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2020年6月2日火曜日

2020年~21年アメコミ刊行ラインナップをご紹介!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは。

6月に入ったからか、最近は雨の日が多くなってきた気がします。また、肌寒かったり急に熱くなったりと、天気も変わりやすく着る洋服にも少し困りますね。


さて、今回は公式HPにて告知させていただいた、今後の刊行ラインナップについてお話しできればと思います!


▐ 7月以降の刊行ラインナップはこちら!


●7月●

▶7月16日頃発売

【DC】

『ジャスティス・リーグ:ホークワールド (仮)』

原題:『Justice League Vol. 3: Hawkworld』


最初にご紹介するのは『ジャスティス・リーグ:ホークワールド(仮)』です。こちらは昨年刊行した『ジャスティス・リーグ:新たなる正義』『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』に続くタイトルになります。

『ジャスティス・リーグ:神々の墓所』で起きた「沈む世界」事件のころ、「総和体(トータリティ)」の謎を探るべく、マーシャン・マンハンターグリーンランタン、ホークガールの3人は宇宙へと旅立ち、惑星サナガー・プライム(別名ホークワールド)を訪れていました。そこには宇宙を揺るがす秘密が隠されており……?

さらに物語が激化する「ジャスティス・リーグ」シリーズ。『新たなる正義』から続く「総和体」の謎は、ホークワールドの旅で明らかになるのでしょうか。宇宙規模の壮大な物語がどのように進んでいくのか、お見逃しなく!



▶7月23日頃発売

【DC】

『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』

原題:『Wonder Woman: Warbringer』


お次に紹介するタイトルは、『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』です。こちらは6月刊行『ハーレイ・クイン:ガールズ・レボリューション』と同じく、本国ではヤングアダルト向けに刊行された作品の一つで、グラフィックノベルとして高い評価を得ています。正史とは異なる読み切り作品ですので、アメコミ初心者の方や、映画からワンダーウーマンに興味を持った方にもおすすめの作品です!

アマゾン族の王女ダイアナはある日、海上で爆発を起こした船を発見し、ひとりの少女を救い出します。彼女の名前はアリア。運命的なふたりの出会いは、争いを引き起こす“ウォーブリンガー”をめぐる戦いに発展していきます。アマゾンの仲間に認められたい王女ダイアナと、過保護な兄から逃れたい少女アリア。彼女たちを待ち受ける運命とは?

実力派ライターの描く、新しいワンダーウーマンの物語。今後刊行される「GNコレクション」シリーズと一緒にチェックしてみてくださいね。



●8月●

▶8月20日頃発売

【DC】

『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』

原題:『Justice League Vol. 4: The Sixth Dimension』


8月の刊行タイトル一つ目は、『新たなる正義』から続く『ジャスティス・リーグ』シリーズの4巻目、『ジャスティス・リーグ:シックスス・ディメンション(仮)』です。シックスス・ディメンション……つまり6次元と、物語のスケールがさらに大きくなったことを感じさせるタイトルです。

ジャスティス・リーグはレックス・ルーサーの企みから多元宇宙を救う鍵を探しに、多元宇宙の制御室とも呼ばれる「第六の次元」へと向かいます。そこでリーグが知ることとなる恐るべき真実とは一体……。その一方で、スーパーマンは罠にかかり、光のない宇宙に閉じ込められてしまいます。危機に瀕するヒーローたちは、多元宇宙を救うことが出来るのでしょうか……?

さらにスケールが拡大していくジャスティス・リーグの物語。7月刊行の『ホークワールド(仮)』と一緒にチェックしてくださいね!



【DC】

『バットマン:アーカム・アサイラム[増補改訂版](仮)

原題:『Batman: Arkham Asylum: 25th Anniversary』

▲書影は『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』のものです。
8月刊行タイトル二つ目は『バットマン:アーカム・アサイラム 増補改訂版』です。こちらは、2010年に刊行した『バットマン:アーカム・アサイラム 完全版』の内容に、グラント・モリソンのラフスケッチとデイブ・マッキーンによるアートギャラリーを新たに追加した増補改訂版となります。もちろん、ストーリーをより読み解くに欠かせないスクリプトも全て収録しております。アメコミ界に衝撃を与えた本作は、まさに必読の作品です!

今まで復刊のお声を多く頂いており、そのたびに何とか刊行できないかと模索していた本作品ですが、ようやく皆様にお届けすることが出来るようになりました。これからも読者の皆さまに喜んで頂けるように、試行錯誤し、日々挑戦してまいりますので、これからもよろしくお願い致します。



●9月●

▶9月17日頃発売

【DC】

『バットマン:ラストナイト・オン・アース[BLACK LABEL](仮)

原題:『Batman: Last Knight on Earth』


9月刊行タイトル『バットマン:ラストナイト・オン・アース(仮)』。こちらは6月1日に刊行した『スーパーマン:イヤーワン』と同じく、DCブラックレーベルのタイトルです。ライターとアーティストは、スコット・スナイダーとグレッグ・カプロという『NEW52! バットマン』のコンビ。

20年後のアーカム・アサイラムで目を覚ましたブルース・ウェインが、自身の過去の謎を解明すべく、荒廃してしまった世界を旅するという今作の物語。変わり果てた世界の旅路の中で、皆さんお馴染みのキャラクターたちも普段とは一風変わった姿で登場します。そしてバットマンの旅のお供はなんと、ジョーカーの生首……? 

バットマンとジョーカー(首)による、この奇妙な旅路の果てにはいったい何があるのか? ぜひ楽しみにお待ちくださいね。



【DC】

『ティーン・タイタンズ:レイヴン(仮)

原題:『Teen Titans: Raven』


次にご紹介するのは、『ティーン・タイタンズ:レイブン(仮)』です。こちらは先ほど紹介した『ワンダーウーマン:戦禍を呼ぶ者』と同じく、本国ではヤングアダルト向けに刊行された作品です。ニューヨークタイムズのベストセラーとなるなど、特に高い評価を受けている名作です。

交通事故によって記憶をなくしたレイヴン。日常生活のことは覚えているけれど、自分が好きだった音楽や、事故の前の自分のことを思い出せません。彼女は事故で義母を失ったことから里親に引き取られ、そこで新しい友人たちにも恵まれます。しかし、レイヴンには自分にも理解できない力が秘められており……? レイヴンは自らの失われた記憶と向き合い、直面する運命を乗り越えることが出来るのでしょうか。

アメコミ好きな方も、まだアメコミに触れたことが無い方にも、おすすめできる素敵な物語です。



【MARVEL】

『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー(仮)』

原題:『Black Widow: The Itsy-Bitsy Spider』


9月最後の刊行タイトルは『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー(仮)』です。昨年8月の『ユー・アー・デッドプール』を最後にしばらくストップしておりましたマーベル作品ですが、9月よりまた刊行してまいります。

本作は今年公開も予定されている映画『ブラック・ウィドウ』に登場する、”もう一人のブラック・ウィドウ”であるエレーナ・ベロワと、ナターシャの対決と共演を描いた作品。マーベルの女性ヒーロー、ブラック・ウィドウの魅力を存分に味わえる物語になっております。映画公開に備えて、ぜひ読んでいただきたい作品です!



