2017年9月12日火曜日

リバース版バットマン&ハーレイ・クイン、発売開始!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

今夏から刊行を開始した「DC REBIRTH」シリーズ。ただいま続々と新タイトルがリリースされている最中です。そこで今回は今月6日に発売された2タイトルをご紹介いたします。

まずは、シリーズ待望のバットマン作品第一弾にバットマン:アイ・アム・ゴッサムです。

バットマン:アイ・アム・ゴッサム
トム・キング[作]
デイビッド・フィンチ他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

本書は、『DCユニバース:リバース』(小社刊)によって仕切り直された、「DC REBIRTH」シリーズにおけるバットマンの第1巻にあたり、2016年6月発売の序章的な増刊『バットマン:リバース』と、その後、同年9月まで月2回のペースで刊行された『バットマン』の#1-6が収録されています。

本シリーズで脚本を担当したのはトム・キング。若手時代にDCやマーベルでインターンを経験しながらも、9・11テロ後はCIAの対テロ・センターに約7年間勤めてアフガニスタンやイラクに在駐。その後、スーパーヒーローを題材にした小説で、作家としてデビューを果たしたという変わり種です。

コミック業界に進出してからは、DCで『オメガメン』『シェリフ・オブ・バビロン』、マーベルで『ビジョン』と立て続けに話題作を発表し注目を集めました。邦訳版のコミックスでは、ティム・シーリーと共同で脚本を手掛けた『グレイソン』(小社刊)が刊行されています。

本シリーズ刊行時のインタビューにおいて、前職では善意だけでは解決できない現実の問題の難しさに直面したと語っていましたが、その思いは本書におけるゴッサム兄妹にも反映されていることは想像に難くありません。

そして、メインの作画を担当したアーティストはデイビッド・フィンチ。1990年代後半からイメージ・コミックスで腕を磨き、2000年代にはマーベルの転機になったエピソード「アベンジャーズ・ディサセンブルド」や『ニューアベンジャーズ』の立ち上げに関わりました。

2010年以降の活躍の場であるDCでは、『ダークナイト:姿なき恐怖』『フォーエバー・イービル』(いずれも小社刊)などを担当している実力派です。重厚な絵柄は、DCの旗艦誌の一つである本シリーズの幕開けにふさわしいといえるでしょう。

また、「DC REBIRTH」では、本シリーズに続いてバットマン系列誌が多数立ち上げられています。以下、その一覧を記載します。

●『ディテクティブコミックス』
バットマンの発案で、バットウーマン(ケイト・ケイン)の指揮のもと、レッドロビン(ティム・ドレイク)、スポイラー(ステファニー・ブラウン)、オーファン(カサンドラ・ケイン)、そしてクレイフェイス(ベイジル・カルロ)がチームを組み、ゴッサムシティのヒーローを監視する謎の組織に迫る。

●『ナイトウィング』
ディック・グレイソンがニュー52でのスパイ活動からヒーローに復帰。梟の法廷の関連組織に潜入して、内部から壊滅させようとする。

●『バットガール』
バーバラ・ゴードンはニュー52後期に彼女の拠点となった街バーンサイドを離れて、沖縄、シンガポール、韓国、中国とアジア諸国をまたにかけて戦う。

●『バットガール&バーズ・オブ・プレイ』
ブラックキャナリー(ダイナ・ランス)、ハントレス(ヘレナ・ベルティネリ)とチームを組んだバットガールが、かつて彼女の使っていたヒーロー名“オラクル”を名乗る敵を追う。

●『オールスター・バットマン』
……ニュー52で『バットマン』のライターだったスコット・スナイダーが作画にジョン・ロミータ・ジュニアを迎え、トゥーフェイスを護送するバットマンの過酷な旅路を描く。

ちなみに『オールスター:バットマン』の第一巻『オールスター:バットマン:ワースト・エネミー』が、近々小社から刊行予定ですので、そちらもお楽しみにしてください。


さて、新たなシリーズに入り、バットマンの物語はどのような展開を見せるのでしょうか? 以下、あらすじをご紹介します。

▼あらすじ▼

ゴッサムシティに2人のヒーローが現れた。スーパーマンと同様の能力を持った覆面の2人組だ。彼らはお互いを「ゴッサム」、そして「ゴッサムガール」と呼び合う。かつてバットマンの側に立ち、彼を助け、彼から多くの経験を学んだメタヒューマンたちだ。しかし、もし彼らが悪に染まったらどうなるのか? そしてその責任がダークナイトに押しつけられるとしたら……。今、ヒーローの心を歪ませ、悪へと引き込む邪悪な力が解放された。バットマンと仲間たちには、決断の時が刻一刻と迫っていた。

▲あらすじ▲

正義そのもの意味や在り方を問うバットマン作品に相応しい重厚なストーリーを、ぜひお手にとって堪能してください。

さて、続いては同じタイミングで刊行された『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』をご紹介します。昨年公開されて話題を集めた映画『スーサイド・スクワッド』でも、一際ファンの心を掴んだダーク・ヒロイン、ハーレイ・クインの単独シリーズ『ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン』です。

ハーレイ・クイン:ダイ・ラフィン
アマンダ・コナ―、ジミー・パルミオッティ[作]
ジョン・ティムス、チャド・ハーディン他[画]
定価:本体2,300円+税
●好評発売中●

本書は、体裁上は「DC REBIRTH」シリーズで仕切り直されていますが、その内容は、世界観やアマンダ・コナ―&ジミー・パルミオッティ夫妻をはじめたとした制作陣を含めて、前シリーズ「ニュー52」から地続きになっています。

ちょっと頭のネジがユルんでいてバイオレントだけど、キュートな魅力が詰まったハーレイのキャラクターが、引き続き楽しめる快作です。

「DC REBIRTH」で新展開を始めたタイトルには「(タイトル名):リバース#1」として、導入のための特別号が刊行され、その後改めて1号から刊行されるというスケジュールでしたが、前シリーズからの路線を継続しているハーレイ誌については、現時点ではリバース号は存在していません。改めて1号から再カウントする形でハーレイ・クイン誌が刊行され、本書に収録している第1話でこれまでの登場人物紹介を行なっています。 

前シリーズからのファンの方は、引き続き彼女の魅力を堪能できるので、ぜひ本書をお手に取っ手ください。

今後もShopro Booksでは、「DC REBIRTH」シリーズ作品を刊行していくので、DCコミックスファンの方、広くアメコミを読まれる読者の方は、お楽しみにしてください。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう! 

(文責:山口)


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