちが翻弄されちゃいます!アメコミに詳しいあなたも、詳しくないあなたも、あのヒーローたちと一緒にチューイの可愛さに癒されてはいかがでしょうか。

▲キャプテン・マーベルとチューイのお話、可愛い

それでは本日の記事はここまでです。
次回の更新もよろしくお願いします。

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2020年2月4日火曜日

バッツとJが共闘の旅へ!『バットマン:ヨーロッパ』の魅力


アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。

先日ShoPro BooksのTwitterにて、『アメコミ魂』に関するアンケートを実施いたしました。

多くの方にご協力いただき、編集部一同とても嬉しいです! ありがとうございました!
いただいたご意見をもとにこれからも精力的にアメコミ魂を更新していきますので、お付き合いいただけますと幸いです。

さて、今回は9月発売で、すでに2刷となっている人気作『バットマン:ヨーロッパ』についてご紹介していきたいと思います!

▐ 構想から発売まで11年の時を経た『バットマン:ヨーロッパ』

▲『バットマン:ヨーロッパ』書影

『バットマン:ヨーロッパ』は、宿敵同士であるバットマンとジョーカーが同じウイルスに感染し、その治療法を探すため、ともにヨーロッパを旅する……というストーリー。

企画は2004年に発表されていましたが、実際発売されたのは2016年。
アメコミ界最高峰のアーティスト、ジム・リーとアメリカ人アーティストのジュゼッペ・カムンコリが中心となり、新しい企画――『バットマン:ヨーロッパ』の構想ができあがったといわれています。
長い間実現しなかったこの企画は“幻の作品”とも呼ばれていたそう。

そんな『バットマン:ヨーロッパ』の見どころを3つに絞り、ご紹介していきたいと思います。
まだ読んだことのない方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

▐ 見どころ①:宿敵同士の共闘!芽生えるのは友情?それとも……。

『バットマン:ヨーロッパ』の見どころのひとつは、やはり宿敵同士が協力しながら旅をするというシチュエーション。
治療薬を手に入れるためには、お互いの協力が不可欠……。
これまで長きに渡り敵対関係にあったバットマンとジョーカーが手を組み、奇妙な旅を始めます。



「俺が必要ってことか」
「いいね」「最高じゃん」

ジョーカーは80年にもわたり、バットマンの最大の敵として描かれていました。
お互いがお互いを存在理由として認め、ある意味信頼し合っている(もちろんバットマンはそんなこと口には出しませんが)ふたりが共闘し、同じ敵を倒す姿には、映画やコミックによく見られる“バディもの”とはまた違う魅力を感じることができます。

ときには軽口を叩き合いながら、ヨーロッパを旅するふたりの姿はなんだかシュール。
全編を通じてシリアスなストーリー展開ですが、この遊び心のあるセリフ回しも魅力的です。


「…そろそろ美しい友情が花開きそうな気がしねえか?」

▐ 見どころ②:アーティストの個性が光る美しいアート

企画の中心となったジム・リーを始めとする執筆陣による、美しく、迫力のあるアートも見どころのひとつ。
それぞれの個性が光るアートはとても見応えがあり、眺めているだけでも楽しめます。


ディエゴ・ラトーレが手掛けた第3章のアートを少しだけご紹介……。
見ているとその世界に吸い込まれそうな画風は、徐々に熱病に侵されていき、正気を保てなくなるバットマンの頭の中のようです。

また、多彩なバリアントカバーを生かして、発売時には特典のクリアファイルのイラストをTwitterの投票で決めさせていただきました!
皆さまはどのイラストが好きですか?


個人的には、裏表紙にも使用しているこちらのイラストが「ヨーロッパ」らしさがありお気に入りです。

見どころ③:アメコミで楽しむヨーロッパの名所

普段見慣れているゴッサムシティを離れ、遠いヨーロッパの国々を旅するふたり。
実在する有名スポットを巡っているので、ふたりの旅を想像しながら楽しむことができます。

全部はお見せできませんが、本文からいくつかご紹介します!

▲パリのモンマルトルのサクレ・クール寺院や、
老舗のナイトクラブ、ムーラン・ルージュ。

▲二人の前にある遺跡は円形闘技場コロッセオ。

その気になれば『バットマン:ヨーロッパ』の聖地巡礼だってできちゃいます!
ぜひ実際に彼らと旅をしている気分に浸ってみてください!


それでは本日はこのあたりで。
次回の更新もよろしくお願いします。

(文責:松本)
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