読者の皆様、こんにちは! 「アメコミ魂」ライターの乙間です。
今年は日本でも盛り上がりをみせたBATMAN DAYですが、先日刊行した『バットマン:マッドラブ 完全版』や『バットガール:バーンサイド』はもう読んでくれましたか? 特に『バットマン:マッドラブ 完全版』は、発売後にすぐ重版がかかり、本書を望んでいた読者の皆様には大変喜んでいただいております。読もうかどうしようか迷っている人は、アメコミ魂の記事を参考にしてください!
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さて、今週は10月19日頃発売の『アクアマン:アトランティスの王』を紹介します。アクアマン単独誌は、おそらく初邦訳だと思います。本日はアクアマンの魅力をできるだけわかりやすく、お伝えできればと思っております。
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また、2017年公開予定の映画『ジャスティス・リーグ パート・ワン(原題)』に続き、2018年公開予定の映画『アクアマン(原題)』もアナウンスされており、今後の活躍が楽しみなキャラクターです。アクアマンを演じるのは、ハワイ出身の野性味あふれる俳優ジェイソン・モモア。映画『コナン・ザ・バーバリアン』(2011)のコナン役、テレビドラマ『ゲーム・オブ・スローンズ』(2011-2012)のカール・ドロゴ役で知られています。
現時点では、スーパーマンやバットマンと比べると、アクアマンはまだまだ知名度が低いと思いますが、映画が公開されれば、知名度も上がり、一躍人気者になるはずです。
映画公開までまだ少し時間はありますが、アクアマンが全国に知れわたる前に、本書『アクアマン:アトランティスの王』で予習をして、お友達にちょっとした薀蓄を語れるぐらいまでになっておいてください!
本書『アクアマン:アトランティスの王』は、2011年から2012年に発表した「アクアマン」#1~#6をまとめたTPB(合本)第1巻が底本になります。詳細は後述しますが、日本語版は原書4巻を日本独自編集で全3巻にまとめて刊行する予定です。
気になる本書のライターは、DCコミックスのチーフ・クリエイティブ・オフィサー(とにかく偉い人なのだ!)を務めつつ、数多の作品を手掛ける人気ライターのジェフ・ジョーンズ。ジェフ・ジョーンズは、同時期にニュー52シリーズの代表作『ジャスティス・リーグ:誕生』(小社刊)と『グリーン・ランタン』を発表しています(ちなみに『ジャスティス・リーグ:誕生』は発売以来、数回重版をしておりますが、また増刷すると思います!)。
本書のアーティストは、近年では、ジェフ・ジョーンズとタッグを組んだグリーン・ランタン作品で知られるブラジル出身のアイヴァン・リースと、同じくブラジル出身のジョー・プラド。彼らの緻密なアートをぜひ本書でご堪能ください。
また、本書は、今までの設定を再構築した「ニュー52」シリーズ版の第1巻にあたりますので、『ジャスティス・リーグ:誕生』同様、予備知識がなくとも本書から読みすすめていけば充分楽しめます。しかし、少しだけアクアマンの予備知識があったほうが本書をより楽しめると思いますので、誕生から長い歴史を持つキャラクター“アクアマン”の過去の設定などはここではあまり触れずに、アクアマンの魅力に迫っていきたいと思います。
まずは、アクアマンのデータを見てみましょう。
アクアマン
初登場:「モア・ファン・コミックス」#73(1941年11月)
NEW 52版初登場:「アクアマン(Vol.7)」#1(2011年11月)
本名:アーサー・カリー
拠点:ボストン、アムネスティ・ベイ、アトランティス
身長:185.4センチ
体重:147.4キロ
瞳:ブルー
髪:ブロンド
協力者:スティーブン・シン、メラ、バットマン
敵対者:オーム、キメラ、ブラック・マンタ
所属:ジャスティス・リーグ(アクアマンは創設メンバーの一人)他
特殊能力:怪力、超人的な反射神経、耐久力を備える。
水中で呼吸ができ、テレパシーを使って海洋生物と会話ができる、など。
1941年発売の「モア・ファン・コミックス」誌で初登場を飾ったアクアマンは、ワンダーウーマン同様、今年で生誕75周年になります。75周年を祝したベストなタイミングで、本書『アクアマン:アトランティスの王』は日本で発売されることになりました!
アクアマンは、1962年に「アクアマン」誌が発売され、ソロタイトルがスタートしました。以降、「アクアマン」誌は50年以上続いており、ニュー52版である本書がVol.7(「第7シーズン」と言い換えたほうがわかりやすいかもしれません)、現在連載中のリバース版がVol.8(第8シーズン)になります。
ちなみに、ずいぶんと体格のいいアクアマンですが、いまいち想像がつかなかったので、同じ身長と体重のスポーツ選手や有名人を探してみたところ……全盛期の第65代横綱・貴乃花とほぼ同じ体格でした!
