2016年7月19日火曜日

映画ファン必読!『X-MEN:シーズンワン』
『スター・トレック/グリーン・ランタン』発売


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

今週のアメコミ魂は、明日発売の『X-MEN:シーズンワン』『スター・トレック/グリーン・ランタン』をご紹介します(ちなみに7月20日は先週ご紹介した『デスストローク』を加えると、アメコミ3作品同時発売となります)。
2016 MARVEL
TM & ⓒ 2016 CBS Studios Inc. ⓒ 2016 Paramount Pictures Corp. STAR TREK and related marks and logos are trademarks of CBS Studios Inc. All Rights Reserved. GREEN LANTERN, the DC logo and all related characters and elements are TM & ⓒ DC Comics. All Rights Reserved.

『X-MEN:シーズンワン』『スター・トレック/グリーン・ランタン』も今年映画が公開される作品(グリーン・ランタンはまだですが……)という共通点がありますね。

まず、1ヶ月後にはX-MEN三部作(『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』・『X-MEN:フューチャー&パスト』・本作)の完結編として、映画『X-MEN:アポカリプス』が公開されます。ホント、今から楽しみですよね。

先日、日本興収20億円を突破した『デッドプール』も『X-MEN:アポカリプス』も20世紀フォックス配給なので、デッドプールがトリビアを教えてくれる予告編も公開されています。


このシリーズは、遡ること16年前に公開されたブライアン・シンガー監督の映画『X-メン』から始まりました。いまでは「アメコミ」または「アメコミ映画」という言葉が浸透していますが、当時はまだまだ一般的に認知されていない言葉でした。「アメコミ」という言葉ですらそういう状態だったので、90年代半ばに小社の邦訳コミックが出版され、アニメが放送されていたとしても、多くの人は「X-MEN」の存在を知らなかったと思います。たぶん「エックス-メン」と読める人も少なかったはずです。たまに「バツ-メン」と呼んじゃう人もいたくらいですからね。

ですので、映画会社の方たちもこの映画をどう宣伝していくか、どう伝えていくか、色々と悩んだと思います。一般的には認知されていないとはいえ、日本でもすでにX-MENファンはいたので、コアファンの意見も無視することはできませんしね。その辺りが、本作だけ“X-メン”という表記になったのかもしれません。きっと、「エックスメン」にするか、「Xメン」にするか……など会議で話し合われていたはずです。

34歳で『X-メン』のメガホンを取ったブライアン・シンガーも今年で51歳になります。キャリアを築き上げた監督の最新作『X-MEN:アポカリプス』は8月11日(木・祝)全国ロードショーです。

実は、ひと足お先に映画『X-MEN:アポカリプス』を観させていただいたのですが、アクションシーンが満載で何度も観たくなる作品でした。しかも役者がみな若い!特に20歳のコディ・スミット=マクフィーが演じるナイトクローラーが最高でした。個人的には、前作同様、クイックシルバーのシーンが大好きで、クールなんだけどお茶目なところがこれまた最高でした。20世紀フォックス配給ですが、もちろんマーベル映画ですので、スタン・リー御大のカメオ出演もありました。今回は中盤くらいに注目です!


次に注目したいのが、全米公開が今週22日に控えた映画『スター・トレック BEYOND』(日本の公開は10月21日)。映画『スター・トレック』(2009)、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)に続く、本作の予告編はこちらになります。

どちらも公開が待ち遠しいのですが、その間にぜひ小社のコミックを読んでお待ちください!


