2020年10月9日金曜日

逃げられない絶望の幕開け。『ディシースト』


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

更新がすっかり途切れてしまい申し訳ございません。もうすっかり秋の気候になりましたね。気づけば10月です。

アメコミ映画は『ワンダーウーマン1984』が12月25日に、『ブラック・ウィドウ』が2021年の4月29日に延期となってしまいました。そろそろ延期に対する耐性もついてきた気がします。今度こそ、この日程で公開されるといいですね……。

さて、今回のアメコミ魂では10月9日刊行の『ディシースト』をご紹介いたします!


▐ 世界が死に包まれる……もう誰も逃げられない!『ディシースト』

『ディシースト』書影

まるでゾンビのようなバットマンが大きく写った書影、ここから何となく想像がつくように、この『ディシースト』はいわゆる"ゾンビもの"のような作品。ジャスティス・リーグのヒーローたちや、ヴィランたちまで、多くのキャラクターたちが登場してこの恐怖と戦いを繰り広げます。

本国では『Dceased』#1の刊行時は二位と大きく差を離して売り上げトップに立った注目作品(二位は『Doomsday Clock』#10)。その人気から現在は関連作品や続編なども刊行されています。

そんな『ディシースト』の気になるあらすじはこちら。


DCユニバースに終末が訪れる……。
ジャスティス・リーグの宿敵、ダークサイドが支配するアポコリプスより
未知のウイルスが地球に到来した。ソーシャルメディアを通じて人々に感染する
このウイルスは、世界中の人々を瞬く間に生ける屍に変えてしまった! 
ヒーローもヴィランも、ゴッサムシティもアトランティスも容赦なく呑み込んでいく
このウイルスの前に、世界はなすすべもなく絶望に染められていく。
滅亡の危機に瀕する地球で、生き残ったジャスティス・リーグの面々は
人々の希望になれるのだろうか……?


『ディシースト』の冒頭はコチラから試し読みができます。地球に迫るダークサイドの脅威を退けたのもつかの間、想像を絶する脅威が世界を飲み込み始めていき……。終末の幕開けを、ぜひチェックしてくださいね!

さて、ここからはそんな『ディシースト』の見どころを紹介できればと思います。


▐ 見どころその①:ヒーローたちが大集合!


スーパーマン、バットマン、ワンダーウーマンといった、いつも活躍するヒーローたちだけではなく、非常に多くのキャラクターたちの活躍が見られるのも今作の魅力の一つ。カバーに入れた登場人物紹介も、もしかしたら最多なのでは……? と思うほど。まるで『ジャスティス・リーグ』誌かのようにヒーローたちがたくさん登場する物語は、やはりワクワクしますね。


『ディシースト』カバーソデ、
リバーシブルにしてたので逆に折れてますが……。


ここに記載されていないキャラクターでも、収録されている『ディシースト:グッド・デイ・トゥ・ダイ』では、ブースターゴールドブルービートルのコンビや、




今話題のミスターミラクルとビッグ・バルダ、




さらにはジョン・コンスタンティンまでが活躍をみせます。特にコンスタンティンはとてもかっこよく描かれているので、好きな方にはぜひ読んでいただきたいですね。




世界の終わりという壮大な物語だからこそ見られる、ふだん邦訳作品ではなかなか活躍を見る機会がすくなくなりがちなヒーローたちの魅力、ぜひ堪能してくださいね。


また、『スーパーサンズ』のコンビ、ダミアンとジョナサンも活躍を見せます。最初は仲良くゲームを楽しんでいる二人。年相応でかわいいですね。そんな彼らも、この世界の危機を前にヒーローとして大きな成長を遂げることに……? 彼らの活躍にも是非注目してくださいね。





▐ 見どころその②:豊富なバリアントカバーとスクリプトページ


『ディシースト』といえば豊富なバリアントカバー。Twitterにてカバーアートの投票も行いましたが、フランシスコ・マッティーナによるアートはどれを取ってもかっこよく描かれています。さらに映画オマージュのバリアントカバーも収録しており、バリアントカバー・ギャラリーのページは画集さながらの満足度。ぜひたくさん眺めてくださいね!





さらに、巻末にはライターのトム・テイラーによる『ディシースト』の初期構成案のスクリプトが収録されています。実際のストーリーからは変更点などもありますので、最後に見比べてみるのもまた面白いのではないでしょうか。

魅力満載の『ディシースト』は本日発売です。リバーシブルカバーもぜひ注目してくださいね! そして帯ではあのコミックスの刊行情報も……。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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2020年9月2日水曜日

原書は本国で発売後即重版! GN COLLECTION第三弾『ティーン・タイタンズ:レイブン 失われた記憶』



アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。

前回のブログからだいぶ時間が空いてしまいました……。
気づけば長かった梅雨も終わり、猛暑の時期を過ぎ、なんだか急に涼しくなり……。
かなり時が経ってしまったなと思います……(笑)。
みなさまいかがお過ごしでしょうか?

