2018年9月18日火曜日

ミーハー心をくすぐる『インビンシブル・アイアンマン:ウォーマシン』

アメコミ魂をご覧の皆さま、こんにちは!

「アメコミ映画は好きだけど、コミックスは分かりづらくてなんだか苦手…」

…本日ご紹介するコミックスは、そんな方にこそ読んでほしい、ド派手で面白く、ミーハー心をくすぐるとってもキャッチーな一冊です!

特に日本人にはものすごく楽しめる内容になっていると思います。

本日はそんな魅力がギュッと詰まった『インビンシブル・アイアンマン:ウォーマシン』をご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。

ブライアン・マイケル・ベンディス[作]
マイク・デオダート・ジュニア[画]
定価:本体2,100円+税
●2018年09月20日頃発売●


ミーハー心をくすぐる作家


作家は、マーベル・コミックスの重鎮ブライアン・マイケル・ベンディスです。

アメリカで最も権威ある漫画賞である「アイズナー賞」を5度も受賞、現在のMCU興隆の礎ともいうべき「アルティメット・マーベル」レーベルを立ち上げた中心人物の一人です。
2000年代半ば以降はアベンジャーズ系列誌を担当し、マーベル・ユニバースの主流を牽引してきた作家といっても過言ではありません。

彼の作品の特徴は、何と言ってもキャラクターが喋りまくることです。
本作でもキャラクターのセリフのフキダシが、ページ狭しと小気味よく連射されます。
ぜひマイケル・ベンディス節をご堪能ください。

▲一枚絵を短冊風にパネルで分割するのもマイケル・ベンディス風


ミーハー心をくすぐる舞台


そして、そんな大作家であるマイケル・ベンディスが本作の主要舞台に選んだのが日本です。

大阪、東京、横浜、また大阪、熊本と、作品通じて日本が登場するので、日本人にとっては、それだけでも大変楽しめる内容になってます。

「世界でも有数の人口密度の都市で、鎧姿の男一人を探しまわるなんてね。」

…と言って、東京の上空をスウィングする"親愛なる隣人"スパイダーマン、熊本中央警察署に現れるウォーマシン、大阪上空に浮かぶ巨大なヘリキャリアと勢揃いしたアベンジャーズなど、日本人が見たら胸熱なシーンがいくつもあります。

(※とはいえ、大阪で車を持ち上げたウォーマシンが一瞬で東京に移動したり、大阪にあるバイオハック忍者のアジトの背景がどう見ても新宿だったりと、ツッコミどころもありますが、そこはご愛敬ということで^^)

先ほど、スパイダーマン、ウォーマシン、アベンジャーズについて軽く言及しました。
そう、本誌はアイアンマン単独誌であるにも関わらず、綺羅星の如く魅力的なマーベルキャラがたくさん出てきて、読者のミーハー心をくすぐるんです!

以下少々ネタバレを含みますが、本書に登場するキャラクターをご紹介していきます。
(中には、「誰それ?」というキャラクターもいらっしゃるかもしれません。そういう方には、本ブログで予習していただいてからコミックスを手に取っていただけたら、より楽しめると思います。)


ミーハー心をくすぐるキャラクターの数々


まずはアベンジャーズです。

▲オールニュー・オールディファレント版アベンジャーズ

・・・といっても、映画マーベル・シネマティック・ユニバースに出てくるアベンジャーズとは大分メンバー構成が異なります。

コミックス史では2015年に、アース616とアース1610という二つの異世界が融合した「シークレット・ウォーズ」によってユニバースの再構築が行われ、続いて始まった「オールニュー・オールディファンレト」シリーズで、アベンジャーズも大幅なメンバー再編成が行われました。

以下本誌に登場する主要メンバーをご紹介します。

ノバ

本名サム・アレクサンダー。銀河警察機構ノバ・コァの一員。ガーディアンズ・オブ・キャラクシーのガモーラとロケット・ラクーンから、かつてノバ・コァの一員であった父親のヘルメットを渡され、ノバになりました。

スパイダーマン

本名マイルズ・モラレス。別次元「アルティメット・ユニバース」(アース1610)からやってきた"もう一人の"スパイダーマン。
※アルティメット・ユニバースとスパイダーマンについては、こちらのブログで詳しくまとめています。

ソー

本名ジェーン・フォスター。ハンマーを持てなくなった従来のソー(ソー・オーディン)の後継者。
※小社ヒット作『スパイダーマン/デッドプール:ブロマンス』にもゲスト出演しています。