では、まずは『X-MEN:シーズンワン』をご紹介します。

小社では、『アベンジャーズ:シーズンワン』『アントマン:シーズンワン』に続く、シーズンワン・シリーズ第3弾となります。ちなみに映画『ドクター・ストレンジ』に合わせて、このシリーズの日本語版第4弾にあたる『ドクター・ストレンジ:シーズンワン』も刊行が予定されているので、お楽しみに。

このシーズンワン・シリーズ共通の特徴は、各キャラクターの初期エピソードを翻案している読み切りコミックだということです。ですので、何十年も描かれているキャラクターの物語や複雑な歴史を知らなくとも、これ一冊だけで楽しめるつくりになっています。最近、X-MENやアベンジャーズ、アントマンを知った人は、まずこのシリーズから読んでいただくのもいいかもしれません。

X-MENが生まれたのは、1963年。マーベル映画ではお馴染みのスタン・リーが原作、そして、数々のキャラクターを創造した今は亡きジャック・カービーによって生み出されました。この1960年代のエピソードのいくつかを現代風にアレンジしたのが『X-MEN:シーズンワン』です。エピソードのもとは1960年代のものですが、キャラクターの設定などは映画版等に鑑みたつくりになっています。

1960年代のX-MENは今よりもシンプルでよね。チャールズ・エグゼビアことプロフェッサーXが迫害されるミュータントの子供たちのために「恵まれし子らの学園」を設立し、サイクロップス(スコット・サマーズ)、ビースト(ハンク・マッコイ)、アイスマン(ボビー・ドレイク)、エンジェル(ウォーレン・ワージントン3世)、そしてマーベルガール(ジーン・グレイ)の5人を集めて、正しい能力の使い方を教え、X-MENを結成する。さらにミュータントである磁界王マグニートーがX-MENに対抗すべくブラザーフッド・オブ・イービル・ミュータンツを結成し、X-MENと対峙する……。これが当時の基本の設定ですよね。この設定を現代風にアレンジしているのが本書ですので、意外にすんなりと物語に入ることができるはずです。

10代の男女が集う学園ものですので、当然、恋模様も描かれています。本書では、ジーンが学園に入るところから始まるのですが、彼女の恋心の変遷にも注目してください。

巻末には、本書の底本が刊行されていた2011年に『アンキャニー・X-MEN:リジェネシス』1号が試し読み的に収録されてます。1963年から始まった『アンキャニー・X-MEN』は2011年まで全544号続いたのですが、その後に始まったセカンドシリーズ(Vol.2)が『アンキャニー・X-MEN:リジェネシス』です。比較的最近のこの作品を読んでしまうと、色々と複雑になっている現実世界に一気に引き戻されてしまうのですが(笑)、これもまたアメコミの世界。ぜひ双方ともご堪能ください!


次に、スター・トレックとグリーン・ランタンが共演するという、映画ではゼッタイありえない物語『スター・トレック/グリーン・ランタン』をご紹介します。

そもそも本書を刊行するきっかけは、翻訳を担当している中沢俊介氏でした。彼はいつも版権がなかなかクリアしない作品を提案してくるのですが(笑)、編集部も以前からアメコミの『スター・トレック』シリーズには興味を持っていたので、何度か検討していたようです。どの作品を刊行するのか、編集部がなかなか一歩踏み出せなかったところに、中沢氏が本書を提案したそうです。グリーン・ランタンファンにも読んでもらえるだろうと考えたのかはわかりませんが、なかなか豪華なクロスオーバーですよね。そういえば、スター・トレックは1996年に『Star Trek / X-MEN』(未邦訳)でX-MENとも共演したことがあります。ちなみに、スター・トレックには、トレッキー/トレッカー/トレッキアンと呼ばれる熱烈なファンがいるので、その方たちがこのコミックをどう受けとめてくれるか、気になるところですね。私のような“にわかファン”は、興奮しながら読んでしまいました……。

本書を読んで思ったのですが、本書もまた、今までアメコミを読んだことがない人でもすんなり入れる作品だと感じました。欲を言えば、映画『スター・トレック』(2009)か『スター・トレック イントゥ・ダークネス』(2013)、それと映画『グリーン・ランタン』(2011)を観たことがあれば充分お話は理解できるかと思います。もし、それらの映画を観たことがない人でも……いや、そういう人はこのコミックを手に取らないかもしれないな……とにかく、映画一本作れるほどの豪華な内容となっていますので、騙されたと思ってぜひ手に取ってお読みください!

