2019年11月26日火曜日

バットマンとキャットウーマンは結ばれるのか!? 『バットマン』最新刊を解説!



『アメコミ魂』をご覧の皆さま、こんにちは!

先日、1122日(金)~24日(日)に幕張メッセにて「東京コミコン2019」が開催されました。我々ShoPro Booksも物販ブースを出展いたしました。お越しくださった皆さま、本当にありがとうございました!

▲ShoPro Booksブースの様子
▲映画の影響で、ジョーカー関連タイトルは大人気!

普段から贔屓にしてくださる読者の皆さまと直接触れ合うことができたのは、とても貴重な体験でした。また、我々のブースで「邦訳アメコミ」の存在を初めて知ったという方々に、自分が担当したコミックスを手に取っていただけたことが感慨深かったです。購入者特典の会場限定ポストカードやポスターにも、多くの方に喜んでいただき、スタッフ一同嬉しいかぎりです。来年はもっと色々なことを行いたいと考えていますので、ぜひご期待ください!

さらに、今回ブースにて初めて発表させていただいた新刊情報もありました。改めてこちらのブログでも告知させていただこうと思います!


▐ 10年の時を経て再上陸!『マーベル・エンサイクロペディア』




『マーベル・エンサイクロペディア』は、以前小社より発売した『マーベル・キャラクター大事典』の大幅リニューアル版です。1,200体以上の人気キャラクターの情報を完全網羅した、まさに“決定版”といえるビジュアルブックです。前回の『マーベル・キャラクター大事典』から、マーベル・ユニバースの最新動向に合わせて内容は全面改定。さらに48ページの新規ページが追加されております!

熟読すればマーベル博士になれること請け合いの一冊です。現時点では、初回配本(印刷)分は、4000部限定で検討しておりますので、ご興味のある方はお早めに!


 その可愛さでマーベル・ユニバースを席巻!『マーベル・ミャオ』




マーベルの公式Instagramに突如公開され話題を呼んだ、藤ナオさんの『マーベル・ミャオ』が書籍化! ほぼ全編描きおろしで、様々なマーベル・ヒーローたちが気まぐれなスーパーキャットに翻弄されちゃいます。

これから少しずつ情報を出していきますので、こちらもぜひチェックしてください。猫の日の2020222日に発売予定ですので、ご期待ください!


米国でドラマも放送中!『バットウーマン:エレジー』


※原書イメージ


現在、米国では実写ドラマも放送されている「バットウーマン」。その原作シリーズにあたる『バットウーマン:エレジー』2020220()に刊行いたします。残念ながら、日本でのドラマ放送は未定ですが、日本でも視聴できる日に向けて、本書でバットウーマンの魅力に触れていただければ幸いです。また、バットウーマン単独誌の邦訳は本書が初となります。

さて、肝心の内容ですが、ゴッサムシティから姿を消したバットマン(ブルース・ウェイン)に代わり、ニューヒロインとしてゴッサムの守護者となったバットウーマンの戦いが描かれます。そのお相手は『不思議の国のアリス』に触発された“アリス”と名乗る女性。彼女は犯罪カルト組織を率いて、ゴッサムシティを死のワンダーランドに変えようと企みます。バットウーマンはバットマンに代わり、ゴッサムシティを守り切ることができるのか? ぜひその目でお確かめください!


▐ いよいよ第6巻刊行!『バットマン:ブライド・オア・バーグラー?』


▲バットマン:ブライド・オア・バーグラー?(絶賛発売中)

さて、ここからはバットマンの新刊に触れていきたいと思います。8月に刊行した『バットマン:ルール・オブ・エンゲージメント』に続き、本作『バットマン:ブライド・オア・バーグラー?』でもバットマンとキャットウーマンの結婚を巡り、物語は進んでいきます。

前作ではバットマンとスーパーマンのダブルデート回で、ヒーロー同士の友情が描かれましたが、今回は異世界でバットマンとワンダーウーマンが二人きり、尽きない敵を相手に戦い続けるというストーリーも収録されています。



しかも戦いの舞台は地球と時間の流れが異なり、地球での1時間は、その世界での数年に相当してしまいます。そのため、二人は尽きない敵を相手に何十年と戦い続けることに……。はたして二人は無事に異世界から脱出できるのでしょうか。そしてバットマンはキャットウーマンへの愛を貫けるのでしょうか。

また後半のストーリーでは植物を操るポイズン・アイビーが登場。



彼女は『バットマン:ウォー・オブ・ジョーク&リドル』でリドラー側の陣営として登場していました(内容を紹介した記事はこちら)。今回のポイズン・アイビーはなんと世界を乗っ取るという大胆なことを仕出かします。その魔の手にジャスティス・リーグすらも呑み込まれてしまい、バットマンとキャットウーマンは文字どおり世界から孤立することになってしまします。

ポイズン・アイビーが操るヒーローたちを相手にする危機的状況を、バットマンたちはたった二人でどう切り抜けるのでしょうか?



▐ 12月には続巻『バットマン:ウエディング』が発売!


