2017年7月25日火曜日

この夏オススメのデッドプール&スパイダーマン2作品



「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!

関東も梅雨が明け、エアコンなしでは耐え難い日々が続いていますね。今回ご紹介するのはそんな夏にぴったりのさわやかなストーリー……ではなく、暑苦しさに定評のあるデッドプールの単独タイトルです。

デッドプール:バック・イン・ブラック
カレン・バン[作]サルバ・エスピン[画]
定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆

裏表紙はこんな感じです。↓↓↓


この不気味な迫力! 実写だったら完全にホラーとして分類されますよね、これは。

内容もなかなかのスプラッタ描写があるので、そういった意味でも夏にふさわしい1冊といえます。

カレン・バンとサルバ・エスピンのタッグで描かれるデッドプール――ときいて、ピンとくる方はさすがです。

この二人が手がけた『デッドプール vs. カーネイジ』も、『デッドプール:バック・イン・ブラック』同様にエイリアン共生体が悪行の限りを尽くす作品。まだ読んでいないという方は、この機にぜひぜひご一読ください! ヴェノムなどエイリアン共生体についても体系的な知識が身につきます(?)し、どちらか一冊を知っていればもう一冊もすんなり読めるのでオススメです。やたらと赤いカバーを目印に探してください。

デッドプール vs. カーネイジ
カレン・バン[作]サルバ・エスピン[画]
定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆

さて、物語が始まるのは、1984年のクロスオーバー・イベント『シークレット・ウォーズ』のあと、スパイダーマンがエイリアン共生体と決別してから。さらにその後、エイリアン共生体は自分を捨てたスパイダーマンを襲います。その襲撃はあえなく失敗に終わり、共生体は教会に身を潜めるのですが……。

多くの方は、このあとにエディ・ブロックがやってきてエイリアン共生体の宿主となり、ヴェノムが爆誕するというストーリーをご存じでしょう。しかしその前に、実は共生体とデッドプールの知られざる邂逅があったのだ――というのが、本書のあらすじです。

デッドプール:バック・イン・ブラック』本編より

物語冒頭の共生体さんは、なんだかヒューマン。お菓子をくれるお掃除のおじさんと仲良くなっていたりして、まるで路地裏の子猫ちゃんのようです。この人間くさい振る舞いは、宿主だったピーター・パーカーの影響を受けたためだろうと推測されるのですが……ということは、新たな宿主であるデッドプールの影響を受けるとどう変化してしまうのか……なんとなく想像がつきますね。

デッドプール:バック・イン・ブラック』本編より

ハイ、ご想像のとおり。顔つきも極悪具合もエグイです。

雑食ぶりもすさまじく、作中でいろんなものを食べてみせてくれますので、その辺りもお楽しみに。

また、30年以上前のシリーズをもとにしている『デッドプール:バック・イン・ブラック』には、それを思わせる遊び心がいろいろ隠されています。

デッドプール:バック・イン・ブラック』本編より

欄外にもたくさんの豆知識とジョークが詰め込まれているのですが、何度も書かれているのはこの「広告の後に続く」というフレーズ。往年のリーフでは、本編の間に広告ページが差し込まれる際、「Continued After Next Page(次ページ広告の後に続く)」という当然のひとことが欄外に記載されていたそうです。これはその決まり文句を再現した演出だとのことで、当時を知るファンはきっと懐かしい気持ちになるのでしょうね。

とにかく何度でも読み込める、厚さに対して情報量の多いオトクな一冊です。スパイダーマンやクレイヴンのほか、最後には意外な人物も登場するので、結末まで気を抜かずにお楽しみください!


そしてもうひとつご紹介するのは、こちらもデッドプールが登場するビッグタイトル!
スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』です。

スパイダーマンは8月に主演映画の公開が決まっており、弊社のコミック刊行も続く超大物かつ旬なヒーローのひとり。こちらもぜひこの夏に読んでおきたい一冊です。

スパイダーマン/デッドプール:プロローグ
ジョー・ケリー他[作]アーロン・クダー他[画]
定価:本体2,400円+税
◆好評発売中◆

おしゃべり上手なスパイダーマンとデッドプール、待望のチームアップ!