さて、肝心な内容紹介は以下になります。惑星モゴで、悪を取り締まる組織ガーディアンズ・オブ・ユニバースの一員であるガンセットが何者からリングを狙われ、追われる場面から始まります。惑星モゴとは、「グリーン・ランタン」に出てくるパワーリング(このリングをすると頭に描いたものが光で実体化する)の資格者を導き、意志を持つ惑星のことです。ガンセットは、光を放ち、どこかに消えてしまいます。そして、場面は“異なる時間”、“異なる宇宙”に移ります。そう、USSエンタープライズ号が浮かぶ宇宙です。カーク船長たちは、不思議な惑星を発見し、偵察任務を行います。そこで、屍と化したガンセットとパワーリングを発見し……いかがでしょうか? この先が気になりますよね。基本的に、物語はスター・トレックの宇宙で事件が起こっていきます。当然、グリーン・ランタンことハル・ジョーダンと、カーク船長、スポック副長たちは出会うことになるのですが……さあ、続きは明日発売の本書をお読みください!


来週は、映画での輝きが記憶に新しいワンダーウーマンが大活躍する『トリニティ バットマン/スーパーマン/ワンダーウーマン』をご紹介します。リヒャルト・ワーグナーではなく、マット・ワグナーの名作ですよ!
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.

この「アメコミ魂」は9月まで夏休みをいただきます。次回は9月6日(火)の更新となります。

では、また火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


▼おもしろい記事がありましたら、ぜひ皆様のSNS等でご紹介してください。ただし、画像の無断転載はご遠慮ください。

▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、本ブログの下段にある「メッセージを送る」を押していただき、指定の送信フォームからお送りください(携帯からはウェブバージョンにてご対応ください)。

2016年7月12日火曜日

世界最高にして最凶の傭兵『デスストローク』見参!
発売前から待望の声、続出!!


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

さて、明日はデップーさんの結婚式と新婚旅行を描いた『デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』の発売日です。しかも“デップーうちわ”ももらえるかもしれないので、これまた楽しみですよね。詳しくは前回の記事で紹介しています。気になる方はぜひご一読ください。

ちなみに、デッドプールの職業といえば“傭兵”。彼の本名は“ウェイド・ウィルソン”。そして、再生可能な回復能力があるのが特徴の一つです。

そして、 本日ご紹介する7月20日頃発売の『デスストローク』の職業は“傭兵/暗殺者”。さらに彼の本名は“スレイド・ウィルソン”。そして、デスストロークにもまた超人的な回復能力があるのです。

なんとなく、デッドプールとの共通点を感じてしまいますが、デスストロークは、己に厳しく、軽口を叩かず、仕事の依頼に忠実で、冷酷なキャラクターです。一方で、数少ない仲間や家族に対する愛情を持っている側面もあります(もちろん作品や時代によって異なると思いますが)。

デスストロークが誕生したのは1980年。ちなみにデッドプールが誕生したのは1991年ですので、DCコミックスとマーベル・コミックスの違いはあれど、デスストロークはデッドプールよりも11年も先輩なんですね!

本書『デスストローク』で日本での単独誌デビューを飾るデスストロークですが、本書の紹介の前にデスストロークについて、簡単にご紹介しておきましょう。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
デスストローク
初登場:『ニュー・ティーン・タイタンズ』#2 (1980年)
本名:スレイド・ウィルソン
職業:傭兵、暗殺者
身長:193センチ(ニュー52以前の資料による)
体重:102キロ(ニュー52以前の資料による)
宿敵:ティーン・タイタンズ
能力:棒術、剣術に長け、あらゆる武器にも精通し、超人的な敏捷性と体力、回復能力をもつ。脳の90パーセントを活用でき、高い知力を有する。