▲バットマン:ウエディング(12月19日発売予定)

こちらはついにバットマンとキャットウーマンが結婚する……?という物語。物語前半では、ブースター・ゴールドがバットマンにある“贈り物”を行ったことで、なんと時空が乱れてしまう……というお話になっております。



ブースター・ゴールドは1月発売予定の『ヒーローズ・イン・クライシス』で重要なキャラクター。何故彼がヒーローたちの療養施設“サンクチュアリ”に向かうことになったのか、そのストーリーが描かれています。この機会にぜひチェックしてみてください。

そして物語の後半はいよいよ結婚への大詰め! 多くの試練を乗り越えて、ついに結ばれようとする二人の前に現れるのは……やはりあの男、犯罪界の道化王子ジョーカー。



彼はバットマンを「結婚から救いに来た」とうそぶき、バットマンを昏倒させ、キャットウーマンと対決します。しかし、バットマンにとってキャットウーマンとの結婚は悲願といっても過言ではないもの。そこから“救う”とは一体どういう意味なのか。ジョーカーの真意は皆さんの目でお確かめ頂ければと思います。

それでは、本日はこの辺で失礼いたします。

来週の「アメコミ魂」の更新は12月3日(火)19時~20時頃を予定しております。引き続きよろしくお願いいたします!

(文責:比嘉)
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2019年11月19日火曜日

ジャスティス・リーグVS悪の連合軍!新体制となった『ジャスティス・リーグ』最新作



『アメコミ魂』をご覧のみなさま、こんにちは!

明後日21日(木)は、ShoPro Booksの新刊アメコミ『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』『バットマン:ブライド・オア・バーグラー?』の発売日です。明後日刊行するジャスティス・リーグは、最新シリーズの第2巻目ですので、今から読みはじめても充分ストーリーを追いかけることができます。未読の方は、今日ご紹介する記事を参考にしていただければ幸いです。バットマンの新刊は、シリーズ第6巻目となりますが、来月刊行する期待作『バットマン:ウェディング』を読むためにも必読のアメコミですので、ぜひ手に取ってみてください。


さて、今回は、2019年10月、11月と続けて発売となりました『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』についてご紹介したいと思います。

『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』は、2011年にDCユニバースを再構築した“THE NEW 52!”シリーズ、2016年にリニューアルした“REBIRTH”シリーズに続く、現行の『ジャスティス・リーグ』シリーズです。DCの超大型イベント『ダークナイツ・メタル』を手掛けたスコット・スナイダーが紡ぐ、新たなジャスティス・リーグの物語がいま始まります。

※これまでのジャスティス・リーグの変遷については、先日更新したこちらのブログで詳しく解説しております! ぜひあわせてご覧ください。


▐ 新メンバーを迎え再始動!『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』


▲ジャスティス・リーグ:新たなる正義(絶賛発売中)

舞台は『バットマン・メタル』後の世界。ジャスティス・リーグはさらなる脅威に備えるべく新体制となり、レックス・ルーサー率いる悪の連合軍「リージョン・オブ・ドゥーム」と激突します。



新ジャスティス・リーグのメンバーは、スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマン、アクアマン、フラッシュ、サイボーグ、グリーンランタン。そしてホークガールとマーシャン・マンハンター。



対するリージョン・オブ・ドゥームのメンバーは、レックス・ルーサー、シネストロ、ブラックマンタ、チーター、ゴリラ・グロッド、ジョーカー。

銀河の果てより飛来したエネルギー源「総和体(トータリティ)」をめぐり、最強のヒーローチーム、そして最凶のヴィランチームが激突! 地球だけにとどまらない、全宇宙を巻き込むとてつもない規模の戦いが始まります。


ストーリーの壮大さや迫力のあるアートはもちろんですが、個人的に注目したいのはヒーローたちの関係性が垣間見える会話劇。ジャスティス・リーグのメンバーがバットマンの声真似をして楽しむシーンは、なんだかスーパーヒーローたちが身近に感じられるユーモラスな場面となっております。ぜひ注目してみてください。


▐ アクアマン&ワンダーウーマンが活躍する『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』


▲ジャスティス・リーグ:神々の墓所(11月21日頃発売

多くのヒーローが所属するジャスティス・リーグですが、『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』のメインはアクアマンとワンダーウーマン。ふたりの宿敵であるヴィランのブラックマンタ&チーターと対峙します。

メインとなるストーリーは、映画『アクアマン』公開時に合わせ本国で刊行されたシリーズ。リージョン・オブ・ドゥームに加え、アトランティスとアマゾンに恨みを抱く「オーシャン・ロード」という古代の海神たちが復活! 地球に襲いかかる……! というもの。

宿敵ブラックマンタ、リージョン・オブ・ドゥーム、さらにはオーシャン・ロードの手から地球を守ることができるのか? 気になる展開は、ぜひ今月発売のコミックでチェックしてみてください!