待望の競演がついに始まる――まずはその前に、彼ら凸凹コンビの過去のブロマンスを読んでおこう! というのが本作のコンセプト。泣く子も黙るふたりのスターによる、これまでの未邦訳共演作をぎゅっとまとめた一冊です。

底本となっている『Spider-Man/Deadpool Vol. 0: Don't Call It A Team-Up』に収録されている『DEADPOOL(2008)#19-21』と『DEADPOOL(2012)#10』は、弊社からすでに『デッドプール:モンキー・ビジネス』および『デッドプールVol.2:ソウル・ハンター』として刊行されているので、気になる方はこちらをチェックしてください。


デッドプール:モンキー・ビジネス
ダニエル・ウェイ[作]カルロ・バルベリー他[画]
定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆

デッドプールVol.2:ソウル・ハンター
ジェリー・ダガン、ブライアン・ポゼーン[作]
スコット・コブリッシュ他[画]
定価:本体1,800円+税
◆好評発売中◆

どちらも大人気作なので、熱心な読者の多くはすでに2冊ともお持ちのことと存じます。でも大丈夫! 『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』を購入しても重複するお話はありませんので、どうぞ安心してお求めください。

本作はケーブルやウィーゼルなど、さまざまなキャラクターが登場するのも楽しみな点ですが、邦訳が待たれていた『デッドプール・アニュアル』#2が収録されているのも大きなポイント。

スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』本編より

ずっとスパイダーマンのスーツを着てみたかったデッドプール。夢が叶ってよろこぶさまはとってもかわいらしいのですが、デッドプールが着たあとのスーツを着ると思うと、やっぱりなんていうか、なぜなのかはうまく言えないですけど、わりとすごく嫌ですよね。

スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』本編より

実際、スパイディもこう言っていますし……↑↑↑

そのほか、ピーター・パーカーの学生時代にデッドプールがタイムスリップしたり、日本人俳優も出演したあのハリウッド映画よろしく、夢の階層をふたりで下りていったり、“ママ・ジョーク”で対決したりします。ちなみにママ・ジョーク(=Yo mama)とは、日本でいうところの「お前の母ちゃんデベソ」的な、お母さんの悪口にオリジナリティを持たせて対決するもののこと。いい年をした世界的ヒーローが真剣にこれをやりますので、ぜひご覧ください。

全編にわたって、スパイダーマンへのデッドプールの歪んだ愛情と、スパイディのいいやつぶりがうかがえます。読了したあかつきには、これまで以上にふたりを好きになってしまうこと間違いなし!

ふたりの活躍する過去作品を集めた本作は、このシリーズにとってまさに“プロローグ”。『スパイダーマン/デッドプール:プロローグ』にも携わったジョー・ケリーをライターに迎えた『スパイダーマン/デッドプール vol.1(仮)』では、いよいよ彼らの新たなストーリーが描かれます。


『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』
ジョー・ケリー[作]エド・マクギネス[画]
◆9月20日頃発売予定◆

というわけで、近く刊行予定の『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』もお楽しみに!

次回は『バットマン:エピローグ』と『ハーレイ・クイン:ブラック・ホワイト&レッド』について熱く語ります。どちらもついに最終巻をリリースした人気シリーズですので、こちらも要チェックですよ。

それではごきげんよう。 来週の更新もお楽しみに!

(文責:鈴木)


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2017年7月17日月曜日

「バットマン:エターナル」ついに完結!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

今年1月に刊行された『バットマン:エターナル<上>』。邦訳化を待ち望む声が大きかったビッグタイトルということもあって、600頁におよぶ大ボリュームにもかかわらず、多くの読者の方々から好評の声を聞くことができました。

そして、続く完結編となる『バットマン:エターナル<下>』が、いよいよ今週から店頭に並びます!

バットマン:エターナル<下>
スコット・スナイダー、ジェームズ・タイノンⅣ他[作]
ジェイソン・ファボック、ダスティン・グエン他[画]
定価:本体5,500円+税
◆2017年7月19日頃発売◆


ジム・ゴードン逮捕から端を発した様々な事件、その背後に潜む陰謀など、前巻で張り巡らされた伏線が結末へ向かって収斂されていきます。

下巻を読む前に、前巻までのあらすじをおさらいしましょう。

▼上巻のあらすじ▼

ゴードン市警本部長が逮捕されたことをきっかけに、ゴッサムの騒乱の日々は始まった。過失致死の濡れ衣を着せられたゴードンが、ブラックゲート刑務所に拘留され、彼の意志を引き継いだかに見えたジェイソン・バードは、バットマンと警察を敵対させ、ゴッサムを戒厳令下におく。バットマンと仲間たちはゴードンの無実を信じ、それを証明しようとするがその努力は報われず、街とバットファミリーを取り巻く状況は悪化の一途をたどっていった。

