2020年7月29日水曜日

現在編集中のタイトルをご紹介!


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

恐ろしいことに、もうすぐ7月が終わりますね。今年は涼しい気候が続き、夏を感じることなく8月に入りそうです。セミの鳴き声も一度も聞いていませんね……。

さて、今回のアメコミ魂では、僕が現在編集作業を行っているアメコミをご紹介できればと思います!

▐ これがバットマンの最後の旅になる……『バットマン:ラストナイト・オン・アース』

▲『バットマン:ラストナイト・オン・アース』原書書影


最初にご紹介するのは9月刊行の『バットマン:ラストナイト・オン・アース』です。こちらのタイトルは『NEW52!バットマン』シリーズの名コンビ、スコット・スナイダーとグレッグ・カプロが送るバットマンの最後の物語です。

こちらのタイトルも『スーパーマン:イヤーワン』と同じく、名作家陣による読み切りタイトルで知られるブラックレーベルの作品。ShoPro Booksとしても特におすすめの一冊です!

あらすじ
突如ゴッサムシティに出現した、
自身の遺体をなぞるかの如く描かれたチョークラインの謎を追い、
クライム・アリーへたどり着いたバットマン。
そこで見つけた少年に銃を突き付けられた瞬間――
彼はアーカム・アサイラムで拘束されていた。
一瞬のうちに月日が流れ、荒廃した世界に困惑するバットマン。
彼は失った自身の過去、そして変わり果てた世界の謎を探るために
世界を旅することになる。この奇妙な旅路の果てには、
いったいどんな結末が待ち受けているのか――。

荒廃した世界を旅するバットマン。その旅のお供は、なんと生首だけになったジョーカー。バットマンとジョーカーという因縁の宿敵である二人が旅をするというストーリーは、非常に惹かれるものがありますね。

バットマンがジョーカーを見つけるシーン。ジョーカーは何故こんな姿に……?


普段は敵対し、争っているバットマンとジョーカー。しかし本作では、バットマンにジョーカーが「オレをロビンにしてくれ」と迫るシーンも。旅の中でいつもと違う関係が結ばれるのでしょうか……?




また、この世界で登場する他のヒーローやヴィランたちの姿にも注目です! 名コンビの描くバットマンの最後の旅路、その果てをぜひ見届けてくださいね。



▐ 映画公開で注目が集まるヒーローの初単独邦訳誌! 『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー』



次にご紹介するのは、同じく9月刊行作品『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー』(仮)です。ShoPro Booksからは久しぶりのMARVELタイトルとなります。11月公開予定の映画『ブラック・ウィドウ』に先駆けて、ブラック・ウィドウの単独誌を初邦訳でお届けします!

あらすじ
ソ連のスパイとして冷戦の第一線で活躍し、
その後西側に亡命してアベンジャーズの一員として
スーパーヒーローの仲間入りを果たした
ブラック・ウィドウことナターシャ・ロマノフ。
完璧で冷酷なプロフェッショナルとしてその名を轟かせたナターシャだったが、
新たなブラック・ウィドウ、エレーナ・ベロワの出現により、
その地位が脅かされようとしていた……。
二人のブラック・ウィドウの対決と共闘を描いた2編の傑作を収録!

本作は映画『ブラック・ウィドウ』にも登場する、もう一人のブラック・ウィドウ、エレーナ・ベロワと初代ブラック・ウィドウであるナターシャ・ロマノフが邂逅する物語。二人の初めての出会うエピソードも収録されており、今回の映画にあった内容となっております。

前半のストーリーでは、ベテランのナターシャに、若く才能あふれるイリーナが勝負を挑むといった内容になっております。ブラック・ウィドウ同士の対決の行く末に注目です。



そして後半の物語は、ナターシャのある任務のために、ナターシャとイリーナが入れ替わる物語が収録されています。イリーナは自分が何故ナターシャの姿に変貌しているのか理解できぬまま、S.H.I.E.L.D.に追われる身となってしまいます。突然の状況に身を置かれ、心身がすり減っていくイリーナはどうなってしまうのか。そしてナターシャの目的とは……?


二人のブラック・ウィドウの関係を知るうえで重要な二つのエピソード、ぜひ映画もあわせてチェックしてみてくださいね。


▐ DCユニバースに訪れる終末……『ディシースド』


最後にご紹介するのは、10月刊行予定のDC作品『ディシースド』です。こちらの作品は本国でも話題を呼んだ読み切りのタイトルでしたが、その人気から既に続編も描かれているほどです。この目を惹くカバーイラストからもなんとなく察しがつくように、この作品はいわゆる「ゾンビもの」に近い作品となっております。

あらすじ
DCユニバースに終末が訪れる……。
ジャスティス・リーグの宿敵、ダークサイドが支配する
アポコリプスより未知のウイルスが地球に到来した。
ソーシャルメディアを通じて人々に感染するこのウイルスは、
世界中の人々を瞬く間に生ける屍に変えてしまった! 
ヒーローもヴィランも、ゴッサムシティもアトランティスも
容赦なく呑み込んでいくこのウイルスの前に、
世界はなすすべもなく絶望に染められていく。
滅亡の危機に瀕する地球で、生き残ったジャスティス・リーグの面々は
人々の希望になれるのだろうか……?