先日、本国のDCコミックス主催によるオンラインイベントDCファンドーム』が開催されました。読者の方にも「深夜2時にモニター前に張り付いていた!」という方がいらっしゃると思います。

なんと「あまりにも膨大なコンテンツを1日では見ることができない! 2日開催にしよう!」と直前に判断された今回のイベント。新作映画やコミックの新シリーズ発表など、コンテンツのボリュームも盛りだくさんでしたね……!

2弾「ディスカバー・マルチバース」は、日本時間913日午前2時より開催予定です。この日は日本オリジナルのコンテンツ配信もあるそう。

またしても深夜2時スタートという挑戦的な時間ですが……!(笑)
こちらも目が離せませんね!

さて、前置きはほどほどに……。
今回のアメコミ魂は917日(木)発売、GN COLLECTIONシリーズ第3弾!
『ティーン・タイタンズ:レイブン 失われた記憶』についてご紹介します。

『ティーン・タイタンズ:レイブン 失われた記憶』あらすじ



悲劇的な事故により、記憶を失った少女レイチェル・ロス。

不安な日々を過ごしていたが、新しい家族や友達に支えられ、少しずつ事故のショックから立ち直ろうとしていた。だがその矢先、周囲で不可解な現象が起こり始める。

どうやら自分の過去が関係しているらしい――そう感じたレイブンは、これまで目をそむけていた自分の過去や秘密……内に秘めた闇と向き合う決意をする。

はたして彼女を待ち受ける運命とは……?

ニューヨーク・タイムズベストセラー作家カミ・ガルシアが手掛ける、
自分や他人を信じる勇気を教えてくれる物語。


みどころ①:レイブンを独自の解釈で描く、まったく新しいストーリー



これまでのGN COLLECTION『ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』、
そして『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』は、
どちらも正史とは異なるキャラクターとストーリーが特徴の作品。

今回の『ティーン:タイタンズ・レイブン 失われた記憶』も同じく、レイブンというキャラクターの特徴(生い立ちやビジュアルなど)はそのままですが、まったく新しいキャラクターとして描かれています。

今回は冒頭のシーンを少しお見せしながら、
ストーリーのみどころをご紹介したいと思います!

====================


17歳の少女レイチェル・ロス(レイブン)は、
ある日養母のビビアンとともに交通事項に遭ってしまう。



なんとか一命はとりとめたものの、ビビアンは亡くなり、
レイブンの記憶も失われてしまった。



そんなレイブンを引き取ってくれたのは、ビビアンの姉、ナタリア。
ナタリアとその娘マックスに迎えられ、レイブンの新しい生活が始まります。


友達もでき、新しい学園生活に慣れはじめたころ、
ある日突然レイブンの頭の中に誰かの「声」が響くように……。
同時に、レイブンが願ったことが実現してしまう不可解な現象が起きてしまいます。

この力の正体は?
そして隠されたレイブンの過去とは……?


====================

作者はニューヨーク・タイムズベストセラー作家のカミ・ガルシア。
日本でも公開された映画『ビューティフル・クリーチャーズ 光と闇に選ばれし者』の
共著者のひとりで、本国でも人気の作家です。

カミ・ガルシア自身も「DCヒーローに共感し、生きてきた」と語っているそう。
そんな彼女ならではの目線で、新しいレイブンが描かれています。

作画はガブリエル・ピコロ。ブラジル出身のアーティストです。
力強い筆使いとワントーンで描かれたアートがとってもおしゃれ。
物語に華と深みを与えています。

みどころ②:レイブンの恋模様にも注目……!?



今回の物語のキーパーソン、レイブンと同じ高校に通う少年、トミー。
レイブンに近づき、声をかけてきますが、彼は一体何者でしょうか?

記憶を失ったり、養母を亡くしたりと、つらいことが続いていたレイブン。
しかし彼女も17歳の少女。気になる子と二人で会ったり、
メッセージのやりとりに心を踊らせたり……。
まさに青春なひとときを過ごす姿に、なんだか胸キュンしてしまいます。

トミーはレイブンの運命にどう関わってくるのか?
ぜひ注目してみてください!

みどころ③:読み切りだから入門書にもおすすめ!


GN COLLECTIONの特徴のひとつ、それはすべての作品が読み切りであること。
本作ももちろん1冊で完結する読み切り作品なので、
予備知識がなくてもすらすら読めちゃいます!