また、映画のアクアマンといえば、公開当時は劇中で描かれた海底世界の美しさ、迫力が話題になりましたよね。今回、そんなアクアマンがということで『神々の墓所』のカバーの裏表紙にアクアマンをフューチャーしてみました。編集担当のちょっとしたこだわりにも注目してみてください(笑)。

▐ 「笑うバットマン」の登場




『神々の墓所』において、悪の天才レックス・ルーサーはジャスティス・リーグを倒すべく、ある人物を味方につけようとします。その人物こそが、『バットマン:メタル』に登場した“笑うバットマン”。

マルチバースの一角からやってきた彼は、バットマンでありながら全身をジョーカーのガスに侵されており、バットマンの持つ倫理観や正義感が欠如した存在です。

笑うバットマンはその奇抜な風貌、設定からとても人気の高いキャラクター! 今後どうストーリーに絡んでくるのか……。その動きにも注目したいところです。

▲『バットマン・フー・ラフズ』原書イメージ

また、2020年1月には、この“笑うバットマン”を描いた期待のアメコミ『ザ・バットマン・フー・ラフズ』が発売予定。こちらも楽しみにしていてください!


最新シリーズ「ジャスティス・リーグ」誌のライターであるスコット・スナイダーによると、今回のシリーズはなんと50作を超える長い長い物語になるとのこと。そのため、今日ご紹介した2作だけでは明かされない謎がたくさん出てくるかも……? どんな物語が待ち受けるのか、楽しみですね!


さて、次回のブログも来週火曜日に更新予定です。それでは!


(文責:松本)
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2019年11月16日土曜日

『オールスター・バットマン』全3巻を一挙紹介!



「アメコミ魂」の読者のみなさま、こんにちは!

来週はいよいよ東京コミコン2019が幕張メッセで開催されます(11月22日〔金〕~23日〔日〕)。我々ShoPro Booksは、今年も物販ブースを出展し、本体価格でご提供する予定です(消費税10%OFF)。また、購入者特典として、非売品のポストカードやポスターなどもご用意しておりますので、当日はぜひ我々のブースにお立ち寄りください。


先日、@ShoProComicsのTwitterアカウントにて「復刊もしくは新装版を刊行するならば『バットマン:笑う男』『バットマン:ラバーズ&マッドメン』『バットマン:アーカム・アサイラム』のどれを希望しますか?」という内容のアンケートを取らさせていただきました。結果、1000人以上のみなさまにご協力いただき、編集部一同心より感謝しております。また、別の投稿では「入手困難な邦訳コミックスの復刊希望や続刊を希望する邦訳コミックス」についてのご意見も伺いました。

実は、邦訳アメコミにおいて、少部数印刷の可能性を模索しており、上記のような質問をさせていただきました。商売の話をしてもつまらないと思いますが、制作現場では「少部数なら重版がかけられる」「もう少し需要があれば続刊が出せる」などの状況に直面することは多々あります。

作り手である我々でも採算を度外視して出し続けたいという思いは常にあります。ただ、それをやり過ぎると出版できるものもできなくなってしまいます。それでも読者さんの期待には応えたい。以前から、どうすれば読者さんの復刊希望や続刊希望を叶えられるだろうか考えていました。解決策の一つにデジタルコミックが挙げられます。これは我々単独で好き勝手にできるものではなく、権利者との調整が必要なので今すぐに、とまではいきません。とはいえ、近い将来には実現すると思います。また、大手米コミックス出版社以外のタイトルやバンド・デシネなどではすでに検討していますので、近いうちに何かのアナウンスができるかもしれません。

デジタル以外の解決策として挙げられるのが、少部数印刷です。オンデマンド印刷ともデジタル印刷ともいわれます。このような印刷方法は昔からありましたが、当時はあまり品質がよくなく、特にオールカラーのアメコミには不向きでした。ですが、最近では印刷機の性能も上がり、品質面もコスト面も改善されてきています。これならばすぐにでも少部数印刷に着手できるのではないか、そう感じました。現時点では、皆様のご意見を頂戴したうえで、復刊もしくは新装版のタイトルを厳選しようと進めています。来年の春までには数タイトル刊行したいと思っております。


さて、今日は前置きが長くなり失礼しました。我々もアメコミ読者のみなさまに喜んでいただけるよう、試行錯誤し、日々挑戦してまいりますので、引き続きご声援のほどよろしくお願いいたします。



▐ 第1巻は、トゥーフェイスとのデスロード!

▲オールスター・バットマン:ワースト・エネミー

本シリーズ全3巻の第1巻にあたる『オールスター・バットマン:ワースト・エネミー』は、日本では2017年10月に発売、アメリカでは2017年4月に発売した単行本です。

本作については、「アメコミ魂」の過去の記事でも紹介していますので、こちらもご覧ください。

この第1巻は、ニュー52シリーズの『バットマン』や『バットマン・メタル』シリーズを手掛け、現在では現行シリーズの『ジャスティス・リーグ』を手掛けている人気実力はライターのスコット・スナイダーと、アメコミ読者のみなさまならご存知の超有名アーティスト、ジョン・ロミータJr.の作品です。いちアメコミファンとしては嬉しい競演ですよね。