ジャスティス・リーグの宿敵、ダークサイドが追い求める反生命方程式がウイルスと化し、地球のSNSを媒介して人々を汚染していく……というとんでもない設定。一般市民は言うまでもなく、ヒーローやヴィランさえもこのウイルスに汚染されてしまいます。あっという間にウイルスに染められていく地球を、生き残ったヒーローたちは救うことが出来るのでしょうか……?

▲汚染された人々により崩壊する街

本作は有名なヒーローから、邦訳作品では登場頻度の少なくなりがちなブースター・ゴールドやジョン・コンスタンティンなども登場します。彼らの活躍にもぜひ注目してくださいね。

そして、本書の巻末に収録されているバリアントカバーのアートも個人的には注目していただきたい部分です。フランチェスコ・マッティーナによる美麗なアートと、映画のポスターをオマージュしたアートは思わず見入ってしまいます。

▲フランチェスコ・マッティーナによるアート


▲某映画をオマージュしたアート、元ネタは……わかりますね?


以上、現在編集中の作品をご紹介させていただきました。実はまだあるのですが、こちらはまたの機会にご紹介できれば……と思います。どの作品もより良いものにするため、鋭意制作中ですので楽しみにしていてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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2020年7月15日水曜日

サナガー帝国に隠された秘密とは? JL最新作『ジャスティス・リーグ:偽りの帝国』


アメコミ魂をご覧のみなさま、こんにちは。
すこし更新が空いてしまいましたが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

雨が続き、落ち込むことも続く毎日ですが、少しでもShoProのアメコミが毎日の活力になれば…と思い、編集部一同制作に勤しんでおります。

さて、今回は明日716日発売の『ジャスティス・リーグ:偽りの帝国』について、本編をチラ見せしながらご紹介します!

▐ 新生ジャスティス・リーグVSヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥーム

前作『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』では、レックス・ルーサー率いるヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥームとの戦いを繰り広げていました。

▲ジャスティス・リーグ:新たなる正義
(購入はこちらから)

▲ジャスティス・リーグ:神々の墓所
(購入はこちらから)

詳しい内容はこちらの記事でも紹介しています。
あわせてチェックしてみてくださいね!


今回の表紙はこちら。いや~三冊並ぶと圧巻ですね。
早くお店に並ぶ様子を見てみたいものです。


▐ リージョン・オブ・ドゥームに不穏な動きが……?


舞台は過去のゴッサムシティ。
物語はヴィラン連合リージョン・オブ・ドゥームを率いるレックス・ルーサー、そしてジョーカーの会話から始まります。

▲会話をするレックス・ルーサーとジョーカー。なにやら不穏な空気……。

今回のシリーズでは、レックス・ルーサーのもと、「リージョン・オブ・ドゥーム」として手を組んでいるジョーカーたちヴィラン。

しかし、ジョーカーをはじめとする、彼らヴィランも他人に従うようなキャラクターではないはず……。ジョーカーが選ぶのはレックス・ルーサーか、それとも自分自身か?
リージョン・オブ・ドゥーム内の関係性にも注目したいところです。

 舞台は惑星サナガー! ホークガールとどのような関係があるのか……?



そして、今回の主な舞台は惑星サナガー(サナガー帝国)。
多元宇宙を救う鍵を探すため、ホークガール、マーシャン・マンハンター、グリーンランタンがこの地を訪れます。


彼らを迎えたのは、サナガー帝国の女帝、シェイエラ・ホル。
ホークガール一行は彼女の協力の下、多元宇宙を救う鍵を探します。

しかし、調査を進めていくうちに、サナガー帝国に隠された秘密が明らかに。
その秘密を知られまいとするシェイエラは、彼女の夫、カター・ホルとともにジャスティス・リーグの前に立ち塞がります。

▲「その女を殺して」

そもそもカター・ホル、そしてシェイエラとは一体誰なのか?
ホークガールとの関係は?

さまざまな謎が絡み合い、その謎が宇宙を揺るがす秘密に繋がる……。
とても読み応えのあるストーリーとなっております!

▐ マーシャン・マンハンターの過去も……。


一方で、新ジャスティス・リーグの代表に就任したマーシャン・マンハンターのエピソードも収録されています。

▲幼少期のマーシャン・マンハンター。この少年は一体?

彼が幼少期に出会った少年を探すため、最終的にはとある人物を巻き込み、ストーリーが進行していきます。そのとある人物とは……?

このあたりは次巻『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』にも繋がる部分です。ぜひ注目してみてくださいね。

▐ 続編も8月発売予定です!