●10月●

【DC】

『ディシースド(仮)』

原題:『DCeased』


10月刊行タイトル一つ目は『ディシースド(仮)』です。まるでゾンビのような風貌のバットマンが目を引きますね……。本書も正史からは外れた作品になり、読み切りのような作品です。本国では続編の制作も進んでおり、人気を博したタイトルになります。

ストーリーは、ジャスティス・リーグの最強の敵の一人、ダークサイドが求める反生命方程式が暴走したら……という内容。反生命方程式が暴走し、インターネットを通じて人々をゾンビのような姿に汚染してしまいます。そしてその毒牙はヒーローたちにも及んでいき……? 世界規模で人類を汚染していくこの脅威に、ヒーローたちはどのように対抗するのか? この恐ろしい世界の行く末を、ぜひ見届けてくださいね。



【MARVEL】

『ブラック・ウィドウ:プレリュード(仮)』

原題:『Marvel’s Black Widow Prelude』


二つ目のタイトルはマーベルから『ブラック・ウィドウ:プレリュード(仮)』を刊行いたします! こちらは本国にて映画『ブラック・ウィドウ』に合わせて刊行された作品です。スパイとしての活動から、アベンジャーズとしての活動まで、ブラック・ウィドウの人生が今の彼女にどうつながっていくのか。ブラック・ウィドウというキャラクターをより深く知ることが出来る一冊です。

また、こちらの作品には映画に登場するレッドガーディアンタスクマスターの初登場号も掲載されております。『ブラック・ウィドウ:イッツィ・ビッツィ・スパイダー(仮)』とあわせて、映画に備えて読んでいただきたい作品です。



●11月●

【DC】

『スーパーマン:スマッシュ・ザ・クラン(仮)』

原題:『Superman Smashes the Klan』


お次に紹介するのは『スーパーマン:スマッシュ・ザ・クラン(仮)』です。こちらの作品は日本人アーティストであるグリヒルさんがアートを務めた作品です。ちなみに、グリヒルさんはこのタイトルがDC初の担当作品となっております。

こちらは1940年に放送されたラジオドラマ『スーパーマン』を原案とした作品で、作品の舞台も1940年代。チャイナタウンからメトロポリスへと引っ越してきた、ティーンエイジャーのロベルタとトミー・リー。彼らとスーパーマンが出会い、人種差別に立ち向かう正義の冒険活劇が始まります。

本国でも先月TPBが発売された話題作です。お楽しみに!



【DC】

『バットマン・テールズ:ワンス・アポン・ア・クライム(仮)』

原題:『Batman Tales: Once Upon a Crime』


続いてご紹介するのは『バットマン・テールズ:ワンス・アポン・ア・クライム(仮)』となります。表紙の可愛らしいバットマンとロビンのアートは、『バットマン:リル・ゴッサム』ダスティン・グエンが手掛けたもの。イラストや本の装丁からもなんとなく連想されるように、本作はおとぎ話のような物語になっております。

ピノキオを模したロビン(ダミアン・ウェイン)の物語や、アリスさながら不思議の国に迷い込んだアルフレッドなど、一風変わった物語を味わうことが出来ます。ダスティン・グエンの可愛らしいアート共に描かれる、ゴッサムを舞台としたおとぎ話を数編収録した本作品。お気に入りの物語が必ず見つかりますよ。



【MARVEL】

『スパイダーマン:ヴェノム・インク(仮)

原題:『Amazing Spider-Man: Venom Inc.』


11月刊行タイトル、最期にご紹介するのはマーベルより『スパイダーマン:ヴェノム・インク(仮)』です。ヴェノムといえば、映画ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(Venom: Let There Be Carnage)』の全米公開日が2021年6月25日に決定した、というニュースが先日ありました。今回の映画ではカーネイジも登場するとのこと……今から楽しみですね。

そんな映画に先駆けて刊行を予定している今作は、スパイダーマンとヴェノムのクロスオーバーイベントを収録した作品。地球外共生生命体シンビオートが憑いた歴代ヴェノムが共闘するという物語。ヴェノム(エディ・ブロック)アンチヴェノム(フラッシュ・トンプソン)や、ブラックキャットなども登場します。スパイダーマン、ヴェノム好きのファンにはぜひ読んでいただきたい作品です!


ここからは刊行日が未定のタイトルになります。
年内の刊行を予定して、編集部一同頑張っていく所存ですので、刊行を楽しみにお待ちいただけますと幸いです。



●2020年秋以降刊行予定●

【MARVEL】

『ファルコン&ウィンター・ソルジャー(仮)』

原題:『Falcon & Winter Soldier』


まず紹介させていただくのはこちら『ファルコン&ウィンター・ソルジャー(仮)』です。この二人のコンビはDisney+によるマーベルドラマ『The Falcon and The Winter Soldier(原題)』でも話題になったのではないでしょうか。こちらのドラマは日本版Disney+でも独占配信が決定しました。今からどのような内容になるのか楽しみですね。

本国ではまだ、全5話中2話までしか刊行されていない本作品。ストーリーは二人の元キャプテン・アメリカが、大量の犠牲者を出す前に、ヒドラの新しいリーダーを明らかにするための戦いに参加する……というもの。二人がどのような掛け合いをしていくのか、ドラマと一緒に楽しみみたい作品です。



【MARVEL】

『スパイダーマン:ライフストーリー(仮)』

原題:『Spider-Man: Life Story』


次にご紹介するのは、我らが親愛なる隣人の物語『スパイダーマン:ライフストーリー(仮)』です。読者の皆さまからも大きな支持を得ているスパイダーマン作品。最近『スパイダーマン:ブルー』『スパイダーマン:ブランニュー・デイ』など重版をさせて頂きましたが、新刊として皆様にお届けするのは久しぶりとなります。