そのなか、ナロウズを中心に子供達はナノマシンによる奇病に倒れていく。その原因を探るため、レッドロビンとハーパー・ロウは東京へと向かうが、収穫はなかった。時を同じくして、自分の父親が三流ヴィラン、クルーマスターとしった少女ステファニー・ブラウンに莫大な賞金がかけられ、彼女はスポイラーと名乗り逃亡生活を余儀なくされる。キャットウーマンは生き別れの父親レックス・カラブレーゼと再会し、街に秩序を取り戻すために彼が築いた犯罪帝国を継承することを求められる。一方でバットマンは、アルフレッドの娘、ジュリア・ペニーワースと出会う。
当初、バットマンはゴッサムの騒乱の黒幕をカーマイン・"ローマン"・ファルコーネと睨んでいた。しかしファルコーネは傀儡にすぎず、より大きな計画の一部であることが判明する。突如現れたハッシュによって、アルフレッドが重体に追い込まれたとき、バットマンは彼こそがすべての背後で糸を引いていたと確信するが……。
▲上巻のあらすじ▲


前巻に引き続き、本書は2014年10月から2015年4月にかけて刊行された「バットマン:エターナル」誌28号から52号を一冊にまとめたものです。アメリカでは単行本全3巻で刊行されましたが、邦訳版では上下巻に編集し直して刊行。下巻にあたる本書は原書2巻の後半と原書3巻を収録したものになります。また、原書2巻に収録されていた「アーカム・マナー」誌と「キャットウーマン」誌のプレビュー(予告編)も収録しました。ちなみにこちらの2タイトルの刊行予定はございません(すみません!)。

前巻でバットマンと仲間たちは、解決のために奔走を続けたものの、事件の全貌は明らかになりませんでした。そのさなか、ウェイン邸でアルフレッドがハッシュに襲撃され意識不明に陥いるという衝撃の展開がありました。彼こそが黒幕かと思われましたが、事件は意外な展開となります……が、それは是非、本書をお手に取ってお確かめください。

「バットマン:エターナル」シリーズでは、クライム、テクノロジー、そしてオカルトといったゴッサムシティの様々な側面を紹介しつつ、週刊というハイペースで街を揺るがす難事件が続発。刊行のたびに、真の黒幕を予想する声が読者たちのあいだでわき起こりました。

これだけ大きなスケールで展開される作品に取り組むにあたり、製作側はライターだけでもスコット・スナイダーをはじめとして6人体制が敷かれました。全体のストーリーがまず用意され、個別のエピソードをライターが交代で書く体制で制作され、それぞれのエピソードにはライターならではの特色が出ています。

▲ジェームズ・タイノンⅣは、レッドロビンや
ブルーバードといったキャラクターが活躍する
エピソードを担当。バットマンを中心に据えつつ、
瑞々しい若者ヒーロー像を創出しました。

▲コリガンとバットウィングのアーカム調査を通じて、
超自然、オカルト的な恐怖を描き出したレイ・フォークス。

大ボリュームならではのダイナミックな展開が本シリーズの魅力ですが、担当ごとに変わる作品の味わいに注目しながら何度も読み返せば、その都度、新たな発見があるかもしれません。なんせ本書は584ページ。上巻と合わせると1184ページという大書です。ぜひ何度も読み直してもらいたい……というより読み直して、この作品の魅力を深く味わってもらいたいです。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責:山口)


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2017年7月11日火曜日

我らのウルヴァリンが日本で大暴れ!



「アメコミ魂」読者のみなさん、こんにちは!

梅雨はいつ明けるのでしょうか。毎日ジメジメ…。蒸し暑くて、もうすでに夏バテ気味なんて方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな方々に今週も、暑いことなんか忘れさせてくれる熱~いアメコミの最新情報をお届けしていきます!

アメコミファンにはうれしいことに、現在、映画『ローガン』がヒット中。これはすでに年老い、ミュータントの能力もなくなりつつある一人の男としてのウルヴァリンの物語です。この映画の影響もあってか、5月に弊社から刊行した『ウルヴァリン:シーズンワン』も好評をいただいております。こちらは、彼がヒーローになる前のオリジンを描いたストーリーで、ウルヴァリン入門書として読めるおすすめの一冊です。

さて今回ご紹介するのは、このウルヴァリンの新作『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』です。これまでのアメコミファンはもちろん、「X-MENは映画でしか知らない」、「映画『ローガン』で彼のファンになった!」という新しいファンにはぜひ読んでいただきたい作品です。

