アメコミ魂: ハチャメチャぶりはデップーを凌ぐ!?『ハーレイ・クイン』第２巻、発売

読者の皆様、こんにちは！　「アメコミ魂」ライターの乙間です。

さて、今週ご紹介するタイトルは、予告どおり『ハーレイ・クイン：パワー・アウテイジ（THE NEW 52!）』です。左上にあるＤＣコミックスのロゴが新しくなっておりますが、今後刊行する作品は、このロゴになりますので覚えておいてくださいね！

本題に入る前に、映画の話を少々。先週の金曜日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで映画『X-MEN：アポカリプス』の試写会が行われました。

その会場で、ShoPro Booksメンバーが日本のアメコミ界隈ではお馴染みのアメキャラ系ライター杉山すぴ豊さんと少しお話をしたようなのですが、なんと、すぴさんもこのブログを読んでくれているみたいです。嬉しいかぎりですね！　映画の内容はというと、試写を観た人の話を聞くと概ね高評価だったので期待大です。現在大ヒット上映中の映画『デッドプール』に続き、この8月11日公開の映画『X-MEN：アポカリプス』も楽しみでしかたありません！

そして、さらに期待している作品は……そう、9月10日公開の映画『スーサイド・スクワッド』！

“ぶっ飛んだダークヒーロー”がデッドプールなら、“ぶっ飛んだダークヒロイン”はハーレイ・クイン（ヴィランなんですけどね）だと言っても過言ではないかもしれません。二人に共通するのは、いわゆる“スーパーヒーロー”ではないというところ。どちらかと言えばヴィランに属するのですが、ヴィランとも言い切れないその憎めないキャラクターが支持されています。さらに、型破りなところも共通点の一つかもしれません。映画『デッドプール』でその名を一気に広めたデップーですが、映画『スーサイド・スクワッド』で必ずや今以上の人気を得るであろうハーレイ・クインのコミックを今回はご紹介します。

まずは、映画のタイトルにもなっており、ハーレイ・クインの所属するヴィラン軍団“スーサイド・スクワッド”が活躍する『スーサイド・スクワッド：悪虐の狂宴（THE NEW 52!）』をおさらいしましょう。

目を覆いたくなるような冒頭の拷問シーンで、スーパーヒーローもののコミックとは一味違うなと感じた人は多いかもしれません。なんせ、極悪非道のスーパーヴィランの物語なのですから……と、言いつつも、読みすすめていくうちに、スーサイド・スクワッドの面々の個性やある種の優しさを知り、読み終わる頃には彼らを応援しているはずです。映画の予習にはもってこいの作品ですが、非常に気になる終わり方でしたので、今夏発売予定の第2巻が待ち遠しいですね。

『スーサイド・スクワッド：悪虐の狂宴（THE NEW 52!）』を一言で説明すると、政府の女性エージェントであり、刑務所の所長でもあるアマンダ・ウォラーが、恩赦を求めるスーパーヴィランたちを寄せ集めて、特殊任務をさせるというお話です。まさに毒を以て毒を制す、ということですね。また、本書でもハーレイ・クインのオリジンが描かれているのですが、これもファンにとっては嬉しいですね。

本書は2011年～2012年に刊行されたリーフ（アメリカで出版されている月刊誌の形態。32ページくらいの中綴じで薄い冊子のようなもの）をまとめたものなので、時系列的には、2014年に刊行されたリーフをまとめた第1巻『ハーレイ・クイン：ホット・イン・ザ・シティ（THE NEW 52!）』よりも前の話になります。また、本書は比較的シリアスに描かれており、ハーレイ・クイン誌のハーレイのノリとはちょっと違います。読み比べてみるのもいいのではないでしょうか。

さて次は、ハーレイ・クイン第1巻の『ハーレイ・クイン：ホット・イン・ザ・シティ（THE NEW 52!）』を簡単におさらいしましょう。先に述べたように、『スーサイド・スクワッド：悪虐の狂宴（THE NEW 52!）』のハーレイとはノリが違います（笑）。