1962年の『アメイジング・ファンタジー』#15で、スパイダーマンとなった15歳のピーター・パーカー少年。そんな彼が「もし実際の時間の流れ通りに歳を重ねていたら」というコンセプトのもと、各巻10年区切りでスパイダーマンの物語を描き出していきます。60年代から現在まで、時代の波にさらされながらも、友人の死をはじめとする様々な人生の転機を乗り越え、自らの老いと向き合うピーター・パーカーの姿を描いた読み切り作品です。

名作の多い「スパイダーマン」シリーズの中でも、最高傑作との呼び声も高いこの作品。スパイダーマンの人生をぜひその目で見届けてください。



【MARVEL】

『デッドプール VS. パニッシャー(仮)』

原題:『Deadpool Vs. The Punisher』



最後にご紹介するマーベルタイトルは『デッドプールvs.パニッシャー(仮)』です。スパイダーマンと共に読者の皆さまに愛されるキャラクター、デッドプール。本作はデップ―と強面のパニッシャーという、マーベルが誇る二大アンチヒーローの対決を描いた作品です。

ヴィラン達の秘密口座の番人“バンク”の処刑を決意したパニッシャー。強面の処刑人から身を守るため、バンクは旧友であるデッドプールを頼ることに。デッドプールはバンクに雇われ、パニッシャーの前に立ち塞がります。しかし、パニッシャーにとって冗舌な傭兵が敵に回ることは何の問題にもならなかった……なぜなら彼はデップーが大嫌いだから!

二人の壮絶な戦いの行方は一体……?



【DC】

『ドゥームズデイ・クロック(仮)』

原題:『Doomsday Clock』


最後に紹介するのは大型タイトル『ドゥームズデイ・クロック(仮)』です。『バットマン/フラッシュ:ザ・ボタン』で発表された本作品。アメコミ界の金字塔ともされる名作『ウォッチメン』の正式な続編であり、『DCリバース』の締めくくりとして、ウォッチメンの世界とDCユニバースが出会うという壮大な物語が語られます。

ウォッチメンの物語から7年後の1992年11月22日ロールシャッハの手記が公開されたことで、オジマンディアスの核なき世界平和の計画が幕を閉じることとなります。アメリカとロシアの対立激化により再び世界に終焉近づく最中、ロールシャッハたちは世界を救う唯一の存在とされる“Dr.マンハッタン”を捜すため、DCユニバースへと旅立っていき……

壮大なスケールで語られるDCユニバースを揺るがす大事件。皆さんにしっかりと楽しんでいただけるように、また読み順や作品ごとの関係など、わかりやすいものを作成出来たら……と考えております。


これで発表させていただいたタイトルの紹介は以上になります。今後も編集部一同、読者の皆さまに楽しんでいただける作品を届けていく所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします。


それでは、本日はここまでです。
来週もよろしくお願い致します。


(文責:比嘉)
TM & © 2020 DC Comics. All Rights Reserved.


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2020年2月25日火曜日

2月刊行『バットウーマン:エレジー』と『マーベル・ミャオ』をご紹介


アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
最近はすっかり暖かくなってきましたね。2月も終盤で春の訪れを感じられるようになってきたのではないでしょうか。ついでに花粉も感じられますね……。


本日は先週発売したタイトル、『バットウーマン:エレジー』『マーベル・ミャオ』をご紹介いたします。

▲『バットウーマン:エレジー』書影

『バットウーマン:エレジー』は現在米国で放送されている実写ドラマ『バットウーマン』の原案作品にもなっております。ドラマ化の影響もあってか、今最も注目されているヒロインの一人ともいえるバットウーマンですが、実は単独誌の邦訳は今作が初めてです。

▐ 語られるバットウーマンの戦いと、オリジンストーリー


ケイト・ケインことバットウーマン初登場誌は本作ではなく52という週刊シリーズになります。ここでは、ゴッサムシティを離れたバットマンことブルース・ウェインの代わりに、バットウーマンが街を守るための戦いをしていました。この戦いの中で犯罪教団に狙われ、九死に一生を得ることになるのですが、その物語の続きが本作になります。

『バットウーマン:エレジー』の舞台は『ファイナル・クライシス』と呼ばれるイベントの後に、ブルース・ウェインが消えたゴッサムシティ。そこで自警活動を行っているバットウーマンの耳に、かつて戦った犯罪教団が新しい指導者を迎え、再びゴッサムに魔の手を伸ばそうとしているという情報が入ります。バットウーマンは街を守るため、そして自分を狙う犯罪教団を今度こそ倒すため、街を奔走します。




しかし、犯罪教団の新たな指導者を相手に、一度敗北してしまうバットウーマン。街を滅ぼそうとする強大な相手を前に、バットウーマンはどのように戦うのでしょうか。新たな若きヒロインの戦いに注目です。


犯罪教団の新たな指導者の名前はアリス。自分をルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に心酔し、自らをアリスと名乗る謎の女性です。彼女の発する台詞は全て『不思議の国のアリス』または『鏡の国のアリス』のアリスの台詞を引用したものと、底の見えないキャラクターです。



さらには口の中に毒を塗った刃物を隠し持つなど、普通ではなく一筋縄ではいかない敵です。ドラマ『バットウーマン』でも登場するこのキャラクターですが、バットウーマンの過去につながるキーキャラクターでもあります。アリスを模倣して本性の見えない彼女が抱える秘密とは一体何なのでしょうか。その答えはコミックスで確認してみてくださいね。


また本書後半では、ケイトがバットウーマンとして活動するに至るまでの物語も掲載されております。この作品を読めば、バットウーマンのオリジンも知ることが出できるので、来る実写ドラマの日本放映に備えることもできちゃいます。ちなみに本作はNEW52!期以前の物語になりますが、このオリジンはNEW52!以降にもおおむね持ち越された設定になっています。



▐ J・H・ウィリアムズⅢの描く、独特なアートとコマ割り


今作の見どころはなんといってもJH・ウィリアムズⅢのアートではないでしょうか。魔術をテーマとしたアラン・ムーアの作品『プロメテア』でもその神髄を発揮しましたが、今作でもその才能を発揮しています。特に独特のコマ割りが随所で目立ち、バットウーマンのシンボルのようなコマ割りや、鏡合わせのようなコマで描かれるページなど、普段のアメコミではなかなか見られないアートを堪能することが出来ます。