しかし、DCファン、レイブンファンの方にはニヤリとする演出も……。
正史のレイブンとは設定が異なりますが、もちろんファンの方にもおすすめの作品です!
(個人的にはこの1冊をきっかけに、レイブンのことをもっと知ってもらいたい! と強く思っています……!担当編集としてかなりおすすめです!)

これは、自分を信じる力を教えてくれる物語。


17歳の少女が記憶を失い、自分や母のことはもちろん、
自分の好きな音楽も、好きなチョコバーの味も分からない……。

「自分は何者なのか?」「自分も他人も信じられない」
なんだかティーンネイジャーらしい悩みだなと思いますが、
似たような気持ちを抱えたことがある方もいらっしゃるかと思います。

そんな悩みを持つ少女が今の自分を受け入れてくれる存在に出会い、
「強くなりたい」と願い成長していくさまは、
大人になってしまった私達にも勇気を与えてくれます。

ぜひ、レイブンの成長物語を楽しんでいただけると嬉しいです!

ご予約はこちらから!

それでは今日のアメコミ魂はここまで。
次回の更新もよろしくお願いします。



(文責:松本)
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2020年7月29日水曜日

現在編集中のタイトルをご紹介!


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

恐ろしいことに、もうすぐ7月が終わりますね。今年は涼しい気候が続き、夏を感じることなく8月に入りそうです。セミの鳴き声も一度も聞いていませんね……。

さて、今回のアメコミ魂では、僕が現在編集作業を行っているアメコミをご紹介できればと思います!

▐ これがバットマンの最後の旅になる……『バットマン:ラストナイト・オン・アース』

▲『バットマン:ラストナイト・オン・アース』原書書影


最初にご紹介するのは9月刊行の『バットマン:ラストナイト・オン・アース』です。こちらのタイトルは『NEW52!バットマン』シリーズの名コンビ、スコット・スナイダーとグレッグ・カプロが送るバットマンの最後の物語です。

こちらのタイトルも『スーパーマン:イヤーワン』と同じく、名作家陣による読み切りタイトルで知られるブラックレーベルの作品。ShoPro Booksとしても特におすすめの一冊です!

あらすじ
突如ゴッサムシティに出現した、
自身の遺体をなぞるかの如く描かれたチョークラインの謎を追い、
クライム・アリーへたどり着いたバットマン。
そこで見つけた少年に銃を突き付けられた瞬間――
彼はアーカム・アサイラムで拘束されていた。
一瞬のうちに月日が流れ、荒廃した世界に困惑するバットマン。
彼は失った自身の過去、そして変わり果てた世界の謎を探るために
世界を旅することになる。この奇妙な旅路の果てには、
いったいどんな結末が待ち受けているのか――。

荒廃した世界を旅するバットマン。その旅のお供は、なんと生首だけになったジョーカー。バットマンとジョーカーという因縁の宿敵である二人が旅をするというストーリーは、非常に惹かれるものがありますね。

バットマンがジョーカーを見つけるシーン。ジョーカーは何故こんな姿に……?


普段は敵対し、争っているバットマンとジョーカー。しかし本作では、バットマンにジョーカーが「オレをロビンにしてくれ」と迫るシーンも。旅の中でいつもと違う関係が結ばれるのでしょうか……?




また、この世界で登場する他のヒーローやヴィランたちの姿にも注目です! 名コンビの描くバットマンの最後の旅路、その果てをぜひ見届けてくださいね。



▐ 映画公開で注目が集まるヒーローの初単独邦訳誌! 『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー』



次にご紹介するのは、同じく9月刊行作品『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー』(仮)です。ShoPro Booksからは久しぶりのMARVELタイトルとなります。11月公開予定の映画『ブラック・ウィドウ』に先駆けて、ブラック・ウィドウの単独誌を初邦訳でお届けします!

あらすじ
ソ連のスパイとして冷戦の第一線で活躍し、
その後西側に亡命してアベンジャーズの一員として
スーパーヒーローの仲間入りを果たした
ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。
完璧で冷酷なプロフェッショナルとしてその名を轟かせたナターシャだったが、
新たなブラック・ウィドウ、エレーナ・ベロワの出現により、
その地位が脅かされようとしていた……。
二人のブラック・ウィドウの対決と共闘を描いた2編の傑作を収録!