デスストロークのオリジンに関しては、ニュー52等でも改変されているので、細かいところは割愛しますが、大まかなところは以下のようです。優秀な軍人だったスレイド・ウィルソンは、スーパー・ソルジャーに改造され、スレイドは超人的な体力を手に入れます。その後、傭兵デスストロークとなります。一方で、妻子のいるスレイドの結婚生活は破綻します。争いのなかで右目を失ってしまうのですが、90パーセント活用できる脳によって失った右目をカバーしているので、支障なく戦えるのです。

ちなみに、脳の使用領域90%に関しては、常人は脳の機能の数%~10%しか使用していないという俗説からきているかと思いますが、人間は脳の10%しか使用しておらず、そのまま一生を終えるということではなく、一度に脳全体を使用することはできないということだそうです。ですので、デスストロークはおそらく一度に脳の機能をほぼフル稼働させることができるということなんでしょうね。

アニメ『ティーン・タイタンズ』での敵役スレイドやフィギュアなどでデスストロークを知った人は多いかと思いますが、近年、日本においてもデスストロークは認知度を上げているキャラクターの一つだと思います。日本では2009年より発売されているゲーム『バットマン:アーカム』シリーズ(下記は『バットマン:アーカム・ビギンズ』のトレーラー)に登場したり、2013年にDVDが発売された海外ドラマ『ARROW / アロー』に登場したりしているので、それらをきっかけに知った人も多いでしょう。


さて、トニー・S・ダニエルのアートが際立つ本書『デスストローク』は、ニュー52の後の新シリーズで、2014年12月~2015年5月にかけて刊行された「デスストローク」#1~#6を収録した作品です。設定などはニュー52でも多少改変され、このシリーズでも多少改変されているので、以前までの歴史を知らなくとも充分読めると思います。あえて必要な予備知識を挙げるとすれば、先に記した大まかな設定と「スレイドには娘と息子がいたものの、義理を欠いていた」ということぐらいでしょうか。

では、本書の内容を少しだけ紹介いたします。600件以上の暗殺に関与したといわれ、世界最高の傭兵と謳われるほどのキャリアを積んだ白髪のスレイドは、仲介人ティグスからある仕事を引き受けました。その依頼の中にはポッサムという男の暗殺も含まれており、ロシアに向かいます。スレイドは、ロシアの情報屋アンジェリカを頼り、ターゲットを次々と暗殺していくのですが……。

下記の写真にあるように、冒頭でのスレイドは白髪の壮年男性です。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
ポッサムの罠にかかり、瀕死の状態となったスレイドは、イーチンという盲目の老人を頼って彼のもとにたどり着いたところで息絶えるのですが……イーチンの手により再び息を吹き返します。しかも若返った状態で……。さらに、黒髪となり、失った右目も見えるようになっています。これは何かの策略なのか、詳しくは本書をお読みください!
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.
ハーレイ・クインとバットマンとの共演もDCコミックスファンにとっては嬉しいかぎりです。スレイドは、重大な目的のためにゴッサム・シティへと向かいます。その目的の手がかりを得るためにハーレイ・クインの助力を求めるのですが、そこにバットマンが登場し、彼と戦う羽目になるのです。トニー・S・ダニエルの描くハーレイ・クインも最高にかわいいのですが、そのアートにマッチした翻訳もテンポがよく、ハーレイの雰囲気にとてもよく合っているので、ご期待ください。
TM & ⓒ 2016 DC Comics. All Rights Reserved.

デスストロークを初めて読む人にとっても飽きさせない展開でとても楽しめると思いますので、来週水曜日はぜひ書店さんに足を運んでいただければと思います!