『ウルヴァリン:バック・イン・ジャパン』
ジェイソン・アーロン[作]アダム・キューバート他[画]
定価:本体2,000円+税
●好評発売中●


ウルヴァリンという男の魅力


なぜなら、この作品は「ウルヴァリン」という一人の男としての魅力が最高濃度でギュッと詰まった内容に仕上がっているからです。だから、「ウルヴァリンに興味なんかもったこともない!」という方でも大丈夫。幅広い読者に読みやすく、熱くて、時にはセンチメンタルにもなる緩急のついた人間ドラマにスッと没頭できると思うのです。

ウルヴァリンはX-MENの中でも特に知名度も人気も高いキャラクターですが、はたしてそれはなぜなのか。過去の多くの作品を振り返ってみると浮かび上がるのは、彼の魅力は決してミュータントとしての強さだけではないということです。

過去に起こった多くの悲劇や彼が犯した罪の数々、あるいは忘れられない後悔を背負ってしまった人間の苦悩。普通なら、もう「再起できません…」と心が折れ、へたれ込んでしまうプロフィールがあるのです。しかし、そんな状況を受け入れ、なんとか乗り越えていく強さを持ったキャラクター造形にこそ、読者は惹かれてきたのではないでしょうか。

そして逆を言えば、マーベルは長い時間をかけて、この一人の男について実に多彩なストーリーを展開してきた、ということなのです。ひとつのキャラクターを一途に、大切に。そんな作り手の姿勢を思えば、この最新作もいっそう味わい深いものとなってきます。
それでは、ここで本書のあらすじを紹介します。


本書のあらすじ


謎の男が忍者集団ハンドとヤクザとの抗争をあおり、日本の闇社会の支配権を握ろうと画策していた。

さらに彼は、ウルヴァリンの宿敵であるセイバートゥースらを仲間にしたうえ、シルバーサムライ(銀色の鎧をまとった侍の格好をしたミュータント)の若き息子を引き入れるため、その恋人アミコを誘拐する。

しかし、それが彼らの誤算の始まりだった。なんと、アミコはウルヴァリンが引き取り、かわいがっている養女だったのだ…。

これを読んで「ん?」って「全然内容がわからないよ」となった方もいるかと思います。そうちょっと分かりにくいかも。

そこで本書の魅力を紹介する前に、この作品にまつわるいくつかのキーワードについてふれておきますので、少しだけお付き合いください。

この作品には描かれてはいないけれど、その背景を知れば、ウルヴァリンの心情をより深く理解でき、ひとつのセリフ、ひとつのコマに込められた意味や作者の意図を掴む一助となるかもしれません。


ウルヴァリン単独誌の集大成として


この作品は2012年に刊行された『ウルヴァリン』♯300~304号をまとめたもので、300号を超えるウルヴァリン単独誌の集大成ともいえる作品なのです。

ウルヴァリンの単独誌のスタートは1982年でなんと35年も前。数多くのコミックキャラクターの中でもひとつのチームの、しかもそのスピンオフ・キャラクターとしてこれだけの作品を出したのは、ウルヴァリンだけではないでしょうか。

本書では過去にウルヴァリン作品を手がけてきた代表的なアーティストたちが勢ぞろいでアートを担当しています。そのため、ウルヴァリン一人とって見ても、まったく作風が異なっているので、どんなタッチになっているのか、いろいろなウルヴァリンに出会えることを楽しみにしてください。


日本はウルヴァリンの第二のルーツだった


本書のタイトルには「バック・イン・ジャパン」と付いていて、日本に「GO」ではなく、「BACK」となっていることに、「あれ?」と思った方もいるのではないでしょうか。

私も初めは、アメコミヒーローのウルヴァリンが過去に日本となんらかの関係があったの?と不思議でしたが、実はそのつながり、ずいぶんと前からあったのです。

カナダ生まれの彼と日本との関係が描かれるようになったのは、1979年に刊行された作品で、生涯の恋人・矢志田マリコに出会ったことがきっかけ。その後、ウルヴァリンと日本との結びつきがいろいろな作品で明らかになっていきます。

青年期に侍について書かれた本に出会ったり、船乗りとなって過ごしていた時期にはたびたび日本を訪れていたり。1940年代には兵士として日本に渡っていて、広島でも戦時下を過ごしています。

マリコに一目ぼれしたウルヴァリンですが、彼女の父親・矢志田信玄は表と裏社会の両方で権力拡大をねらう名家の主。彼は本書にも出てくるユキオという女暗殺者に娘を見張らせるのですが、彼女もまたローガンを愛し彼の相棒ともなり、養女であるアミコの世話までするようになったのです。

