2020年3月31日火曜日

ハーレイのオリジンストーリー『バットマン:マッドラブ 完全版』



アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!
最近は新型ウイルスの影響で各地で問題が起きておりますね……。アメコミ関係では、原書の流通が止まってしまっていたり、『ブラック・ウィドウ』『ワンダーウーマン 1984』の公開も延期になってしまいました。
大変な時期ですし、皆さまお体には気を付けてくださいね。


さて、本日の話題は現在映画にもなっており話題のヒロイン、ハーレイ・クインについて。現在公開中の『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYでは、恋人のジョーカーとは別れたハーレイが描かれています。しかし、そんなあらすじを聞いてこんなことを思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。


そもそもハーレイとジョーカーの馴れ初めっていったいどんな話なの? 
つき合っているときの二人はどんな様子だったの?


そんな疑問を持った読者の方も、そうでない方にもお勧めの作品がこちら、『バットマン:マッドラブ 完全版』になります。




こちらの作品はハーレイ・クインの誕生秘話を、ハーレイの生みの親であるポール・ディニとブルース・ティムがコミックスとして描いた作品です。原作は1994年に描かれた少しクラシックな作品ではありますが、漫画のアカデミー賞とも呼ばれるアイズナー賞を受賞した作品でもあり、不朽の名作とも呼べる作品です。

▐ ハーレイの初登場は?


ハーレイが初登場したのは1992年の9、アニメ「バットマン:ジ・アニメイテッドシリーズ」のお話の中でした。そこでジョーカーのパートナーとして登場したハーレイは、コミックスの世界に逆輸入されるかたちで、翌年から登場するようになりました。

バットマンやジョーカー、それに今やハーレイの強い結びつきを持つポイズン・アイビーらと比べると、かなり新しいキャラクターです。それでも単独作品や、『ヒーローズ・イン・クライシス』などで主役級をつとめるなど、彼女の持つ人気はすごいものになっています。


▐ 健気でクレイジー? ハーレイのマッドラブ


前置きが長くなりましたが、『バットマン:マッドラブ』のご紹介です。
物語はバットマンを倒すことに執着しているジョーカーと、そんなカレに夢中のハーレイ、そしてそんなカップル(?)に狙われるバットマンのお話です。

冒頭でジョーカーはゴードン本部長を狙うことでバットマンを釣りだします。しかし折角おびき寄せたバットマンも結局倒せずじまい。さらにはハーレイが繰り出すジョークが気に食わず、ジョーカーはご立腹です。






そんなジョーカーをとにかく愛してやまないハーレイは彼を誘惑しようと奮闘しますが、ジョーカーは目にもくれません。とにかくバットマンを倒す作戦を練るのに必死。挙句の果てには部屋から追い出されてしまいます。しかし、ひどい目にあってもハーレイはジョーカーを恨んだりしません。彼女はこう思います。「バットマンがすべて悪い!」
こうしてバットマンを倒すためにハーレイはとある計画を企てます。




果たしてハーレイは諸悪の根源バットマンを打ち倒し、愛しのミスターJと結ばれることはできるのでしょうか? ハーレイの健気でクレイジーな魅力がたっぷり詰まっている物語、ぜひご堪能下さいね!


▐ ハーレイ・クインの誕生秘話



本書ではハーレイとジョーカーの出会いも語られています。
体操の成績が良く、学問においても真面目で優秀(?)であったハーリーン・クインゼル。成績優秀な彼女は、あのアーカム・アサイラムでインターンに参加します。そしてそこで早々に運命の出会いを果たしてしまいます……そう、犯罪界の道化王子と初対面してしまったのです。



ジョーカーと関わるうちにあっという間に彼の魅力にメロメロになってしまったハーリーン。そんな彼女は強すぎる愛から突飛な行動に……? ハーレイのオリジンストーリーにも注目してくださいね。


▐ アニメ「バットマン」を手掛けた二人による物語


この作品の魅力に一つは、アニメーターであるブルース・ティムによって描かれるアート。アニメーターである彼が描くアートは、他のアメコミとは少し異なり、どこか可愛らしさも感じられます。このアートもあってか、描かれるジョーカーは残虐さだけでなく、コミカルさが強く出ているように感じられますし、ハーレイもクレイジーさを出しつつも非常に可愛らしい印象を持てるのではないかなと思います。昨今描かれるものとはまた違った、彼らの魅力を発見できるのではないでしょうか。



それでは、今回のアメコミ魂はここまでです。
次回の更新もお楽しみに。


(文責:比嘉)
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