7月20日は、『スター・トレック/グリーン・ランタン』『X-MEN:シーズンワン』も同時発売ですので、こちらもよろしくお願いします。本書については、来週のアメコミ魂で紹介します。

TM & ⓒ 2016 CBS Studios Inc. ⓒ 2016 Paramount Pictures Corp. STAR TREK and related marks and logos are trademarks of CBS Studios Inc. All Rights Reserved. GREEN LANTERN, the DC logo and all related characters and elements are TM & ⓒ DC Comics. All Rights Reserved.
ⓒ 2016 MARVEL

最後に、ここ1ヶ月以内に更新した記事のリンクを貼っておきます。どれも面白い作品ですのでぜひご一読ください。特にこれからは、映画『スーサイド・スクワッド』の公開も迫っているので、ハーレイ・クインは大注目ですよ!

えっ? あのデップーさんがついに結婚!?
「ウェディング・オブ・デッドプール」いよいよ来週発売!

ジェフ・ローブ&ティム・セイルの名作カラーシリーズ
『デアデビル:イエロー』(絶賛発売中)をご紹介!

カートゥーン ネットワークで好評放送中!
アメコミ『ティーン・タイタンズGO!』いよいよ明日発売!

そのハチャメチャぶりはデッドプールに匹敵する!?
注目度No.1ヒロイン“ハーレイ・クイン”第2巻は明日発売!



では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


▼おもしろい記事がありましたら、ぜひ皆様のSNS等でご紹介してください。ただし、画像の無断転載はご遠慮ください。

▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、本ブログの下段にある「メッセージを送る」を押していただき、指定の送信フォームからお送りください(携帯からはウェブバージョンにてご対応ください)。

2016年7月6日水曜日

えっ? あのデップーさんがついに結婚!?
「ウェディング・オブ・デッドプール」発売!


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。
(更新が遅れて申し訳ございません!)

さて、今週のお題を見て、映画『デッドプール』を観たばかりの人は「デッドプールが結婚するって本当?」と思うかもしれませんね。

実は……本当の話なんです。

デッドプールの結婚は、アメリカ本国では2014年の出来事でした。2014年当時のアメコミファンは“びっクリプトン”(月刊『スーパーマン』の中で使われていた感嘆句)と心の中で叫んでいたかもしれません。月刊『スーパーマン』といえば、本誌を翻訳・監修されていた小野耕世先生もデッドプールを読んで「面白い!」と絶賛されていたそうです。 日本のアメコミ界の重鎮も認める“デッドプール”……恐るべしですね。

ということで、今週は、あのデップーさんの結婚式と新婚旅行を描いた『デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』を紹介したいと思います。
ⓒ 2016 MARVEL
デッドプールの結婚相手は、シリーズ4.5巻にあたる『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』を読んでくれた読者は、すでにお分かりかと思いますが、一応、このブログではお相手の名前は伏せておきますね。
ⓒ 2016 MARVEL
シリーズ第5巻である本書は、内容も作家陣もとても豪華で、この1冊だけでも充分楽しめるつくりになっています。本書は、マーベル・ナウ!シリーズの第5巻にあたる続き物の一作なのですが、実は読み切り作品として読めてしまうのです……。ですので、「ちょっと面白そうだから、ネタとしてこれだけ買って読んでみるか」という人にはうってつけの作品です(多少のデッドプールに関する知識は必要でしょうが)。あ、いや、本当は第1巻から読んでいただきたいんですがね……(汗)。
デッドプールVol.1:デッド・プレジデント


デッドプールVol.2:ソウル・ハンター


デッドプールVol.3:グッド・バッド・アンド・アグリー


デッドプールVol.4:デッドプールVS.シールド

まず、本書の底本の一つになった原書のリーフをご覧ください。

この表紙だけを見ても圧倒されてしまうのですが、それもそのはず。結婚式に参列した数多のキャラクターが描かれたこの表紙は、“史上最多のキャラクターが描かれたコミック誌のカバー”として、2014年にギネス記録に認定されたのです! デップー流の冗談かな、と思った方は「ギネス世界記録」の公式サイトをご参照ください。デッドプール誌の担当編集のジョーダン・ホワイト氏が笑顔で写っている写真も掲載されています。詳しくは、本書の中にも記載されているので、そちらもぜひお読みください。