本作は、2016年5月より開始したDCユニバース・リバース シリーズのタイトルの一つとして発売されました。リバースシリーズはすでに終わっていますが、大成功したニュー52以来の新シリーズでしたので、大きな期待を持って読んでいたことを今でも覚えています。

次巻以降、様々な豪華アーティストが参加するのですが、第1巻では本編はすべてロミータJr.が画を描いているので、彼のアートをたっぷり堪能できます。

このオールスター・バットマン誌は、リバースシリーズにおけるバットマンのもう一つの冒険譚として十分楽しめる作品です。また、第2巻のオビの裏面にあるコピーに「これはバットマンの物語ではない。ヴィランの物語だ!」とありますが、まさに数多くのヴィランが第1巻からも登場します。

本書では、ゴッサムシティから飛び出し、トゥーフェイスを護送するという死の旅路が描かれているのですが、有名ヴィランからマイナーヴィランまで、さらには一般人までもがバットマンの行く手を阻みます。原題の日本語訳である「最悪の敵」を交わして、バットマンたちは目的地にたどり着けるのか……ぜひ本編にてご確認ください。



▐ 第2巻は、アメリカ各地で3人のヴィランとの死闘!


▲オールスター・バットマン:エンド・オブ・アース

第2巻の『オールスター・バットマン:エンド・オブ・アース』は、日本では2018年8月に発売、アメリカでは2017年9月に発売した単行本です。

本作については、「アメコミ魂」の過去の記事でも紹介していますので、こちらもご覧ください。

リーフ発売当時に巻末連載されていた「呪われた輪」の前編は第1巻に収録、後編は第2巻に収録していますが、それを除けば、このオールスター・バットマン誌は全3巻が続き物というわけではないく、一巻一巻独立した物語になっています。ですので、登場するヴィランや参加アーティストでどの巻を購入するか検討していただいてもいいかもしれません。もちろん、このシリーズの世界観を味わうためには全3巻通して読んだほうがベターだと思いますが……。

さて、アーティストといえば、この第2巻も『バットマン:ブラックミラー』のジョックとフランチェスコ・フランカビラ、さらには『バットマン:ヨーロッパ』のジュゼッペ・カムンコリなどが参加しており、豪華な顔触れです。登場するヴィランは、ミスター・フリーズ、ポイズン・アイビー、マッドハッターとバットマンファンならお馴染みのヴィランが登場します(巻末収録の「呪われた輪」にはリドリーが登場)。

原題の日本語訳は「終末への道」。タイトルが意味するものとは? 最後まで見逃せませんので、気になる方はぜひご参加ください!



 第3巻は、盟友アルフレッドとの物語


▲オールスター・バットマン:ファースト・アライ

本シリーズ最終巻になる第3巻『オールスター・バットマン:ファースト・アライ』は、日本では2019年5月に発売、アメリカでは2018年9月に発売した単行本です。

原書ファンの方から見ると少し違和感があったかもしれませんが、日本語版では第3巻の表紙にあるロゴの色をオレンジにしました(原書はマゼンダ系)。シリーズとして統一感を持たせるため、またリバース版バットマン誌と差別化するためでした。制作した当初は私も原書に見慣れているので違和感があったのですが、慣れでしょうか、今では不思議と馴染んできました。

さて、シリーズ最終巻となる本書の主役はウェイン家の執事アルフレッド・ペニーワースです。本書の原題の日本語訳は「盟友」。固い絆で結ばれているブルース・ウェイン(バットマン)とアルフレッドの物語はどのエピソードを読んでも泣けてきます。また、父子の物語も絡んでくるので、今回の物語も最終章で感動してしまいました。ライターは同じくスコット・スナイダーで、今回のアーティストは『アメリカン・バンパイア』のラファエル・アルバカーキ。アルバカーキの独特な風合いと、場面によって使い分ける寒色と暖色のトーンが物語をいっそう引き立てています。

先述したとおり、本シリーズは単独でも十分に楽しめます。個人的にはこの第3巻と第1巻が好みです。最近は邦訳バットマンもかなりの点数が出ているので、読みたい作品を厳選する中で、本シリーズは避けていたという方もいらっしゃるのではないでしょうか。改めて読みなおしてみると、それぞれが個性的でなかなかの良書でした。このブログを読んで気になったタイトルがあればぜひ手に取ってみてください!


それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

来週の「アメコミ魂」の更新は11月19日(火)19時~20時頃を予定しております。引き続きよろしくお願いいたします!

(文責:乙間萌生)
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2019年11月15日金曜日

邦訳『ジャスティス・リーグ』シリーズを時系列で読む!



「アメコミ魂」の読者のみなさま、こんにちは!

新規投稿をしばらくお休みしていた期間で、もっとも読まれていた過去の記事は「邦訳『バットマン』シリーズを時系列で読む!」でした。「アメコミを読みたいけれど、読む順番がわからない」というご意見は多く、特にバットマンの邦訳コミックスはたくさんあるので、この記事への関心が高かったのかもしれません。

ShoPro Booksの邦訳コミックでバットマンの次にタイトル数があるのは、DCが誇るスーパーヒーローチーム“ジャスティス・リーグ”です。そこで、今回は邦訳『ジャスティス・リーグ』の読む順番を改めてお知らせしたいと思います。購読を検討する際に、参考にしていただければ幸甚です。



▐ ひと目で納得!? コミックスを読むならこの順序!!




