2018年6月5日火曜日

『バットマン:ノーマンズ・ランド全巻セット』でアメコミの醍醐味を味わおう!



“人は極限状況においてこそ、その真価を試される。平和な日常において、愛や正義や理想を語るのは簡単である。
けれど、日常の仮面が剥がれ落ち非日常へと変貌した時、人はどんな理想を語り、どんな行動をとるのか?

「ノーマンズ・ランド」は人間という存在の本質を我々に問いかけるドラマでもあるのだ。” ~『バットマン:ノーマンズ・ランド3』解説より抜粋(高木 亮)

「アメコミ魂」をご覧の皆さま、こんにちは!
新刊発売のない今週は、いつものアメコミ魂と趣向を変えて、ShoPro Books公式通販で販売している、『バットマン:ノーマンズ・ランド全巻セット』の魅力をまとめた記事(前編)をお届けします。


ところで、ShoPro Booksの通販サイト『ShoPro Books STORE』、皆さまご存じでしょうか?
この通販サイトでは各種アメコミ全巻セットを"ここでしか手に入らない"購入特典付きで販売しておりますが、これまで一番多く売れたセットが『バットマン:ノーマンズ・ランド全巻セット』なんです。
そこで本日はその魅力を深掘りしたいと思います。

(※なお、後編を含む記事全編は、『ShoPro Books STORE』ブログに掲載しております。)

魅力1 総ページ数2000P超!バットマン代表作の一つ


長い歴史を誇るバットマンには、フランク・ミラーの『バットマン: ダークナイト・リターンズ』(1986-87)や『バットマン:イヤーワン』 (1987)、アラン・ムーアの『バットマン:キリングジョーク』(1998)、チャック・ディクソン他の『Batman: Knightfall』(1993)など、名作と呼ばれる作品がいくつかあります。
(※『バットマン: ダークナイト・リターンズ』『バットマン:キリングジョーク』はShoPro Booksから邦訳本が出てますので、機会があればぜひお読みください。)

これ以外にもTHE NEW 52!シリーズなどバットマンには素晴らしいタイトルが数多くあり、正直どれから読んでいいか迷うところですが、グレッグ・ルッカらが手掛けたこの『ノーマンズ・ランド』もバットマン史を語る上で絶対に外せない一大巨編と言えるでしょう。

その概略を簡単に説明すると、『ノーマンズ・ランド』は複数のバットマン関連誌でおこなわれた大型クロスオーバー・イベントで、1999年1月から12月にかけて1年間かけて語られた長大なドラマです。
面白いのは、物語の中の時間軸も1999年の1年間(正確には、ノーマンズ・ランドが始まってから93日目に始まり、1999年12月31日まで)を描いている点ですが、そのほかにも本作はその最初の設定からして読者を惹きつけずにいられない要素が多数あり、思わず「上手いなー」と唸ってしまいます。

……始まりは"クレンチ"という伝染病により数十万のゴッサム市民の命が失われたことでした。続いてマグニチュード7.6の直下型地震が発生し、街は壊滅的被害を受けました。そして最後その息の根を止めたのは、ゴッサムシティに「再建不可能」のレッテルを貼り、ゴッサムとアメリカ本土をつなぐ橋を落とし、物理的にも法律的にもゴッサムをアメリカから切り離したアメリカ政府でした。
そしてライフラインを絶たれた凶悪犯収容施設アーカム・アサイラムで、人道的見地から所長が囚人を街に解き放ったことにより、冒頭述べたような究極の極限状態がゴッサムシティと残った住人に降りかかることとなったのです。

この設定は、名作と名高いクリストファー・ノーラン監督の2012年映画『ダークナイト ライジング』の元ネタになったことから、「本作は読んでないけど、何となく聞いたことあるよ」という方もいらっしゃるでしょう。

そして、無法地帯となったゴッサムをめぐって、アーカムから解放されたヴィランたち、バットマンとその仲間たち、ゴッサム市警の1年に及ぶ熾烈な争いを2000P超にわたって克明に描いたのが『ノーマンズ・ランド』全4巻というわけです。


魅力2 バットマンだけじゃない!主役級の助演キャラクターたち


バットマン作品の魅力は、バットマン以外にも個性豊かで深みのあるキャラクターが多数脇を固めている点にもあります。
ヒーローやサイドキック、ヴィランだけではなく、アルフレッドやゴードン本部長といった普通の人々が主役にもなり得るほど深みのある人物として描かれてます。