とにかく豪華な作品なのですが、本書に収録されているお話を簡単にご紹介しましょう。

「デッドプールの結婚」(#27)
表題作である本作は、タイトルどおり、デッドプールの結婚、披露宴を描いたエピソードです。ドクター・ストレンジ、キャプテン・アメリカ、ウルヴァリン、ナイトクローラー、ケーブル、ソー、ハルク、シーハルク、スクイレル・ガールなど豪華な顔ぶれがデッドプール夫婦を祝福しています。「○○を探せ!」のようにとにかく多くのキャラクターが描かれているので、キャラクターの名前を言い当ててみるのも面白いかもしれません。ちなみにウォッチャーもどこかにいますので、探してみてくださいね。さらに本編のあとは、過去にデッドプール誌に携わったライターやアーティストがデッドプールの既婚歴(?)について12編の短編集を寄稿しているので、多種多様な物語を堪能できます。

「東京のハネムーン」(#28)
デッドプール夫婦の新婚旅行は、なんと日本だったのです! 東京の街を仲良く歩く二人ですが、当然普通のハネムーンで終わることはなく、ドタバタ劇が展開されます。この28号が発売された当時、グリヒル先生による浅草を舞台にした可愛いアート(写真右)にジャケ買いした方も少なくないはずです。

「ハリウッドに死す」(#26)
ニック・フューリーを倒すために1950年代にタイムトラベルしたヒトラー。デッドプールは、フューリーを守るために同じ時代にタイムトラベルする。さらに相棒ケーブルも参戦し……まさに抱腹絶倒のストーリー。

「その男、狂気につき」(アニュアル#1)
新シリーズになって、「デッドプールの心の中にいた潜在人格はどうなったのか?」という疑問にこたえてくれるエピソード。デアデビル、ソー、ルーク・ケイジもゲスト出演!

さて、いかがでしたでしょうか。読みたくなりましたよね。ぜひ皆で本書を読んで、デッドプールの結婚をお祝いしましょう! 『デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』は7月13日頃発売です。

さらに、本日、公式サイトでアナウンスがありましたが、“デッドプール”シリーズ20万部突破を記念して、デップーうちわをプレゼント。入手方法はコチラをご覧ください。暑い日がさらに熱くなっちゃうかもしれませんが、ぜひゲットしてくださいね。


来週は、単独誌初邦訳の、(デップーさんの元ネタと噂される)あの『デスストローク』をご紹介します。
▲刷りだし見本が届いたばかりの『デスストローク』。トニー・S・ダニエルのアートが冴え渡る!

【「アメコミ魂」デッドプール関連記事一覧】
『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』を語る
いま日本で一番ホットなアメコミ「デッドプール」を語る
短編集『デッドプール:デッド・ヘッド・リデンプション』
デップー、今度は最凶のシンビオート・カーネイジと激突!
デッドプール×スパイダーマン×ハルク、三つ巴で大乱戦!
ファン待望の邦訳化! メイド姿のデッドプールが大暴れ!!
まさかの作家デビュー!? 『デッドプールの兵法入門』
デッドプール再始動! 新シリーズの魅力をご紹介!!
【デッドプール新刊情報】 物語はついに佳境に突入!!
皆さま、お待たせしました! デッドプール再々始動!!
デッドプール&ホークアイ新刊情報!
豪華2大スターの競演『ホークアイ VS. デッドプール』…
運命の出会『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』…


では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


▼おもしろい記事がありましたら、ぜひ皆様のSNS等でご紹介してください。ただし、画像の無断転載はご遠慮ください。

▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、本ブログの下段にある「メッセージを送る」を押していただき、指定の送信フォームからお送りください(携帯からはウェブバージョンにてご対応ください)。