2015年3月23日月曜日

トランスフォーマー伝説の新たなる幕開け……『AHM』!

皆様、お待たせしました!

待望の日本版もそろそろ店頭に出そろった頃、ということで、今回は『トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン』をご紹介させていただきます。
『トランスフォーマー:オール・ヘイル・メガトロン』
シェーン・マッカーシー他[作] グイド・グイディ他[画]
定価:本体3,800円+税
●好評発売中!●
昨年、誕生から30周年を迎えたトランスフォーマー。日本のミクロマンやダイアクロンといったトイラインの変形ロボットを、アメリカで独自にブランドづけして売り出して……と、その起源はなかなか複雑ですが、テレビアニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』とともに1985に上陸すると、日本にもすぐ定着しました。それ以降もトイの展開はもちろん、日本オリジナルのアニメシリーズが何作も作られたり、『ビーストウォーズ』のように当時最新の3DCGアニメとして蘇ったりして常に新たなファンを獲得し、2007から始まったハリウッド映画版は、いまや超大作映画として定番のシリーズになっています。

そんなトランスフォーマー、じつはアメコミとしても非常に人気のあるタイトルなのです! トイやテレビアニメに負けない歴史を持っているアメコミ版トランスフォーマー。これまでアメリカやイギリスで数多くの作品が刊行されてきましたが、その中でもかねてから日本版を求める声が高かったのが、今回ついに発売された『オール・ヘイル・メガトロン』。それでは、どんな物語かといいますと……

ロボット生命体トランスフォーマーたちは長年にわたって、正義の戦士サイバトロン悪の軍団デストロンに分かれて熾烈な戦いを繰り広げていた。 だが、ある日ついに決着がつく。勝ったのは……だった。地球で破壊の限りを尽くす、破壊大帝メガトロン。じつは悪の勝利の影には、あるろしい秘密があった。壊滅的な打撃を受け、惑星セイバートロンに幽閉されたサイバトロンと総司令官コンボイは再び立ち上がることはできるのか? そして人類の運命は……!?

あらすじを読んで、“あれっ?”(または“おっ!”)と思った皆様、さすがです!

今回の『オール・ヘイル・メガトロン』、イメージ源になっているのがトランスフォーマー・シリーズの原点であるジェネレーション1G1、とくにテレビアニメ『戦え!超ロボット生命体トランスフォーマー』を中心にした世界観なのです。なので、本作につきましては、キャラ名などはG1系の呼称にて統一させていただきました。では次に、どんなキャラクターが登場するかというと(カッコ内に英語名を表記)……

サイバトロン戦士(オートボット) 
コンボイ(オプティマス・プライム)総司令官。リーダーの証であるマトリクスの所有者。
プロール戦略家副官として常に冷静に戦局を判断している。
マイスター(ジャズ)エージェント。高い戦闘力を持ち、同胞からの信頼も厚い。
アイアンハイド警備員。コンボイの旧友で、ボディガード的な存在。 
バンブル(バンブルビー)情報員。小柄ながら勇敢で、人間にも好意的。 
チャー(カップ)戦士。長い戦いを生き抜いた、経験豊かな歴戦の勇者。

デストロン軍団(ディセプティコン) 
メガトロン破壊大帝。全宇宙を支配するデストロン帝国の建造を目指す。
スタースクリーム航空参謀。軍団のナンバー2だが、常にメガトロンの座を狙っている野心家。
サウンドウェーブ情報参謀カセットロン部隊を操り、メガトロンの信頼も厚い忠臣。
アストロトレイン輸送参謀SLとスペースシャトルに変形するトリプルチェンジャー
ボンブシェル心理工作兵。底知れぬ邪悪さを秘めた、インセクトロン(インセクティコンズ)の一員。
デバスター(デバステーター)ビルドロン部隊(コンストラクティコンズ)6体が合体した巨人兵。圧倒的な破壊力を持つ。
……これでも、ごくごくほんの一部!

たとえば、2014年の映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』に登場し、俳優の渡辺謙が声を担当した侍トランスフォーマー、ドリフトも本書が初登場となるのでお見逃しなく。また、映画版とG1アニメ版どちらのファンにもおなじみ“ウィトウィッキー”姓を名乗る人間が、それらとは違った立場で物語にからんでくるのも要注目です。

アメコミとしてのトランスフォーマーは、まずあのマーベル・コミックスにて、トイやアニメと同じ1984に始まりました。その後、カナダの出版社ドリームウェーブ・プロダクションズで新たなシリーズが2002に立ち上げられたのですが、会社の倒産によって3年足らずで中断。そこで宙に浮いたコミック化権を得たIDWパブリッシングが、2005からトランスフォーマー・コミックの出版を開始しました。

そして創刊から3年ほど経った2008IDW版は一つの転機を迎えます。それまでのストーリー展開をひと段落させ、新規読者を呼び込むために物語の仕切り直しを図ったのです。こうして生まれたのが『オール・ヘイル・メガトロン』――ということで、まさにアメコミ版トランスフォーマーへの新たな入口にピッタリ! 総ページ数500ページに及ぶ本書は、本編はもちろん、外伝も収録した完全版となっています。

現在も『モア・ザン・ミーツ・ジ・アイ』『トランスフォーマーズ』(最近『ロボッツ・イン・ディスガイズ』から誌名変更)という二つの雑誌を中心に、順調に続いているIDW版トランスフォーマー。すでに10年近い歴史を持ち、G1系の他にも映画版、G1以外のアニメ版を元にしたコミック、そして他社作品のリイシューなど、魅力的なタイトルはまだまだあります。本書が、豊かな広がりを持つトランスフォーマー・アメコミの日本での新たな出発点になれるように、応援のほど何卒よろしくお願いいたします!

それでは、今日はこんなところで。


(文責:中沢俊介)