本書は、そのユキオやアミコを巻き込んでのストーリーとして展開していきます。

本書は、あらすじにもあるとおり、ハンドという忍者とヤクザとの抗争が背景となっています。海外で日本の代名詞ともなっているこの両者を全面に出している点で、「もうジャパニーズテイスト全開ですよ」のサインと受け取ってください。

もちろん日本人からすると、違和感ありまくりでツッコミどころは満載。忍者は「忍びの者」という影の存在ではなく、これでもかと分かりやすく敵の前に現れてくるし、ヤクザは飛行機からパラシュートを付けてパンツ一丁で降りてきてはアメリカの特殊部隊なみの派手な攻撃を繰り出してくるのです。

でもこれは作り手のサービス精神。読者をこれでもかと楽しませようとする姿勢のあらわれだと感じるのです。眉をひそめたりするのは簡単です。パン一のヤクザなんて空から降りてくるわけないし、ふんどし姿のヤクザがフルフェイスをかぶり、バイクにまたがったまま刀を振り回すなんてこともないけれど、肌全面には細かくびっしりと刺青が描き込まれているのです。そのための裸なのです。リアリティは追求されていません。ですが、どんな絵柄がそこでは描かれているのか。それはぜひ読んで確かめてください。こんな楽しみ方をできるのもコミックならではでしょう。


細かく描き込まれたアクションシーン


本書の大きな見どころは間違いなくアクションシーンです。ウルヴァリンにセイバートゥース、無数の忍者とヤクザのバトル。ひとコマの中で隅から隅までびっしりと人が配されている様は、ルネサンス期の宗教絵画を見ているようで迫力満点です。そこでは、コマせましと刀と刀がぶつかり、腕がふっ飛び、頭部が転がり、鮮血が舞っているのです。こういったシーンこそ早く読み進めるのではなく、一つひとつのコマをアートとしてじっくりと眺めていただきたい! アメコミがもっともっと楽しめます。

特に、冒頭の5ページはセリフ少なく語られる中、静寂と騒乱の対比がなされ、「さぁ、来るぞ!」という確かな予感のもと、ウルヴァリンの爆発的な強靭さが圧倒的な迫力で描かれています。本書の中でも傑出したシーンではないでしょうか。この数ページにふれるだけでも本作品の価値はあります。

「こんなウルヴァリンが見たかった!」というファンの潜在的な欲求に応え、かつ期待をはるかに上回る仕上がりになっていると思います。


父親としてのウルヴァリン


本書が他作品と大きく異なるのは、少女の父親としてのウルヴァリンが描かれていることです。彼が養女アミコと修羅場を共にし、一緒になって戦うという場面が何度か出てきます。

そこではウルヴァリンは、いつものように自由に戦うことはできないのです。娘を気にして自分の防御はおろそかになるし、娘への攻撃を彼は自らを犠牲にすることで防いだり。いつものウルヴァリン100%にはなりにくく、いつも以上にダメージを受けてしまう。その姿は満身創痍で決して格好いいものではありません。

しかし、それこそがウルヴァリンのまぎれもない本性。その姿は、男性の目から見てもグッと来るものがあります。そこまでして守るものが彼にはあるのです。

終盤、アミコに「もう行っちゃうの?」と悲しげに言われた彼が無言で見せる表情。それがどんなものなのか。このひとコマにウルヴァリンのキャラクターが凝縮して表現されていると言っても過言ではないでしょう。

この作品はミュータントとしての強さ、特殊性を誇示するだけではありません。というより、それはほんのごくわずか。あくまで一人の人間として強くあろうとする男の姿こそが、読む人の胸を打つ物語となっています。

本当のウルヴァリン、そして新たなウルヴァリンの一面にふれてみたい方に、強くおすすめする一冊です。

それでは、また来週お会いしましょう。

(文責:木川)


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2017年7月4日火曜日

大団円へと向かうニュー52バットマン、最高潮!



「アメコミ魂」をご覧のみなさま、こんにちは!

梅雨真っ只中。毎日雨でうんざりしちゃいますね。そこで今日は雨の日に読むのにぴったりなアメコミをご紹介します。

6月21日に刊行されたばかりのバットマンの新作『バットマン:ブルーム』です!

スコット・スナイダー他[作]グレッグ・カプロ他[画]
定価:本体2,500円+税
◆好評発売中◆

なんで雨だとバットマンなのかって?

バットマンといえばゴッサムシティ、ゴッサムシティといえば雨ですよ!