また、現在続編である『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』も鋭意制作中です! 

こちらはジャスティス・リーグのメンバー、スーパーマンがメインの一冊!
「これぞスーパーマン!」といった、彼の強さをじっくり楽しむことができます!

また、表紙のバットマンも穏やかではない様子……何やら事件が勃発しそうな雰囲気……。
ジャスティス・リーグはどうなるのでしょうか。

『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』は8月20日発売予定です。楽しみにしていてくださいね!

それでは、今日のアメコミ魂はここまで。
次回もよろしくお願いします!


(文責:松本)
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2020年7月1日水曜日

ここに来い、狂気の館に。お前のいるべき場所によ――『バットマン:アーカム・アサイラム』


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

早いもので今年も半分が終了し、あっという間に7月になりましたね。春は外に出れなかったので、冬の次に夏が来ているような感覚です。

さて、本日は8月に増補改訂版として3度目の刊行を迎える作品『バットマン:アーカム・アサイラム』をご紹介しようと思います。


▐ バットマン史に残る衝撃の問題作『バットマン:アーカム・アサイラム』

▲『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』書影
前回の記事『名作ぞろい! クラシック作品はいかが?【DC編】』では『ウォッチメン』『DARK KNIGHT バットマン:ダークナイト』といったクラシックな作品を紹介しました。今回ご紹介する『バットマン:アーカム・アサイラム』もそんな作品の一つ。刊行されたのは1989年と30年以上昔になりますが、今でも色あせることのない、バットマン史上屈指の衝撃作として有名です。

ShoPro Booksからは2000年に初めて刊行し、その後2010年に完全版を刊行しており、今回は3回目の刊行になります。それだけアメコミ読者の皆さまに読んでいただきたい名作の一つです。


▐ 狂気が渦巻く館、アーカム・アサイラム


物語は4月1日のエイプリルフールに動き出します。犯罪者たちの精神病院「アーカム・アサイラム」で暴動が発生し、囚人たちに病院が乗っ取られてしまう事態が発生。アーカムの囚人たちは家具やマネキン、食べ物や衣装と、職員たちを人質に異質な要求を行っていました。その要求の中にはバットマンの存在も――バットマンはジョーカーに誘われ、アーカム・アサイラムを訪れることになります。


▲デイブ・マッキーンの描くジョーカー。禍々しさがすごいですね。

ジョーカーに招かれるかたちでアーカムの門をくぐるバットマン。精神を病んだヴィランたちに占領されているこの狂気の館の内部は、恐ろしく陰鬱で、混沌とした様相でした。




バットマンはこの館の中で、ジョーカーにより開催された「かくれんぼ」を通して、様々なヴィランと対峙し、彼らの内面に持つ狂気に触れながら館の中をさまようことになります。この「かくれんぼ」を通じて、バットマンも次第に彼らの狂気に感化され、飲み込まれてしまい……? バットマンと共に、この狂気の世界を旅してみてはいかがでしょうか。


この作品はグラント・モリソンの描くストーリーと、デイブ・マッキーンの幻想的という言葉では言い表しきることのできないアートが融合した、唯一無二の作品です。普段アメコミに慣れ親しんでいる読者の皆さんも、思わずぎょっとしたのではないでしょうか。特にジョーカーは一度見れば目に焼き付けられてしまうのではないでしょうか。他にも、登場するヴィランたちは皆個性豊かに描かれています。しかし、一方でバットマンは黒塗りの影のように描かれていることがほとんど。ここには何か意味があるのでしょうか……?


最後に、個人的に印象的な部分をご紹介します。まずは、バットマンがアーカムに向かう前に、ジム・ゴードンに漏らしたこの言葉。




「だから、アーカムの門をくぐって…背後で扉が閉じた時に、
自分の家に帰ったような気がしそうで…それが怖いんだ」


バットマンはヒーローであり、収容されている囚人たちとは違う、正義の人物であるはずです。その彼が、何故アーカムを自分の家と錯覚するかもしれないと恐れているのでしょうか。その理由とは一体……?


そしてもう一つ、バットマンがアーカム内でマッドハッターと遭遇したこのシーン。




顔も見えないほど黒く塗られたバットマンとは対照的に、色彩も表情も豊かに描かれる彼のセリフも大変印象的です。

「アーカムは鏡の国じゃよ」
「わしらはおぬしなのさ」


アーカムのヴィランたちがバットマンである、その言葉の真意は一体何なのでしょうか。恐らくそれは、バットマンと共にアーカムをさまようことで理解できると思います。ぜひ、皆さんもバットマンと共にアーカムの囚人たちの内面に潜む狂気に触れてみてください。


また、8月刊行の『バットマン:アーカム・アサイラム 増補改訂版』では、グラント・モリソンによるスクリプトはもちろん、デイブ・マッキーンによるアートも収録されております。バットマン史に残る衝撃の問題作を、ぜひ本書で味わい尽くしてくださいね。


それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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