また今作でも宗教や魔術のような要素もあり、アートも神秘的なものが多く見受けられます。『プロメテア』のような世界観が好きなファンの方にもお勧めできる一冊です。

▐ かわいい猫がマーベル世界を席巻する!? 『マーベル・ミャオ』


『マーベル・ミャオ』は先日の222(猫の日)に発売いたしました。また23日にはヴァ―スコミック様にてサイン会も開催させていただきました。このサイン会には102名もの読者の皆さまがいらしてくださいました。お越しいただいた皆さま、誠にありがとうございました。

▲『マーベル・ミャオ』書影

さて、そんな『マーベル・ミャオ』ですが、内容はキャプテン・マーベルの飼い猫チューイが、マーベルのあんなキャラクターからこんなキャラクターまでと可愛く戯れるというお話。皆さまお馴染みのスパイダーマンやアイアンマンといったキャラクターから、少しコアファン向けなキャラクターまで、実に多くのキャラクターたちが登場します。



また、各キャラクターについて一言解説を入れたページもあるので、マーベルキャラクターたちを簡単に知ることもできちゃう、アメコミ初心者向けの書籍でもあります。



サイン会でもMCUは見ていたけど、アメコミとして買うのは『マーベル・ミャオ』が初めてだという方もいらっしゃいました。


可愛い猫とマーベルキャラクターたちに会いに行けば、きっとお気に入りのキャラクターも見つかるはず? アメコミが好きな方も初めてな方も楽しめる一冊になっております。


それでは本日の記事はここまでです。
次回の更新もよろしくお願いします。

(文責:比嘉)
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2018年10月16日火曜日

ジョーカー&リドラー、ヴェノム&カーネイジ、そして…プロメテア!



みなさん、こんにちは!

今週のアメコミ魂は19時更新です。最近は正午更新で定着していますが、20時更新という時期もありました。お昼がいいのか、夜がいいのか…‥悩んでおります。今後は19時ころの更新になると思います。正式に決まったら改めてお知らせしますね。

さてさて、映画『ヴェノム』の公開が近づいてまいりましたね(公開日は11月2日)。今から楽しみにしている読者さんも多いのではないでしょうか。もちろん、私も楽しみに待っている一人です。小社も2週連続でヴェノム関連コミックを発売いたします。日本でもぜひヒットしてもらいたい! 迫力の公式トレーラーは下記になります。トレーラーを観ながら公開日を待ちましょう!


本日は、今週木曜日に発売するアメコミ3タイトルをご紹介します。


まずは、先週のアメコミ魂でも熱く紹介しましたが、ジョーカーとリドラーがリバースシリーズに満を持して登場するこの作品!

▐ バットマン:ウォー・オブ・ジョーク&リドル

 

トム・キング[作]ミケル・ハニン、ジューン・チャン、クレイ・マン[画]
中沢 俊介[訳]
定価:本体2,300円+税
収録作品:“BATMAN” #25-32

ジョーカーとリドラーの二悪党は、どちらも自分一人でバットマンを殺そうと思っていました。先を越され、オチを盗まれるくらいなら、ゴッサムごと焼き払ったほうがマシだ!と。二人の知恵比べから凄惨な一大戦争へと至る対決が迫り、ゴッサムのあらゆる悪党たちはどちら側につくか選ばなくてはなりません。勝つのは一方のみ。バットマンは運命の決断を下すのですが……トム・キングとミケル・ハニンの名コンビが、ダークナイトの神話に新たな1ページを加えます! ついに明かされる、カイトマンの誕生秘話とは⁉ 乞うご期待!


 
次は、『ウォッチメン』で知られる天才ライター、アラン・ムーアが放つ空前絶後のスーパーヒロイン・ファンタジー……4年ぶりの邦訳版の続刊(小声)。

▐ プロメテア2

 

アラン・ムーア[作]J・H・ウィリアムズⅢ[画]
柳下 毅一郎[訳]
定価:本体3,200円+税

18世紀の叙事詩、新聞連載漫画、パルプ雑誌、都市伝説……歴史上のさまざまな語りの中に登場し、痕跡を残してきた女神プロメテア。ひょんなことからプロメテアに変身する能力を得た女子高生ソフィーは、魔の眷属との闘いで命を落とした先代プロメテア、バーバラの後を追い、死後の世界へと足を踏み入れます。死後の世界でのさまざまな出会いを通し、プロメテアとして新たな学びを得てゆくソフィーでしたが、一方、現世では、ソフィーの親友として新装プロメテアとなったステーシアが魔の眷属と一騎打ちになり……アイズナー賞(2001)、ハーベイ賞(2006)受賞作、ぜひご堪能ください!



最後に、話題の映画『ヴェノム』で注目される2体のシンビオートが激突する、地球外の寄生生物にファン必読の作品!

▐ スパイダーマン:ヴェノム VS. カーネイジ

 

ピーター・ミリガン[作]クレイトン・クレイン他[画]高木 亮[訳]
定価:本体1,800円+税
収録作品“Venom VS. Carnage” #1-4

破壊衝動を抱えたシンビオート、ヴェノムとカーネイジが邂逅し、誰もが予想だにしなかった事態が発生します。この最悪な出会いによって、3体目のシンビオートが生まれたのでした。ヴェノムから誕生したカーネイジが、圧倒的なパワーと食欲を兼ね備えた幼体を出産!? 問題は、この新たなシンビオートが誰に寄生するかです。この凄惨極まる事態を収拾できるのは、スパイダーマンのみ……誰か、大至急スパイディを呼んできてくださ~い! 96ページと、コンパクトにまとまったコミックですが、噂のカーネイジとの共演作ですからね……映画には登場するのでしょうか、カーネイジ。楽しみです。

上記2タイトルは、10月18日(木)同時発売です。どのコミックを読むか……この数日検討していただき、お気に入りのコミックに出会っていただくことを願っています。

では来週もよろしくお願いいたします!

