今回ご紹介するタイトルは『デッドプール:スーサイド・キングス』です。
▲ 『デッドプール:スーサイド・キングス』 マイク・ベンソン、アダム・グラス[著] カルロ・バルベリー、ショーン・クリスタル[画] 定価:本体2,000円+税 ●9月26日発売予定● |
ちょうど1年前に刊行し話題を呼んだ、デッドプール単独誌初邦訳の『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』においても、クールでお茶目な冗舌ぶりが発揮されていましたが、本書ではさらにパワーアップしたデップーが大活躍!
▲ 『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』 ヴィクター・ギシュラー[著] ボン・ダゾ「画」 定価:本体2,800円+税 ●好評発売中!● |
そして、彼の最大の特徴が「第四の壁の突破」にあります。「第四の壁」とは演劇用語で、舞台を一つの部屋とした場合、演者と観客との間にある目に見えない壁のことです。その「第四の壁」を突破するということは、本来フィクションであるはずの演者が観客に語りかけたりする行為を意味します。デッドプールは、キャラクターの特性として「第四の壁の突破」ができる設定になっているので、二次元(コミック)のキャラクターであることを自覚する発言や読者へ語りかける場面がよくでてきます。この設定こそが、デッドプール人気を支えているといっても過言ではありません。コミック以外では『MARVEL VS. CAPCOM3』という格闘ゲームにも登場しましたが、その時の技も、体力ゲージバーで相手を殴るといったように、見事「第四の壁」を突破してくれました……(笑)。
では、そんなデップーが四方八方暴れ回る本書のあらすじを紹介しましょう。
我らの“冗舌な傭兵”のもとに、100万ドルの暗殺依頼が舞い込んだ。だが、高額な暗殺の裏には、大いなる陰謀が仕組まれていた。罪のない一般市民を殺害したという濡れ衣を着せられたデッドプールは、あろうことかパニッシャーに命を狙われることになる。しかし、彼の無実を信じる者もいた。その名はデアデビル……。暗黒街の仕置人パニッシャーを前にして、恐れを知らぬ男に勝ち目はあるのか――!?
あらすじだけでも面白そうですよね! 背中に背負った刀を振り回しながらのバトルアクションや、パニッシャーにデアデビルといったゲスト出演キャラクターたちとのやりとりも見逃せません。また、マーベルを代表するスパイダーマンも本書に登場し、デッドプールとの引用合戦を繰り広げます。それをデアデビルが仲裁しようとするも、結局二人は聞く耳を持たず、デアデビルは諦めてその場を去ってしまうというシュールな場面もあり、ゲストキャラクターファンも楽しめることでしょう。
物語の後半では、そのヒーローたちが力を合わせてレッキング・クルーと戦うのですが、それぞれの能力や戦術を駆使したド派手なバトルシーンも圧巻です。とはいえ、やっぱりデッドプールのコメディアンな一面が最大の魅力かと。注意して見てみると、あの有名ボクサーが“Pool-O-Vision”に写り、きつい一発をもらったりなど思わずニヤリとしてしまう小ネタもありました! ぜひ、ご自身の目でそのシーンを探してみてください。
本書は、ミニシリーズ「デッドプール:スーサイド・キングス」に加え、ワンショット「デッドプール:ゲームズ・オブ・デス」というもう一つエピソードが収録されております。いずれも純粋な読み切り作品であり、気軽に楽しむことができると内容になっていると思います。
「デッドプール:ゲームズ・オブ・デス」はそのタイトルからも連想されるように、参加者9名の戦士によるサバイバルゲームです。
彼らは、最後に残った一人が手にすることのできる多額な賞金のため、それぞれ生死を賭けた試練に挑戦することになるわけですがその内容が凄まじい……。そんな過酷なサバイバルゲームに、デッドプールがとある高額報酬の依頼のために“ウー・ピン・ユァン導師”のマスクを被って、参加しちゃうというストーリーです。果たして、ゲームの行方は――!?こちらも、デップーが冗舌とともに大暴れしていますので合わせてお楽しみいただければと思います。
ということで、マーベルのスーパーヒーローとは一風変わったキャラクターのデッドプール。
そのハチャメチャな活躍ぶりを一度見たら、必ず彼のファンになってしまうことでしょう!?
ただし、電車の中で読むには注意が必要です! 思わず、プッと吹き出してしまうことも(笑)。発売予定日は9月26日頃。ぜひ、お手に取っていただき、究極の2.5次元キャラであるデッドプールの活躍を思う存分楽しんでいただければと思います。
過去の記事『「デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス」を語る』もあわせてご一読ください。
それではまた次回に。
(文責:渡辺直経)