本作は映画『ブラック・ウィドウ』にも登場する、もう一人のブラック・ウィドウ、エレーナ・ベロワと初代ブラック・ウィドウであるナターシャ・ロマノフが邂逅する物語。二人の初めての出会うエピソードも収録されており、今回の映画にあった内容となっております。

前半のストーリーでは、ベテランのナターシャに、若く才能あふれるイリーナが勝負を挑むといった内容になっております。ブラック・ウィドウ同士の対決の行く末に注目です。



そして後半の物語は、ナターシャのある任務のために、ナターシャとイリーナが入れ替わる物語が収録されています。イリーナは自分が何故ナターシャの姿に変貌しているのか理解できぬまま、S.H.I.E.L.D.に追われる身となってしまいます。突然の状況に身を置かれ、心身がすり減っていくイリーナはどうなってしまうのか。そしてナターシャの目的とは……?


二人のブラック・ウィドウの関係を知るうえで重要な二つのエピソード、ぜひ映画もあわせてチェックしてみてくださいね。


▐ DCユニバースに訪れる終末……『ディシースド』


最後にご紹介するのは、10月刊行予定のDC作品『ディシースド』です。こちらの作品は本国でも話題を呼んだ読み切りのタイトルでしたが、その人気から既に続編も描かれているほどです。この目を惹くカバーイラストからもなんとなく察しがつくように、この作品はいわゆる「ゾンビもの」に近い作品となっております。

あらすじ
DCユニバースに終末が訪れる……。
ジャスティス・リーグの宿敵、ダークサイドが支配する
アポコリプスより未知のウイルスが地球に到来した。
ソーシャルメディアを通じて人々に感染するこのウイルスは、
世界中の人々を瞬く間に生ける屍に変えてしまった! 
ヒーローもヴィランも、ゴッサムシティもアトランティスも
容赦なく呑み込んでいくこのウイルスの前に、
世界はなすすべもなく絶望に染められていく。
滅亡の危機に瀕する地球で、生き残ったジャスティス・リーグの面々は
人々の希望になれるのだろうか……?

ジャスティス・リーグの宿敵、ダークサイドが追い求める反生命方程式がウイルスと化し、地球のSNSを媒介して人々を汚染していく……というとんでもない設定。一般市民は言うまでもなく、ヒーローやヴィランさえもこのウイルスに汚染されてしまいます。あっという間にウイルスに染められていく地球を、生き残ったヒーローたちは救うことが出来るのでしょうか……?

▲汚染された人々により崩壊する街

本作は有名なヒーローから、邦訳作品では登場頻度の少なくなりがちなブースター・ゴールドやジョン・コンスタンティンなども登場します。彼らの活躍にもぜひ注目してくださいね。

そして、本書の巻末に収録されているバリアントカバーのアートも個人的には注目していただきたい部分です。フランチェスコ・マッティーナによる美麗なアートと、映画のポスターをオマージュしたアートは思わず見入ってしまいます。

▲フランチェスコ・マッティーナによるアート


▲某映画をオマージュしたアート、元ネタは……わかりますね?


以上、現在編集中の作品をご紹介させていただきました。実はまだあるのですが、こちらはまたの機会にご紹介できれば……と思います。どの作品もより良いものにするため、鋭意制作中ですので楽しみにしていてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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2020年7月15日水曜日

サナガー帝国に隠された秘密とは? JL最新作『ジャスティス・リーグ:偽りの帝国』


アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。
すこし更新が空いてしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

雨が続き、落ち込むことも続く毎日ですが、少しでもShoProのアメコミが毎日の活力になれば…と思い、編集部一同制作に勤しんでおります。

さて、今回は明日716日発売の『ジャスティス・リーグ:偽りの帝国』について、本編をチラ見せしながらご紹介します!

▐ 新生ジャスティス・リーグVSヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥーム

前作『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』では、レックス・ルーサー率いるヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥームとの戦いを繰り広げていました。

▲ジャスティス・リーグ:新たなる正義
(購入はこちらから)

▲ジャスティス・リーグ:神々の墓所
(購入はこちらから)

詳しい内容はこちらの記事でも紹介しています。
あわせてチェックしてみてくださいね!


今回の表紙はこちら。いや~三冊並ぶと圧巻ですね。
早くお店に並ぶ様子を見てみたいものです。


▐ リージョン・オブ・ドゥームに不穏な動きが……?


舞台は過去のゴッサムシティ。
物語はヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥームを率いるレックス・ルーサー、そしてジョーカーの会話から始まります。

▲会話をするレックス・ルーサーとジョーカー。なにやら不穏な空気……。

今回のシリーズでは、レックス・ルーサーのもと、「リージョン・オブ・ドゥーム」として手を組んでいるジョーカーたちヴィラン。

しかし、ジョーカーをはじめとする、彼らヴィランも他人に従うようなキャラクターではないはず……。ジョーカーが選ぶのはレックス・ルーサーか、それとも自分自身か?
リージョン・オブ・ドゥーム内の関係性にも注目したいところです。

 舞台は惑星サナガー! ホークガールとどのような関係があるのか……?