上記の画像は、書店さんで無料配布していた「ShoPro Books海外コミックスカタログ2017-2018」内に掲載したものです。2年前に制作したカタログなので、書店さんでは見る機会が少なくなったかもしれません。現在、今月末の配布を目指して、2019-2020年版を制作しています。残念ながら、現在制作しているカタログにはこのような企画ページを設けていないので、今回の記事が皆様にとって有益になるものになれば、執筆者としても嬉しいかぎりです。

現在、ジャスティス・リーグが登場する小社の邦訳コミックスは約20タイトルあります。上記のカタログから2年も経過しており、当然ながら新刊も加わりましたので、次の項目では「【最新版】『ジャスティス・リーグ』を時系列で読む!」と称して、ジャスティス・リーグ誌のレギュラー・シリーズを中心に整理していきたいと思います。

個人的には、DCユニバースを再構築したシリーズ “THE NEW 52!” の第1巻『ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)』から読みはじめるのがベストだと思っています。スーパーマンやバットマンたちが初めて出会うところから物語が始まりますので、アメコミ初心者でも十分楽しめる秀作です。

▲ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)

また、DCキャラクターたちの誕生譚をコンパクトにまとめた短編集『DCキャラクターズ:オリジン(THE NEW 52!)』を先に読んでおくと、DCコミックスやジャスティス・リーグの世界観を把握できるので、アメコミ初心者の方に推薦したい作品です。

▲DCキャラクターズ:オリジン(THE NEW 52!)


最新版】『ジャスティス・リーグ』を時系列で読む!


全体の流れとしては、“THE NEW 52!” → “REBIRTH” →現行シリーズとなります。書名をクリックすると小社サイトの詳細ページに移動しますので、あらすじ等を知りたい方はぜひご覧ください。

●物語は、ここから始まる! “THE NEW 52!” シリーズ開始!
 ① ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)

 ② ジャスティス・リーグ:魔性の旅路(THE NEW 52!)

 ③ ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃(THE NEW 52!)

●物語は、さらなる高みに達する! 一大クロスオーバー開幕!
 ④ ジャスティス・リーグ:トリニティ・ウォー(THE NEW 52!)

 ⑤ フォーエバー・イービル(THE NEW 52!)

 ⑥ ジャスティス・リーグ:インジャスティス・リーグ(THE NEW 52!)

●ダークサイド・ウォー、勃発! いよいよ最終決戦!
 ⑦ ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー1

 ⑧ ジャスティス・リーグ:ダークサイド・ウォー2

●物語は、再生する。“REBIRTH” シリーズ序章!
 ⑨ DCユニバース:リバース

●新章突入! リバース版ジャスティス・リーグ登場!
 ⑩ ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン(REBIRTH)

 ⑪ ジャスティス・リーグ:アウトブレイク(REBIRTH)

 ⑫ ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド(REBIRTH)

(注)『ジャスティス・リーグ VS.スーサイド・スクワッド』はミニシリーズで物語的には独立していますが、本書内に「ジャスティス・リーグ」#12(マックス・ロード:リバース)と#13(蝕の夜)が収録されているので記載しました。本書は割愛しても問題ございません。

●クロスオーバー『バットマン・メタル』後の世界!
 ⑬ ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス

●スコット・スナイダー脚本による新シリーズ開始!
 ⑭ ジャスティス・リーグ:新たなる正義

 ⑮ ジャスティス・リーグ:神々の墓所 ※2019年11月21日発売


全部で15タイトル。予備知識を得るために推薦した『DCキャラクターズ:オリジン(THE NEW 52!)』を入れると16タイトルもあります……結構な数ですね。「いまからこんなに読めない!」と思ってしまった読者さんは、印の見出しに注目してください。物語の流れが見出しのあるタイトル群である程度切り替わりますので、気になるところから読みはじめてもいいかもしれません。ただし、シリーズ(特に “THE NEW 52!” シリーズ)の途中から読むと伏線やその回収があるので、アメコミ初心者の方には、各シリーズの第1巻から読むことをおススメします。各シリーズの第1巻は下記になります。

▣ “THE NEW 52!” シリーズ(ジャスティス・リーグ第2期)
第1巻 ジャスティス・リーグ:誕生(THE NEW 52!)