では、『アクアマン:アトランティスの王』をより楽しんでいただくために、本文サンプルとともにアクアマンの周辺情報を少しだけ紹介してまいります。
▼アクアマンは地上人と海底人のハーフ
アクアマンは灯台守である父親トム・カリーと海底王国アトランティスの女王アトランナの間に生まれました。ということは……日本語の邦題にあるように、アクアマンには「アトランティスの王」になる資格があるということですね。
▼アクアマンはいじられキャラ!?
アクアマンというヒーローは、アメリカでは時節ジョークのネタにされ、過小評価されてきたキャラクターでした。寿司ジョークのネタにされたり、パロディ動画が上がったり、米バラエティ番組『サタデー・ナイト・ライブ』でコントのネタにされたりすることもあったそうです。DCコミックスの公式サイトにあるアクアマンの紹介文にも下記のような文言があります。
"Make all the sushi jokes, YouTube spoofs, and SNL sketches you want,..."
本書を読むとわかると思うのですが、周囲の人たちはアクアマンに冷たく、どこか小ばかにしています。アクアマンに援護してもらった警察もアクアマンに感謝すらしません。アクアマンが父親との想い出のあるシーフードレストランで食事を楽しもうとしても、他のお客さん達は彼を嘲笑するかのごとく接するのです。
“いじられキャラ”のアクアマンというイメージを逆手にとり、コミックの世界においても彼に対する偏見をうまく取り入れております。彼に対する偏見を描くことで、新しいアクアマン像が浮き彫りとなり、これからの彼の行動がより際立っていくのです。
▼美女メラの存在
そんなアクアマンを支えてくれる理解者がいます。水を自在に操る能力を持つ美女メラです。彼女の正体や彼女との出会いは今後の物語に関わるので割愛しますが、アクアマンのよき理解者であり、恋人のような存在がアクアマンにもちゃんといるのです。
▼エイリアンのようなトレンチとは!?
本書『アクアマン:アトランティスの王』の原題は"AQUAMAN Vol. 1: THE TRENCH"です。副題にある"TRENCH"とは「深い溝」を意味する言葉で、「海溝」の意味もあります。本書の冒頭から出てくる謎のエイリアンがトレンチという海底種族なのですが、 海溝を住処にしているから「トレンチ」なんですね。今回はこのトレンチが暴れ回ります。
▼謎の協力者シン博士
アクアマンにはメラの他にも協力者がいます。本書初登場のスティーブン・シン博士です。現段階では、真の協力者なのかどうかは不明ですが、アクアマンとシン博士には何やら深い過去がありそうなんです……。メガネをかけた東洋人のような人物がスティーブン・シン博士。
おっと! 今日はここまでです(笑)。
人気ライターのジェフ・ジョーンズが脚本を書いているだけにお話がホントに面白いので、ついつい先々のことまでご紹介しそうになりました……。この記事だけを読んでも物語の全体像が見えないと思いますが、ちょっとでも面白そうだなと感じていただければ幸いです。
周囲から偏見をもたれるアクアマンは、自分を信じて世界のために活動する。それを支えるメラやシン博士。彼らは初めからアクアマンを支えていたのか……。そして海底からは謎の怪物トレンチが出現し、街は大混乱。そのトレンチがトリガーとなり、回り出したアクアマンとアトランティスの関係……続きはいかに!
『アクアマン:アトランティスの王』は10月19日頃発売です!
最後に、記事の冒頭で本シリーズの邦訳版「アクアマン」は第3巻までを刊行する旨をお伝えしましたが、原書をご存知の方は、小社刊行のジャスティス・リーグ第3巻『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』との重複部分はどうなるのか、気になっている方も多いかと思います。原書のアクアマン第3巻とJL第3巻は内容がほとんど重複しているんですよね。
私たちは下記のようなかたちでの刊行を考えています。
【第1巻】『アクアマン:アトランティスの王』
※原書"AQUAMAN Vol. 1: THE TRENCH"が底本です。
【第2巻】『アクアマン:王の遺産』
※原書"AQUAMAN Vol. 2: THE OTHERS"を底本に、"AQUAMAN Vol. 3"で『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』と物語が重複していない「AQUAMAN #0」と「AQUAMAN #14」を追録。
【第3巻】『アクアマン:王の最期』
※原書"AQUAMAN Vol. 4: DEATH OF A KING"が底本です。
すでに『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』を購入していただいている読者さんのことを考え、上記のような編集方針にいたしました。ただし、『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』が未読で、このアクアマンの話をコンプリートしたい人は、『ジャスティス・リーグ:アトランティスの進撃』を必ず読まなければなりませんけどね!(笑)
来週は、デッドプールのマーベル・ナウ!シリーズが最終巻となりますので、“祝「デッドプール/マーベル・ナウ!」シリーズ完結!最終巻『デッドプール:オール・グッド・シングス』発売!”を投稿いたします。ご期待ください!
では、また来週火曜日の正午に。
(文責:乙間萌生)
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