キャプテン・アメリカ

本名サム・ウィルソン。元ファルコン。本書の時点でスティーブ・ロジャースは超人血清の効果が消え急速に老化が進んだため、キャプテン・アメリカの座をサム・ウィルソンに引き継ぎました。

ビジョン

かつてウルトロンによって作られた人造人間で、スカーレットウィッチの元夫。新生『アベンジャーズ』#0では、自身の完璧な記憶力と人間の感情の衝突によって生じるフラッシュバックに苦しむビジョンが、感情を除去するシーンからシリーズが始まりました。

ミズ・マーベル

本名カマラ・カーン。「ミズ・マーベル」を名乗った4人目の女性。テリジェンの雲によってインヒューマンズの一員となり、体を自在に変化できる能力を手に入れました。

・・・アベンジャーズ以外にも気になるキャラクターが続々登場します。

アイアンハート

ネタバレになりますが、本書の後「将来犯すことになっている罪で人を裁くことができるか?」という問題をめぐってヒーロー同士が争う「シビル・ウォーⅡ」イベントが勃発します。

そして事件収束後、トニー・スタークはアイアンマンを引退し、その後を継ぐのがアイアンハートことリリ・ウィリアムズという15歳の天才少女です。
(前巻『インビンシブル・アイアンマン:リブート』冒頭で、その存在がトニー・スタークの台詞の中で語られていました。)

本書では、リリがいかにしてアイアンハートになるか、そのオリジンの一端が語られます。

特にリリが友人とヒーロー名を相談するシーンが大変微笑ましいです。

▸リリ:「アイアンマンがもし女の子だったらどんな名前かな?」
▹友人:「アイアンレディ」
▸リリ:「だめ」
▹友人:「アイアンウーマン」
▸リリ:「月並みって感じ」
▹友人:「アイアンメイデン」
▸リリ:「うげ」「それでもアベンジャーズのファンなの?」
▹友人:「わたしが好きなのはディフェンダーズよ」

アイアンハートの活躍は、小社既刊『スペクタキュラー・スパイダーマン:イントゥ・ザ・トワイライト』にも出てきますので、よろしければぜひご覧ください。

ゴースト

大ヒット上映中の『アントマン&ワスプ』に、すべてをすり抜ける神出鬼没の謎の美女「ゴースト」が登場します。

本書でも、性別は男ですが、トニー・スタークの研究室の壁をすり抜けて侵入する同名ヴィランが登場します。

ユキオ

映画『デッドプール2』(2018年)でキュートな天然キャラが人気を博したユキオの(おそらく)元ネタとなった同名女性が登場します。

コミックス版のユキオは『ウルヴァリン』#2(2010年)でウルヴァリンに襲われたことが原因で、現在は車椅子に頼って生活しています。

トモエ

バイオハック忍者軍団を操る黒幕として、本書が初登場となる人物です。
その名のとおり日本人で、前述のカマラ・カーン同様、テリジェンの雲によって特殊能力を獲得しました。

その能力は稼働している機械を操る力で、この能力を使って、ウォーマシンやアイアンマンのアーマーを奪取し、逆に自らのアーマーにしてしまいました。

※「テリジェンの雲」について、知らない方は「何じゃらほい?」という感じだと思います。
簡単ですがこちらのブログで説明してますので、ご確認ください。


ミーハー心をくすぐるマシーンの数々


ところで本書邦題サブタイトルは「ウォーマシン」です。

「ウォーマシン」といえば、トニー・スタークが開発したアーマーで戦うジェームズ・ローズ(愛称ローディ)ですが、実は原書サブタイトルは「WAR MACHINES」と複数形になっています。

つまり本書はローディだけでなく、自らアーマーを開発したリリ・ウィリアムズ、他人の機械を自らのアーマーにして戦うトモエも、注目キャラクターとしてスポットを当てているのだと思います。

▲15歳のリリが開発したアーマー

本書の作画を担当したマイク・デオダード・ジュニアは、リアリティのある細かい陰影の描写が特徴の作家で、精緻なアーマーが多数登場する本書にうってつけのアーティストといえます。

読者の皆様には、マシーンや背景の細かい描写も注目して本書を楽しんでいただければ幸いです。

以上、今週のアメコミ魂はこの辺りにさせていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

来週と再来週のアメコミ魂では、ShoPro Booksの11月~1月新刊ラインナップ(予定)を、DC編とマーベル&スター・ウォーズ編の2回に分けて発表します。
お得なプレゼントもご用意する予定です。火曜日正午の更新をぜひお楽しみに!

(文責:小出)

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