巻頭は、ハーレイ自身がコミックブックの主人公になったら……と妄想する物語なのですが、これは新人アーティストから超有名アーティストまで総勢15名が1ページずつ担当するというなんとも贅沢な作りになっていますので、ぜひご堪能ください。

ハーレイは、過去に診察した患者からブルックリンにある不動産を相続し、マンションの大家になるところから物語は始まります。大きな荷物をバイク一台で引っ越すのですが……。

おいしい話にはやはり裏があります。マンションを手に入れたハーレイですが、家賃収入で悠々自適に、とはいきませんでした。不動産税やら管理費やらの出費が多く、無一文のハーレイはお金を稼ぐために、昼は精神分析医の経験を活かして生活支援所で働き、夜はローラーゲームに参加して賞金を稼ぐという日々を送るのです……。

ビーバーのはく製であり、ハーレイの心の友であるバーニーやマンションの住人たち、さらにポイズン・アイビーなどが加わり、様々な事件に巻き込まれていきます。ハチャメチャな展開が面白く、ハーレイの振る舞いがとても愛らしく感じるコミックです。

では、本題である明日発売の最新刊『ハーレイ・クイン：パワー・アウテイジ（THE NEW 52!）』を本文もちょっとだけお見せしながら紹介しましょう！

本書は、主にパワーガールと共演した物語がメインになります。

その合間に、5年後の未来を描いた特別編「フューチャーズ・エンド」で、久々のプリンちゃん（ハーレイが呼ぶジョーカーの愛称）との再会を果たします（本編とは関係ないので読み切りとして読んでいただくといいかもしれません）。

さらにサンディエゴ・コミコンに合わせて発売された増刊号が巻末に収録されています。こちらも読み切りですね。

ローラーゲームのチームメイトたちと夜の海水浴をした後に、まさかパワーガールが空から降って来るとは……。ハーレイは彼女を介抱し、自宅に連れて帰ります。

スーパーヒロインとヴィランという立場はあれど、そこは女の子同士。記憶をなくしたパワーガールと仲良くショッピング……さて、これから二人のチームアップはどうなるのか、続きは本編でお楽しみください！

先週に引き続き、イベントの告知です。

さて、いよいよ今週末となりました。ShoPro Booksの山本将隆氏もゲスト登壇する「堺三保のアメコミラボ vol.2～アメコミ翻訳出版四方山話&最新刊情報～」は、6月19日（日）に開催されるので、関西圏の方はぜひ遊びにいらしてください。このイベントは、講師にアメコミの翻訳でお馴染みの堺三保さんを迎えて、コミック、映画、ドラマを横断しつつ、立体的に「アメコミ」を語っていくamu KYOTOさん主催の連続アメコミ講座です。第2回目にあたる今回は「アメコミ出版」の裏側に焦点を当てて講座が展開される予定です。アメコミ初心者や映画でしかアメコミに触れたことのない方でも大丈夫です。予約・詳細はこちらをご参照ください（URLのリンクは19日まで）。定員は25名程度で、現時点で残席がわずかとのことですので、ご予約はお早めに。

【開催日程】
2016年6月19日(日)　15：00～17：00 （開場14：30）
amu KYOTO
京都市下京区紅葉町364　（京都駅から徒歩10分）
電話番号： 075-746-4675

【タイムテーブル】
14:30～　開場
15:00～　講義開始
16:30～　質疑応答
～17:00　終了

【参加費】
2,000円

来週は、カートゥーンネットワークで放送中の『ティーン・タイタンズGO!』を視聴されている方にはぜひともお薦めしたいコミックをご紹介します。

では、また来週火曜日の正午に。

（文責：乙間萌生）

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2016年6月14日火曜日

ハチャメチャぶりはデップーを凌ぐ!?
『ハーレイ・クイン』第２巻、発売