そして、今回の主な舞台は惑星サナガー(サナガー帝国)。
多元宇宙を救う鍵を探すため、ホークガール、マーシャン・マンハンター、グリーンランタンがこの地を訪れます。


彼らを迎えたのは、サナガー帝国の女帝、シェイエラ・ホル。
ホークガール一行は彼女の協力の下、多元宇宙を救う鍵を探します。

しかし、調査を進めていくうちに、サナガー帝国に隠された秘密が明らかに。
その秘密を知られまいとするシェイエラは、彼女の夫、カター・ホルとともにジャスティス・リーグの前に立ち塞がります。

▲「その女を殺して」

そもそもカター・ホル、そしてシェイエラとは一体誰なのか?
ホークガールとの関係は?

さまざまな謎が絡み合い、その謎が宇宙を揺るがす秘密に繋がる……。
とても読み応えのあるストーリーとなっております!

▐ マーシャン・マンハンターの過去も……。


一方で、新ジャスティス・リーグの代表に就任したマーシャン・マンハンターのエピソードも収録されています。

▲幼少期のマーシャン・マンハンター。この少年は一体?

彼が幼少期に出会った少年を探すため、最終的にはとある人物を巻き込み、ストーリーが進行していきます。そのとある人物とは……?

このあたりは次巻『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』にも繋がる部分です。ぜひ注目してみてくださいね。

▐ 続編も8月発売予定です!




また、現在続編である『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』も鋭意制作中です! 

こちらはジャスティス・リーグのメンバー、スーパーマンがメインの一冊!
「これぞスーパーマン!」といった、彼の強さをじっくり楽しむことができます!

また、表紙のバットマンも穏やかではない様子……何やら事件が勃発しそうな雰囲気……。
ジャスティス・リーグはどうなるのでしょうか。

『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』は8月20日発売予定です。楽しみにしていてくださいね!

それでは、今日のアメコミ魂はここまで。
次回もよろしくお願いします!


(文責:松本)
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2020年7月1日水曜日

ここに来い、狂気の館に。お前のいるべき場所によ――『バットマン:アーカム・アサイラム』


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

早いもので今年も半分が終了し、あっという間に7月になりましたね。春は外に出れなかったので、冬の次に夏が来ているような感覚です。

さて、本日は8月に増補改訂版として3度目の刊行を迎える作品『バットマン:アーカム・アサイラム』をご紹介しようと思います。


▐ バットマン史に残る衝撃の問題作『バットマン:アーカム・アサイラム』

▲『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』書影
前回の記事『名作ぞろい! クラシック作品はいかが?【DC編】』では『ウォッチメン』『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』といったクラシックな作品を紹介しました。今回ご紹介する『バットマン:アーカム・アサイラム』もそんな作品の一つ。刊行されたのは1989年と30年以上昔になりますが、今でも色あせることのない、バットマン史上屈指の衝撃作として有名です。

ShoPro Booksからは2000年に初めて刊行し、その後2010年に完全版を刊行しており、今回は3回目の刊行になります。それだけアメコミ読者の皆さまに読んでいただきたい名作の一つです。


▐ 狂気が渦巻く館、アーカム・アサイラム


物語は4月1日のエイプリルフールに動き出します。犯罪者たちの精神病院「アーカム・アサイラム」で暴動が発生し、囚人たちに病院が乗っ取られてしまう事態が発生。アーカムの囚人たちは家具やマネキン、食べ物や衣装と、職員たちを人質に異質な要求を行っていました。その要求の中にはバットマンの存在も――バットマンはジョーカーに誘われ、アーカム・アサイラムを訪れることになります。


▲デイブ・マッキーンの描くジョーカー。禍々しさがすごいですね。

ジョーカーに招かれるかたちでアーカムの門をくぐるバットマン。精神を病んだヴィランたちに占領されているこの狂気の館の内部は、恐ろしく陰鬱で、混沌とした様相でした。




バットマンはこの館の中で、ジョーカーにより開催された「かくれんぼ」を通して、様々なヴィランと対峙し、彼らの内面に持つ狂気に触れながら館の中をさまようことになります。この「かくれんぼ」を通じて、バットマンも次第に彼らの狂気に感化され、飲み込まれてしまい……? バットマンと共に、この狂気の世界を旅してみてはいかがでしょうか。


この作品はグラント・モリソンの描くストーリーと、デイブ・マッキーンの幻想的という言葉では言い表しきることのできないアートが融合した、唯一無二の作品です。普段アメコミに慣れ親しんでいる読者の皆さんも、思わずぎょっとしたのではないでしょうか。特にジョーカーは一度見れば目に焼き付けられてしまうのではないでしょうか。他にも、登場するヴィランたちは皆個性豊かに描かれています。しかし、一方でバットマンは黒塗りの影のように描かれていることがほとんど。ここには何か意味があるのでしょうか……?