「ゴッサムは暮らしやすい街じゃない。危険だらけで雨も多い」とは、『ゼロイヤー陰謀の街』100ページでのブルース・ウェインのセリフです。

暗い気分のときは暗い曲を聴くと元気が出る。心理学でいう「同質の原理」です。
アメリカの精神科医アルトシューラーが提唱した理論だそうです。

雨の日には、雨の多いゴッサムを舞台としたバットマンを読んで気分爽快になりましょう!

ところで6月最終週の東京の天気は、月=雨、火=曇り、水=雨、木=曇り、金=雨土=雨となってます。「これはさすがにうんざりするなー、もっとひどい天気の場所はないのか」と思って世界の天気を調べてみたら、下には下がいました!


なんと29日連続雨マーク!

どうですか、日本はココよりマシだと思うと、ちょっと元気が出ませんか?

これを心理学では「下方比較の法則」といいます。落ち込んだときは、積極的に下方比較をすることで気持ちが回復しやすくなるのは、科学的にも証明された真理だそうです。

さあ、気分も大分晴れやかになってきましたね!

……え、ならない?

そんな陰気な考え方を見せられたら、余計暗い気持ちになってきた?

……失礼しました。

では気を取り直して、改めて爽快な『バットマン:ブルーム』の世界に入っていきましょう!!


「The New 52!」バットマンシリーズの中での『バットマン:ブルーム』の位置づけ


本作は、2013年1月から小社から刊行してきたニュー52バットマンの12巻目です。

そして、次号『バットマン:エピローグ』でニュー52バットマンはついに終幕を迎えます。その後、いよいよ今年の8月から新しいシリーズ『REBIRTH(リバース)』が始まるわけですが、リバースの話は今回は一旦置かせていただきます。

よく読者からアメコミは「難しい」と言われます。それは話の時系列やエピソードがあっちこっちに行って混乱しやすいからだと思います。また特にニュー52バットマンは刊行点数も多くストーリーの流れを全て把握するのが一苦労です。

かくいう私もニュー52バットマンを読んでいて、話の流れを掴めず混乱しました。そこで、ここでニュー52バットマンを分かりやすく整理してみたいと思います。


まずは単純に、刊行順に並べると以下のようになります。

(1)『バットマン:梟の法廷 (THE NEW 52!)』 2013年1月刊行

(2)『バットマン:梟の街 (THE NEW 52!)』 2013年7月刊行

(3)『バットマン:梟の夜 (THE NEW 52!)』 2013年8月刊行

(4)『バットマン:喪われた絆 (THE NEW 52!)』 2014年7月刊行

(5)『ジョーカー:喪われた絆(上) (THE NEW 52!)』 2014年8月刊行

(6)『ジョーカー:喪われた絆(下) (THE NEW 52!)』 2014年9月刊行

(7)『バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街 (THE NEW 52!)』 2015年3月刊行

(8)『バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街 (THE NEW 52!)』 2015年6月刊行

(9)『バットマン:真夜中の事件簿 (THE NEW 52!)』 2016年2月刊行

(10)『バットマン:エンドゲーム (THE NEW 52!)』 2016年9月刊行

(11)『バットマン:スーパーヘヴィ』 2017年5月刊行

(12)『バットマン:ブルーム』 2017年6月刊行

(13)『バットマン:エピローグ』 2017年7月刊行


足かけ5年に渡って積み上げた刊行点数は総勢13巻! 圧倒されますね~。
これを分かりやすく整理してみましょう。

まず、全13巻のうち、(3)(5)(6)は外伝になります。ですのでこの3冊はメインストーリーから外れます。

また、(9)(13)は短編集になります。メインストーリーである原書『バットマン』に属するエピソード群ではありますが、読み切り短編を集めたものなので、こちらも最悪読まなくても話は理解できます。


次に、残った8冊を物語の時系列に並べ替えると、

(7)『バットマン:ゼロイヤー 陰謀の街 (THE NEW 52!)』

(8)『バットマン:ゼロイヤー 暗黒の街 (THE NEW 52!)』

(1)『バットマン:梟の法廷 (THE NEW 52!)』

(2)『バットマン:梟の街 (THE NEW 52!)』

(4)『バットマン:喪われた絆 (THE NEW 52!)』

(10)『バットマン:エンドゲーム (THE NEW 52!)』

(11)『バットマン:スーパーヘヴィ』

(12)『バットマン:ブルーム』

という順番になります。


つまり(7)(8)は、『ゼロイヤー』という名のとおり、ブルース・ウェインがバットマンになる以前から始まる物語であり、実は時系列的にはシリーズの一番最初にくる話なんです。ですので、ニュー52バットマンは(7)から読んだ方が分かりやすい、と個人的には思ってます。