▣ “REBIRTH” シリーズ(ジャスティス・リーグ第3期)
第1巻 ジャスティス・リーグ:エクスティンクション・マシン(REBIRTH)

▣現行シリーズ(ジャスティス・リーグ第4期)
第1巻 ジャスティス・リーグ:新たなる正義



 ジャスティス・リーグの変遷


映画『ジャスティス・リーグ』だけしか知らない人は、バットマン、スーパーマン、ワンダーウーマン、フラッシュ、アクアマン、サイボーグがジャスティス・リーグのメンバーだと思うかもしれません。しかし、原作コミックスでは、時代やシリーズにつれてメンバーが変わっていきます。しかも、ジャスティス・リーグが誕生したのは1960年(来年は生誕60周年!)ですので、長い歴史の中でチームに参加するメンバーも少しずつ変わってきました。歴史について述べるとかなり長くなってしまうので、今日は深い説明は抜きにして、今回ご紹介した各シリーズに登場するメンバーを列挙したいと思います。

◆ “THE NEW 52!” シリーズ(ジャスティス・リーグ第2期)主要メンバー
 スーパーマン
 バットマン
 ワンダーウーマン
 グリーンランタン(ハル・ジョーダン)
 フラッシュ(バリー・アレン)
 アクアマン
 サイボーグ
※ “THE NEW 52!” は、物語を一から再構築したシリーズなので、上記のメンバーはみな初顔合わせとなり、このシリーズ以降でのジャスティス・リーグの創立メンバーともいえる。

◆ “REBIRTH” シリーズ(ジャスティス・リーグ第3期)主要メンバー
 スーパーマン
 バットマン
 ワンダーウーマン
 サイボーグ
 アクアマン
 フラッシュ(バリー・アレン)
 グリーンランタン(サイモン・バズ)
 グリーンランタン(ジェシカ・クルーズ)
※本シリーズより、ハル・ジョーダンの代わりに新人グリーンランタンのサイモンとジェシカが加入する。さらに、スーパーマンは “THE NEW 52!” シリーズのスーパーマンではなく、別次元のスーパーマンが加入する(のちに改変)。

◆現行シリーズ(ジャスティス・リーグ第4期)主要メンバー
 スーパーマン
 バットマン
 ワンダーウーマン
 アクアマン
 フラッシュ(バリー・アレン)
 サイボーグ
 グリーンランタン(ジョン・スチュワート)
 ホークガール(ケンドラ・ソーンダース)
 マーシャン・マンハンター
※「バットマン・メタル」事件によってDCユニバース全体が変化し、『ジャスティス・リーグ:ノー・ジャスティス』のエピソードを経て、新たに現行シリーズがスタートし、新ジャスティス・リーグも誕生。ジョン・スチュワートは、三代目グリーンランタンとして知られるアフリカ系アメリカ人男性。現時点ではチームの代表を務めるマーシャン・マンハンターは、1960年当時のオリジナルチームの創立メンバーの一人。


では、今日はこの辺で失礼いたします。

今週の「アメコミ魂」は二日連続で投稿しますので、明日もぜひアクセスしてくださいね!

(文責:乙間萌生)
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2019年11月6日水曜日

映画『ジョーカー』を観た後でも観る前でも楽しめるジョーカー邦訳アメコミ10選!



「アメコミ魂」の読者のみなさま、ご無沙汰しております!

本ブログを再開しますと宣言したものの、舌の根の乾かぬうちに、未投稿のまま半年が過ぎてしまいました。大変失礼いたしました。最後に書いた記事が「平成」の終わりでしたので、新元号「令和」となって初投稿になります。1年に数回しか更新しないブログなんか滅多にないですよね……申し訳ございません。相変わらず手作り感満載のブログですが、細々と更新してまいりますので、引き続きよろしくお願いいたします。


▣映画『ジョーカー』、予想外(!?)の大ヒット

さて、映画をご覧になった読者さんも多いと思いますが、ヴェネツィア国際映画祭 金獅子賞受賞作品の『ジョーカー』が日本でも大ヒットしています。「世界興行収入9億3,000万円(約1,012億円)突破!」「史上最多、アカデミー賞16部門にノミネート!」など話題に事欠かない、いま最も注目すべき映画です。国内の週末ランキングでは、4週連続第1位に輝き、日本の興行収入でも35億円を突破し、50億円の大台が期待されています。日本における“アメコミ映画”が4週連続第1位となったのは、なんと2002年公開の映画『スパイダーマン』以来、17年ぶりの快挙ということですから、この映画の凄さが数字だけでも伝わってきます。

本作は、あの凶人ジョーカーが主人公なので、もちろんR指定です。とはいえ、あくまで個人的な意見ですが、それほど過激でグロテスクなシーンはありませんでした。過激さよりも映画の内容に引き込まれてしまい、いつしか自分がジョーカー側に立って彼を応援しているという恐ろしさを感じました。ちなみに、R指定映画での世界興行収入ランキング第1位は『デッドプール2』でしたが、『ジョーカー』は、あの爆発的な勢いのあったデッドプールの記録までをも塗り替え、R指定映画の第1位となりました。必ずや映画史に残る作品となるでしょうね。

現在、公開5週目となる『ジョーカー』は、残念ながら、同じくワーナー・ブラザース映画配給の『IT/イット THE END  “それ”が見えたら、終わり。』に第1位の座を明け渡してしまいました。それでも『ジョーカー』の快進撃はまだまだ続くと思いますので、気になる方は、ぜひ映画館に足を運んでください!