(文責:乙間萌生)


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2018年7月17日火曜日

今週発売『スペクタキュラー・スパイダーマン:イントゥ・ザ・トワイライト』



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
毎日うだるような暑さで体調など崩されていないでしょうか?
こんな日は街の上をクモ糸でスイングできたらさぞ気持ちいいでしょうね。

今日取り上げるコミックスは、ニューヨークの街を軽やかにスイングする"親愛なる隣人"スパイダーマン個人誌です。

チップ・ズダースキー[作]
アダム・キュバート他[画]
定価:本体2,300円+税
●2018年07月19日●


アメリカで大好評の「スペクタキュラー・スパイダーマン」シリーズ


スパイダーマン個人誌といえば「アメイジング・スパイダーマン」が主要誌ですが、本誌は2017年8月からスタートしたセカンド・タイトル、「ピーター・パーカー:スペクタキュラー・スパイダーマン」#1-6(プラス#0)をまとめたシリーズとなります。

久々の"スペクタキュラー~"誌となる本シリーズは、2017年5月にフリーコミックブックデイ(※)でマーベルが配布した「特別号」に10Pにわたって収録されたイントロダクション(#0)に始まり、創刊号は23万部以上を売り上げ月間ランキング1位(年間ランキング4位)を獲得するなど、本国アメリカで大いに盛り上がりを見せているシリーズとなっています。

※フリーコミックブックデイとは…

毎年5月の第一土曜日に全世界のアメコミショップで開催され、お店に行くだけでアメコミがタダで何冊も貰えるという、アメコミファンのお財布にやさしいイベントです。

元々は、アメコミファンの裾野を広げ、大人から子供までアメコミファンが年に一度地元のアメコミショップに集まって交流を深めようという目的で、DCコミックス、マーベル・コミックス、ダークホース・コミックス、IDWパブリッシング、BOOM!スタジオ、ダイナマイト・エンターテインメント、イメージ・コミックスなどメジャーからマイナーまでのアメコミ出版社と、アメリカ全土のコミックショップ2,300店以上が協力して実現した企画です。

日本・東京でも秋葉原のブリスターコミックスさんや池袋のヴァースコミックスさんが参加されてますので、来年の5月第一土曜日によかったら足を運んでみてはいかがでしょうか。


「スペクタキュラー・スパイダーマン」誌の歴史


スパイダーマンの"スペクタキュラー~"シリーズとしては、1976~1998年の第1期(#1~263)と、2003年~2005年の第2期(#1~27)に続く、今回が第3期になります。

(※なお、2017年に始まった第3期では当初#1からナンバリングされていましたが、第7号以降は、第1期・第2期と号数を通算し、#297~とナンバリングされており、本国アメリカでは2018年7月現在#307まで続いています。)

「アメイジング・スパイダーマン」以外のスパイダーマン誌としては、スパイダーマンとマーベルヒーロー達がチームアップする「Marvel Team-Up」というシリーズが1972年にありましたが、「スペクタキュラー・スパイダーマン」は3番目のスパイダーマン個人誌として登場しました。

創刊のきっかけですが、当時マーベル・コミックスの経営にも携わっていたスタン・リーが「スペクタキュラー・スパイダーマン」初代脚本家となるジェリー・コンウェイに、「アメイジング・スパイダーマン」の脚本を手掛けてほしいと打診しましたが、レギュラー脚本家としてレン・ウェインが既にいたことからジェリー・コンウェイは断りました。

そこでスタン・リーは、よりスパイダーマンのキャラクター性とピーターの日常生活にスポットを当てた新たなオンゴーイング・シリーズとして「スパクタキュラー・スパイダーマン」の創刊を決意したそうです。


2017年版「スペクタキュラー・スパイダーマン」のコンセプト


現在「アメイジング・スパイダーマン」誌においては、ピーター・パーカーはトニー・スタークばりに巨大IT企業パーカー産業のCEOを務める大金持ちとなっています。

しかし昔ながらのスパイダーマンファンにとっては、何をやっても誤解され、運に見放されたニューヨークの平凡な青年であるピーター・パーカーを懐かしむ気持ちもあります。

そんなファンの要望に応えるべく、"親愛なる隣人"であるスパイダーマン(ピーター・パーカー)への原点回帰を図ったのが、本書「スペクタキュラー・スパイダーマン」シリーズといえます。

本書において、設定自体は「アメイジング・スパイダーマン」と共通で、ピーター・パーカーはパーカー産業のCEOで、スパイダーマンは(表向き)ピーター・パーカーに雇われたボディーガードとなっています。

しかし、本書ではそういった面にあまり触れず、主に描かれるのは、何をやっても少し裏目に出る"パーカー・ラック"の持ち主で、善行をしても"公共の敵ナンバーワン"と誤解される一人の青年、そう我々にとって馴染み深い"親愛なる隣人"なのです。

初期設定に忠実な本シリーズは、昔ながらのスパイダーマンファンにとって親しみやすい内容である一方、スパイダーマンをまだよく知らない新しい読者がこれから入るのにも最適な一冊といえるでしょう。


ヒューマン・トーチ


本書の楽しみの一つとして、「Marvel Team-Up」ばりに様々なマーベルヒーローたちが出てくる点です。

本書を通じてスパイダーマンがコンビを組むのが、ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチです。
年齢が近い若者同士、一緒に映画を見る約束をしたり(結局すっぽかされますが…)、カフェでお茶したり(ピーターのデートをこっそり覗き見するためですが…)と、ピーター・パーカーを"普通の青年"として描くのに欠かせない役柄を演じています。

ヒューマン・トーチことジョニー・ストームは、ニューヨークで実姉のスー・ストームに育てられ、16才のときに、実姉とその婚約者、操縦士の4人で宇宙飛行をした際に超能力を手に入れ、ファンタスティック・フォーを結成しました。

主な能力は、飛行能力と自身の体を発火させ炎を操る能力で、「人間たいまつ」と呼ばれます。
性格はやんちゃなプレイボーイで、本書で披露するピーター・パーカーとの絶妙なコンビで読者を楽しませてくれてます。


他にも出てくる大物ヒーローたち


本書では他にも大物マーベルヒーローが続々と登場してきます。
しかも単なるカメオ出演ではなく、ある程度ストーリーにがっちりと組み込まれている点が読者には嬉しいところです。

アントマン

冒頭スパイダーマンがコソ泥を捕まえる際、ウェブフォームが壊れてピンチ(?)になったところを助けるのが、アントマンです。

アントマンといえば、8/31公開映画『アントマン&ワスプ』で今一番熱いマーベルヒーローですが、アントマンが登場する邦訳コミックスは意外と少ないので、どんなキャラクターか知るのに本書で予習してみるのは如何でしょう?

ブラックウィドウ

MCUで人気のロシア出身女性スパイです。
本書では、夜のビル屋上で突然スパイダーマンを狙撃して襲います。果たしてその理由は?

