アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
先週の14日、小社から出版社間を飛び越えた夢のクロスオーバー作『バットマン/ミュータント タートルズ』を刊行いたしました。
『バットマン/ミュータント タートルズ』 ジェームズ・タイノンⅣ[作] フレディ・E・ウィリアムズⅡ[画] 定価:本体2,200円+税 ◆好評発売中!◆ |
タイトルからもおわかりいただけるとおり、DCコミックスの看板バットマンとIDWパブリッシングの人気者タートルズがタッグを組んだ痛快作です。
本書は2015年12月から翌年5月にかけて、全6号で刊行されたコミックをまとめたTPB(単行本)を翻訳したものになります。その世界観は、両作品の出版時のシリーズをベースにしており、それぞれの作品のおなじみのキャラクターが入り乱れつつも、見事な化学反応を起こしています。
犯罪都市ゴッサムシティに新たなるヴィランたちが現れます。次元を飛び越えてやってきた首領シュレッダー率いる悪のニンジャ集団、フット軍団です。元々ゴッサムにいたヴィランたちと結託して、元の次元に戻るための悪だくみをする彼らと戦うには、バットマンだけでは手が足りません。時を同じくして次元を越えてきたタートルズたちと出会うバットマン。初めは反目し合っていましたが、彼らの目的はただ一つ。そう正義のために戦うこと! 誤解を乗り越え、ここに空前絶後のクロスオーバーが実現します。果たして彼らは、フット軍団やヴィランたちを倒すことができるのか!? この戦いの顛末は、ぜひ本書をお手に取って確かめてください。
両作品のキャラクターを多数登場させつつも、ブルースとダミアンのウェイン父子、スプリンターとタートルズの師弟関係など“家族の絆”を軸に置いて脚本をまとめ上げたのはジェームズ・タイノンIV。彼は「ニュー52!」最大のイベント『バットマン:エターナル』(来春、小社より上巻を発売予定)でもメインライターを務めましたが、こちらも様々なキャラクターや伏線が入り乱れる超大作。それをまとめあげた手腕が、本作からもうかがえるかと思います。
本書のもう一つの大きな魅力は、フレディ・E・ウィリアムズによるアートです。子供の頃、オリジナルのコミック版タートルズを模写していたというだけあって、ケビン・イーストマンが作り上げた世界観へのオマージュを込めつつ、迫力満点のビジュアルを構築しました。
本書は、アメリカでの刊行時、『バットマン』『ジャスティス・リーグ』などの人気雑誌と並ぶ成功を収めました。それを受けて、映像化されるとかされないとか……そんな噂があるほどの人気ぶりです。
さらに第2弾となる『バットマン/TMNT・アドベンチャーズ(原題)』が11月に創刊されました。こちらは作家陣を一新し、それぞれのアニメ版をもとにした内容となっています。もともとアニメ化作が支持されている両作品だけに、こちらも人気に火が付きそうな気配です。ライターのタイノンは、本作の続編を書くとしたらバットマンがタートルズの世界に行く話にしたいとインタビューで語っていたとのこと。もし実現するならぜひ読んでみたいですね~。
ちなみにですが、バットマンは本書以外にも他社のヒーローと多くクロスオーバーしている希有なキャラクターです。ライバルであるマーベル・コミックスではハルクやパニッシャー、スパイダーマン、キャプテン・アメリカ、デアデビルなどと共演。それらの超メジャーなヒーローだけでなく、下記のようなキャラクターたちとも共演しました。
・プレデター(ダークホース)
・ジャッジ・ドレッド(フリートウェイ)
・グレンデル(コミコ、ダークホース)
・スポーン(イメージ)
・エイリアン(ダークホース)
・ヘルボーイ(ダークホース)※DCのスターマンも加えた3者共演
・ダークネス(イメージ)
・ターザン(ダークホース)
・エイリアン&プレデター(ダークホース)※DCのスーパーマンも加えた4者共演
長い歴史を持つヒーローだけに、こんな変わった経歴も充実しているんですね。
ちなみに小社では、DCコミックスとIDWパブリッシングのクロスオーバー作をもう1タイトル刊行しています。『スター・トレック/グリーン・ランタン』です(過去の紹介記事はこちら)。
『スター・トレック/グリーン・ランタン』 マイク・ジョンソン[作] アンヘル・エルナンデス[画] 定価:2,200円+税 ◆好評発売中!◆ |
宇宙を股にかけた2大作品のクロスオーバー。とくに『スター・トレック』はコアなファンが多い作品ですが、本書は決して間口の狭い作品ではなく、初めて読まれる方でもバッチリ楽しめる作品なので、こちらもぜひご覧ください。
それでは駆け足でしたが、本日はこの辺で。
来週はいよいよ2016年最後の投稿です。ぜひお見逃しく!
(文責・山口大介)
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