ちょうど1年半くらい前に、今後公開するDCコミックス原作の映画のラインアップについて配給会社さんとお話する機会がありました。当時は、R指定になるとの情報もあり、また映画の規模的にも『ジョーカー』の宣伝にはあまりお金をかけないと聞いていたので、話題にもならずに終わるのかなと思っていたのですが、ここまで大ヒットするとは嬉しい誤算でした。個人的にはここ数年のDCコミックス映画のなかでもイチオシの作品でしたので、喜ばしいかぎりです。

映画『ジョーカー』は、CGやVFXなどの最先端技術を駆使したハリウッド超大作のアメコミ映画に比べると、低予算で製作されているようです。確かにこの映画には、超人的なスピードで移動したり、目から光線を出したり、宇宙で壮絶なバトルを繰り広げたりするようなシーンはありませんからね。アメコミの壮大な世界観を実写化するには、最新の映像技術や予算が必要だと思いますが、『ジョーカー』のような渋いアメコミ映画も大歓迎です!


▣「ヴィラン」という言葉の浸透

「ジョーカーは、ヒーローではなくヴィランだ」と言ったとき、いまでは多くの人がその意味を理解してくれるはずです。「ヒーロー(Hero)」という言葉は昔からよく使われていたと思いますが、ヒーローに対する「ヴィラン(Villain)」という言葉が日常的に浸透したのはここ数年ではないでしょうか。ヴィランとは、悪党、悪者、悪役、敵役という意味ですが、アメコミではよく使われる言葉です。ずいぶん昔の話になりますが、私が邦訳アメコミに携わりはじめた当初は、日本語で「ヴィラン」と表記して読者に通じるものか悩んだことがあったくらいです。

ヴィランという言葉の認知度が上がったのは、アメコミ映画が途切れることなく公開され、広がりをみせていったのも理由の一つです。アメコミ映画は80年代、90年代にもありましたが、2000年代に入ってからは多くの作品が公開されました。なかでも『X-MEN』(2000年)や『スパイダーマン』(2002年)は、いまのアメコミ映画の礎を築いたといっても過言ではないかと思います。2008年には『ダークナイト』や『アイアンマン』、2012年には『アベンジャーズ』など、現在では誰もが知っている作品が公開され、ある種ニッチ的なイメージのあった「アメコミ」という言葉が浸透し、アメコミ映画というジャンル自体も市民権を得ました。スーパーヒーローが主人公のアメコミ映画にとって、敵役であるヴィランは必要不可欠な存在です。MCUでも、『スパイダーマン』シリーズでも、DCEUでも毎回個性的なヴィランが登場します。さらには、2016年の『デッドプール』や『スーサイド・スクワッド』、2018年の『ヴェノム』など、ヴィランやアンチヒーローを主人公にしたアメコミ映画も多くの人に受け入れられました。そのような流れのなかで、「ヴィラン」という言葉も浸透したのだと思います。

また、日本のマンガやアニメ作品の中でも「ヴィラン」という言葉が使われはじめたことも大きかったと思います(実は最大の理由かもしれませんが……)。2014年から週刊少年ジャンプで連載が始まり、2016年からアニメシリーズも放送されている『僕のヒーローアカデミア』がその代表的な作品です。作中でも、超常能力である「個性」を悪用する敵をヴィランと呼んでおり、その悪の組織をヴィラン連合と称しています。かくにも、ヴィランという言葉が日常的に通じるなんて「いい時代になったなあ」と、大袈裟かもしれませんが、いちアメコミ読者としては感慨深い気持ちでいっぱいになります……と、ここまで約2,300文字書き終えたところで、本題である邦訳アメコミをご紹介いたします!


▣ヴィランを代表する“ジョーカー”が活躍する邦訳アメコミ10選!

DCEUとは無関係、原作とはまったくの別物と聞いて、映画『ジョーカー』を鑑賞しました。ジョーカー役のホアキン・フェニックスの怪演もあってか、個人的には原作のイメージを壊さずにジョーカーを描いた作品だと感じました。また、過去の名作映画を想起させるシーンも鏤められているので、映画ファンには堪らない作品ですね。売れないコメディアンが“ジョーカー”という凶人になるまでを描いた物語なので、原作や背景を知らなくてももちろん楽しめます。ただ、アメコミ読者ならニヤリとするシーンもあったのではないでしょうか? そこで今回は、鑑賞前でも鑑賞後でも楽しめるジョーカー邦訳コミック10作品をみなさまにご紹介したいと思います(各コミックのあらすじや詳細は、書名をクリックして小社の書籍紹介ページをご覧ください)。


『バットマン:キリングジョーク 完全版』

本作は、あの『ウォッチメン』を書いたアメコミ界の鬼才ライター、アラン・ムーアが放つジョーカー誕生譚です。ジョーカーのオリジンを描いたアメコミはいくつかありますが、代表作といえば、必ずこの「キリングジョーク」が挙げられるので、映画の下敷きにもなっているはずです。実際、売れないコメディアンという設定や貧しくも家族(原作では妻、映画では母親)の生活を支えなければならない設定などは共通しています。読み切り作品で、邦訳アメコミのなかでは比較的良心的な価格(本体価格1,800円+税)なので、映画を観た人はぜひ手に取ってみてください。映画公開後、入手しにくい状況となっておりますが、ここ1ヶ月の間に二度ほど重版をかけていますので、しばらくお待ちください。11月下旬には書店さんでもすぐ買える状態になると思います。

