2016年6月28日火曜日

ジェフ・ローブ&ティム・セイルの名作カラーシリーズ
『デアデビル:イエロー』を紹介!


読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。

さて、今回はジェフ・ローブ(脚本)&ティム・セイル(作画)の黄金コンビが織り成す名作“カラーシリーズ”の日本語版第2弾『デアデビル:イエロー』をご紹介します。

重版もかかった前作『スパイダーマン:ブルー』で涙した読者もたくさんいらっしゃると思いますが、今回もハンカチは必携です。特に20代後半以上の男性(ちょっと幅がありますが……)は必ずグッとくるはずです。淡い青春に思いを馳せる大人たちが読むべきコミックとでも申しましょうか、本書は特に予備知識なしで一気に読破し、それぞれの感想を持っていただきたいので、紹介文も最低限にとどめておきます。

また、本書は先日発売したばかりですので、この記事を一読いただいた後は、ぜひとも書店さんに直行してください!

ⓒ 2016 MARVEL

「親愛なるカレン。ボクは怖いんだ…」

この冒頭の台詞だけで、もう、切なさと悲しみが入り乱れてしまいました……。
『スパイダーマン:ブルー』を読んでいただいた読者ならおわかりかと思いますが、このカラーシリーズの特徴は、過去を回想するかたちで、今は亡き愛する者への惜別の思いが綴られていきます。

ですので、“親愛なるカレン”という女性はもうこの世にはおりません。(後年ヴィランに殺されてしまいますが、本書では描かれていません)。本書では、亡き恋人カレンへの思いや、デアデビルが黄色のスーツを纏うきっかけとなった亡き父への思いが語られていきます。

回想する前の冒頭の場面では、ちゃんと赤いスーツを纏っていますね。
ジェフ・ローブ&ティム・セイルというアイズナー賞(アメリカで最も権威のある漫画賞の一つ)を幾度も受賞した作家チームがデアデビルのオリジンを描いた作品なので、たとえ“デアデビル”の歴史を知らない人が読んでも十二分に楽しめるつくりになっています。


第1章の最後で黄色のスーツを纏います。その理由は本書にて!
デアデビルことマット・マードックと大学時代からの親友フォギー・ネルソンが立ち上げた弁護士事務所は秘書を募集していたのですが、その面接に来たのが、まさに“可憐”な彼女だったんです。運命の出会いですね。
マットは、カレンへの淡い恋心を抱き、その想いは日に日に募っていきます……読者は、本書を読みすすめていくうちに、誰もが経験する青春の日々と彼らの日々を重ねてしまい、とても切なくなってしまうはずです。もしかしたら、友人のフォギーに自分を重ねる人もいるかもしれませんね。

さらに、ファンタスティック・フォーやエレクトロも登場するのもマーベルファンにとっては嬉しいポイントですね!

スタン・リーの序文も味わい深いのですが、巻末に収録されているジェフ&ティムの創作ノートも大変勉強になります。とにかく、本書はぜひとも読んでいただきたい作品の一つですので、まずはご自身の目でお確かめください!


来週は、『デッドプール Vol.5:ウェディング・オブ・デッドプール』をご紹介します! 『デッドプール:ドラキュラズ・ガントレット』を読んでいただいた読者諸氏はご存知かもしれませんが、デッドプールは、あのお方とご結婚されるんですよね~。本書で描かれる彼らの新婚旅行の行き先は、なんと日本! 主演映画の次は結婚と、デップーさんも大忙しですね。

では、お楽しみに!
ⓒ 2016 MARVEL

では、また来週火曜日の正午に。

(文責:乙間萌生)


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