アメリカでは、先月24日から27日までコミコンが開催されました。DCコミックス関連のニュースとしては、噂されていた“制作予定の映画タイトル一挙発表”こそなかったものの、『ゴッサム』『フラッシュ』『ARROW/アロー』といった話題のドラマの新情報が開示されたり、バットマン75周年のパネルがあったりと、大いに盛り上がったようです。
さらにコミコン後、米ワーナーは2020年までに全部で10本のDC映画を公開すると発表し(そのうちの二つは“イベント・フィルム”と……!)、ファンの度肝を抜きました。
残念ながら最初の1作となるべき、『バットマンvスーパーマン』の公開は2016年に延期されてしまいましたが、マーベル/ディズニーに負けないよう、ぜひ老舗の意地を見せてほしいですね。
さて、日本では、今年の夏はジョーカー祭りです!
先月発売しました『バットマン:喪われた絆』に続いて、『ジョーカー:喪われた絆』の上下巻を2ヶ月連続で刊行して、ジョーカーのニュー52ユニバースへの本格復帰を三部作で祝いたいと思います!
▲『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』 定価:2,200円+税 ●8月27日発売予定● |
今月27日発売予定の『ジョーカー:喪われた絆〈上〉』では、以下のキャラクターのエピソードがフィーチャーされています。
バットマン……ジョーカーの帰還によって、混迷するゴッサムシティ。雨後の筍のごとく現れたジョーカーを信奉する犯罪者集団に、バットマンが立ち向かう!(掲載誌:『ディテクティブコミックス』)
キャットウーマン……『バットマン:喪われた絆』には登場しなかったキャットウーマン。しかし、ヤツは彼女にも近づいていた。果たしてその目的は……?(掲載誌:『キャットウーマン』)
ハーレイ・クイン……『バットマン:喪われた絆』ではジョーカーに手を貸した彼女だったが、じつは、その前後には身の毛もよだつ再会劇があった!(掲載誌:『スーサイド・スクワッド』)
バットガール……ジョーカーの復活をまだ知らないバットガール。だが、ヤツの魔の手は容赦なく迫る。母親を誘拐された彼女は、謎の声に導かれて監禁場所に向かうが……。(掲載誌:『バットガール』)
普段、日本ではなかなかご紹介できないキャラクターが活躍するのもクロスオーバーの醍醐味の一つ。なかでも今回は、ハーレイ・クインとバットガール(バーバラ・ゴードン)という、ニュー52を経て大きく様変わりした二人に要注目です!
ハーレイ・クインは以前のコミカルなキャラクターとはずいぶん外見も変わって、毒々しい雰囲気が増し、いまやDCヴィランからなる決死部隊“スーサイド・スクワッド”の一員になっています。
一方、バットガールのほうは“梟”三部作ですでにお目見えしていますが、なんといっても今回の敵はジョーカー。『バットマン:キリングジョーク』での半身不随からは回復しているものの、因縁浅からぬ相手です。さらに、『バットマン:ブラックミラー』に登場した“あのキャラクター”も登場して、否が応でも盛り上がる展開になっています!
事件の前日譚、後日談、余波などを描いて、イベントの全貌がより深く理解できる内容となっている『ジョーカー:喪われた絆』。さまざまなアーティストによって描かれるジョーカー像(とくにあのマスク)とともに、ぜひ楽しんでいただければと思います。
▲『バットマン:喪われた絆』 ●好評発売中!● |
来月は三部作がいよいよ完結!ということで『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』が発売予定となっております。しかし、それと同時に、バットマン史に燦然と輝く名シリーズの日本版刊行が、ついにスタートします。そう、『バットマン:ノーマンズ・ランド』です! こちらはかなり長大なシリーズで、1冊ごとのページ数も多くなるので、全4巻をじっくり出していきたいと考えています。9月刊行のラインナップもお楽しみに!
▲『ジョーカー:喪われた絆〈下〉』 ●9月26日発売予定● |
▲『バットマン:ノーマンズ・ランド1』 ●9月26日発売予定● ※原書イメージ |
ところで、小社ではアメコミやBDをはじめ、さまざまな国のコミックを刊行させていただいていますが、そもそも“絵の連なりによって物語をつづる”という手法――故ウィル・アイズナー言うところの“シークエンシャル・アート”――は、どのようにして確立されたのでしょうか?
そんな奥深い謎に迫る講演が9月6日(土)、千代田区立日比谷図書文化館にて開催されます。題して『ストーリーマンガ時代のはじまり 日本・アメリカ・フランスの1930年代』。講師の佐々木果さんは、“ササキバラ・ゴウ”名義でも活躍されているまんが史研究家です。1930年代といえば日本では『のらくろ』が、アメリカでは『スーパーマン』が生まれた頃。我々が知っている“マンガ的なもの”がどうやって生まれたのか……たしかに気になりますね。お近くにお住いの方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
ではでは、今日はこのへんで。
(文責:中沢俊介)