2014年11月24日月曜日

映画『シン・シティ 復讐の女神』にそなえて……。

みなさん、こんにちは!

映画『シン・シティ 復讐の女神』がいよいよ2015年1月10日公開決定! マーヴハーティガン、そしてミホ……あの強烈なキャラクターたちがスクリーンに帰ってくる……しかも、今度はD!! さらにレディー・ガガや、300〈スリーハンドレッド〉~帝国の進撃~』のアルテミシア役も記憶に新しいエヴァ・グリーンも出演!!! ということで、今日は1126日(水)発売予定『シン・シティ2』をご紹介させていただきます。

▲『シン・シティ2』
フランク・ミラー[作/画]
定価:本体2,300円+税
●11月26日発売予定●
今回発売される第2巻にも、前巻と同じく二つの作品が収録されています。

①「ビッグ・ファット・キル」……恋人シェリーにしつこくつきまとう男、ジャッキー・ボーイを痛めつけて追い返したドワイト。だが、それは彼の元恋人ゲイルが束ねる娼婦街“オールド・タウン”を狙う、街の顔役ウォレンクィストとの熾烈な抗争の幕開けに過ぎなかった……!
2005年の映画版第1作『シン・シティ』では、ジャッキー・ボーイを演じたベニチオ・デル・トロの怪演が強烈でした。また、名作コミック300〈スリーハンドレッド〉』原型とでもいうべきイメージが見られるエピソードでもあります。

②「ザット・イエロー・バスタード」……退職間際の老刑事、ハーティガンは連続幼女殺人犯を追っていた。ナンシーという少女をからくも守ったハーティガンだが、犯人は街を牛耳るロアーク上院議員の一人息子だった。無実の罪を着せられ、すべてを奪われた彼は、8年後、ようやく刑務所から出てくるが……。
映画版第1作では、額に大きな向こう傷をつけたブルース・ウィリスが、毒々しい黄色の“イエロー・バスタード”と戦ってましたね。そして新作映画のために考えられたオリジナルのエピソード「ナンシーズ・ラスト・ダンス」は、この物語のその後を描いています。

……と、映画版第1作の主要エピソードのうち二つ収録されていて、公開の迫る新作映画の予習にもピッタリの内容! ちなみに、映画『復讐の女神』の原題はSin City: A Dame to Kill For。つまり、第1巻収録の「ア・デイム・トゥ・キル・フォー」が主要エピソードの一つになっていますので、未読の方はぜひチェックを! (第1巻の内容についてはこちらをご覧ください)

▲『シン・シティ1』
フランク・ミラー[作/画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中!●
ところで、『シン・シティ』といえば、映画版でも原作コミックでも、個々のエピソードの時系列が前後していることで知られていますが、これまで刊行された原作の時系列をざっくり整理してみると、以下のようになります。

○第2巻 ② 「ザット・イエロー・バスタード」 

●第1巻 ② 「ア・デイム・トゥ・キル・フォー」 

●第1巻 ① 「ハード・グッバイ」 

○第2巻 ① 「ビッグ・ファット・キル」

またマーヴドワイトミホといった主要キャラだけでなく、ちょっとした脇役がエピソードをまたがって登場するのを見つけるのも、読者の楽しみの一つ。たとえば……

ケイディの店……カウガールの扮装で投げ縄を操るダンサーが名物の、あやしい酒場。店内のあちこちで起こる出来事が、さまざまなエピソードに結びついている。

モートとボブ……日本版コミック第1巻「ア・デイム・トゥ・キル・フォー」に登場した刑事コンビ第2巻「ザット・イエロー・バスタード」では、二人の前歴が……。

といったポイントに注目してみると、作者の脳内に広がる“シン・シティという街”そのものが、さらに実感できるかなと。

本書収録の作品がアメリカで最初に発表されたのは、1994年~1996あたり。いまではコミック作家としてほぼ開店休業状態のフランク・ミラーですが、当時は他にもダークホース・コミックスで原作者として“マーサ・ワシントン”シリーズ(作画:デイブ・ギボンズ)『ビッグ・ガイ&ラスティ・ザ・ボーイ・ロボット』(作画:ジェフ・ダロウ)を手がけて、非常に精力的でした。

しかも『シン・シティ』については、本書以外にもさまざまなフォーマットでいくつもの短編を発表していたのです! そんな作品群を集めたのが、短篇集「ブーズ、ブローズ&ビュレッツ」次回発売『シン・シティ3』に収録されて、ついに日本初登場となります。映画『シン・シティ』のオープニングを飾った、ジョシュ・ハートネット主演の「カスタマー・イズ・オールライト」や、映画『復讐の女神』で描かれる「ジャスト・アナザー・サタデーナイト」の原作もそちらに収録されています。これで映画版に使われた原作がすべて読めることに!
▲『シン・シティ3』
●近日発売予定●
もう一つの収録作は、こちらも本邦初翻訳「ファミリー・バリューズ」「ア・デイム・トゥ・キル・フォー」「ビッグ・ファット・キル」で大活躍したドワイトミホの、その後を描いた長編です。とくに白装束ローラーブレードを着用して華麗に舞うミホの勇姿はファン必見! ぜひご期待ください。

ではでは、今回はこのへんで。


(文責:中沢俊介)