最後に、個人的に印象的な部分をご紹介します。まずは、バットマンがアーカムに向かう前に、ジム・ゴードンに漏らしたこの言葉。




「だから、アーカムの門をくぐって…背後で扉が閉じた時に、
自分の家に帰ったような気がしそうで…それが怖いんだ」


バットマンはヒーローであり、収容されている囚人たちとは違う、正義の人物であるはずです。その彼が、何故アーカムを自分の家と錯覚するかもしれないと恐れているのでしょうか。その理由とは一体……?


そしてもう一つ、バットマンがアーカム内でマッドハッターと遭遇したこのシーン。




顔も見えないほど黒く塗られたバットマンとは対照的に、色彩も表情も豊かに描かれる彼のセリフも大変印象的です。

「アーカムは鏡の国じゃよ」
「わしらはおぬしなのさ」


アーカムのヴィランたちがバットマンである、その言葉の真意は一体何なのでしょうか。恐らくそれは、バットマンと共にアーカムをさまようことで理解できると思います。ぜひ、皆さんもバットマンと共にアーカムの囚人たちの内面に潜む狂気に触れてみてください。


また、8月刊行の『バットマン:アーカム・アサイラム 増補改訂版』では、グラント・モリソンによるスクリプトはもちろん、デイブ・マッキーンによるアートも収録されております。バットマン史に残る衝撃の問題作を、ぜひ本書で味わい尽くしてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


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2020年6月23日火曜日

これは、彼女がまだ“ワンダーウーマン”と呼ばれる前の物語。『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』


アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。

先週の6月18日、DCの日本オリジナルレーベル「GN COLLECTION」第一弾、
『ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』を発売しました!

作品については何度もご紹介しているので割愛いたしますが……。
今後もワンダーウーマン、レイブン、そしてスーパーマンとバットマンという、おなじみのヒーローたちの物語を展開していきます。お楽しみに!

さて、本日のアメコミ魂では、そんなGN COLLECTIONの第二弾
『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』(原題:Wonder Woman: Warbringer)についてご紹介します。

▐ 『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』あらすじ


これは、彼女が最強のヒーロー
“ワンダーウーマン”と呼ばれる前の物語である。

セミッシラに住むアマゾン族の王女、ダイアナは、優秀な戦士である姉たちに自分の価値を証明したいと思っていた。
しかしその機会が訪れたにもかかわらず、禁忌を侵しても人間の少女、アリア・ケラリスを救おうとする。

アリアはただの少女ではない。
“ウォーブリンガー”(戦禍を呼ぶ者)という
血塗られた過酷な時代をもたらす運命を持っていた。

世界を救うためには、アリアを殺すしかない。
島の巫女にそう告げられたダイアナは、彼女を連れ、外界へ旅に出る。

アリアを守るため、そして戦乱へと至る道を阻むため。


▐ みどころ①少女ダイアナの活躍


『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』は、正史とは違う世界の物語。
彼女がまだ“ワンダーウーマン”と呼ばれる前……王女ダイアナとして暮らしていたときの出来事を描いています。


まだ少女のダイアナ。彼女はその特殊な生い立ちもあり、島の仲間たち――自分の姉たちに、なんとか自分の価値を認めてもらいたいと、日々訓練に明け暮れています。


そしてある日、ダイアナは島で行われる競技大会に参加することに。

ここで一番になれば、王女である母、そして姉たちに認めてもらえる……。

そう思ったダイアナは、並々ならぬ覚悟を持って、大会に臨みます。



しかし、競技中に外界の海で、炎上している船を発見。

外界の人間と関わることは、アマゾン族の掟に反する……。

頭ではそう分かっていながらも、居ても立っても居られなくなったダイアナは海に飛び込み、生存者を探します。

ダイアナは、沈む船の中から、まだ脈のあるひとりの女の子を助け出します。
これが、今作の鍵を握る少女“アリア”との出会いでした……。

…………

まだまだ見た目はあどけない少女ですが、助けを求める人がいれば、自分のことを顧みずに飛び出してしまう。
このあたりにヒーロー“ワンダーウーマン”の姿を感じますね。

アリアを助け出したダイアナは、彼女の持つ“ウォーブリンガー”の運命を変えるため、
セミッシラを飛び出し、ニューヨークの街へ冒険に出ます。

常人離れした力を持つダイアナも、まだまだ少女。決して完璧なヒーローとはいえませんが、未熟ながらもアマゾン族の誇りを忘れず、敵と戦う姿は必見です!