アイアンハート

本書時点でトニー・スタークに代わって活動する女性アイアンマンです。初登場は『インビンシブル・アイアンマン:ウォーマシン(仮)』で、小社から邦訳版が9/20頃発売予定ですので、もしお財布に余裕があればぜひ予約していただけたら嬉しいです。

▲※原書書影に掲載の女性はメリー・ジェーンで、アイアンハートではありません。

独力でアイアンマンのパワードスーツを開発してしまうほどの天才少女で、上記コミックスでは自分のヒーローネームを何にするか友達に相談する場面が大変微笑ましいです。

カルナク

成人の際テリジェンミストを浴びることで超人的な能力を獲得するインヒューマンズのロイヤルファミリーの一人。格闘術の達人であり、あらゆる人や物の弱点を見抜く目を持っています。

2018年3月に日本でも放送されたドラマ『インヒューマンズ』をご覧になった方は覚えていらっしゃることでしょう。

ドラマの原作ともいうべき1998年刊行のアイズナー賞受賞コミックス『インヒューマンズ』は、小社から同じく2018年3月に刊行され、その中でもカルナクは印象的な役割を演じてますので、こちらも良かったらチェックしてみてください。



デイリー・ビューグル誌元発行人ジェイムソンとの対決


本書では、キングピン、バルチャー、ティンカラーといったスパイダーマンファンにお馴染みの旧敵たちが登場します。
しかし中でもスパイダーマン最大の"天敵"といえば、デイリー・ビューグル誌発行人ジェイムソンではないでしょうか?

1963年の「アメイジング・スパイダーマン」#1から登場し、ことあるごとにスパイダーマンを目の敵にしてきた人物です。
一時ニューヨーク市長の座に就いたこともありましたが、現在は無職で「脅威と迷惑」というスパイダーマンの自警活動を非難する個人ブログを運営しています。

本書でスパイダーマンはついにジェイムソンと対決します!

…対決といっても決闘ではなく、60分一本勝負の独占インタビューにスパイダーマンが応じるのです。
双方の思惑が合致して実現する独占インタビューですが、その結末は要注目です。


以上、今週のアメコミ魂はこの辺りで。最後までお読みいただきありがとうございました。来週の更新もお楽しみに!

(文責:小出)

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2018年7月3日火曜日

2人のスパイダーマンって…誰と誰??



アメコミ魂をご覧の皆様、こんにちは!
本日ご紹介する書籍は、2人のスパイダーマンが次元を超えて初めて出会う物語『スパイダーメン』です。

ブライアン・マイケル・ベンディス[作]
サラ・ピチェッリ[画]
定価:本体2,100円+税
●2018年6月20日頃発売●


「2人のスパイダーマン??」「次元を超えて??」
……どういうこと?

「スパイダーマンといえば、ピーター・パーカーじゃないの?」「何この黒いコスチュームの人?」
……疑問だらけです。

これを理解するには、まずはマーベルの「アルティメット・ユニバース」から理解する必要があります。
……アルティメット・ユニバース?? もう訳分かりませんね^^;

ですが、ご安心ください。

この機会に「アルティメット・ユニバース」「アルティメット・スパイダーマン」について詳しく調べてみました。本書を読む前にこれだけ知っていれば、色々な疑問にくじけずに本書を最後まで読めることでしょう!

やや長文になりますが、ぜひ最後までお付き合いくださいませ。


アルティメット・ユニバースとは?


マーベル多元宇宙について


マーベル・ユニバースは一つではありません。我々のよく知るマーベル・ヒーローが活躍するいわゆる"正史"と呼ばれるメイン・ストリーム(「アース616」)とは別に、スパイダー・グウェンがいる「アース65」、スパイダーハムがいる動物の世界「アース8311」、マーベル・シネマティック・ユニバースの世界「アース199999」などが存在し、多元宇宙(マルチバース)構造となってます。
ちなみに、私たちが住むこの現実世界は「アース1218」という設定です。

こういった多元宇宙の中でも、正史に次いで奥行きある幅広い世界を構築しているのが、本書の舞台になっているマイルズ・モラレス版スパイダーマンが活躍する「アルティメット・ユニバース」(「アース1610」)です。

アルティメット・ユニバースが生まれたわけ


なぜこのような多元宇宙が生まれたのでしょうか。

それは、1939年からマーベルの正史世界が何十年にもわたって脈々と積み重ねられた結果、一方で設定が複雑になりすぎて新規読者が入りずらくなり、一方で築き上げた設定に縛られストーリーがマンネリ化してきたことにより、90年代にコミック市場が大きく低迷したためです。

この状態を打破するため、マーベルは既存の正史世界を残しつつ、「マーベルのヒーローが実際に今、現実にいたらどうなるか」というテーマを突き詰め、よりリアリティのある娯楽性の高い作品レーベルとして世に送り出したのが「アルティメット・ユニバース」です。

この取り組みは成功を収め、特にそのリアリティのある世界観やビジュアル、深みのある人物描写、読者を飽きさせないテンポよい展開は、『アベンジャーズ』などのマーベル・シネマティック・ユニバースに多大な影響を与え、今日のマーベル人気への貢献度は大といえるでしょう。

そして、2000年に始まった「アルティメット」シリーズの第一弾としてリリースされたのが『アルティメット・スパイダーマン』です。


スパイダーマン史の概略


このアルティメット・スパイダーマンは、正史と同じくピーター・パーカーを主人公として始まりましたが、シリーズが進むにつれ少しずつ正史とは異なる歴史を辿っていくことになります。

それはおそらく、正史版スパイダーマンにおいてファンの共感を得られなかった出来事や、時代に合わない設定を刷新したためだと思われます。

アルティメット・スパイダーマンを理解するには、正史世界のスパイダーマン史の概略だけでも知っていると、その違いが分かりより楽しめます。

そこで、まずは正史スパイダーマンにおいて、いつどんな出来事が起こったのか、歴史を紐解いていきたいと思います。

正史世界(アース616)のスパイダーマン


●『アメイジング・ファンタジー』#15(1962年)
ニューヨーク・ミッドタウンで親戚のメイおばさんとベンおじさんに育てられた高校生のピーター・パーカーは、見学に行った研究所の実験中に特殊なクモに噛まれ、特殊な能力を得てスパイダーマンとなる。
さらに、自作の「ウェブ・シューター」とコスチュームを着て、テレビ出演して人気者になる。
しかし、たまたま見逃した強盗がベンおじさんを殺害したことにより、「大いなる力には大いなる責任が伴う」ことを学ぶ。
この記念すべきエピソードは、小社刊『ベスト・オブ・スパイダーマン』に掲載されてますので、機会がございましたらぜひご覧ください。