また、各巻の関係性を見ると……

(7)(8)は『ゼロイヤー』の上下巻、(1)(2)は『梟(ふくろう)』シリーズの上下巻、(4)(10)はそれぞれ独立した巻、(11)(12)は『スーパーヘヴィ』上下巻という関係になってます。ですので、(1)(2)(7)(8)(11)(12)は、両巻をセットで読む方が楽しめます。


つぎに、各巻での主人公ブルース・ウェインの年齢を時系列に当てはめてみると、以下のようになります。

(7)=25歳
…(7)と(8)はひとつながりのストーリーなので。

(8)=25歳
…228ページでアルフレッドがブルースに向かって「あなたは若い。まだ25歳です。」というセリフがある。

(1)=31歳
…(7)の解説書1ページ「本書は現在より6年前の出来事を描いている」との記述から分かる。

(2)=31歳
…(1)と(2)はひとつがなりのストーリーなので。

(4)=31歳または32歳
…64ページのジョーカーの「今の王(バットマンのこと)を見ろ!フクロウすら退治できないじゃないか」とのセリフから、(4)は(2)より後の話であることが分かる。

(10)=32歳
…129ページでブルース・ウェインが「お前はどこにでもいる32歳なんかじゃないんだ」と独り言をいうシーンがある。

(11)=32歳
…8ページのナレーションで「ジョーカーがおぞましいエンドゲームウィルスをまいて以来、2ヶ月が経ちました」との記述から(10)から間もない時期だと分かる。

(12)=32歳
…(11)と(12)はひとつながりのストーリーなので。

以上の予備知識を持ってニュー52バットマンシリーズを読んでいただけると、大分理解しやすくなると思います。


『スーパーへヴィ』から読んでほしい。


さて、以上を前提に『ブルーム』を見てみると、『ブルーム』は実は『スーパーへヴィ』の下巻という位置づけになってます。

ですので、『ブルーム』を100%楽しむためには、ここはやはり『スーパーへヴィ』から読んでほしいところです。

え、そんなに何冊も買えない?

分かります。スーパーへヴィは2,200円、ブルームにいたっては2,500円もします。

ですが、その前に『スーパーへヴィ』を読んで届いた読者ハガキを見てから決めても、遅くはありません。


まずは京都市在住30代女性のハガキをご紹介します。

「時系列の順に邦訳が続いているので読みやすく、次巻ブルームの期待が高まります。”普通”のブルース・ウェインをいつまで見守れるか楽しみにしてます」

――ありがとうございます。『ブルーム』も期待を裏切らない内容になってますよ!ただ残念ながら”普通”のブルース・ウェインを見れる時間はそんなに長くないかもしれません。


続いては東京都の50代女性からのお便りです。

「最近読み始めたので今は買いたいものばかりで財布が苦しいですが、刊行予定を見るとうれしくなります。絶版になっているのも読みたいです。」

――こうやって新しいアメコミファンが仲間に加わっていただけるのは嬉しい限りです!財布が苦しいのは・・・分かります、すいません。でも小社は『DCキャラクターズ:オリジン』(1,200円+税)、『バットマン VS. スーパーマン:ベストバウト』(980円+税)など、採算度外視で初心者が手にとりやすい価格に抑えて出してる本もあります。でもやっぱり高いですよね……。


続いては大阪府の20代男性です。

「バットマンがゴードンでも頑張ってるので、たくさんのバッツファンに読んでほしい。」

――頑張ってるゴードン本部長は、読んでて「がんばれー」って気持ちになりますよね!『ブルーム』でも、取材ヘリに衝突しそうになったり、天井を突き破って落下したりしながらミスター・ブルーム相手に奮闘する姿は必見です!なお、この方のご愛読メディアは「小プロ公式サイト」ですって! ありがとう~!


……いかがですか?『スーパーへヴィ』も気になってきますね!