これだけ多くの魅力的なキャラクターが出てくる作品は、アメコミの中でもトップクラスなんじゃないでしょうか。

そして『ノーマンズ・ランド』では、そういったバットマンを代表するキャラクターたちがほぼ総出演しており、バットマン大辞典的な書にもなってます。

以下、本書に登場する主要キャラをご紹介します。
彼ら彼女らが極限状態のゴッサムで何を目的に、どのように行動するのか、ぜひ一人一人に注目してみてください。

※太字は、本書またはバットマン史において特に重要と思われるキャラクター。

<バットマンと仲間たち>


バットマン
本名ブルース・ウェイン。ゴッサムシティを守る闇の騎士。

アルフレッド
バットマンの活動を心身ともに支える執事。

ロビン
本名ティム・ドレイク。バットマンの相棒を務める少年。

ナイトウィング
本名ディック・グレイソン。初代ロビン。

アズラエル
聖デュマ騎士団が作り出した聖戦士。『ナイトフォール』事件でブルースが不在の間、バットマンを引き継いでいた。

オラクル
本名バーバラ・ゴードン。ジェームズ・ゴードンの娘。元バットガールで、現在は情報ブローカー。

ハントレス
マフィアのベルティネリ家に生まれたが、両親が殺されたことで、暗黒街の犯罪者達を憎む自警団員。

バットガール
ノーマンズ・ランドに現れた正体不明のヒロイン。

キャットウーマン
本名セリーナ・カイル。怪盗。

レスリー・トンプキンス
慈善クリニックを営む人道主義者の医師。

<ヴィランたち>


◆ペントリロクイスト&スカーフェイス
凶悪な人形を操る、二重人格の腹話術師。

◆スケアクロウ
自ら開発した幻覚ガスを武器に、各個人特有の恐怖症を発症させる。

◆ペンギン
本名オズワルド・コブルポット。ゴッサムシティの暗黒街を牛耳るフィクサー。

◆トゥーフェイス
本名ハービー・デント。顔の左半分が焼け爛れた犯罪者。かつては優秀な地方検事だった。

◇ブラックマスク
ゴッサムの暗黒街を支配するギャングのボスの一人。

◆ポイズン・アイビー
植物性の毒やフェロモンを作り出し、植物を操る環境テロリスト。

◇ニコラス・スクラッチ
カリスマ的な人気を誇るロック・ミュージシャンであり、50万人の信者を抱える新興宗教の教祖。

◇マッドハッタ―
本名ジャービス・テック。『不思議の国のアリス』のキャラクターをモチーフにした悪人で、催眠術の達人。

◇クレイフェイス
泥状の肉体をした怪人。あらゆる形状に姿かたちを変えられる力を持つ。

◇KGビースト
元KGBでロシア最高の暗殺者。バットマンに捕まりそうになった際、自ら左手首を切り落として逃走した。

◇ロックアップ
悪人を逮捕し私設刑務所に投獄する、自称"正義の味方"。

◇ミス・ホワイト
謎の女性。

◇マクシー・ゼウス
ギャングのボスで、カルト教団の教祖。自分をギリシア神話の神ゼウスの化身と信じる誇大妄想狂。

◆ミスター・フリーズ
本名ビクター・フリーズ。低体温を維持する特殊なスーツに身を包み、あらゆるものを凍らせる冷凍銃で戦う。

◆キラークロック
特殊な皮膚病のため爬虫類のような外見をした怪人。

◆べイン
『ナイトフォール』事件でバットマンの背中を折った男。

◇ギアヘッド
全身のほとんどを機械化したサイボーグ。

◇トミー・マングレス
ゴードン本部長に深い恨みを抱く凶悪な殺人鬼。

◇ラットキャッチャ―
ネズミを操ることができる。

◇リンクス
中国系の殺し屋で、霊龍団の元リーダー。

◆ジョーカー
犯罪界の道化王子。

◆ハーレイ・クイン
ジョーカーの相棒。本書は、1999年10月に初登場したハーレイが"二度目"に登場したコミックスである。

◇ツァスツ
人を殺すたびに自分の体に傷をつけるサイコパス殺人鬼。

◇ゴリラ・グロッド
高度な知性を持った類人猿

◇タリア
バットマンの宿敵ラーズ・アル・グールの娘。

◆レックス・ルーサー
世界で最も優秀な頭脳を持ち、最も有名なヴィランのひとり。

<ゴッサム市警(GCPD)>


◆ジェームズ・ゴードン
本部長。

◇サラ・エッセン
ゴードンの妻。

◇ハービー・ブロック
巡査部長。

◆レニー・モントーヤ
巡査。

◆ウィリアム(ビリー)・ペティット
SWATチームの隊長。

◇マッケンジー・"ハードバック"・ボック
刑事。

◇クラレンス・フォーリー
刑事。


……以上、『バットマン:ノーマンズ・ランド全巻セット』の魅力をまとめた記事(前編)をお届けしました。
後編を含む記事全編は、『ShoPro Books STORE』ブログに掲載してますので、こちらもぜひチェックしていただけたら小躍りして喜びます。
(ソチラのブログで初投稿になります!)

今週はこの辺りで!また来週お会いしましょう。

(文責:小出)

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