●『アメイジング・スパイダーマン』#2(1963年)
ピーターは、スパイダーマンの能力を生かしヴィランの写真を撮り、「デイリー・ビューグル」社に写真を売ってお金を稼ぎ始める。

●『アメイジング・スパイダーマン』#28(1965年)
ピーターがミッドタウン高校を卒業。

●『アメイジング・スパイダーマン』#31(1965年)
ピーターがエンパイア・ステート大学に入学。同級生のグウェン・ステイシーやハリー・オズボーン、マイルズ・ウォーレン教授らと知り合う。

●『アメイジング・スパイダーマン』#42(1966年)
ピーターがメリー・ジェーンと初めて顔を合わせる。

●『アメイジング・スパイダーマン』#90(1970年)
グウェンの父であるジョージ・ステイシー警部が、スパイダーマンとドクター・オクトパスの戦いに巻き込まれ殉職。

●『アメイジング・スパイダーマン』#121(1973年)
グウェン・ステイシーが、スパイダーマンとグリーン・ゴブリンの戦いの最中に首の骨を折って死亡。

●『アメイジング・スパイダーマン』#149(1975年)
グウェンを恋慕していたマイルズ・ウォーレン教授である怪人ジャッカルが、スパイダーマンのクローン体を作り本物と戦わせる。敗れたクローン体は消滅した(と思われた)。

●『アメイジング・スパイダーマン』#185(1978年)
ピーターがエンパイア・ステート大学を卒業。

●『アメイジング・スパイダーマン』#257(1984年)
メリー・ジェーンが、スパイダーマンの正体を昔から知っていたとピーターに告白。

●『アメイジング・スパイダーマン』#258(1984年)
スパイダーマンが別の惑星で手に入れた強力な黒いスーツが、エイリアン共生体「シンビオート」であることが判明し、決別する。裏切られたと感じたシンビオートはスパイダーマンに復讐を誓う。

●『アメイジング・スパイダーマン』#290-292(1987年)
ピーターはメリー・ジェーンにプロポーズし、最初ためらっていたMJも結婚を決意する。

●『アメイジング・スパイダーマン・アニュアル』#21(1987年)
ピーターとメリー・ジェーンが結婚。

●『アメイジング・スパイダーマン』#298(1988年)
スパイダーマンから離れたシンビオートが元新聞記者のエディ・ブロックと融合してヴェノムが誕生。

●『アメイジング・スパイダーマン』#344(1991年)
ヴェノム共生体の一部が連続殺人鬼クレタス・カサディと融合してカーネイジが誕生。

●『ウェブ・オブ・スパイダーマン』#118(1994年)
『アメイジング・スパイダーマン』#149で死んだと思われたクローン体、ベン・ライリーがピーターの前に現れ「スカーレット・スパイダー」としてヒーロー活動を開始する。以後2年に及ぶ「クローン・サーガ」開幕。

●『スペクタキュラー・スパイダーマン』#226(1995年)
実はベン・ライリーの方が本物で、ピーター・パーカーの方がクローン体だったと判明する!

●『スペクタキュラー・スパイダーマン』#229(1995年)
ピーターは引退を決意し、スパイダーマンの座をベンに譲る。

●『スパイダーマン』#75(1996年)
やはりピーターが本物でベンがクローン体だったという真実が明らかとなる。ベンはピーターをかばって死亡。「クローン・サーガ」完結。

●『ニューアベンジャーズ』#1(2005年)
スパイダーマンがアベンジャーズの正規メンバーとなる。トニー・スタークはピーターを自らの後継者として育てようと決意する。

●『シビル・ウォー』#2(2006年)
トニー派としてピーターは超人登録法に賛成し、政府側につく。15才からスパイダーマンをやっていたとマスコミの前で公表。
なお、この公表および後のトニー・スタークとの決裂によるMJとメイおばさんの警護解除を一因として、メイおばさんがキングピンが雇った殺し屋に狙撃され重傷を負う。

●『アメイジング・スパイダーマン』#544-545(2007-2008年)
大型クロスオーバー・イベント「ワン・モア・デイ」開始。メイおばさんを救うため、ピーターはMJとの「愛」と引き換えに大悪魔メフィストと取引をする。これによりMJとの結婚、メイおばさんの負傷、「世間に正体を明かしたこと」などの出来事が消滅する。
この一連の出来事は、邦訳版『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』(小社刊)で読むことができます。


●『アメイジング・スパイダーマン』#546(2008年)
世界中の人々はスパイダーマンの正体を知らない状態に戻った。ピーターは独身に戻りメイおばさんと暮らし始め、独身に戻ったMJも西海岸で一人暮らしを始める。
設定を変更した"新しい"スパイダーマンシリーズは、邦訳版『スパイダーマン:ブランニュー・デイ1~3』(小社刊)にまとめられてます。


●『スパイダーメン』#1-5(2012年)
異次元のスパイダーマンであるマイルズ・モラレスと出会う。(*本書)
正史世界であるアース616とアース1610が初めてクロスオーバーした歴史的事件となる。

●『アメイジング・スパイダーマン』#682-687(2012年)
ドクター・オクトパスが臨終の時を迎える。

●『アメイジング・スパイダーマン』#698-700(2012-2013年)
ピーターとオクトパスの肉体が入れ替わり、ピーターは末期状態のオクトパスの肉体のまま命を落とし、ピーターの体に入ったオクトパスが生き残るという結末を迎える。アメイジング・スパイダーマン誌一旦終了。

●『スペリオル・スパイダーマン』#1-31(2013年)
ピーターの体に入ったドクター・オクトパスが新たなスパイダーマンとして活動開始。様々な装備を開発し、パーカー・インダストリーズを設立。数々の戦いの後、ドクターオクトパスは自分よりピーター・パーカーこそスパイダーマンとして優れていると認め、肉体をピーターの精神に明け渡し消滅。

●『アメイジング・スパイダーマン』#1-18(2014-2015年)
新シリーズがリランチ。#9-15では、様々な次元のスパイダーマンが集結、共闘する「スパイダーバース」イベントが行われる。

