2015年8月26日水曜日

デッドプール×スパイダーマン×ハルク、三つ巴で大乱戦!

「アメコミ魂」読者の皆さま、こんにちは! こんばんは! おはようございます!

担当編集の山口です。今回はいきなり本題に入らせていただきますね。

紹介する作品は、本日発売の『アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク』です。
『アイデンティティ・ウォー:デッドプール/スパイダーマン/ハルク』
ジョン・レイマン[作] リー・ガーベット他[画]
定価:1,800円+税
●好評発売中●
どうですか?

もうタイトルをご覧いただくだけで、アメイジングでインクレディブルでチミチャンガ(?)な予感がしますよね。

そのタイトルが示すとおり、本書はデッドプールスパイダーマンハルクが共演するクロスオーバー作品です。2011年6~8月に発売された3冊のアニュアル(年刊号/『アメイジング・スパイダーマン・アニュアル』#38『デッドプール・アニュアル』#1『インクレディブル・ハルクス・アニュアル』#1)をまとめた単行本の邦訳版となります。 詳しいバックグラウンド解説は、翻訳者・高木亮氏の渾身のコメンタリー(本書に同封)に譲るとして、ここではその魅力の一端でもお伝えできたらと思います。

さて、あらすじをちょっとご紹介しますと、舞台は「アース11638」と呼ばれる異次元世界。ひょんなことからその世界に飛ばされたデップースパイデハルクの3人(ちなみに彼らが元々いた世界は「アース616」と呼ばれている正史世界)は、億万長者のピーター・パーカードクター・ドゥームそのまんまの見た目で裏社会を牛耳るデスマスク、地獄で鬼神化したハルクといった面々と遭遇。なぜ彼らはパラレルワールドにワープさせられたのか? その裏には恐るべき陰謀が隠されていた……とまあ、このような筋立てになっております。

本書では、パラレルワールドに迷い込んだ3人のストーリーが、それぞれの目線でエピソードごとに分けて語られます。元の世界とのギャップに悩むスパイディ、パラレルワールドをそれなりに楽しんで過ごすデップー、どんな世界だろうとお構いなしに暴れ回るハルク。当代きっての人気ヒーローが、各々のキャラクターを生かしつつ、三つ巴で化学反応を起こす様はクロスオーバーならではの醍醐味。しかも、パラレルワールドのスパイダーマン、デッドプール、ハルクが事態をややこしくするので、ストーリーが二転三転し、先の読めない展開で最後まで読者を引きつけます。

また、本書で描かれるエピソードは、各ヒーローの本編とは直接関係ないので、キャラクターの基本設定さえ押さえておけばすんなり物語世界に入っていくことができます。これからアメコミを読み始めたいと思っている人に入門編としてオススメしたい1冊です。もちろん、コアなアメコミ・ファンの皆さまも、バッチリ楽しめることは言うまでもありません。

ちなみに、先々週ご紹介した『デッドプール VS. カーネイジ』も本日発売。本書と読み比べてデッドプールの魅力の幅を味わうなんて読み方も楽しいかもしれませんね。

それでは、また次回!


(文責・山口大介)