▐ みどころ②キット・シートンによるおしゃれなアート


今作のアートを手掛けたのは、アメリカ在住のアーティスト、キット・シートン。
さまざまな美術系の学校にて講師を務め、現在はコミックアーティストとして活躍しています。

これまで小社で発売していたアメコミとはひと味違い、ワントーンで描かれたアートが魅力的!
1コマ1コマのイラストがどれも美しく、眺めるだけでも物語の世界に引き込まれます。



今回、カバーも青を基調とした日本オリジナルのデザインにしてみました。ソデにはキット・シートンのイラストをポイントで配置しています。
とても素敵なデザインになっているので、ぜひお手にとって見てください!


▐ みどころ③オリジナルキャラクターも個性的!


ダイアナはもちろん、オリジナルキャラクターも魅力的。
読み切りにするには惜しいくらいの、個性的なキャラクターが登場します!

戦争を引き起こす“ウォーブリンガー”であるアリアは、その血なまぐさい運命とは裏腹に明るくて快活な女の子。
しかし、自分の運命を受け入れ、世界を救う方法をダイアナと探し、立ち向かう強さを持っています。

そしてアリアの過保護な兄ジェイソンやその友達テオ、そしてアリアの親友ニム……。
ダイアナは彼らと一緒に行動を共にしますが、その道中もトラブルがたくさん……?

ティーンネイジャーである4人の冒険にも注目です!

▐ ダイアナ、アリア、そして世界の運命はどうなる?


ダイアナはアリアを守り、世界を救うことができるのか?
結末は、7月23日発売の『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』にて!
ぜひチェックしてみてください!(予約はこちらから!)

また、ここでご紹介した内容は、GN COLLECTION特設サイトにて試し読みもできます!
ぜひチェックしてみてくださいね!

それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


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2020年6月17日水曜日

名作ぞろい! クラシック作品はいかが?【DC編】


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

梅雨入りもしたようで、最近は雨の日も多くなってきましたね。しかし、晴れるととても暑い……梅雨と真夏が同時に攻め込んできた気分ですね。


最近は読者の皆さまに、本国で刊行されたタイトルをあまり間をあけずに翻訳してお届けできるようになってきました。そのこともあり、最近の刊行タイトルは比較的近年に刊行されたものが大部分を占めています。しかし、アメコミは長い歴史を持つもので、昔の作品にも名作がたくさんあるのです。今回はShoPro Booksのアメコミの中から、比較的クラシックなタイトルをご紹介できればと思います。

▐ 言わずと知れた名作DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』


▲『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』書影



最初にご紹介するのは言わずと知れた名作『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』になります。こちらに収録されている『バットマン:ダークナイト・リターンズ』は1986年の作品。もう30年以上もたちますが、いまだにアメコミ界の大傑作として名高い作品です。

ゴッサムシティからバットマンが消えて10年55歳のブルース・ウェインは危険なスポーツとアルコールに浸る日々を送っていました。しかし、ゴッサムシティが悪化の一途をたどると、己の魂の呼びかけに突き動かされ、バットマンとして復活を決意します。バットマンの復活は、東西冷戦期の混迷のなかでさまざまな波紋を投げかけることに……。そして彼の復活は、あの道化王子の復活も意味しています。バットマンの存在はゴッサムシティにとって救世主となるのか、それとも混乱を招く脅威となるのでしょうか。

最近刊行した『スーパーマン:イヤーワン』は本書の前日譚にあたるお話。『ダークナイト・リターンズ』では老齢のバットマンとスーパーマンの対決が描かれましたが、こちらでは若かりし二人の対決が描かれます。

▲『スーパーマン:イヤーワン』より

30年もの時がたってもなお広がりを持つ、フランク・ミラーの描く世界にぜひ飛び込んでみてください。


▐ まさにアメコミ界の金字塔『ウォッチメン』


▲『ウォッチメン』書影

続いて紹介するのは、ShoPro Booksのアメコミで最も人気のあるタイトル『ウォッチメン』です。こちらは1986年から87年まで連載された作品です。1986年に刊行されたアメコミには3つの不朽の名作があると言われており、その一つがこの『ウォッチメン』とされています。(残り二つは先ほどご紹介した『バットマン:ダークナイト・リターンズ』で、もう一つはアート・スピーゲルマンの『マウス』とされています)

