2017年7月17日月曜日

「バットマン:エターナル」ついに完結!



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

今年1月に刊行された『バットマン:エターナル<上>』。邦訳化を待ち望む声が大きかったビッグタイトルということもあって、600頁におよぶ大ボリュームにもかかわらず、多くの読者の方々から好評の声を聞くことができました。

そして、続く完結編となる『バットマン:エターナル<下>』が、いよいよ今週から店頭に並びます!

バットマン:エターナル<下>
スコット・スナイダー、ジェームズ・タイノンⅣ他[作]
ジェイソン・ファボック、ダスティン・グエン他[画]
定価:本体5,500円+税
◆2017年7月19日頃発売◆


ジム・ゴードン逮捕から端を発した様々な事件、その背後に潜む陰謀など、前巻で張り巡らされた伏線が結末へ向かって収斂されていきます。

下巻を読む前に、前巻までのあらすじをおさらいしましょう。

▼上巻のあらすじ▼

ゴードン市警本部長が逮捕されたことをきっかけに、ゴッサムの騒乱の日々は始まった。過失致死の濡れ衣を着せられたゴードンが、ブラックゲート刑務所に拘留され、彼の意志を引き継いだかに見えたジェイソン・バードは、バットマンと警察を敵対させ、ゴッサムを戒厳令下におく。バットマンと仲間たちはゴードンの無実を信じ、それを証明しようとするがその努力は報われず、街とバットファミリーを取り巻く状況は悪化の一途をたどっていった。

そのなか、ナロウズを中心に子供達はナノマシンによる奇病に倒れていく。その原因を探るため、レッドロビンとハーパー・ロウは東京へと向かうが、収穫はなかった。時を同じくして、自分の父親が三流ヴィラン、クルーマスターとしった少女ステファニー・ブラウンに莫大な賞金がかけられ、彼女はスポイラーと名乗り逃亡生活を余儀なくされる。キャットウーマンは生き別れの父親レックス・カラブレーゼと再会し、街に秩序を取り戻すために彼が築いた犯罪帝国を継承することを求められる。一方でバットマンは、アルフレッドの娘、ジュリア・ペニーワースと出会う。
当初、バットマンはゴッサムの騒乱の黒幕をカーマイン・"ローマン"・ファルコーネと睨んでいた。しかしファルコーネは傀儡にすぎず、より大きな計画の一部であることが判明する。突如現れたハッシュによって、アルフレッドが重体に追い込まれたとき、バットマンは彼こそがすべての背後で糸を引いていたと確信するが……。
▲上巻のあらすじ▲


前巻に引き続き、本書は2014年10月から2015年4月にかけて刊行された「バットマン:エターナル」誌28号から52号を一冊にまとめたものです。アメリカでは単行本全3巻で刊行されましたが、邦訳版では上下巻に編集し直して刊行。下巻にあたる本書は原書2巻の後半と原書3巻を収録したものになります。また、原書2巻に収録されていた「アーカム・マナー」誌と「キャットウーマン」誌のプレビュー(予告編)も収録しました。ちなみにこちらの2タイトルの刊行予定はございません(すみません!)。

前巻でバットマンと仲間たちは、解決のために奔走を続けたものの、事件の全貌は明らかになりませんでした。そのさなか、ウェイン邸でアルフレッドがハッシュに襲撃され意識不明に陥いるという衝撃の展開がありました。彼こそが黒幕かと思われましたが、事件は意外な展開となります……が、それは是非、本書をお手に取ってお確かめください。

「バットマン:エターナル」シリーズでは、クライム、テクノロジー、そしてオカルトといったゴッサムシティの様々な側面を紹介しつつ、週刊というハイペースで街を揺るがす難事件が続発。刊行のたびに、真の黒幕を予想する声が読者たちのあいだでわき起こりました。

これだけ大きなスケールで展開される作品に取り組むにあたり、製作側はライターだけでもスコット・スナイダーをはじめとして6人体制が敷かれました。全体のストーリーがまず用意され、個別のエピソードをライターが交代で書く体制で制作され、それぞれのエピソードにはライターならではの特色が出ています。

▲ジェームズ・タイノンⅣは、レッドロビンや
ブルーバードといったキャラクターが活躍する
エピソードを担当。バットマンを中心に据えつつ、
瑞々しい若者ヒーロー像を創出しました。

▲コリガンとバットウィングのアーカム調査を通じて、
超自然、オカルト的な恐怖を描き出したレイ・フォークス。

大ボリュームならではのダイナミックな展開が本シリーズの魅力ですが、担当ごとに変わる作品の味わいに注目しながら何度も読み返せば、その都度、新たな発見があるかもしれません。なんせ本書は584ページ。上巻と合わせると1184ページという大書です。ぜひ何度も読み直してもらいたい……というより読み直して、この作品の魅力を深く味わってもらいたいです。

それでは今週はこの辺で。また来週お会いしましょう!

(文責:山口)


▼お気に入りの記事がありましたら、ぜひ皆様のSNS等でご紹介してください。ただし、画像の無断転載はご遠慮ください。

▼ご意見・ご感想・ご指摘・邦訳希望・翻訳者希望・持ち込み企画などは、本ブログの下段にある「メッセージを送る」を押していただき、指定の送信フォームからお送りください(携帯からはウェブバージョンにてご対応ください)。