「アメコミ魂」読者のみなさま、はじめまして。
新しくメンバー入りしました、渡辺と申します。
約2年間、フランスはパリにあるグループ会社へ出向のため海外赴任しており、出向任期満了に伴い、先週帰国しました。
「日本は暑い……」
フランスも夏ですが、日本と違い湿気が無いためカラッとした爽やかな暑さです。2年という時間が、日本の夏への耐性をリセットしてしまったのでしょうか。アイスマン、ストームの力で涼しくしてほしい!!
実は私、幼少の頃にアメリカに住んでいたことから、アメコミは身近に触れることができた存在であり、スパイダーマンやX-MENは自分にとって、日本のどのヒーローよりも、スーパーヒーローでした。特に、X-MENのウルヴァリンは大好きなキャラクター。本書の中でも出てきますが、例の“バナナ色の派手なコスチューム”はやっぱりカッコイイ! それまでX-MEN達は黒のレザー風のコスチュームを着用していましたが、本書以降、ウルヴァリンは従来の黄色と青のコスチュームに戻っています。
新しくメンバー入りしました、渡辺と申します。
約2年間、フランスはパリにあるグループ会社へ出向のため海外赴任しており、出向任期満了に伴い、先週帰国しました。
「日本は暑い……」
フランスも夏ですが、日本と違い湿気が無いためカラッとした爽やかな暑さです。2年という時間が、日本の夏への耐性をリセットしてしまったのでしょうか。アイスマン、ストームの力で涼しくしてほしい!!
実は私、幼少の頃にアメリカに住んでいたことから、アメコミは身近に触れることができた存在であり、スパイダーマンやX-MENは自分にとって、日本のどのヒーローよりも、スーパーヒーローでした。特に、X-MENのウルヴァリンは大好きなキャラクター。本書の中でも出てきますが、例の“バナナ色の派手なコスチューム”はやっぱりカッコイイ! それまでX-MEN達は黒のレザー風のコスチュームを着用していましたが、本書以降、ウルヴァリンは従来の黄色と青のコスチュームに戻っています。
『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』 マーク・ミラー[作] ジョン・ロミータJr.[画] 定価:本体3,200円+税 ●小社より絶賛発売中● |
今回はそのX-MENから、ウルヴァリンをフューチャーしたこの1冊を選んでご紹介します!
『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』
本書はマーク・ミラーが脚本を担当した月刊誌『ウルヴァリン』#20-32(2004年12月~2005年11月)をまとめた単行本の日本語版。
まず、本書のタイトルにドキッとしました。なぜなら、『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』ですからね……。
自分の中でX-MENは、自分たちミュータントを忌み嫌う人間たちを守るため戦い続けているヒーロー集団。なんとそのヒーローであるウルヴァリンが合衆国の敵になってしまうのです。
暗殺者集団ハンドとテロリスト組織ヒドラが仕掛けた巧妙な罠により、ウルヴァリンが暗殺者として洗脳され、殺戮と破壊を繰り返しながら米国の機密情報を奪い、逃走してしまう。国家を重大な危機に陥れたウルヴァリンは、さらにファンタスティック・フォーやデアデビルといった仲間だったはずのヒーローたちをも次々と襲撃していく――。
といったイントロダクションとなりますが、あのウルヴァリンが敵に回ってしまうことにより引き起こされる惨事はありつつも、その過程でのファンタスティック・フォーやデアデビルとの戦いは、読み応えバッチリです。洗脳されているとはいえ、仲間であることに間違いはなく、暴走するウルヴァリンに対してあくまでも抑止しようとするヒーローたち。その優しさがウルヴァリンの世界最硬度の金属アダマンチウムでコーティングされた鋭いクロー(爪)の餌食を次々に増やしてしまうことに……。
単なるパワー戦ではなく、ミスター・ファンタスティックは交渉に持ち込もうとしたり、シングとは一種のケンカ友達であることを思い出させる台詞があったりと、各ヒーローの特性や関係性も描かれています。
一方のウルヴァリン自身も、“暴行犯を殺害して、被害女性を助ける映像がATMの防犯カメラに残っていた”、“数多くの凶行とわずかな善行”といったように、心のなかの善人が悪の洗脳と戦い激しく葛藤します。優等生的なヒーロー像とは一線を画す、荒くれた性格や言動が特徴的なキャラクターであっても、本書では「心の葛藤」というとても人間くさいところをウルヴァリンというヒーローに当てはめてドラマチックに描写しています。ヒーローという憧れの存在であっても、自分たちと共通する部分があると知って、今まで以上に親近感を持つことができたような気がします。