『バットマン:キリングジョーク 完全版』


『ジョーカー[新装改訂版]』

アーカム・アサイラムから釈放された凶人ジョーカー。彼に憧れ、彼の下で働く青二才ジョニー・フロストを通して、ゴッサムシティで暴れる、残忍で凶暴なジョーカーの姿が語られていきます。本作の最大の魅力は、人気アーティストのリー・ベルメホが描くジョーカーです。見てください、この生々しいジョーカー! 表紙だけではなく、本編もベルメホが担当しているので、リアルでカッコいいジョーカーが好きな人は必読です。本書も読み切りのグラフィック・ノベルで、価格も『バットマン:キリングジョーク』と同じです。また、リー・ベルメホが脚本と画を担当した『バットマン:ノエル』はこの時期にぴったりな内容ですので合わせてお読みください(もちろんジョーカーも登場します!)。

『ジョーカー[新装改訂版]』


『バットマン:喪われた絆』
『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』
『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』

新規読者にも入りやすいように、DCコミックスのユニバース全体を再構築し、物語をリスタートした“ニュー52”というシリーズがあるのですが、そのシリーズのバットマン誌で初めてジョーカーが登場したのが、この「喪われた絆」編です。本編は『バットマン:喪われた絆』、その外伝にあたるのが『ジョーカー:喪われた絆』になります。3巻まとめてお読みいただくと、物語を完全に把握することができておススメです。もちろん本編だけでも、ジョーカー上下巻だけでも楽しめますよ!

『バットマン:喪われた絆(THE NEW 52!)』

『ジョーカー:喪われた絆〈上〉(THE NEW 52!)』

『ジョーカー:喪われた絆〈下〉(THE NEW 52!)』


『バットマン:ヨーロッパ』

本書は、2019年9月に発売した邦訳コミックです。アメリカで2015年に発表されたミニシリーズが底本なので、比較的新しいコミックになります。ウイルスに侵されたバットマンとジョーカーが治療薬を求めてヨーロッパ各地を巡るという物語なのですが、宿敵である二人の旅路の果てには何が待ち受けているのか……続きは本書でお楽しみください。

『バットマン:ヨーロッパ』


『ジョーカー:ラスト・ラフ』

2019年1月発売の邦訳コミックです。今年は、映画『ジョーカー』の公開が控えていたので、後にも続きますが、多くのジョーカー関連コミックを刊行しました。また、1940年にアメリカで発売された"Batman #1"で初登場を飾ったジョーカーにとって、来年2020年は生誕80周年にあたります。来年も多くのジョーカーの邦訳コミックが刊行できるよう、引き続きご声援のほどよろしくお願いします。本書「ラスト・ラフ」では、犯罪界の道化王子という異名を持つジョーカーの変人的な行動に注目です。彼が放つ一世一代のジョークとは……ご期待ください。

『ジョーカー:ラスト・ラフ』


『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』

2019年10月に発売したばかりの新刊です。本書は、邦訳リクエストが多かったので、いつか刊行しようと考えていた作品です。ジョーカーの宿敵といえばバットマンですが、今回、ジョーカーの前に立ちはだかるのは“鋼鉄の男”スーパーマンです。スーパーマンは宇宙の皇帝となったジョーカーを倒すことはできるのか? ジョーカーというキャラクターの幅の広さを感じる一冊です。

『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』


『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』

日本では『バットマン:ヨーロッパ』と同時発売した作品になります。アメリカでは2017年に第1巻、2018年に第2巻が発売され、その後、合本版が発売されました。本書は合本版を底本にしています。バンド・デシネ(フランスのマンガ)作家のエンリコ・マリーニ(フランス人ではなく、実はイタリア人です)がバットマン&ジョーカーの物語を描いているのが特徴です。バンド・デシネ作家による渾身のアートをご堪能あれ!

『バットマン:ダーク・プリンス・チャーミング』


⑩『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』

本書は、ライターにグラント・モリソン、アーティストにデイブ・マッキーンという、奇抜で独特な世界観を持つ二人が生み出した伝説的なコミックです。残念ながら、現在、日本語版が入手困難となっておりますが(お近くの書店さんに在庫があれば即購入することをお勧めします)、近いうちにコミック本編だけを編集し、ソフトカバー版で出版することを検討しております。

『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』


さて、気になる邦訳コミックはあったでしょうか? 上記以外にもジョーカーは様々なコミックに登場しております。個人的には『バットマン:マッドラブ 完全版』のジョーカーが大好きです。それにしても、“ジョーカー”は、なぜこれほどまでに人を魅了しつづけるのでしょうか……その答えは邦訳コミックのなかにあるのかもしれません。

では、今日はこの辺で失礼いたします。来週もよろしくお願いします。

(文責:乙間萌生)
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