●『アメイジング・スパイダーマン』#1-32(2015-2017年)
さらに新シリーズがリランチ。スパイダーバースから帰還したピーターは、パーカー・インダストリーズを巨大企業へと成長させ、ピーターとしてもスパイダーマンとしても大成功を収め今に至る。

……いかがでしょうか。50年に及ぶスパイダーマンの歴史のほんの概略ですが、私自身こうやって整理してみると、正史世界のスパイダーマンを大分理解できたように感じます。

続いてアルティメット・ユニバースのスパイダーマン史をご紹介します。

アルティメット・ユニバース(アース1610)のスパイダーマン


【初代スパイダーマン】

●『アルティメット・スパイダーマン』#1-7(2000-2001年)
15才のピーター・パーカーは、オズボーン産業が遺伝子改良を施したクモに噛まれ、クモに似た超能力を手に入れ、スパイダーマンとしての活動を始める。ベンおじさんが強盗に殺される。

●『アルティメット・スパイダーマン』#13(2001年)
ピーターは密かに恋心を抱くメリー・ジェーンに自分の正体を告白する。

●『アルティメット・スパイダーマン』#14(2001年)
ピーターが通う高校にグウェン・ステイシーが転校してくる。

●『アルティメット・スパイダーマン』#28-32(2002-2003年)
グウェンの父親ジョン・ステイシー警部が死亡。ジョンの元妻は娘を引き取ることを拒否したため、グウェンはパーカー家で居候を始める。

●『アルティメット・スパイダーマン』#33-39(2003年)
ピーターの父親が開発していた特殊スーツが、大学生のエディ・ブロックと融合してヴェノム誕生。

●『アルティメット・スパイダーマン』#54-59(2004年)
グウェンがスパイダーマンの正体に気づく。

●『アルティメット・スパイダーマン』#60-65(2004年)
カート・コナーズ博士がピーターのDNAを使ってカーネイジを作り出す。グウェンがカーネイジに生命力を吸い取られて死亡。

●『アルティメット・スパイダーマン・アニュアル』#1(2005年)
メリー・ジェーンと別れたピーターが、X-MENのキティ・プライドと交際開始。

●『アルティメット・スパイダーマン』#97-105(2006-2007年)
ドクターオクトパスがピーターのDNAを使って複数のクローン体を作り出す。グウェンとカーネイジのハイブリッド体がクローンとして復活。ピーターはメイおばさんに自分の正体を明かす。

●『アルティメット・スパイダーマン』#123-128(2008-2009年)
ヴェノムがカーネイジの共生体を吸収・融合。それによりグウェンは普通の人間に戻る。

●『アルティメット・スパイダーマン』#155(2011年)
ピーター16才の誕生日を迎える。

●『アルティメット・スパイダーマン』#156-160(2011年)
「アベンジャーズvs.ニュー・アルティメッツ」事件に巻き込まれ重傷を負ったスパイダーマンは、ゴブリンら宿敵たちに襲撃を受け、最後ゴブリンと相討ちになり、メイおばさんたちに見守られつつ息を引き取る。


【二代目スパイダーマン】

●『アルティメット・コミックス:オールニュー・スパイダーマン』#1-5(2011-2012年)
ピーター死亡の11か月前、マイルズ・モラレス少年はオズコープ研究所から盗み出された遺伝子改良されたクモに噛まれ、ピーターと同じ超能力を手に入れる。数か月後、ピーターが死亡する現場を目撃したマイルズは、彼の遺志を継いでスパイダーマンになることを決意する。シールドのニック・フューリー長官から黒いコスチュームを与えられる。

●『スパイダーメン』#1-5(2012年)
マイルズは異次元から来たピーター・パーカーと出会う(*本書)

●『アルティメット・コミックス:オールニュー・スパイダーマン』#13-18(2012-2013年)
マイルズはメイおばさんとグウェンから、ウェブ・シューターを手渡される。キャプテン・アメリカがアメリカ臨時大統領に就任するとともに、マイルズはアルティメッツ(アルティメット・ユニバース版アベンジャーズ)に加入する。

●『アルティメット・コミックス:オールニュー・スパイダーマン』#19-22(2013年)
マイルズとヴェノムの戦闘中、マイルズの母親リオが警官の放った流れ弾に当たって死亡する。マイルズはスパイダーマンとしての活動から引退する。

●『アルティメット・コミックス:オールニュー・スパイダーマン』#23-28(2013年)
母の死から1年、14才になったマイルズは再びスパイダーマンのコスチュームを着る決意をする。

●『マイルズ・モラレス:アルティメット・スパイダーマン』#1-7(2014-2015年)
死んだはずのピーター・パーカーが生きていることが発覚。ピーターはスパイダーマンの座をマイルズに託し、メリー・ジェーンとともに旅立っていく。

●『アメイジング・スパイダーマン』#9-14(2015年)
異世界のスパイダーマンが一同に会するクロスオーバー・イベント「スパイダーバース」にマイルズも参加。

●『マイルズ・モラレス:アルティメット・スパイダーマン』#8-12(2015年)
アース616の地球とアース1610の地球が衝突して、二つのユニバースが一時的に消滅する。この場面は『デッドプールVol8:オール・グッド・シングス』(小社刊)でも描かれていた。

●『シークレット・ウォーズ』#1-9(2015-2016年)
アース616の地球とアース1610の地球が衝突したことによって複数の異世界が融合して一つになる。これによりマイルズは正史世界の住人となり、正史世界に2人のスパイダーマンが存在することとなった。

●『スパイダーマン/デッドプール』#2(2016年)
正史世界でピーターとマイルズ(それとデップー)が共闘する。詳しくは『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』(小社刊)をご覧ください。



……以上になります。ふぅ、膨大な歴史に目がくらみますね。調べる方もかなり大変でしたよ……。

というのは本当は嘘で、実はアルティメット・スパイダーマンの歴史については、訳者の高木亮氏による本書封入解説にこれ以上ないくらい詳しくまとめられていたんです。私はそこから抜粋しただけでした(๑≧౪≦)
(これでも、ほんの一部です。)

細かい文字で6ページに渡って、アルティメット・ユニバースからアルティメット・スパイダーマンの歴史まで網羅したこの解説書を読むだけでも、本書は一見の価値ありです。

以上、今週のアメコミ魂はここまでとさせていただきます。最後までお読みいただきありがとうございました!来週またお会いしましょう。

(文責:小出)

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