ということで、小学生ではじめてアメコミを手にしたときは、まさか将来的にアメコミに携わるなんて夢にも思わなかったわけですが、こうしてまた大人になってから数十年振りにアメコミを読んでみると、ストーリーだけでなく、そのアートワークもまた興味深く、違った楽しみ方に触れることができました。
本書はウルヴァリンという、今ではマーベル・ユニバースを代表する顔である人気キャラクターにスポットを当てており、複雑なキャラクターの歴史を知らなくても十分に楽しめる内容です。往年ファンの読者のみなさまはもちろん、2013年公開の映画『ウルヴァリン:SAMURAI』ではじめて知った! という新規読者の方にもぜひお手に取っていただきたい作品となっております。
さらにX-MENは、5月末に公開された映画『X-MEN:フューチャー&パスト』でその過去のストーリーに興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。
ShoPro Booksの8月新刊にラインナップしている『X-MEN/スパイダーマン』は、そんなX-MENと我らがスパイダーマンの秘められた過去を、新たなストーリーとして描いています。
『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』
本書はマーク・ミラーが脚本を担当した月刊誌『ウルヴァリン』#20-32(2004年12月~2005年11月)をまとめた単行本の日本語版。
まず、本書のタイトルにドキッとしました。なぜなら、『ウルヴァリン:エネミー・オブ・ステイト』ですからね……。
自分の中でX-MENは、自分たちミュータントを忌み嫌う人間たちを守るため戦い続けているヒーロー集団。なんとそのヒーローであるウルヴァリンが合衆国の敵になってしまうのです。
暗殺者集団ハンドとテロリスト組織ヒドラが仕掛けた巧妙な罠により、ウルヴァリンが暗殺者として洗脳され、殺戮と破壊を繰り返しながら米国の機密情報を奪い、逃走してしまう。国家を重大な危機に陥れたウルヴァリンは、さらにファンタスティック・フォーやデアデビルといった仲間だったはずのヒーローたちをも次々と襲撃していく――。
といったイントロダクションとなりますが、あのウルヴァリンが敵に回ってしまうことにより引き起こされる惨事はありつつも、その過程でのファンタスティック・フォーやデアデビルとの戦いは、読み応えバッチリです。洗脳されているとはいえ、仲間であることに間違いはなく、暴走するウルヴァリンに対してあくまでも抑止しようとするヒーローたち。その優しさがウルヴァリンの世界最硬度の金属アダマンチウムでコーティングされた鋭いクロー(爪)の餌食を次々に増やしてしまうことに……。
単なるパワー戦ではなく、ミスター・ファンタスティックは交渉に持ち込もうとしたり、シングとは一種のケンカ友達であることを思い出させる台詞があったりと、各ヒーローの特性や関係性も描かれています。
一方のウルヴァリン自身も、“暴行犯を殺害して、被害女性を助ける映像がATMの防犯カメラに残っていた”、“数多くの凶行とわずかな善行”といったように、心のなかの善人が悪の洗脳と戦い激しく葛藤します。優等生的なヒーロー像とは一線を画す、荒くれた性格や言動が特徴的なキャラクターであっても、本書では「心の葛藤」というとても人間くさいところをウルヴァリンというヒーローに当てはめてドラマチックに描写しています。ヒーローという憧れの存在であっても、自分たちと共通する部分があると知って、今まで以上に親近感を持つことができたような気がします。
ということで、小学生ではじめてアメコミを手にしたときは、まさか将来的にアメコミに携わるなんて夢にも思わなかったわけですが、こうしてまた大人になってから数十年振りにアメコミを読んでみると、ストーリーだけでなく、そのアートワークもまた興味深く、違った楽しみ方に触れることができました。
本書はウルヴァリンという、今ではマーベル・ユニバースを代表する顔である人気キャラクターにスポットを当てており、複雑なキャラクターの歴史を知らなくても十分に楽しめる内容です。往年ファンの読者のみなさまはもちろん、2013年公開の映画『ウルヴァリン:SAMURAI』ではじめて知った! という新規読者の方にもぜひお手に取っていただきたい作品となっております。
さらにX-MENは、5月末に公開された映画『X-MEN:フューチャー&パスト』でその過去のストーリーに興味を持たれた方もいるのではないでしょうか。
ShoPro Booksの8月新刊にラインナップしている『X-MEN/スパイダーマン』は、そんなX-MENと我らがスパイダーマンの秘められた過去を、新たなストーリーとして描いています。
『X-MEN/スパイダーマン』 クリストス・ゲージ[作]マリオ・アルベルティ[画] 定価:本体1,850円+税 ●8月27日発売予定● |
(文責:渡辺直経)