ゴードン本部長のバットマンとしての活躍や、青い高機能最新型バットスーツのカッコよさなど見どころ満載ですので、買ってもきっと後悔しません。


『ブルーム』の見どころ


さて前置きが大分長くなりましたが、そろそろ本コラムの本題である『ブルーム』の紹介に入りたいと思います。

まずは粗筋のご紹介から。

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ジョーカーとの決死の戦いのあと、記憶を失ったブルース・ウェインは、かつてない幸福のなかで過ごしていた。美しい女性の傍らで、ゴッサムの愛すべき子供たちを支援する活動に従事していたのだ。しかし、時折もう一つの人生が脳裏をよぎる。暴力と暗黒に覆われながらも、市民から称えられていた過去の自分の姿が――。今、〝バットマン〟がブルースを呼ぶ声が聞こえる。果たして彼は、過去の姿を取り戻すのか? 愛する女性と築き上げた、完璧な、そして幸福な現在の人生を捨ててまで。


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まず掛け値なしにいえますが、本書はストーリーが分かりやすく面白いです。ストーリーの中で、主要登場人物たちが翻弄され、葛藤し、そして活躍します。

本書の主人公はブルース・ウェインですが、アルフレッド・ペニーワース、ジム・ゴードン、ジュリー・マディソン、デューク・トーマスといった人物たちも、物語の中で苦渋の決断を下し、象徴的な活躍をします。

ですが、個人的に一番気になったのは、本書のヴィラン「ミスター・ブルーム」の不気味さです。

お花のマスクに網タイツの手足という微笑ましい見た目とは裏腹に、手足の指先が鋭く伸びて犠牲者を一突きで殺し、あげくに5階建てビルを超える高さに伸びた後、背中から生えてきた木の枝に自分が殺した死体をぶら下げるという悪趣味さ。

▲ミスター・ブルーム

ニュー52バットマンに登場するヴィランの中でもその不気味さは、自ら開発した血清で骨を異常成長させた『ゼロイヤー』のドクター・デスと双璧をなします。

▲ドクター・デス

ブルームの体が伸びる点を捉えて、新本部長のマギー・ソーヤーは12ページで「ストレッチ・アームストロング」と称しています。

1970年代にハズブロから発売されたオモチャのゴム人形で体が4倍に伸びて元に戻るそうです。

出典:http://ameblo.jp/monjastaff/entry-11911280579.html

ミスター・ブルームは、とてもこんなかわいいキャラではありません。

ちなみに編集小ネタですが、『ブルーム』のカバー帯が黄色いのはミスター・ブルームの顔のお花をイメージしました(帯の背表紙側をよく見ると、お花がいっぱい描いてあります)。


次に私が注目したのは、『スーパーへヴィ』から続く高機能新型バットスーツのカッコよさです。

もはやスーツと称する域を超えていて、バットロボと言いたいところです。
思い起こせば、ニュー52でロボット型バットスーツが登場したのは、第2巻「梟の街」からでした(コチラです↓)。


これはこれで味がありましたが、かなりプリミティブなデザインでした。

次にロボット型が登場したのは第10巻『エンドゲーム』のコチラです↓


大分今っぽい、複雑でクールなデザインになってます。

そして第11巻『スーパーへヴィ』で一気に洗練されたカッコいいデザインになりました。


個人的に映画化を期待するぐらいカッコいいなーと思ってます。

そして、本巻『ブルーム』では大量のロボット型バットスーツがイッキに登場します↓



エ●ァンゲリオンを彷彿とさせる、こんなんも登場しちゃいます↓


バットマンが操縦するコイツは、最後にミスター・ブルームを思いっきりぶん殴ります↓


……ですが、バッツファンの我々にとって残念な出来事もあります。

そのカッコいい新型バットスーツ達が、揃いも揃ってミスター・ブルームにハッキングされちゃうことです。マギー・ソーヤー本部長が乗るバットスーツさえもハッキングされて市民を攻撃しだす始末です。



おーい! しっかりしろー!と、心の中で舌打ちせずにはいられません。

でも、これは単なるシステムのバグなんでしょうか? 新型バットスーツの開発とミスター・ブルームの誕生が、もし同じ根っこでつながっていたら……。

おっと、以上は私の推測ですが、これ以上話すとネタバレになる危険もあります。

この後の展開から、ニュー52バットマンを通して、バットマンの意味を問いかけ、掘り下げてきたライターのスコット・スナイダーが出した一つの答えが読み取れます。

それは、「バットマンとはゴッサムに住むあなたたちだ」ということです。つまり一人のスーパーヒーローが街を救うわけではないということです。

それは『ゼロイヤー陰謀の街』100ページのブルース・ウェインの演説の底流に流れる価値観と同じです。


スコット・スナイダーは見事にニュー52バットマンを大団円へと導き、そして物語はいよいよフィナーレを迎えます。

『バットマン:エピローグ』です。

▲『バットマン:エピローグ』書店ポスター

『バットマン:エピローグ』の紹介は、8月に再び私が担当する予定です。今週はここらで筆を置きたいと思います。最後までお読みいただきありがとうございました。

それではまた。来週の更新もお楽しみに!

(文責:小出)


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