1985年、核戦争の危機が目前に迫る東西冷戦下のアメリカ。この世界は私たちの世界とほとんど変わりはありません……スーパーヒーローが存在することを除いては。そんな世界で、かつてのヒーローたちが次々と消されていく事件が発生します。これはヒーロー抹殺計画のはじまりなのでしょうか――? スーパーヒーローが実在する、もう一つのアメリカ現代史を背景に、真の正義とは、世界の平和とは、人間が存在する意味とは何かを描いた不朽の名作です。

今年の12月は続編である『ドゥームズデイ・クロック』も刊行します。『DCユニバース:リバース』において、『ウォッチメン』の世界とDCユニバースのつながりが示唆されました。果たしてこの二つの世界がどのように交わり、DCユニバースにどのような影響を与えることになるのでしょうか。『ドゥームズデイ・クロック』に備えて『ウォッチメン』を読んでみてはいかがでしょうか。

▲『DCユニバース:リバース』より


▐ ジョーカー様の世界にようこそ!『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』



▲『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』書影

次にご紹介するのは、『スーパーマン:エンペラー・ジョーカー』になります。この作品は、2000年にスーパーマン系列誌をまたいで掲載されたクロスオーバーイベントをまとめたものです。2000年というと最近のような気もしますが、もう20年も前になるのですね。

あらすじはこちら

――初めに、ジョーカー様が天と地を創造した――

ゴッサムシティでは、今日もいつも通りの日常が繰り返されていた。
世界一危険な犯罪者スーパーマンがアーカム・アサイラムから脱獄。
それを捕まえるため空を駆けるのは、世界一の英雄ビザロ! ……ってちょっと待って!?
この世界は私たちの知る世界と違う。
なんたって創造神がジョーカー様なのだから!
そう、神の力を得たジョーカーが、世界を混沌としたものに改変してしまったのだ。
元の世界の記憶なんて誰も持っていない!
ジョーカーに逆らうことができるのは1人だけ!
スーパーマンは鋼の意志で、世界の皇帝ジョーカーを打ち破ることはできるのか!?


内容が内容だけに、テンションを上げてご紹介したいこの作品。ジョーカー以外は元の世界の記憶を持たず、ロイスはスーパーマンを他人としか認識せず、ジャスティス・リーグの面々もコミカルなヴィランと化したこの世界。スーパーマンはたった一人で、神に等しい力を持つジョーカーに挑まなくてはいけません。


▲ヴィランとなってしまった
アクアマン、ワンダーウーマン、フラッシュ

この作品ではなんといってもジョーカーのとんでもない力が魅力的。ダークサイドすら逆らえないその力は、まさに宇宙の皇帝といっても過言ではありません。また、ジョーカーとバットマンの関係性などにも注目したいところです。



▐ ワンダーウーマンの悲劇が幕を開ける『ワンダーウーマン:ヒケテイア』


▲『ワンダーウーマン:ヒケテイア』書影

『ワンダーウーマン:ヒケテイア』は本国では2002年に刊行された作品です。ワンダーウーマン誌をはじめ、多くの作品を担当する有名ライター、グレッグ・ルッカによるワンダーウーマン初担当作品。ぺージ数は96ページと少ないながらも、紡がれるお話は濃密なものになります。

自らの故郷「セミッシラ」より外界に出てきたワンダーウーマンは、故郷とこの世界の違いに慣れつつありました。そんな彼女の元に、突如ダニエルという女性が助けを求めに現れ、ワンダーウーマンに対し古代ギリシアの儀式「ヒケテイア」の嘆願を行います。この儀式により、ワンダーウーマンはダニエルを守る使命を帯びることになってしまいます。しかし、彼女には殺人の罪が……。


▲ワンダーウーマンへヒケテイアを行うダニエル


人を殺めてしまったダニエルは、ゴッサムシティの守護者であるバットマンに追われています。ワンダーウーマンは儀式によって課せられた使命のため、友人であるバットマンとも争うことになります。この儀式の前には、友人も罪も関係がありません。そして待ち受ける結末とは……? ぜひ本書で見届けてくださいね。


他にも、1980年代の作品である『Vフォー・ヴェンデッタ』、1987年の『バットマン:キリングジョーク』などのアラン・ムーア作品や、1996年の『キングダム・カム』、2001年の『ジョーカー:ラスト・ラフ』など、多くの名作があります。クラシック作品は単体で読んでも楽しめますし、アメコミは過去作品を知っていると、にやりとできる部分もあるかと思います。これからアメコミを読む方にも、既に結構読まれているという方も、ぜひ手に取ってみてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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